カテゴリー「TPP」の30件の記事

2012年2月 9日 (木)

やはり全物品を関税撤廃対象としていた日本政府

TPP参加に向けた関係国との協議が始まっている。

 米国との事前協議は米国ワシントンDCで2月7日午後(日本時間8日未明)から始まった。
 
「欺瞞と策略に満ちたTPP交渉への日本参加」方針だ。
 
昨年11月に米国ハワイで開かれたAPEC総会。
 
 この場で野田佳彦首相は、
 
「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入ることを決めた」
 
ことを表明した。
 
 これに先立つ民主党内の協議では、交渉参加への反対意見が多数を占めた。政府には慎重な対応を求めた。
 
 これを受けて野田首相は
  
「TPP交渉への参加」
 
とは言わず、
 
「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」
 
と述べた。

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国内の反対派は、「一歩踏みとどまらせることができた」とコメントしたが、これは間違いだ。
 
 TPP交渉に参加する場合、新規参加国が一方的に「参加する」と明言して参加できるわけではない。
 
 すべての交渉参加国が新規参加意向表明国の参加を承認して初めて新規参加が許される。
 
 日本がTPP交渉に参加する場合には、まず参加意思を表明して関係国との協議に入ることが、その具体的なプロセスになる。
 
 野田佳彦氏が述べたのは、TPP交渉への参加に向けて、日本がそのプロセスに入ることを述べたもので、これを内容から捉えれば、「日本がTPP交渉参加への意思表示をした」ことになるのだ。
 
 この「真実」を説明せずに、国内反対派に対して、あたかも反対意見にも配慮したかのように見せかける行為、ここに野田佳彦氏自身の欺瞞体質が鮮明に表れている。
 
 手口が姑息なのだ。

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TPP交渉への参加意思を表明する場合、すべての物品・サービスを交渉のテーブルに載せることを表明する必要がある。
 
 日米首脳会談で、日本サイドがこのスタンスを表明したとの米国公式文書が問題になった。
 
 追求に対して野田氏は首脳会談の席上で野田氏がそのような発言をしていないと弁明したが、米国公式文書に記載された、日本政府のスタンスについての記述については取り消しを求めなかった。
 
 問題の本質は、野田氏が発言したのかどうかではない。日本政府の意向として、すべての物品・サービスを交渉のテーブルに載せる方針を示したのかどうかなのである。
 
 この処理もうやむやにされていたが、やはり予想通り、日本政府がすべての物品・サービスを交渉のテーブルに載せる意向が示されていたことが判明した。
 
 日本は独裁国家ではない。民主国家なのだ。野田氏が主権者国民に真実を隠して、主権者国民の意思に反する行動を取ることは許されない。
 
 日本の政治構造の根幹を踏みにじる暴挙である。
 
 日本は国民主権の国家である。国政は国民の厳粛な信託によって行われるものである。そして、首相はこのことを定めた日本国憲法を擁護し尊重する「義務」を負っている。
 
 野田氏は民主党の党首でもある。民主党内で反対意見が多数を占めているTPP交渉への参加について、首相が独断で参加意思を表明すること自体が間違っている。

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自由貿易自体を否定しているのではない。自由貿易は相互に利益をもたらすものである。しかし、自由貿易が万能なのではない。自由貿易に伴う弊害も存在する。その弊害とのバランスによっては、自由貿易に制限を設定することはあっておかしくない。
 
 日本の関税率のなかには、コメ778%、砂糖328%、バター360%など、例外的に高率の関税率が設定されているものがある。コメ生産、沖縄のサトウキビ農家、北海道などの酪農の存続を守るためである。
 
 日本がTPPに参加する場合、TPPが例外のない関税撤廃を原則としていることから、10年の経過措置を経て、これらの品目の関税率がゼロに設定される可能性が高い。
 
 その場合、日本のコメ生産の大半、沖縄のサトウキビ生産、北海道などの酪農が、壊滅する可能性が高い。
 
 農家1戸当たりの農地面積は、日本を1とすると、米国は99、オーストラリアは1900である。農業の規模がまったく比較にならない。
 
 米国のカリフォルニアで、日本向けの品種改良が進めば、日本のコメ生産はほぼ壊滅するだろう。沖縄の砂糖、北海道の酪農も同じだ。
 

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 日本にとってコメは単なるひとつの経済生産物ではない。日本人の主食であり、少なくとも3000年の歴史を持つ、まさに日本文明の根幹の一部をなす、重要な存在がコメである。
 
 地域社会、農村共同体は、コメ生産と不可分に結びついてきた。
 
 TPPに参加し、コメの関税を撤廃し、農業を市場原理主義だけで統制することは、とりもなおさず、日本文明を破壊することに直結する。
 
 このような重大な内容を含む重要事項を、主権者国民の意思に反して、国民の信託をも受けていない首相が、独断で諸外国と交渉を進めて良いわけがない。
 
 政府がTPP参加に向けて暴走している現状を踏まえ、国会が政府行動を厳しく追求し、政府の暴走を止めなければならない。

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お知らせです。
 
 昨日、岩上安身氏のインタビューを受けました。
 
 U-STでアーカイブ放送されているのでぜひご高覧下さい。
 
 1週間はアーカイブで閲覧可能とのことだが、その先は、岩上氏の有料サイト会員専属のアーカイブに格納されるということなのでご注意ください。

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Photo日本国憲法第36条に以下の条文がある。
 
36 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。
 
日本には「死刑」という刑罰があるが、これが、「残虐な刑罰」に該当するのではないかとの見方がある。
 
2月4日から東京渋谷のユーロスペースで死刑映画週間が始まった。
死刑映画の上映とトークショーが開催される。
「「死刑映画」は「命の映画」だ」のコピーの下、問題作が連日上映され、作家などによるトークショーが行われている。
 
ユーロスペース1 死刑映画週間
 
死刑制度に賛否両論があるが、この機会にイベントに参加して、各自の思考を深めてください。

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2012年1月23日 (月)

自民党大会がTPP推進モンサント米倉氏にヤジ

「天下り根絶なき消費増税粉砕」

 これが民主党の公約だ。
 
 野田首相方針を「天下り根絶なき消費増税」方針を全面攻撃して正論を提示する民主党議員の、
 
 街頭演説動画こちら
 
 国会演説動画こちら
 
を、さらに広く拡散いただきたい。
 
 メルマガ読者が教えて下さったが、
 
夕刊フジとしんぶん赤旗がこの衝撃動画映像を紹介した。
 
 夕刊フジはパクリの高橋洋一氏の執筆記事で、情報入手元を明かさずのパクリ記事、しんぶん赤旗は、街頭演説年月日を2009年8月15日と特定した。
 
 夕刊フジ
 
 しんぶん赤旗
 
 さらに、高橋洋一氏ルートを伝ってだと思われるが、中川秀直氏までが、同じ街頭演説文字起こし原稿を引用するに至っており、情報拡散は幾何級数的に進行中である。
 
 中川秀直氏ブログ
 
 通常国会で、映像の視聴ないし、音声の紹介が行われることは間違いないだろう。議員はテレビ中継に合わせてこの問題を紹介するべきだ。
 
 民放各社も、視聴率競争があるから、最後は競って衝撃映像を放映することになるだろう。早い者勝ちだから、一部の番組で、すでに仕込みに入っていると思われる。

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公務員に対する処遇としては、定年までの就業を保証すれば十分である。
 
 民間企業でも、退職後の就職の世話をするというが、基本的には定年の年齢までの就業保証に過ぎない。
 
 退職、就業を繰り返し、法外な退職金を稼ぐ利権を放置することは許されない。
 
 民間企業ではとうの昔に年功序列は崩れている。公務員の年功序列を排除して、定年までの就業を保証すれば、それ以上の面倒を政府が見るべきでない。
 
 官僚利権を根絶できなければ、この国の官権体質は永遠に変わらない。
 
 
 Photo さて、自民党の党大会に経団連会長の米倉弘昌氏が出席し、あいさつしたところ、「こんな奴に話をさせるな」などのヤジが飛んだそうだ。
 
 下品な話ではあるが、ヤジが飛ぶのもやむを得ないだろう。
 
 かつての経団連会長には、それなりの人格者が就任したこともあったが、直近、一、二代の経団連会長は、あまりにも小粒である。
 
 米倉氏は一生懸命にTPP推進の旗を振っているが、私利私欲の見地だけから意見を述べているに過ぎないと思われる。
 
 冷静にTPPを分析する限り、日本のTPP参加表明が妥当と考えられる根拠は皆無に近い。

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TPP参加賛成論を整理すると、その論拠は以下の三つに分類できる。
 
 第一は、「自由貿易は善いことだからTPPに参加するべきだ」とするもの。単純明快だが、単純すぎる。
 
 第二は、「日本は好むと好まざるとにかかわらず、いずれ必ずTPPに参加せざるを得なくなるのだから、早めに入っておくべきだ」というもの。
 
 第三は、「国内の、生産性向上が遅れている分野の改革を促進するには、TPPに参加してショックを与えた方が良い」というもの。
 
 概ね、この三つに整理できる。
 
 第一の、「自由貿易が善いこと」というのは、総論としては正しい。比較優位に基づいて生産を行い、国と国の間で交易することにより、経済活動全体のパイを大きくすることができる。一般論として自由貿易推進は正しい。
 
 しかし、世の中の何よりも自由貿易が重要というわけではない。自由貿易がもたらす弊害もある。メリットとデメリットを正確に分析して、その上で結論を得るのが正しいアプローチである。
 
「自由貿易は善いことだからTPPに参加すべき」論は、この意味で短絡的すぎる。
 
 第二は、外交自主権の放棄だ。日本が熟慮してTPPに参加すべきでないと判断すれば、TPPに参加しなければよいのだ。いずれ、米国に強制されてTPPに参加するのだと決めてしまうことは、日本が独立国ではないことを宣言するのに等しい。
 
 これと類似した判断として、日本は米国の機嫌を損ねることができないから、米国の機嫌を損ねないようにTPPに参加するべきと考える見解も、ほぼ同一である。独立国としての気概を持たなければ、国の尊厳など守れない。
 
 第三は、二つの問題を混同する乱暴な論議である。国内産業の活性化と、TPP参加問題は、まったく次元の異なる別の問題だ。二つを区別できないような、ち密さに欠ける論議では、国益を守れない。
 
 
 こうなると、重要なことは、TPP参加のメリットとデメリットを冷静に分析することとなる。
 
 結論を先走って述べれば、日本を含む10ヵ国のメンバーとしてTPPを考えた場合、日本のメリットは極めて限定的で、デメリットが非常に大きいと言わざるを得ない。
 
 政府は「アジアの成長を取り込む」と主張するが、中国の入らないTPPでアジアの成長を取り込むことはできない。
 
 日本外交の戦略性欠如を絵に描いたような失態が、野田政権の対応である。

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お知らせです
 
1月28日に天木直人さんと、現下の山積する内外諸問題について緊急対談することになりました。
この緊急対談の模様を、有料メールマガジン読者限定で、生中継動画配信いたします。
アーカイブ配信は有料メールマガジン読者限定で1月末まで実施します。
誠に申し訳ありませんが、2月入り後は、アーカイブ配信でも動画を見ることはできません。
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サタデーナイトライブ JAN.,2012 
天木×植草のリアルタイム時事対談
 
●日時:
2012
128日 土曜日 1900分 放送開始予定
 
●出演者:
天木直人(元外交官・作家)
 
植草一秀(政治経済学者)
 
※対談動画のご視聴方法詳細については、当日、有料メールマガジンにてお伝えいたします。
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欧州金融危機、原発事故、TPP、消費税、小沢一郎裁判の行方をはじめ、今後発生する諸問題を含めたニュース素材について、在来メディアが決して放映することのない、ニュースの真相と深層を、論客である二人が縦横無尽に一刀両断します。対談視聴をご希望の方は、ぜひこの機会に有料メールマガジンにご登録ください。
 
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2011年12月 6日 (火)

財務省と外国資本が切望する混合診療全面解禁

日本はTPPにするべきでない。

 TPPに日本が参加することは、米国に利益を供与するもので、日本にとってはトータルに見て損失が大きいからだ。
 
 野田佳彦氏は日本にとって損失が大きいものに参加する意向を表明した。その唯一の理由は、米国から命令を受けたことである。野田氏は、米国の命令に抗うことをせず、隷従した。
 
 その理由は、自分の身の安泰を図るためである。日本の政治家は次の宿命を負っている。米国にひれ伏し、米国の命令に隷従する者は米国の支援を受ける。逆に、米国にひれ伏さず、米国にもモノを言う者は米国から陰に陽にさまざまな攻撃を受ける。
 
 このため、大多数の政治家は米国にひれ伏し、米国に隷従する道を選ぶ。
 
 吉田茂氏を始祖とするこの系譜のなかで、近年で突出している存在は、小泉純一郎氏、菅直人氏、そして野田佳彦氏である。
 
 だから、私は小泉氏をポチ1号、菅氏をポチ2号、野田氏をポチ3号と呼んでいる。

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TPP交渉のなかで、日本が混合診療の解禁を求められる可能性があることが明らかにされた。この問題は、コメの関税撤廃と並ぶTPP問題の最重要のポイントである。
 
 混合診療とは保険を適用できる医療と保険の適用できない医療を併存させるというものだ。現行制度でも、一部先進医療については、混合診療が認められている。先進医療については全額負担だが、基礎医療部分については保険が適用される。
 
 医療費の増大が社会保障財政を圧迫する要因になっている。これから日本は高齢化が加速するため、国民医療費の増大が避けられない。そのなかで、社会保障財政を維持するには、患者の自己負担を増大させなければならないというのが、財務省の考え方である。
 
 混合診療はこの意味で、そもそも日本の財務省が熱望している制度である。
 
 患者の側でも、保険に適用されていないが、諸外国で実績のある先進医療を受けたいが、基礎医療費までが自己負担となるため受けられないとの声がある。混合診療が解禁になれば、そのような医療をより安価に受けられる。この視点から混合診療全面解禁を求める声があることも事実ではある。
 
 しかし、ものごとには表があれば裏がある。光と影だ。光の反対側に影が存在する。その光と影を比較衡量することが不可欠だ。

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誰が混合診療全面解禁を熱望しているのかを見ると、混合診療の意味がよく分かる。熱望しているのは、日本の財務省、米国の医薬品・医療機器業界、米国の保険会社、そして富裕層に属する日本の患者である。日本の患者の要請理由は事情がやや複雑だが、上記した通りだ。
 
 オリックス会長の宮内佳彦氏は小泉政権の時代、総合規制改革会議の議長をした。この会議では郵政民営化の論議をしたが、議論が本格化して以降は、郵政民営化については経済財政諮問会議に舞台が移された。
 
 総合規制改革会議が示した重要結論のひとつが混合診療の解禁で、小泉純一郎氏が懸命に推進した。
 
 オリックスグループの保険会社は、民間医療保険商品の販売に実績がある。米国系の保険会社のもっとも得意とする分野が民間医療保険商品である。
 
 混合診療が全面解禁されると、患者は保険医療適用分については2~3割の自己負担で済むが、自由診療については全額自己負担が求められる。月額の自己負担上限がどのように定められるのかにもよるが、医療費負担が膨大になる可能性が高まる。
 
 この負担を想定すると、多数の国民が、あらかじめ民間の医療保険商品を購入するとの選択をするようになる。
 
 米国の保険会社はここに目を付けている。オリックスの宮内氏が総合規制改革会議で混合診療解禁を打ち出したのは、オリックス生命の民間保険商品の販売を拡大させることが目的だったと思われる。
 
 
 また、米国の医薬品業界、医療機器業界も混合診療全面解禁を熱望している。日本の保険で認可されていない医薬品や医療機器販売を激増させるチャンスが生み出されるからだ。
 
 さらに重要なことは、この制度導入を財務省が熱望していることだ。財務省の支出削減対象御三家は、社会保障費、公共事業費、地方交付金である。国民生活に直結する部分が財務省の支出削減対象である。
 
 財務省の天下り利権、財務省が自由に配分できる自由裁量予算については、最後の最後まで支出抑制に応じない。これが財務省の基本スタンスである。
 

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 何が起こるのかは明白である。混合診療が全面解禁されれば、保険医療の適用範囲が狭められ、多くの医療行為が保険対象外とされる可能性が濃厚なのだ。
 
 新幹線と在来線の関係と極めて似たものになるだろう。新幹線が走る前は在来線が充実していた。在来線にも特急電車は走っていたが、特別料金のかからない普通列車が充実して、どこに行くにも、普通列車で行くことができた。
 
 ところが、新幹線が開通すると、在来線が大幅に圧縮されてしまう。目的地まで普通列車を乗り継いで行くことが困難になり、時間帯によっては、新幹線を使わない限り、目的地に到達することができなくなる。
 
 部分的には在来線そのものが廃止されてしまうケースさえ登場する。
 
 
 医療の分野で混合診療が全面解禁されれば、在来線の普通列車だけを利用する患者が著しい困難に直面する。いくらでも新幹線を利用できる富裕層にとっては快適であるが、新幹線をなかなか利用できない低所得者は、運転本数が激減した普通列車しか利用できず、厳しい状況に追い込まれるのだ。
 
 全員が健康保険に加入しているという「国民皆保険」が守られても、混合診療が全面解禁されるなら、まず間違いなく日本の医療制度は、弱者切り捨ての方向に向かうだろう。財務省を解体しない限り、この方向に事態が進むことは間違いない。だから、混合診療を全面解禁してはならないのだ。

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第67号「混合診療全面解禁狙う財務省と米国資本の陰謀
 
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2011年11月27日 (日)

小沢元代表認定二枚舌売国どじょうを駆除しよう

11月26日、小沢一郎民主党元代表は北海道北見市で開かれた元側近で無所属の松木謙公衆院議員のパーティーに出席し、「何となく来年は選挙があるかもしれないというにおいが、雰囲気がしてきつつある」と述べ、来年中の衆院解散・総選挙の可能性を示唆した。
 
 また、先の日米首脳会談での環太平洋連携協定(TPP)交渉をめぐる野田佳彦首相の発言に関し、「米国は日本の首相がこう言ったと発表したが、野田さんはそんなこと言ってないと言う。一体どっちなんだ。米国からも信用されないし、国内でも二枚舌と言って信用されない」と述べて、首相の対応を批判した。
 
 11月12日、13日のAPEC首脳会談で野田佳彦氏は米国のオバマ大統領と個別の会談を行った。
 
 米国は日米首脳会談後、日本側が「すべての物品・サービスを自由化交渉のテーブルに載せる」ことを表明したと公式発表した。
 
 これに対して、日本サイドは、首脳会談で野田氏はそのような発言を示していないと主張したが、米国発表文書の訂正を求めていない。
 
 すでに、本ブログには記述したが、日本政府が日米首脳会談用に用意した資料には、問題とされている表現が盛り込まれていることが判明している。
 
 11月13日に放送された日本テレビ番組「バンキシャ」が映した映像に、問題の文書があることが判明しているのだ。文書の内容は次の通りである。

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TPPについて  ※米国 ロン・カーク通商代表
 
 
TPPについて、国民的な議論の末、日本を発つ前に野田政権として交渉参加を決断した。
 
  
震災復興が最優先される中、なぜ今決断するのかとの議論もあったが、TPPへの参加は、日本自身の利益であると判断した
 
 
第1に、TPPを、アジア太平洋全域を高いルールでカバーする地域秩序に育てること。そのプロセスに自ら関与することが日本の国益である。
 
 
第2に、高いレベルの自由化という試練を乗り越えることが、日本自身の成長力を高めることにつながる。
 
日本は非関税措置を含め、全ての品目・分野を交渉の対象とする用意がある。交渉の中でしっかり議論していきたい
 
交渉に正式に参加するには、各国の承認が必要だと承知している。特に貴国との協議を精力的に進めて、出来るだけ早く交渉に参加したい。今後の具体的な進め方について伺いたい。
 

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 極めて重要な文書である。
 
 野田佳彦氏は11月11日夜の記者会見で、
 
「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入ることを決断した」
 
と述べた。
 
「TPP交渉に参加するのどうか」
 
が論じられてきたために、野田佳彦氏の発言は、一歩踏みとどまった発言であるとの説明が付された。とりわけ、TPP反対派の議員は、野田氏を一歩踏みとどまらせることに成功したと自画自賛した。
 
 
 しかし、冷静に分析すると、反対派の評価は適正でない。
 
 経産省の用意した資料を読めば、そのことがよく分かる。
 
 経産省資料に次の表現があることを見落とせない。
 
「交渉に正式に参加するには、各国の承認が必要だと承知している。特に貴国との協議を精力的に進めて、出来るだけ早く交渉に参加したい。」

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つまり、こういうことだ。
 
「TPP交渉への参加」が取り沙汰されているが、「TPP交渉への参加」は日本単独で決められることではないのだ。日本が「TPP交渉への参加」の方向で進む場合、その最初のステップが「関係国との協議」であり、とりわけ議会の承認が必要である米国との協議が重要になるのだ。
 
 野田佳彦氏が「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」と述べたのは、TPP交渉への参加方針を決め、その最初の具体的行動に入ることを宣言したものである。
 
 これを、国内反対派が「一歩踏みとどまった決定」と評価することは、日本国内での論議を誤らせる重大な原因になる。
 
 野田佳彦氏は国際社会に、「TPP交渉への参加」の方針を表明しながら、国内では「反対論に配慮して慎重に判断した」と評価を受けているのである。野田氏にとって、これほど都合の良い話はない。
 
 
 野田政権は米国に対して、
 
「すべての物品・サービスを自由化交渉のテーブルに載せる」
 
方針を伝えている。これを米国政府が公式文書に記載したのだ。
 
 この発言を首脳会談の席上で野田氏が述べたのかどうかなどはどうでもよい話だ。重要なことは、日本政府がこの方針を米国に伝達したのかどうかである。
 
 この方針を日本政府が米国に伝えていないのなら、日本政府は米国公式文書の訂正を求めるべきだ。ところが、野田政権は米国に訂正を求める行動を示していない。理由は明白である。日本政府がその方針を米国に伝えているからである。

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2011年11月19日 (土)

NHKがTPP徹底討論という名のガス抜き御用放送

「ネットメディアと主権在民を考える会」の招聘で出席した同会主催の「第三回市民シンポジューム」が11月17日に開催され、その模様がUSTREAMで動画配信されているので、なにとぞ、ご高覧賜りますようご案内申し上げます。
 
 原発問題、復興政策、増税、TPP、市場原理主義と格差、欧州政府債務危機、日本財政など、広範なテーマについて話をさせていただいた。
 
 拙著『日本の再生』の動画バージョンとご理解いただき、ご高覧賜れればありがたく思う。
 

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 11月18日は、NHKが午後10時から午後11時13分にかけて、

NHKスペシャル「徹底討論 TPP どうなる日本」
 
という名の番組を放送した。
 
 TPP参加推進派として、政府代表者2名と元外務省職員の田中均氏、TPP参加反対派として元財務省財務官の榊原英資氏と東京大学教授の鈴木宣弘氏が出演した。
 
 政府代表者は国家戦略相の古川元久氏と外務副大臣の山口壯氏であった。
 
 
 反対派の人選に問題はない。賛成派として登場した田中均氏は売国マーク付きの対米隷属派に属する人物で、偉そうな話し方をするが、話に内容がない。
 
 以前にも記述したことがあったが、田中氏がアジア局長時代、シンガポールとのEPA締結に向けての田中氏の勉強会メンバーになり、意見を求められたが、田中氏は人の話に耳を傾ける人物ではない。小泉純一郎氏とよく似ている。
 
 正しいことをするよりも、目立つことをやりたいタイプであると見受けられた。
 
 
 NHK番組は「徹底討論」との題名が付せられていたが、内容は討論ではなかった。政府要人が出てきて、とりあえず、形の上でだけ、人民の意見を聞いてみるというもので、典型的な御用番組であった。
 
 ガス抜き番組と言ってもよい。
 
 どこが「御用」であるかというと、正しい結論を得るための「討論」なのではなくて、すでに示されている結論に対して、賛成派と反対派の述べる意見をとりあえず聞くだけは聞く場が設定されただけということなのだ。
 
 偏向NHK、正式名称「日本偏向協会」の名にふさわしい番組だった。

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「徹底討論」と題するなら、初めから結論ありきになるわけがない。
 
 結論は徹底討論の結果として得られるもので、「徹底討論」と銘打つなら、結論を用意せず、結論は徹底討論の結果に委ねるべきである。結論に至らぬなら、何度でもシリーズで討論を続けるべきだ。
 
 最後に、
「賛否両論あるが、これらの意見をよく踏まえて政府にはしっかりと交渉して欲しい」
で締め括るなら、単なる「やらせ番組」でしかない。
 
 そもそも、野田佳彦氏の記者会見は、少なくとも国内では、交渉参加を決めたのではなく、その前段階の関係国との協議を始めただけとの位置付けになっている。
 
 そうなら、交渉参加を前提にした番組作りは明らかに不正である。
 
 
 非政府出席者を1対2にしておきながら、推進者の政府関係者を2名出演させると、反対派対賛成派の構成は2対3になる。
 
 姑息なNHKがもっとも考えそうな人員構成である。
 
 非政府の構成を賛成派・反対派同数として、国会議員構成も賛成派・反対派同数にするべきである。
 
 もっとも光っていたのは榊原英資氏である。榊原氏の次の三つの発言が秀逸だった。
 
 第一は、「米国の交渉圧力はすごい。とりわけ世論誘導力がすごい。NHKなども簡単に操作されてしまう。」の発言。NHKの正体を暴く発言だった。
 
 第二は、「自分の経験を踏まえても、日米両政府の交渉能力は日本の2に対して米国の8だ。日本政府の外交交渉能力には期待を持てない。」の発言。タフ・ネゴシエイターと呼ばれた自分自身の経験を踏まえた言葉であるだけに重みが違う。
 
 第三は、「民主党のなかでも反対論が多いくらいだ。国会議員でも反対派が多いと見受けられる。国民も同様。このようななかでの野田佳彦氏の独走は許されない。TPPではなく、ASEAN+6で進むのが筋。暴走する前に、とにかく、党内でも、国会でも、国全体でも、徹底討論をしてもらいたい。」
 
 NHK番組タイトルが「徹底討論」となっていることに対する皮肉を込めた発言だった。

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日本が民主主義の国であるなら、民主主義のDUE PROCESSを厳守することが不可欠である。
 
 榊原氏はこの点を指摘している。同時に、NHKに対して、「徹底討論」と題するなら、題名通り、きちんと徹底討論をやれと言っている。
 
 これでは、政府代表二人を前にしての「御前会議」である。
 
 
「すべての物品・サービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せる」との日本政府の意向があったのかどうかが問題になっていることは、何度も書いた。
 
 都合の悪い政府は、上記方針を日本政府が米国に示したのかどうかという重大問題を、日米首脳会談の席上で野田氏が発言したのかどうかに矮小化、すり替えて、「日米首脳会談で野田氏がそのような言葉を述べていない」で逃げようとしている。
 
 何度も繰り返すが、問題は、野田氏が首脳会談で発言したのかどうかではない。上記趣旨の見解を日本政府方針として米国に伝達したのかどうかなのである。
 
 
 11月13日放送の日本テレビ番組「バンキシャ」が映した映像に、問題の文書があることが判明している。
 
 このことを伝える、ネット上掲示板には、問題映像の静止画像も掲載されている。
 
問題となっている文書には以下の通り記載されていた。
 
 
TPP
について  ※米国 ロン・カーク通商代表
 
 
TPPについて、国民的な議論の末、日本を発つ前に野田政権として交渉参加を決断した。
 
  
震災復興が最優先される中、なぜ今決断するのかとの議論もあったが、TPPへの参加は、日本自身の利益であると判断した
 
第1に、TPPをアジア太平洋全域を、高いルールでカバーする地域秩序に育てること。そのプロセスに自ら関与することが日本の国益である。
 
第2に、高いレベルの自由化という試練を乗り越えることが、日本自身の成長力を高めることにつながる。
 
 
日本は非関税措置を含め、全ての品目・分野を交渉の対象とする用意がある。交渉の中でしっかり議論していきたい
 
 
交渉に正式に参加するには、各国の承認が必要だと承知している。特に貴国との協議を精力的に進めて、出来るだけ早く交渉に参加したい。今後の具体的な進め方について伺いたい。
  
(転載ここまで)
 
 ・・・・・

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2011年11月18日 (金)

TPP賛成派落選運動と反対派当選運動のすすめ

TPP論議に小泉ジュニアが参戦した。言うまでもなくTPP推進論だ。

 TPP論議は、次の総選挙、参院選で誰に投票し、誰には絶対に投票しないのかを決める上で恰好のリトマス試験紙になる。
 
 民主党も賛成派と反対派に割れた。
 
 自民党も賛成派と反対派に割れている。
 
 他の政党は、「みんなの党」以外の政党がすべて反対である。
 
 対米従属、対米隷属、売国など、表現にはいろいろな種類がある。
 
 しかし、同じ内容を指している。
 
 結論を端的に示せば、売国派がTPP推進の旗を振っている。TPP賛成派と売国派は基本的に同一である。
 
 
 TPP参加への是非を考察する際、TPP反対派はこれまで、TPPがいかに日本の国益に反するかという点に力点を置いて説明してきた。
 
 もっとも分かり易い説明の図式を示してこられたのは中野剛志氏であろう。
 
 極めて説得力に富むTPP反対論だ。
 
 しかし、これとは逆に、TPP賛成論を分析し、その分析を通じて、TPP賛成論を否定するというアプローチも有用だ。
 
 TPP賛成論は、あまりにも内容が薄い。浅薄なのである。その浅薄さを明らかにできれば、TPP反対論の説得力が一段と増すことになる。

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TPP賛成論は、概ね、以下の三つに要約できる。
 
 第一は、自由貿易は日本にメリットをもたらす。自由貿易によって、日本はアジアの成長を取りこむことができ、国民により豊かな暮らしをもたらすものである、というものだ。
 
 自由貿易のメリットそのものを高く評価する見解だ。TPP賛成論の主流を占める主張である。
 
 第二は、日本が望んでも望まなくても、日本はいずれ必ずTPPの枠組みに組み入れられることになる。日本にとってマイナスだとの主張があるにせよ、必ず入らなければならないものだとするなら、できるだけ早くに参加して、枠組み作りに、日本の主張をできるだけ反映させるべきだとする考え方。
 
 第三は、国内の生産性の低い産業分野の競争力を高め、これらの産業分野の生産性を高めるためには、TPPのようなショック療法が有用であるとの考え方。これらの産業がTPPに反対するのは、既得権益に守られている現状を変えたくない、改革したくないという業界のエゴが主因である、とするものだ。
 
 TPPによって、これらの産業の競争力を高めることが、日本の消費者にとって利益をもたらすことも主張する。
 
  
 三つの主張は、一見、どれももっともらしい。
 
 しかし、一見ではなく、これらの主張をよく吟味する必要がある。
 
 第一の主張は、一般的なTPP反対論によって、すでに打破されている。
 
 日本を含めたTPP10ヵ国のなかのGDP構成比が日米で91%に達し、豪を入れると96%に達すること。したがって、TPPは、実質的に日米EPA(経済連携協定)となること。
 
 しかし、関税率の現状は、工業製品がすでに極めて低い一方、一部の農産物関税は極めて高いから、関税率の例外のない撤廃を実施した場合、工業製品を輸出する国よりも農産物を輸出する国の方が大きなメリットを得る。
 
 日本が得るところは小さく、農産品を輸出する国の得るところが大きくなる。
 
 一般的に自由貿易は、全体としての生産量=所得水準を高め、経済全体の効率を高める点でメリットがあるとされる。しかし、品目のよっては、仮に生産性は低くても、自国の生産で自国の消費を賄うことに、より大きな価値が置かれる場合がある。
 
 コメなどの主食の自給率を高水準に維持することは、効率の視点からではなく、経済的安全保障の視点から重要であるとの反論が有力なのだ。
 
 
 さらに、細かな点を言えば、TPPは単なる貿易自由化ではなく、各国の法制、規制、慣習などについてまで影響力を行使しようとするものである。
 
 そのなかには、自動車の排ガス規制、牛肉の月齢規制、残留農薬規制、遺伝子組み換え食品の表示義務、環境行政など、国民の生命、健康、安全、環境など、国家主権に属することがらが、国の外部に存在する機関によって決定されてしまうとの、事実上の治外法権的な要素まで存在する。
 
 アジアの成長を取りこむということであれば、当然、中国、インド、韓国などが加わる必要があるが、TPPには、これらの国が名を連ねていない。米国がアジアの成長を取りこむために、日本をTPPに引き入れて、アジア市場に食い込んでゆく手がかりを得たいためにTPPが推進されているとの図式は誰の目にも明白である。
 

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 第二の主張こそ、TPP賛成派は頭を冷やして考えてみるべき事項である。
 
 自国の利益、自国民の利益を最優先に考え、毅然とした行動をとれない国を独立国と呼ぶことはできない。TPPが自国にとってデメリットの大きいものだと判断するなら、TPPには参加しないことを毅然と示すべきだ。それが独立国の矜持というべきものだ。
  
 ・・・・・
 
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2011年11月17日 (木)

日本政府は例外なき関税撤廃適用不能を通告せよ

TPPのような重大な問題で二枚舌を使うことは厳に慎むべきだ。

 そもそも、今回のAPEC会合で野田佳彦氏が何を表明したかが一般には明確に受け止められていない。それが、野田流の売国どじょう流儀なのだろう。
 
 しかし、野田佳彦氏が玉虫表現を意図し、それが成功したと考えるなら、野田氏は首相として失格である。
 
 野田氏の米国大統領への説明と、日本国民への説明との間に、著しい相違がある。
 
 野田氏は日本国民に対して、
 
「TPP交渉参加に向けて関係国と協議に入ることにした。」
 
と述べ、米国のオバマ大統領に対して、
 
「すべての物品、サービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せる」
 
と発言していないと主張する。
 
 
 これに対して米国は、野田佳彦氏の(TPP交渉への参加方針)決断を歓迎し、
 
「日本がすべての物品、サービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せる」
 
意思を表明したと公表している。
 
 米国政府は、日米首脳会談で野田氏がこの発言を示したのかどうかについて明確にするのを避けたが、日本政府が、
 
「すべての物品、サービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せる」
 
ことを表明したことについては訂正しないことを発表した。さらに驚くべきことは、日本の藤村修官房長官が米国に訂正を求めない意向を示したことだ。

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客観的にどう捉えられるか。
 
「全物品・サービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せる」

との発言を、日米首脳会談で野田氏が口にしたのかどうかなど、どうでもよい。
 
 問題は、日本政府が
 
「すべての物品、サービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せる」
 
との意思表示をしたのかどうかである。
 
 日本政府がこの内容を認めないなら、米国に訂正を求めなければならない。日本政府の公式見解として記録に残されるからだ。
 
 日本政府が訂正を求めないなら、
 
「すべての物品、サービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せる」
 
が日本政府の公式見解であることを日本政府が認めることになる。
 
 
 国会論戦では、質問者の質問が的確性を欠き、必要な答弁が引き出されていない。
 
「すべての物品、サービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せる」
 
というのは、「例外なき関税撤廃」の大原則を踏まえることを意味しており、今後の推移に決定的な影響を与える重大性を持つ。
 
 野田佳彦政権は、恐らくこの点を十分に認識しながら、宗主国米国に隷従して二枚舌で国民を騙し抜こうとしている。この点を的確に追及できなければ野党も失格だ。

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「TPP交渉参加に向けて関係国と協議に入る」
 
とは、何を意味しているのか。
 
 日本にどのような選択肢があったのかを考えると答えは明瞭になる。
 
 日本が保持していた選択肢は、
 
1.TPP交渉参加に向けて関係国と協議に入る
 
2.TPP交渉参加に向けて関係国と協議に入らない
 
の二つしかなかった。
 
 野田佳彦氏は、国内で、
 
「TPP交渉に参加する」
 
ことが、
 
「TPP交渉参加に向けて関係国と協議に入る」
 
こととは、あたかも相違があるかのような説明をして、TPP反対派の意向を尊重したかのように振る舞っている。しかし、この二つにはまったく相違がない。

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「TPP交渉に参加」するためには、TPP交渉参加国9ヵ国の了解が必要である。米国では議会の承認が必要で、最低でも3ヵ月の時間がかかると伝えられている。
 
 つまり、今回のAPEC会合で、日本が
 
「TPP交渉に参加する」
 
と勝手に決める余地はそもそもゼロだったのだ。
 
 日本政府に選択肢は、
 
「TPP交渉参加に向けて関係国と協議に入る」
 
か、
 
「TPP交渉参加に向けて関係国と協議に入らない」
 
のいずれかでしかなかった。
 
 
 事前の騒動との関係で言えば、
 
「TPP交渉参加に向けて関係国と協議に入ること」
 
= 「TPP交渉への参加」
 
であり、
 
「TPP交渉参加に向けて関係国と協議に入らないこと」
 
= 「TPP交渉への不参加」
 
なのである。
  
 ・・・・・
 
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2011年11月14日 (月)

TPP騒動で明らかにされた三大政治重要事実

TPPをめぐる1ヵ月は、野田佳彦氏によるTPP交渉参加表明という出来レースで決着したが、これは舞台の第1幕に過ぎない。
 
 この芝居の後半に大どんでん返しが控えている。
 
 もちろん、TPPに日本は参加しない。
 
 そして、野田佳彦氏は退場する。
 
 これが、日本国民の意志であり、日本の意思だ。
 
 最後に、落ち着くべきところに落ち着く。

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気の小さな売国どじょうは、記者会見で、「TPP交渉に参加することを踏まえた関係国との事前協議に入る」ことを表明した。
 
 回りくどいことをするものだ。
 
 だから、国内の反対派からは総スカンを喰らい、APECではTPP首脳会談に呼んでももらえなかった。
 
 イソップ童話寓話のコウモリのように、国内では慎重論を踏まえたような言い回しをして、海外に出ては、TPP交渉に参加する意思を表明するなどの小細工を施して、八方美人を演じているうちに、誰からも相手にされなくなる。
 
 日本に対する要求は急激に激しさを増す。
 
「例外なき関税撤廃」を原則とするTPPで関税撤廃の例外など設定できるわけがない。

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「日本の伝統文化と農業と医療を守る」との発言は、犯罪心理学での犯人の心理・行動を象徴的に表している。
 
 その懸念が極めて大きいことを、野田氏は白状してしまったのである。
 

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 間違った首相を選出してしまったために、間違った政治がはびこっている。
 
 のちに、政治が糺されて、過ちが修正されることは良いことだが、対外的に発表してしまったことを変更することは、無用の混乱を招く最低のことがらだ。

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それでも、この1ヵ月の騒動がもたらした成果は極めて大きいと言える。
 
 この国の構造、政治の構造が誰の目にもはっきりと捉えられたからである。
 
 この成果を今後の政治に活かしてゆかなくてはならない。
 
 ここで明らかになったことをもとに、日本政治の歪みを正してゆくことが何よりも重要である。
 
 それが実現するなら、この1ヵ月の騒動は、決して無駄なことにはならないと言える。

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この1ヵ月の騒動ではっきりしたことは次の三つだ。
 
 第一に、野田佳彦政権が完全なる対米隷属政権であることが明白になったこと。そのように私も推察してきたが、その事実が、誰の目にもはっきりと分かるようになったことの意味は大きい。だから、「売国どじょう」なのである。
 
 第二は、日本政治の支配権を保持する第一の存在が米国であることがはっきりと姿を表したことである。戦後日本政治構造の支配者を、米官業政電の五者であると主張してきた。そのなかで、その中核に位置するのは、米国であると述べてきた。ピラミッドの頂点に米国が位置し、その支配下の正方形の各頂点を、官僚、大資本、利権政治屋、電波産業が占めているとの構造を描いてきた。
 
 TPP騒動は、この真実を多くの日本国民に知らしめる結果を招いたのである。
 
 第三は、「みんなの党」が対米隷属政党であることがより鮮明に示されたことである。「みんなの党」こそ、2008年から警戒し続けてきた「偽装CHANGE」政党なのである。
 
 戦後日本政治構造の刷新を求める主権者国民の声を吸収するように見せかけ、その実、これまでの米官業、あるいは米官業政電の利権複合体による日本政治支配を維持することを目指して組成されたのが「みんなの党」なのである。
  
 ・・・・・
 
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2011年11月13日 (日)

優柔不断売国どじょうが農業・保険医療を破壊する

日本の首相は何よりも先に日本の国益、日本国民の幸福を考えるべきだ。

 外国との関係はもちろん重要だ。しかし、外国の顔色を窺うことが国民の幸福を考えることよりも優先してはいけない。
 
 日本が米国の植民地であるなら、日本を統治するのは米国であり、日本の統治者は日本国民の幸福よりも、まずは宗主国米国の意向を先に考えるべきであろう。
 
 しかし、日本が独立国であるなら、米国との関係を良好に保とうとすることは是認されるが、国民の幸福を犠牲にして、米国の歓心を買うことを優先することは是認されない。
 
 野田佳彦氏の行動は日本の首相の行動ではない。米国の植民地日本総統の行動である。
 
 このような人物を日本の頂点に居座らせることは、日本の国民にとっての不幸である。一秒でも早く、首相の座から引きずり降ろさねばならない。
 
 参議院で野田佳彦首相に対する問責決議案上程の可能性がある。
 
 衆議院では野党が内閣不信任決議案を提出するべきだ。
 
 国会会期中、一度の提出ということであれば、不信任案が可決されるタイミングを見計らって提出することが望ましい。

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野田佳彦氏の記者会見での発言は、「TPP交渉への参加」ではなく、「TPP交渉参加国との協議開始」だった。
 
 このような曖昧な表現を用いるところに、器の小ささがよく表れている。
 
 記者会見を一日延期したこともそうだ。
 
 TPPは日本の国のかたちを変えてしまう超劇薬である。
 
 日本のことを第一に考えるなら、TPP参加は明確にNOである。
 
 そのことを明確に示せばよいだけのことだ。
 
 この判断ができないところで、日本の首相として失格だ。
 

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 TPPに参加しないこと以外の選択肢は参加しかない。TPPの本質を見極めて、参加が正しいと考えるなら「参加」の方針を示す。これがトップの行動だ。
 
 参加を容認して、このように主張しているのではない。日本国憲法が定める「国政は国民の厳粛な信託による」ことを踏まえ、過半数の国会議員が参加すべきでないと主張している以上、日本国民の代表者である首相は、参加にNOの意向を示す以外に選択肢はない。
 
 日本国憲法は首相を独裁者として位置付けているのではなく、国民の代表者と位置付けているからだ。
 
 日本国憲法の根本原則すら理解していない人物が日本の首相に地位にいるのだから恐ろしい。
 
 同時に、日本の言論空間に最大の影響を与えるマスメディアが、日本国憲法の根本原則を理解していないのだから、これまた恐ろしい。
 
 日本の首相としての対応は、TPPへの不参加以外に道はない。これほど自明のことについて、論議が行われること自体がおかしいし、しかも、逆の結論が示されるとは、驚異以外の何者でもない。

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この問題を横に置いて、野田佳彦氏の行動を見ると、器量があまりに小さいことが致命的である。
 
 当然、熟慮に熟慮を重ねたことでなければならないが、熟慮の末に得た結論であるなら、白ならば白、黒ならば黒と、はっきり言わなければ、ただ混乱を招くだけである。
 
 熟慮と覚悟が足りていないのだろう。
 
 このような優柔不断な人物に日本の舵取りを任せれば、重大事故を招くのが関の山だ。
 
 日本の首相には、日本の国益、日本国民の幸福を第一に考える人物に就任してもらわねば、日本国民の不幸なのだ。

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TPPに参加する場合、無限の問題が浮上してくるが、そのなかでも、もっとも重大な影響が生じるのが、農業と医療保険制度である。
 
 テレビなどでもこの問題が繰り返し取り上げられているが、一番重要なことが正しく伝えられていない。
 
 それは、
 
「輸出競争力を持つ農業もある」
 
「国民皆保険は維持される」
 
の言葉で反論され、これで論争が締め括られているからだ。
 
 上記の二つの言葉は、いずれも間違いではない。
 
 しかし、この二つのことが成り立てばそれでよいのかという問題が残るのだ。
 
 実は、ここで論議が締め括られたあとに出てくる様々な疑問と疑念。そこに重大な問題が隠されているのである。
  
 ・・・・・
 
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2011年11月12日 (土)

日本を破壊する売国どじょうの駆除が急務

野田佳彦氏がTPP交渉への参加を表明した。

 公表を1日遅らせたのは、「慎重に判断する」を演出するためであった。
 
 どのように言葉を重ねようとも、事実の重みの前には無力である。
 
 日本は、愚かな内閣総理大臣をまた抱えることになった。
 
「国政は国民の厳粛な信託による」
 
べきものであるが、主権者である国民の意思を踏みにじる内閣総理大臣の暴走が放置されている。
 
 内閣総理大臣が例えば、イラン、北朝鮮と軍事同盟を締結するための交渉に入ると言い出したらどうなるのか。
 
 国会議員の反対意見が多数で、国民の反対意見も多数で、ただ、マスメディアだけが積極推進したとする。
 
 しかし、最終的に内閣総理大臣が交渉に入ると決定すれば、日本・北朝鮮・イランの軍事同盟締結に向けて、外交交渉を進めることが容認されるのか。
 
 日本の民主主義の原点が問われているのである。

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野田佳彦氏は9月21日の日米首脳会談でTPP交渉への参加を確約したのだと思われる。
 
 報道はオバマ大統領が普天間問題の決着の時期が近付いていると野田氏にプレッシャーをかけたと伝えたが、これは報道官が発表したもので、事実とは異なるものだったのだ。
 
 オバマ大統領が日米首脳会談で強いプレッシャーをかけたのは、TPP交渉への日本の参加表明であった。私はこのことをブログとメルマガに記述した。そして、10月がTPP論議の月になることを予言した。
 
 野田佳彦氏は米国の命令に従って、TPP交渉への参加を表明したのである。民主党内での論議も、国会での論議も無関係である。
 
 国民が反対しても、国会が反対しても、野田氏は、ただ、米国の命令に従って、TPP交渉への参加を表明しただけだ。
 
 このストーリーは9月21日からまったく変わっていない。

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この路線を敷いたのは菅直人氏である。
 
 昨年6月8日に菅直人氏は首相の椅子をつかんだ。首相の椅子をつかむために、その前の4月に米国を訪問した際、アーリントン墓地を訪問し、米国政府への忠誠を誓った。
 
 昨年6月の政権交代は、米国による日本政府の差し替えだった。米国にモノを言う鳩山政権を放逐し、米国に隷従する菅政権を米国が創出したのである。
 
 菅直人氏が最初に実行したことは、普天間基地移設問題について、辺野古への移設を容認することだった。
 
 11月に横浜でAPEC総会があった。このAPEC総会での目玉がなかった菅直人氏に、米国はTPPを提示することを命令した。
 
 米国に隷従する菅直人氏は何を考えることもなく、TPPを「平成の開国」として日本の政策メニューに掲げたのである。
 
 この菅直人氏は、あと二つのことを実行した。
 
 消費税増税の提案と法人税減税の提案である。

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TPPと消費税増税提案と法人税減税提案。
 
 この三つが誰の幸福をもたらすものかは明白である。
 
 この三つの重大政策を渇望しているのは、米国、官僚、大資本である。
 
 つまり、米・官・業の利権複合体=米官業トライアングルの利益を追求する政権が菅政権だったのである。
 
 米官業利権複合体のための政治。これが、戦後65年間、日本を支配してきた政治構造である。
 
 この構造を打破しようとしたのが2009年の政権交代の試みであった。米官業と対置される利害関係者は、言うまでもなく主権者国民である。
 
 米官業のための政治
 
 と
 
 主権者国民のための政治
 
 この根本的な対立が、現代日本政治の基本対立構造なのである。

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詳細は拙著
 
『日本の独立-主権者国民と米・官・業・政・電利権複合体の死闘-』
 

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をご高読賜りたいが、2009年9月に樹立された新政権は主権者国民政権であった。ところが、民主党内には主権者国民勢力と敵対する米官業利権複合体勢力が潜んでいた。
 
 鳩山内閣が総辞職した間隙を縫って、米官業利権複合体勢力が民主党の実権を強奪してしまったのである。
 
 爾来、主権者国民勢力と米官業利権複合体勢力の戦いが何度か繰り広げられてきた。
 
 昨年9月14日の代表選、本年8月29日の代表選の2度の戦いがあったが、いずれも米官業利権複合体の一味であるマスメディアが狂気の情報誘導を実行して、米官業利権複合体勢力が権力を維持した。

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その延長上に今回のTPP交渉参加表明がある。
 
 野田佳彦氏は菅直人政権をそのまま引き継いでいる。
 
 TPPと消費税大増税、そして法人税大減税に突進しているのだ。
 
 主権者国民のための政治は実行されない。
 
 

どじょうの「ど」は、ばいこくどの「ど」だった。
 
 日本国民にとって悪夢のTPP交渉参加表明だが、もっと大きな図式から見ると、良かったこともある。災い転じて福となさねばならぬ。
 
 
 ・・・・・
 
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