カテゴリー「求められる政治スタイル」の2件の記事

2024年11月25日 (月)

名古屋市長選広沢氏圧勝のわけ

11月24日投開票の名古屋市長選で日本保守党などが推薦した広沢一郎氏が初当選を果たした。

開票結果は以下の通り。

広沢一郎 無 新 保・減推  392,519 当選
大塚耕平 無 新 自立公国推 261,425
尾形慶子 無 新 共推     53,622

投票率 39.63%

11月19日付ブログ記事
「名古屋市長選広沢氏先行の理由」
https://x.gd/ouQdN

メルマガ記事
「主権者は何を基準に投票したか」
https://foomii.com/00050

に名古屋市長選で広沢一郎氏が先行した理由を記述した。

大塚耕平氏を自立公国が推薦した。

名古屋県知事の大村秀章氏も大塚氏を全面支援した。

大塚氏が盤石の体制を築いて臨んだ知事選だったが広沢氏が圧勝した。

読売新聞は投票日直前の情勢報道で「横一線」と記述した。

調査能力が著しく低下しているか、情報誘導を行っていたかのいずれかである。

11月19日付ブログ・メルマガ記事に次のように記述した。

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「24日に名古屋市長選が投票日を迎える。

河村たかし前市長から後継指名された広沢一郎候補は市長給与800万円、市民減税継続を公約に掲げる。

この二点に明確な姿勢を示さない大塚耕平氏は主権者の広い支持を集めるのが困難ではないかと考えられる。」

名古屋市で河村前市長は圧倒的な人気を誇る。

歴史修正主義などに対する批判は根強いが、こうしたイデオロギーに優越して人気を左右しているのが「身ぎれいさ」である。

市長給与800万円は全国の政令指定都市でも破格。

名古屋市は、しかも退職金全額返納である。

選挙の争点になった主要政策の根幹のひとつがこの市長給与と退職金全額返納。

もうひとつが市民税の5%減税の継続是非。

広沢候補は5%減税を継続して、これを10%に拡大することを公約に掲げた。

大塚氏は市民税減税について

「効果を検証して判断」

市長給与800万円、退職金全額返納について

「審議会の判断に任せる」

とした。

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この政策公約の相違が選挙結果をもたらしたと考えられる。

大塚耕平氏は国民民主党所属の参議院議員を辞職して名古屋市長選に立候補した。

選挙戦では国民民主党の玉木雄一郎氏も応援に入った。

国民民主党は10月27日実施の衆院総選挙で議席を28議席に増大させた。

自公が過半数割れに追い込まれて野党転落の危機に直面したが、国民民主が自公政権存続に手を貸した。

政権樹立のキャスティングボートを握ったが、選挙で盛り上がった「国民民主バブル」は崩壊した。

玉木雄一郎氏の不倫事案が暴露されたが、玉木氏は責任問題を処理していない。

玉木氏は2006年10月に「政党の品質保証」というタイトル記事をブログに投稿。

若手経営者から既存政党の印象として「自民、民主どちらの政党の政治家も何人か知っているが、どうしようもない人もいる」「会社で言えば、どちらの政党も上場に耐えない」「政党は所属議員の品質管理をもっと徹底したやるべき」との意見を聞いたことを紹介したうえで、政党について、

「一定のクオリティ(品質)を満たした人の集団であるべきだと思います」

「弁護士や会計士などのように一定の資格試験をクリアーすることを条件にするというよりも、『絶対に、不正をしない。』『絶対に、不倫をしない。』などというように、そもそも政治家として有権者信頼に耐えうる集団であることを、自信をもって約束できる集団であるべきだと思います」

「とにかく信頼される政治家になりたいと思います」

と記述していた。

「国民民主バブル」が崩壊したことも大塚氏惨敗の大きな要因になったと考えられる。

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2024年11月19日 (火)

名古屋市長選広沢氏先行の理由

裏金事件は政治に対する不信を顕在化させる重要な契機になった。

これ以前にも多くの不祥事が相次いできた。

モリ・カケ・サクラの不祥事は重大問題だったが責任を問われるべき者の責任が追及されなかった。

森友事件で摘発されたのは籠池泰典夫妻だけ。

籠池夫妻は真実を明らかにしたために標的にされた。

国家財産を不当な安値で払い下げたのは財務省である。

そして、財務省は虚偽公文書作成の犯罪行為に手を染めた。

その背後にあるのが安倍晋三氏の意向だった。

国家に巨大な損失を与えた背任の罪でも虚偽公文書作成の罪でも犯罪を指揮した者の責任は問われていない。

加計学園に対する獣医学部新設の許可も極めて不透明である。

加計学園理事長は安倍首相等に対して利益供与した疑いが濃厚である。

安倍内閣が便宜供与を行った疑いは強い。

桜を見る会前夜祭では選挙区有権者に対して利益供与が行われたと見られている。

しかし、これらの犯罪行為の刑事責任は問われなかった。

日本の検察には巨大で不正な裁量権が付与されている。

その裁量権とは「犯罪が存在するのに犯罪者を無罪放免にする裁量権」と「犯罪が存在しないのに無実の市民を犯罪者に仕立て上げる裁量権」である。

私は後者の被害者。

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2022年7月に安倍元首相が殺害されたことを契機に自民党と旧統一協会の癒着に焦点が当てられた。

自民党は組織ぐるみで旧統一協会と癒着してきた。

政策運営が著しく歪められてきたと言える。

そして2023年秋から問題が表面化したのが裏金問題。

政治資金規正法は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の収支公開等の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄与することを目的として制定されたもの。

政治資金の収支公開はすべての基本である。

ところが、自民党は組織ぐるみでこの根幹を意図して破壊した。

巨大な組織犯罪を実行した。

しかし、日本の刑事司法当局は巨大犯罪のほんの一部しか摘発しなかった。

85人の議員が犯罪行為に手を染めたのに検挙したのはわずか3人だった。

統一協会との癒着も裏金犯罪も問題の核心は旧安倍派だった。

10月27日の衆院総選挙で自民党が議席を激減させたが、最大の議席減に直面したのは旧安倍派である。

このことを日本の主権者が歓迎している。

旧安倍派と密着してきたフジサンケイグループだけが、このことに反発する姿勢を示している。

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10月27日の衆院総選挙では裏金問題を許さない主権者の気持ちが自民議席激減の結果をもたらした。

主権者である国民が自らの判断で投票行動を激変させ始めている。

兵庫県知事選で斎藤元彦前知事が再選された。

インターネット上への情報発信を担うスタッフが400人も存在したことが伝えられている。

SNSやYOUTUBEを活用した選挙活動が新たな票の掘り起こしに絶大な力を発揮することが確認されたと言える。

このなかで、斎藤氏勝利の要因を探ると、政策提言のなかに示される「財政資金の使い方」が極めて大きな意味を持つことが浮かび上がる。

とりわけ重要な意味を発揮したのが「新庁舎建設」、「外郭団体縮小」、「県立大学授業料無償化」だった見られる。

斎藤氏が「新庁舎建設」に関して費用圧縮の方向性を示したのに対し、稲村候補は新庁舎建設に1000億円投入との情報が広く流布されたと見られる。

1000億円投入は事実に基づく情報流布ではないと見られるが情報が氾濫して、そのまま有権者に受け取られた可能性がある。

また、「県立大学授業料無償化」は斎藤氏がアピールした政策で、これに否定的なスタンスを示せば市民の批判を浴びる項目だった。

「外郭団体の縮小」は斎藤氏だけでなく稲村氏も提示した政策だったが、県庁舎建設費用の圧縮を斎藤氏がアピールしたことが勝敗を分ける大きな要素になった点を否定できない。

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