誤解余地がないほどに明瞭な大西氏発言
大西つねき氏がれいわ新選組から除籍処分を受けた。
このことについて、大西氏の支持者が大西氏に対する批判が適正ではないとの主張を示している。
見解を示すことを求められているので、以下に記述する。
大西氏はれいわ新選組が除籍処分を決めたのち、7月17日に会見を開いた。
会見での大西氏の発言と質疑応答もじっくり聞かせていただいたが、大西氏に対する除籍処分は妥当なものであると判断する。
大西氏がどのような考え方、思想を持っていようと、それは大西氏の自由である。
思想、信条の自由が認められている限り、大西氏がどのような価値観、思想、信条を持っていようが、他者がそのことに口を差し挟むことはできない。
しかし、れいわ新選組の立候補者として活動していた大西氏の発言については、れいわ新選組の基本方針から制約を受けることになる。
大西氏は7月3日のライブ配信で次のように述べた。
「高齢者はこわいんですか。高齢者は逆にあれですよ、もうなんかそんな長くないじゃないですか。これもだからどこまで長生きしたいのかっていう話。これはまたね、講演会では結構ハードな話しますけど。
あれですね、リスクは常にあるし、死ぬ原因はいくらでもあるので、それをどう考えるかですね。
高齢者は死んでいいのか? 高齢者は死ぬ確率は高いし、そもそもね。その話しましょうか。どこまで、その高齢者を長生きさせるのかっていうのは、我々真剣に考える必要があると思いますよ。
なんでかって言うと、今その介護の分野でも医療の分野でも、これだけ人口の比率がおかしくなってる状況の中で、特に上の方の世代があまりに多くなってる状況で、高齢者をちょっと、とにかく長生き、死なせちゃいけないと、長生きさせなきゃいけないっていう、そういう政策を取ってると、これ多くのお金の話じゃなくて、もちろん医療費とか介護料って金はすごくかかるんでしょうけど、これは若者たちの時間の使い方の問題になってきます。
どこまでその高齢者をもうちょっとでも長生きさせるために、子供達、若者たちの時間を使うのかってことは、真剣に議論する必要があると思います。
こういう話多分政治家怖くてできないと思いますよ。命の選別するのかとか言われるでしょ。生命選別しないと駄目だと思いますよ、はっきり言いますけど。
何でかっていうと、その選択が政治なんですよ。選択しないで、みんなにいいこと言っていても、たぶんそれ現実問題として多分無理なんですよ。
だからそういったことも含めて、順番として、その選択するんであれば、もちろん、高齢の方から逝ってもらうしかないです。」
この発言が問題になった。
大西氏の支持者は、大西氏の発言の一部が切り取られて、大西氏の主張とは異なる点が批判されていると主張する。
しかし、上記の発言部分は「切り取った部分」ではない。
一つの主張として完結している。
「命の選別するのかとか言われるでしょ。生命選別しないと駄目だと思いますよ、はっきり言いますけど。
こんな主張をする人がおりますけれども、私はこの主張にはまったく賛同できない。」
大西氏が仮にこのように発言しており、批判者が大西氏の発言について
「命の選別するのかとか言われるでしょ。生命選別しないと駄目だと思いますよ、はっきり言いますけど。」
と発言したとして批判しているなら、「大西氏の発言の一部を切り取って誤った批判をしている」との主張が正しい主張として成り立つ。
しかし、事実は違う。
大西氏がはっきりと自己の見解を述べている。
大西氏は、
「高齢者をもうちょっとでも長生きさせるために、子供達、若者たちの時間を使うのかってこと」
について問題を提起した上で、
「生命選別しないと駄目だと思いますよ」
「その選択が政治なんですよ。」
「だからそういったことも含めて、順番として、その選択するんであれば、もちろん、高齢の方から逝ってもらうしかないです。」
と述べている。
誤解が生じる隙もないほどに、大西氏は明確に自分の考え方を述べている。
大西氏がどのような死生観を持っていようが、それも基本的に本人の自由である。
しかし、大西氏の発言は死生観を論じたものではなく、政治のあり方を論じたものであり、そのなかで、はっきりと「生命の選別」について「高齢者から先に逝ってもらう」選択を政治がするべきだと述べている。
この考え方、主張が批判されている。
それは、れいわ新選組の主張の根幹と対立するものであり、自己の主張を維持する大西氏がれいわ新選組を除籍されるのは極めて順当なことであると判断される。
問題は、大西氏が会見でも、自分が発した言葉について、事実に基づく認識を示していないこと。
この姿勢が、大西氏の主張の内容とは別の次元で批判の対象になっている。
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