宮城県議会が原発再稼働是非住民投票否決
宮城県議会は3月15日の本会議で、東北電力女川原発2号機(石巻市、女川町)の再稼働の是非を問う県民投票条例案を、自民、公明両党会派などの反対多数で否決した。
条例案は、県民投票を目指す仙台市の市民団体「みんなで決める会」が地方自治法に基づき直接請求した。
集めた有効署名は約11万1700人で、必要となる有権者数の約3倍となった。
本会議で自民、公明会派はそれぞれ、「賛成か反対かの2択では多様な県民の意思を表せない」などと反対した。
否決を受け、みんなで決める会の多々良哲代表は「とても残念だが、県民の意思を示すための運動は今後も続けたい」と話した。
これは、時事通信社が配信した
「県民投票条例案を否決=女川原発の再稼働めぐり-宮城県議会」
https://bit.ly/2ucJQcj
を転載したものである。
3月2日のオールジャパン総決起集会
「2019政治決戦必勝!総決起集会
ガーベラ革命で共生社会を実現しよう」
https://bit.ly/2NFlQaC
では、第3部「地方から政治を変える」
で、2017年の宮城県知事選に立候補された「みんなで決める会」代表の多々良哲(たたら・さとし)氏が
「原発再稼働阻止に向けての宮城県の取り組み」
をテーマに講演された。
多々良氏は総決起集会で、女川(おながわ)原発2号機再稼働阻止に向けての宮城県の取り組みについて報告された。
この再稼働の是非を問う県民投票条例の制定を求め、住民直接請求運動を起こされた。
「地方自治法第74条に基づいて有権者の50分の1の署名を添え知事に提出すると、住民が自ら作った条例案を直接議会に提出できる。3万9000人の署名を、2カ月間で集めなければならず、ハードルの高いものだった」と振り返った。
結果は法定数の約3倍の11万1743人分を集め、2月21日、県議会に提案された。
多々良氏は、
「草の根民主主義が慣例や前例主義で動く議会の予定調和を次々と打ち破った」
と吐露された。
この条例案が3月14日に集中審議され、15日に採択されたのだが、自民、公明両党会派などの反対多数がこの条例案を否決した。
3月14日の審議について、河北新報は
「<女川再稼働>住民投票
「全県リスク高い」「政治参加の手段」
審議白熱5時間に 宮城県議会連合審査会」
の見出しで詳報した。
「総務企画、環境生活農林水産の両委員会の議員らが住民投票の在り方や選択肢などについて持論を展開。審議時間は約5時間に上った。」
「女川原発がある立地自治体の選出議員は地元と他の地域が同一条件で投票することを疑問視。
自民党・県民会議の本木忠一氏は「立地自治体は原発と共存してきた。他の自治体とは温度差がある」と指摘した。」
「同会派の畠山和純氏も「被災地最大の課題である産業を維持する上で、原発再稼働は大きな問題。(住民投票について)立地自治体の意思を聞かず、県全体で実施することはリスクが高い」と主張した。」
「住民投票の実現を訴える野党会派は、実施に消極的な与党議員の意見や執行部の説明に対して攻勢を強めた。
みやぎ県民の声の藤原範典氏は「住民投票は間接民主主義を補完し、住民の政治参加の手段としても意義がある」と強調した。
社民党県議団の熊谷義彦氏は「福島の原発事故で今も苦しんでいる人たちの痛みや苦しみを受け止め、しっかりと議論を尽くすべきだ」と求め、結論ありきの審議にくぎを刺した。」
審議では、住民投票の選択肢が二択とされたことも論議の対象になった。
「公明党県議団の庄子賢一氏は「2択にして多様な県民の声が反映できなければ、投票率が下がる」と懸念を示した。
共産党県議団の角野達也氏は村井嘉浩知事が条例案に付けた意見を踏まえ「100人いれば100通りの考えがある。3択にすれば知事の懸念はクリアできるのか」と批判した。」
結局、原発再稼働を推進する勢力が、住民投票の実施を阻止するかたちになった。
沖縄県で辺野古埋め立ての是非をめぐる住民投票が実施され、埋め立て反対の投票が72%を占めたことと比較して、住民投票を行う前に門前払いした宮城県の対応は直接民主主義に対する軽視の姿勢であるとも評価できる。
結局は県議会の構成が原発推進に傾いていることが決定力を持ってしまったものと言える。
しかし、県民投票実現に向けての力の結集が大きな論議を引き起こしたことは重要である。
主権者の能動的な行動が政治刷新の原動力になるからだ。
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