カテゴリー「働かせ方改悪」の7件の記事

2019年2月 1日 (金)

「働かせ方改悪」でなく「働く制度の改善」が必要

病院で診断を受けた結果、インフルエンザa型に罹患したことが判明した。


インフルエンザの症状は厳しいので当面は安静にしておきたい。


全国でインフルエンザが大流行している。


低温、乾燥という感染拡大の条件が整っている。


重症化することもあるから適切な対応が必要である。


問題は高熱が収まってもウイルスを保有している人が人と接触すれば感染が広がってしまうことだ。


人手不足の職場ではインフルエンザで1週間も休みを取ることが容易には許されないだろう。


また、非正規の労働者の場合、実労働時間によって賃金が支払われるから病気といえども休みを取れば、そのまま収入減につながってしまう。


昨年来、「働き方改革」という名の「働かせ方改悪」が論議され、法律が強行制定されてしまったが、これらの制度変更では、資本の側の論理が優先され、労働者の利益が完全に無視されている。


41k2lsts3sl_sx311_bo1204203200_ 「成長戦略」という言葉の響きは良いが、「誰の」、「何の」成長なのかが重要だ。


「労働者の利益の成長」なら良い話だが、現実は違う。


「資本の利益の成長」を目指すのが「成長戦略」なのである。


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NO.3「働き方改革」の嘘を記述した。

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正規労働者には有給休暇があり、インフルエンザで休みを取っても所得が保障される。


病気療養をすることができる。


しかし、非正規労働で休業補償がなければ、無理をしてでも働かなくてはならないとの事情が優先されてしまう。


同時にこのことが感染拡大の原因にもなる。


企業の側では、インフルエンザに罹患しても、十分な休みを取らせない場合もある。


十分な隔離をせずに職場に復帰させれば、それが感染を拡大させる原因にもなるのである。


アベノミクスでは企業の利益拡大を優先する考え方が採られてきた。


その上で、企業利益が拡大すれば、それが従業員の所得拡大につながると説明してきた。


これを安倍内閣は「トリクルダウン」と説明してきたが、「トリクルダウン」は観察されていない。


労働者の賃金所得は減少の一途を辿っている。


法人企業統計における全産業・全規模合計の、税引前当期純利益の推移を見ると、2012年度の49.0兆円が2017年度に92.8兆円に拡大したことが分かる。


第2次安倍内閣発足後の5年間に企業収益はほぼ倍増したのである。


その一方で、労働者一人当たりの実質賃金は約5%も減少した

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厚生労働省が発表している毎月勤労統計のデータ不正が問題になっている。


統計数値が過大に計上されていた疑いがあるから、実質賃金の減少はより大きなものになる可能性もある。


いずれにしても、企業収益が倍増するなかで労働者の実質賃金は5%も減少した。


これがアベノミクスの象徴的な断面なのだ。


安倍首相は雇用が増加し、有効求人倍率が上がったことだけを繰り返しアピールする。


この安倍首相の説明は「広告代理店の説明」と呼ばれている。


都合の良い部分だけを徹底的に繰り返し、都合の悪い部分には絶対に触れない。


雇用が増えたというが、増加した雇用の約7割が非正規雇用なのだ。


雇用の7割が正規雇用で3割が非正規雇用。


しかし、増加する雇用の7割が非正規雇用なら、労働者全体に占める正規雇用の比率はどんどん下がってゆく。


インフルエンザに罹患しても安心してゆっくりと養生することもできない状況が広範に広がっているのだ。


大資本=ハゲタカファーストの政策を庶民ファースト=国民ファーストの政策に転換することが求められている。


これが日本政治の第一の課題である。

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2018年11月20日 (火)

ゴーン会長逮捕が高額報酬見直し契機になる

日産自動車のカルロス・ゴーン会長が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕された。


現時点で認否は明らかにされていない。


ゴーン会長の役員報酬は国内の上場企業の中でもトップクラスである。


朝日新聞報道によると、


「東京商工リサーチのまとめでは、役員報酬の開示制度が始まった2009年度に日産から受け取った報酬は8億9100万円で、上場企業でトップ。


その後も毎年10億円前後の報酬を受け取り、16年度まで8年連続でトップ10に名を連ねた。」


ということである。


今回の逮捕容疑は、この間の5年間に届け出た報酬額が虚偽で、実際はその倍近い報酬を日産から受け取っていたというものである。


格差問題が深刻になるなかで、企業経営者の報酬のあり方を考え直す必要がある。


ゴーン氏は2018年の株主総会で、日産の報酬水準について


「優秀な人材をつなぎとめるため、競争力のある報酬が求められている」


と強調した。


世界的な自動車会社のCEOの報酬が20億円近くにのぼることなどを挙げて理解を求めていた。

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問題は現在経済のなかで、企業トップが高額報酬を受け取ることの是非である。


企業経営者の役割は大きい。


巨額の赤字を計上している企業が、経営者の交代によって巨額の黒字に転換することはある。


企業経営者の手腕によって、企業の業績は激変し得る。


企業経営者が一定の成功報酬を得ることは合理的である。


しかし、企業の業績が大幅赤字に転落したときに、経営者が赤字を自己資金で補填することはない。


赤字に転落しても高額報酬を獲得し続けることがほとんどだ。


赤字に転落しても赤字分の補填を求められない経営者が、黒字が拡大したときだけ、巨額の成功報酬を得ることは正当でない。


巨大な利益を上げることが功績だとされるが、巨大な利益を個人の力で獲得しているわけではない。


企業が利用する「総資本」、あるいは「株主資本」を事業に投下して利益を上げているだけなのだ。


100万円の資金を投下して得られる利益と1000億円の資金を投下して得られる利益を同列に比較することはできない。


比較するとすれば、投下資金に対する利益の比率=総資本利益率・自己資本利益率を比較するべきである。

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2017年度は、ゴーン氏が日産の社長兼最高経営責任者(CEO)を退いたため、日産からの報酬は7億円超に減少したが、新たに三菱自動車の役員報酬が加わって合計で10億円近くを受け取っている。


1年で総額20億円前後を稼いでいる計算だ。


過去20年間、日本においても企業経営者に巨額報酬を分配する事例が増えている。


欧米の事例に倣うというのが主たる根拠である。


しかし、欧米が先進的で優れているということではない。


末端の労働者に対してはフルタイムで働いても年収が200万円に届かない報酬体系を保持しながら、企業経営者が年収10億円を得ることを正当化する論理は存在しない。


汗水たらして働いている労働者の報酬の500倍の報酬を企業トップが得る状況の放置が格差拡大をもたらしてきたのだ。


共生社会を実現するためには、企業活動が生み出す果実である利益を適正に分配することが必要である。


企業が生み出す利益は労働者と資本に分配される。


資本の利益を極大化させる政策は、労働への分配を削減することである。


第2次安倍内閣が発足してからの日本経済では、経済全体が超低迷を続けるなかで大企業の利益が史上最高を更新し続けた。


資本にとっては夢のような状況だが、労働者は苦しみを強要されるものだった。


資本への分配は株主への配当、内部留保、役員報酬に配分される。


分配のあり方が社会のあり方を決定する。


分配のあり方を見直すことが求められている。

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2018年3月 2日 (金)

安倍政権は「働かせ方改悪法案」全体を撤回せよ

安倍政権が今次通常国会に提出予定だった労働規制改変法案のうち、裁量労働制拡大法案の提出を断念した。


当然の行動だが、その理由は安倍政権が提出を予定している労働規制改変法案が「働かせ方改革法案」であるからだ。


安倍首相は「働き方改革」と表現しているが、これは安倍首相が得意とするペテン師的手法である。


「戦争法制」を「平和安全法制」と呼び換えた。


「共謀罪」を「テロ等準備罪」と呼び換えた。


言葉を耳に心地の良いものに変えて「印象操作」を行う。


これが安倍首相の常套手段だが、この手法が功を奏するには、内容の本質が主権者国民に浸透する前に、数の力に依存する横暴な議会運営を挙行する必要がある。


戦争法制でも、共謀罪創設でも、安倍政権は数の力による横暴極まりない対応を続けてきた。


しかし今回は、あっさりと裁量労働制度拡大の法案を撤回した。


厚生労働省のデータ処理が著しく悪質であることが判明したことが背景であると考えられる。


また、長時間残業の合法化や高度プロフェッショナル制度の導入を実現するために、背に腹は代えられぬ対応を示したのかも知れない。


野党はここで攻撃の手を緩めてはならない。


これは労働法制を政争の具とすることではない。


労働法制がアベノミクスの本質に関わる事項であるとともに、安倍政権の基本方向が主権者国民の側ではなく、主権者国民を利潤を獲得する単なる手段としてしか考えない資本の側に立って策定されたものであることに基づく、主権者国民の側に立つ政治勢力の当然で正当な政治行動なのである。

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安倍政権が労働規制改変法案で実現を目論んできたのは次の四つである。


1.長時間残業の合法化


2.正規労働者と非正規労働者の処遇格差の維持


3.残業代ゼロ制度の導入


4.裁量労働制の適用範囲拡大


である。


残業時間規制については、その上限を定めて、違反に対する罰則規定が設けられることになるが、設定される残業時間の上限に重大な問題がある。


政府の提案では月100時間未満の残業が合法化されることになる。


月80時間の残業で過労死が認定された事例があることを踏まえると、安倍政権の提案は過労死水準の長時間労働を合法化するということになる。


過労死の被害者の遺族が、「過労死合法化法案」と呼ぶことのできるこの法案に強く反対しているのは当然のことと言える。


高速道路での高速走行による死亡事故が相次いだとして、これをなくすために新たに法定上限速度を定めて罰則規定を設けるとする。


その際に、法定上限速度を時速300キロに設定するのでは意味がないだろう。


これと同じ対応を安倍政権が示している。

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労働者の命と健康を守るには、退社から出社までの間隔を一定時間以上確保することを義務付けることが有効だ。


これにも厳しい罰則規定を設けるべきである。


EUでは、この「インターバル規制」が拘束力を持ち、退社から出社までに11時間の間隔を置かなければならない。


「働き方改革」という言葉は、労働規制改変法案の内容を事実と真逆に歪める悪質な呼称である。


「働かせ方改悪」と表現すれば、安倍政権が提案予定の法案の内容と整合的であるが、「働き方改革」では、ほとんど「詐欺」だと言われて反論しようがないだろう。


安倍政権は「成長」を追求しているが、「成長」したくても「ない袖は振れない」のである。


日本経済はいま供給能力の制約に直面している。


生産量の上限は労働供給と労働生産性によって規定される。


少子高齢化と人口減少によって労働供給が減少し始めている。


技術革新がなければ労働生産性を引き上げることは難しい。


この制約を直視せずに成長を追求しても無理があるのだ。


そこで安倍政権が持ち出してきたのが、労働者からの搾取による企業利潤の増大である。これが「労働規制改変法案」=「働かせ方改悪法案」である。


労働者をゼロ賃金で働かせることができれば、企業の利潤は拡大するが、これこそまさに労働者からの搾取に他ならない。


「労働規制改変法案」=「働かせ方改悪法案」は、労働者からの搾取による企業利潤増大法案であり、この本質に問題がある。


「働かせ方改悪法案」全体の廃案が求められている。

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2018年2月28日 (水)

「働かせ方改悪」推進する安倍政権基本姿勢が元凶

安倍政権が提案している「働かせ方改悪」に対する風圧が強まっているのは、データに不備があったという技術的な要因に原因があるのではなく、この提案の目的、安倍政権の基本姿勢に問題があるからだ。


「働かせ方改悪」は労働者=主権者の利益を増大させる提案ではない。


逆に労働者=国民の利益を著しく悪化させるものである。


労働者のための制度改定ではなく、労働者を雇う資本のための制度改定であることが、風圧が拡大している主因なのである。


安倍政権が提示している「働かせ方改悪」の柱は以下の4点である。


1.長時間残業の合法化


2.正規労働と非正規労働の格差の維持


3.年収1075万円以上の労働者を対象とする残業代ゼロ制度の創設


4.残業代ゼロの裁量労働制度の範囲拡大


残業時間に上限を設定し、違反に対する処罰規定を設けることは正しい。


しかし、その上限が労働者の酷使を容認するものであるなら制度改定は「改正」ではなく「改悪」になる。


労働者を守る規制を強化し、違反を厳正に取り締まるのでなければ、制度を改変する意味がない。


今回の改定では月次の残業時間が100時間未満まで容認される。


「過労死」の被害者遺族が「改悪」であると批判するのは当然のことである。実際に、月次残業時間80時間未満で過労死した労働者が労災認定されており、月次100時間未満の残業容認は「過労死」合法化に他ならない。


安倍政権は「過労死」を防止する意思を有していないということになる。

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過労死を防ぐには最低限必要な休息が必要である。


EUではEU加盟国がEU労働時間指令の内容を国内法として規定する義務を負っており、これがEU諸国における共通の基準になっている。


EU労働時間指令では、休息時間について24時間につき最低連続11時間の休息時間を求めている。


休憩時間を含めた1日の拘束時間の上限を13時間としているのである。


深夜12時に退社した場合には、午前11時より前に出社することが許されない。


この「インターバル規制」こそ、労働者の生命と健康を守る重要な基本ルールになっている。


月100時間の残業時間は平日週5日勤務の場合、午前9時から休息1時間をはさんで午後6時までの所定内労働を終えたのち、休息1時間をはさんで深夜12時までの勤務を毎日続けることを意味する。


12時に退社して、翌朝9時には出社していなければならない。


この生活が1ヵ月連続する状況であり、安倍政権はこうした勤務実態を合法化しようとしている。


これでは、労働者の心身の健康、生命を守ることができない。


このような勤務を望むのは、労働者を単なる消耗品としか考えない冷酷な資本だけである。


つまり、安倍政権は主権者=労働者=生活者の側に立って政策を立案しているのではなく、労働者=主権者を、利潤を拡大するための「道具」としか考えない、資本の側に立って政策を立案しているのだ。


この基本姿勢、基本スタンスに問題があるのだ。

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高度プロフェッショナル制度や裁量労働制は、労働の生産物に縛りをかけて、労働の仕方を労働者に委ねる制度である。


勤務時間などを労働者が柔軟に選べる制度だとするが、この制度の普及によって、長時間労働が強制されることが懸念されている。


資本の側がこの制度の拡大を求める理由は、この制度の拡大によって、労働コストを削減できると期待するからである。


過大な成果を上げることを労働者に押し付ければ、労働者は望まない長時間労働を強いられることになる。


資本の側は、労働者が長時間労働に従事しても、割増賃金を払う必要がない。


実質的に労働コストを削減できるのだ。


裁量労働制下の労働実態を調べれば、一般労働者の残業時間よりも裁量労働制下の労働者の残業時間が長くなることは容易に想像できる。


そうでなければ、資本の側が裁量労働制を導入しようとは考えないことも容易に想像がつく。


ところが、安倍首相は国会答弁で、裁量労働制下の労働者の残業時間が一般労働者の残業時間よりも短いというデータがあると述べた。


しかし、これは虚偽答弁だった。


その虚偽答弁の拠りどころになったデータが、極めて疑わしいデータであることが判明した。


厚生労働省が「働かせ方改悪」法案を押し通すために、虚偽の情報をねつ造した疑いが浮上しているのだ。


真相を明らかにして、法案の提出を断念することが必要な事態が生じていると言える。

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2018年2月25日 (日)

なぜ「働かせ方改悪」としか表現しようがないのか

安倍政権が「働き方改革」と「印象操作」している「働かせ方改悪」を断固阻止しよう。


安倍政権が提示している「働かせ改悪」は、


1.長時間残業の合法化


2.正規労働と非正規労働の格差の維持


3.年収1075万円以上の労働者を対象とする残業代ゼロ制度の創設


4.残業代ゼロの裁量労働制度の範囲拡大


を柱とするものである。


そのすべてが、資本の側に立つ制度変更である。


大資本は労働者を最小の費用で酷使し、使い捨てにすることを目指している。


この大資本の要請に応えて制度を創設しようというのが安倍政権の「働き方改革」であり、その実態は「働かせ方改悪」なのである。


安倍政権が「改革」と表現しているのは、安倍政権の立ち位置が大資本の側にあるからだ。


大資本の側から見れば、上記の制度変更は、すべて歓迎するべきものであり、これをプラスの意味を持つ言葉で表現するのは適正なのである。


しかしながら、労働者である国民の側に立って、これらの制度変更を評価するならば、そのすべてが現状を悪化させるものであって「改悪」と表現するほかないものばかりである。


制度変更は、


「大資本が大資本の利益拡大のために、労働者をどのように働かせるか」


という視点に立って提示されたものであり、この現実を踏まえるならば、安倍政権の提案は「働かせ方改悪」としか表現できないのである。

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残業時間に上限を設定して、違反に対しては罰則規定を設けることは正しいが、何よりも問題になるのはどのような上限を設定するのかである。


高速道路で猛烈なスピードで走行する暴走車による重大事故が相次いだとしよう。


これらの事故を踏まえて、新たに高速道路の制限速度を設定して、この限度を超えた車を処罰する制度を導入したとしよう。


この法定速度上限を、たとえば80キロに設定するなら、暴走車の発生を抑止する効果を発揮するだろうが、ここで設定する法定速度上限を時速300キロに設定するなら、制度を創設する意味はないことになる。


逆に時速300キロまでは合法化されたとして、暴走車が激増することになる可能性が高い。


NHKでも電通でも長時間残業による過労死という痛ましい事例が発生してきた。


このような悲惨な事例の再発を防ぐことを目的に制度を設計するなら、安倍政権が提示するような案は出てくるわけがない。


安倍政権が提示している新たな法定上限は、月残業時間100時間未満というものである。


2~6ヵ月の平均値でも月残業時間80時間を容認するものである。


これらの水準は、これまでの裁判事例でも過労死が認定された水準である。つまり、過労死が生じる長時間残業を合法化するというのが、今回の安倍政権の提案内容なのだ。

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労働基準法では1日8時間、週に40時間を超える労働時間は原則的に認められていない。


しかしながら、会社と労働者が協定を結ぶことによって、いわば「例外」として残業をさせることが認められているのである。


その上限は月45時間、年間360時間である。


したがって、安倍政権が「働き方改革」として、動労者の側に立って、新たに罰則規定のある残業時間の上限を定めるというのであれば、当然のことながら、この、月45時間、年間360時間を法定上限として設定するべきなのだ。


ところが、安倍政権が選択した上限は月100時間である。


過労死を合法化する新制度との批判を免れない。


他方、安倍政権は裁量労働制を広範に認める制度の導入を目論んでおり、一般労働者の残業時間よりも裁量労働制の労働者の残業時間の方が短いとのデータがあると安倍首相が国会で述べた。


ところが、そのようなデータは存在しなかった。


厚生労働省は調査データの処理に恣意的な操作を行い、安倍政権が求める「裁量労働制の労働者の残業時間が一般労働者の残業時間よりも短い」という結果をねつ造したのだと見られている。


厚労相の罷免は免れない巨大不正と言わざるを得ない。


過労死を防ぐには、会社を退社してから出社するまでの時間を確保することを義務付ける「インターバル規制」が必要不可欠だ。


EU加盟国はEU労働時間指令の内容を国内法として規定する義務を負っており、EU労働時間指令がEU諸国における共通の基準になっている。


そのなかで、休息時間について、24時間につき最低連続11時間の休息時間を求めている。


つまり、1日のなかで休憩時間を含めた拘束時間の上限を13時間としているのだ。


月100時間残業は月20日勤務で考えると1日5時間の残業ということになる。


9時から6時まで1時間の休憩をはさんで8時間勤務だ。その後、1時間の休憩をはさんで12時まで働く計算になる。


退社から出社まで、通勤時間を含めて9時間しかない。通勤時間が片道1時間であれば、午前1時に帰宅して午前8時に自宅を出る生活が毎日続くことになる。


このような生活が過労死を生み出すのである。


労働者の立場に立って制度を構築するなら、最低限、EU並みのインターバル規制を罰則規定付きで導入するしかないが、安倍政権の提案には、これが含まれていない。

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2018年2月24日 (土)

「働かせ方改悪法案」を葬らねばならない理由

「働き方改革国会」などと表現されているが、安倍政権お得意の「印象操作」である。


「戦争法制」を「平和安全法制」と呼び変えた。


「共謀罪」を「テロ等準備罪」と呼び変えた。


「息を吐くようにウソをつく」安倍首相だから、言葉を言い換えて国民を騙すことなど朝飯前なのだろうが、主権者である国民は問題の本質を捉えて安倍政権の暴走を、もうこれ以上野放しにしてはならない。


「働き方改革」の実相は「働かせ方改悪」である。


したがって、今国会は「働かせ方改悪国会」と呼ばなければならない。


繰り返し使う言葉は重要だ。


言葉が言葉として力を持つ。言葉が持つ力。「言霊(ことだま)」という。


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安倍政権が目論んでいることを正確に表現するなら、必ず「働かせ方改悪」と呼ばねばならない。


この言葉を繰り返すことによって、法案の本質が徐々に主権者国民の間にも広がってゆくからだ。


「アベノミクス」は「アベノリスク」である。


私は2013年7月の参院選前に、『アベノリスク』と題する著書を上梓した。


http://goo.gl/xu3Us


参院選で衆参両院の過半数議席を安倍政権与党が確保すると、史上空前の7つのリスクが広がることを警告した。


7つのリスクとは、インフレ誘導・消費税大増税・TPP・原発・シロアリ増殖・憲法改変・戦争、である。

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このリスクが広がってきたのが、過去5年間の日本の現実だ。


アベノミクスは、財政出動、インフレ誘導、成長戦略の三つによって構成されているが、財政出動は消費税増税で自爆し、インフレ誘導は玉砕するとともに、その政策が完全な誤りであったことが現実によって実証された。


第2次安倍政権が発足してからの5年間で実質賃金が増加したのは2016年の1年限りだった。


2016年だけ、実質賃金がわずかに増加した。理由はインフレ誘導に失敗してインフレ率がマイナスに回帰したことだった。


インフレ誘導は実質賃金を減少させる政策であり、間違った政策方針なのである。


そして、アベノミクスの核心は成長戦略である。


成長戦略とは「大資本の利益を成長させる戦略」のことであって、主権者国民の利益、所得、幸福を成長させる戦略ではない。


成長戦略の柱は、農業自由化、医療自由化、労働規制撤廃、法人税減税、特区創設・民営化の五つであるが、すべての目的は、大資本の利益を極大化させることにある。


農業自由化は日本農業を農家の農業から外資が支配する農業に変えることが目的である。


医療自由化は医療費や薬価の高騰を容認して公的保険でカバーされない医療を拡大することに狙いがある。


法人税減税は日本企業を支配する外資の税負担を軽減することが目的である。


特区・民営化は独占利潤を生む公的事業を大資本に提供するとともに、インナーサークルに利益と便宜を供与するための施策である。

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国境を超えて活動する巨大資本が世界市場を統一して、利潤を極大化させる行動を「グローバリズム」と呼ぶ。


グローバリズムは巨大資本の利益極大化のための基本戦略なのである。


安倍政権の経済政策は、そのすべてが巨大資本の利益極大化を目的としたものである。つまり、安倍政権は国際巨大資本の支配下にある政権なのである。


TPPがこのグローバリズムのひとつの集大成であることは言うまでもない。


そして、巨大資本がグローバルに利益を極大化させるうえで、最重要の施策になるのが「労働コストの最小化」である。


安倍政権が提示している労働法制改変は、まさにこの「労働コスト最小化」を目的としたものなのだ。


五つの達成目標がある。


非正規労働へのシフト加速、長時間残業の合法化、残業代ゼロ制度の拡張、外国人労働者の導入拡大、解雇の自由化、である。


すべての目的はただひとつ。


労働者を最低のコストで酷使して、使い捨てにすることができる制度を確立することである。


「残業時間に上限を設定して、罰則規定を設ける」ことが、あたかも労働者を守るための施策のように説明されているが、そう評価できるのは、上限が低く設定される場合に限られる。


月100時間の残業を認めることは、過労死に政府がお墨付きを与えるものであり、労働者の使い捨てを国家が公認する制度の確立に他ならない。


主権者国民が結束して、安倍政権の「働かせ方改悪法案」を粉砕しなければならない。

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2018年2月16日 (金)

いかさま統計数値で無制限残業裁量労働を許すな

安倍政権が「働き方改革」の一括法案をこの通常国会に提出する意向を示しているが、多くの問題点が明らかになっている。


安倍政権は「働き方改革」と表現するが、実態は「働かせ方改悪」と呼ぶべきものである。


残業時間に上限を決めて、罰則規定を設けることが宣伝されているが、その上限というものが「過労死を引き起こす」水準に設定されたのでは、何のための上限規制であるのか分からない。


しかし、安倍政権の狙いは残業時間の規制にあるのではない。


「残業代ゼロ制度」と呼ばれる制度の導入、「裁量労働制度」の導入が狙いである。


安倍政権は例によって「高度プロフェッショナル制度」であるとか、「裁量労働制度」などの「言葉」で「印象操作」しているが、私たちは制度の内容、本質を見極めなければならない。


「戦争法制」を「平和安全法制」と呼び変えたり、「共謀罪」創設に対する反発が強いと見るや、これを「テロ等準備罪」と名称を変えたりする。


言葉によって印象操作して、国民を騙す手口はペテン師の手口そのものである。


「高度プロフェッショナル制度」は年収1075万円以上の収入がある専門的な職業を、労働時間の規制や残業代、休日・深夜の割増賃金の支払い対象から外す制度であり、一般に「残業代ゼロ制度」と呼ばれているものである。


年収だけが決められる労働者は、この定額の収入に対して与えられた仕事をこなさなければならない。


徹夜して仕事を仕上げなければならなくなっても、報酬を得られない。だから「残業代ゼロ」と呼ばれている。

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政府は、この「残業代ゼロ制度」について、年収1075万円以上の労働者に限るとしているが、この金額が法律に書き込まれるわけではない。


「省令で定める」としているため、今後、政府が勝手に金額を引き下げてゆく可能性が高い。


その批判を否定するなら、法律に金額を明記するべきである。


経団連は2005年の「ホワイトカラーエグゼンプションに関する提言」で年収400万円以上という額を示していた。


また、1075万円以上という対象範囲については、「狭すぎる」という声が経済界から繰り返し表明されてきた。


企業は「残業代ゼロ制度」を「小さく生んで大きく育てる」ことを狙っていると考えられる。


立憲民主党の長妻昭衆院議員はNHKの日曜討論で、「裁量労働制」について、「電通の悲願でもあった」と発言した。


裁量労働制では、残業時間を一定の時間と決めれば、それ以上残業しても残業代を出さないでよいという制度で、これを営業に広げることが検討されている。


過労死の遺族も、この法案が通れば過労死は確実に増えると述べている。


裁量労働制度も高度プロフェッショナル制度も、要するに、企業が定額の賃金を支払い、無制限の残業を強いる制度になる可能性が極めて高い制度なのである。


残業時間に上限を設定して罰則規定を設ける法案と抱き合わせにして、残業規制がなく、残業代を支払わない制度を導入してしまおうちうのが安倍政権の基本姿勢なのである。

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こうしたなかで、「裁量労働制」に関する政府データの重大な問題が発覚した。


安倍首相は1月末に、「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」と答弁したが、この答弁が虚偽であることが発覚して、答弁の撤回に追い込まれた。


安倍首相がこの発言の根拠として用いたのは厚生労働省の労働時間等総合実態調査だが、同調査は極めて不自然で信用し難いものである。


2013年度の労働時間等総合実態調査では、一般労働者9449人の1日の残業時間を聞き取り、平均1時間37分としている。


法定労働時間(8時間)を足すと9時間37分になる。


他方、裁量労働制で働く人の平均労働時間は9時間16分だとしている。


安倍首相はこの数値を用いて、裁量労働制の労働者の方が労働時間が短いと答弁したのだが、この統計そのものの信ぴょう性が疑われている。


調査の内容に不自然な部分があまりにも多いのだ。


調査結果では、9449人の一般労働者のデータのなかに、1日の総労働時間が23時間を超える者がいた。


20時間を超える者が23人もいた。23時間以上働いて、どのように帰宅し、どのように睡眠を取るのか。


あり得ない数値だと言わざるを得ない。


「裁量労働制が長時間労働をもたらさないと主張するために、ねつ造されたデータではないか」との声が上がっている。


安倍政権が提出を予定している労働関連法制は国民の生活を改善するためのものではなく、改悪するためのものである。安倍政権は法案提出を断念するべきであり、野党は法律制定をあらゆる手法を駆使して阻止しなければならない。

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