カテゴリー「日ロ平和条約」の2件の記事

2026年8月17日 (月)

択捉国後の権利放棄した日本

8月16日のTBS番組『サンデーモーニング』にゲスト出演した加藤登紀子氏が北方領土問題に言及。

加藤氏は

「今『北方領土対して日本の要求は当然』とおっしゃったんですけど、私いろいろ調べましたが、やはり現在北方領土はロシアが領有されているものなので」

と発言した。

この発言をメディアが批判している。

日刊スポーツは次の見出しで報じた。

「「北方領土はロシアが領有…」
加藤登紀子の発言にTBSアナ補足
「正しくは実効支配」」

加藤氏の発言が「間違い」であるかのような批判記事である。

現在の日本政府は択捉島を日本固有の領土であると主張し、ロシアが実効支配していることは不当であるとするが、これはあくまでも日本政府の主張に過ぎない。

他方、ロシア政府は択捉島はロシア領土であると主張している。

どの立場から、何を根拠に述べるのかによって主張は変わる。

「択捉島はロシア領土である」

「択捉島をロシアが領有している」

という主張、見解は存在する。

これを頭ごなしに否定することはできない。

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放送事業者は放送法が適用される報道機関であるから、放送法の規定に則り放送を行う責務を負う。

放送法第4条は次のように定める。

第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。

一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

四に「意見が対立している問題」については、「できるだけ多くの角度から論点を明らかにする」ことと定めている。

「択捉島の領有権は日本にあり、ロシアはただ実効支配しているだけ」

というのは、あくまでも日本政府の現在の主張。

他方、ロシア政府は択捉島の領有権はロシアにあるとする。

TBSが政府の広報機関でないなら、放送法の規定に従い、

「意見が対立している問題」について「できるだけ多くの角度から論点を明らかにする」こと

が求められる。

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二つの重要事実がある。

第一は日本がポツダム宣言を受諾したこと。

第二は日本がサンフランシスコ講和条約を批准したこと。

ポツダム宣言に領土規定が置かれている。

第八項に

「日本国の主権は、本州、北海道、九州及四国並に吾等の決定する諸小島に局限せらるべし。」

「吾等の決定する」の「吾等」とは連合国のこと。

日本の主権が及ぶ範囲は

「本州、北海道、九州及四国並に吾等の決定する諸小島に局限」

されることを日本政府は受諾した。

他方、サンフランシスコ講和条約第二条(c)に次の規定が置かれた。

(c) 日本国は、千島列島並びに日本国が千九百五年九月五日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。

「千島列島対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する」

と明記されたが、ここにある千島列島の範囲について、講和条約調印直後の1951年10月19日の衆議院平和条約等特別委員会で外務省の西村熊雄条約局長が、

「北千島と南千島の両者を含むと考えている」

と答弁している。

日本政府は択捉島と国後島を「南千島」であるとしており、日本政府は択捉島と国後島に対するすべての権利を放棄することを条約で認めている。

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2026年8月14日 (金)

二島返還を喪失した大失策

ロシアのプーチン大統領が択捉島を訪問した。

プーチン大統領の択捉島訪問は初めてのこと。

高市首相は抗議の意を表明した。

日本とロシアとの間には北方領土をめぐる領土問題が存在する。

韓国とは竹島、中国とは尖閣諸島の領有権をめぐる対立が存在する。

日本と周辺諸国との間の三つの領土問題。

歴史的経緯を踏まえると三つの問題の裏側に米国の工作があったことが分かる。

韓国は李承晩政権が竹島の韓国帰属を宣言した。

1952年1月18日、韓国の李承晩大統領が

「隣接海洋に対する主権に関する宣言(海洋主権宣言)」

を行い、公海上に「李承晩ライン(平和線)」を設定した。

このラインの内側に竹島を取り込み、竹島の韓国帰属を宣言した。

敗戦後の日本が国家主権を回復したのは1952年4月。

同年1月は日本が主権を回復していない時期。

この時期の竹島韓国帰属宣言を容認したのは米国である。

1972年5月、米国は沖縄を日本に返還した。

その際に尖閣諸島の「施政権」を日本に引き渡した。

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だが、米国は日本の尖閣諸島「領有権」を認めていない。

「施政権」とは管理する権限。

「施政権」が日本に引き渡されたから、日本は尖閣諸島の管轄権を保持して現在に至る。

しかし、「領有権」について米国は日本の主張を認めなかった。

尖閣諸島の領有権を中国も主張していた。

そこで、米国は尖閣諸島の「領有権」については、日本の立場も中国の立場も取らない「中立」のスタンスを示して現在に至る。

1972年9月に日本は中国との国交を正常化した。

日中共同声明で国交を回復した。

その際、尖閣諸島の領有権問題が討議されたが、結論を将来に先送りすることで合意した。

いわゆる「棚上げ合意」である。

「棚上げ合意」が存在したことは1979年5月31日付読売新聞が社説で明記している。

尖閣諸島の領有権問題で日中が対立し、直ちに決着をつけることができないから、その解決を将来に先送りすることで合意した。

ロシアとの国交を回復したのは1956年。

これをやり遂げたのは鳩山一郎内閣だ。

「日ロ共同宣言」が発表されて日ロ(当時はソ連)は国交を回復した。

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このときに領土問題を解決して平和条約を締結する動きがあった。

北方四島のうち、北海道に近い小島である歯舞、色丹二島をソ連が日本に返還し、これをもって平和条約を締結する動きがあった。

ところが、米国が妨害したと伝えられている。

米国は日本に四島返還を要求しろと命令。

二島返還で日ソ平和条約を締結するなら、沖縄は永遠に返還しないと「恫喝」してきたと伝えられている。

当時の米国務長官はジョン・フォスター・ダレス。

ダレス国務長官が横やりを入れて平和条約締結が流れたとされる。

ダレスの横やりは「ダレスの恫喝」と呼ばれている。

これらの歴史事実を俯瞰すると、要するに、米国は日本の隣国との間に紛争の種を埋め込んだと言える。

中国とは尖閣諸島でもめ、韓国とは竹島でもめ、ロシアとは北方領土でもめる。

日本が近隣諸国と本格的な友好関係を結ばないように、米国が紛争の種を埋め込んだ。

この解釈が成り立つ。

日本はロシアとの間に平和条約を締結していない。

領土問題が未決着であることが最大の背景。

この状態を打破しようとの動きがなかったわけではないが、現在は冷え切った関係にある。

日ロ関係が激しく悪化した原因はウクライナ戦争に対する日本政府の対応に原因がある。

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