カテゴリー「尖閣問題」の3件の記事

2024年1月14日 (日)

選挙協力なくして選挙勝利なし

台湾の総統選が1月13日に投開票日を迎えた。

開票結果は

民進党・頼清徳氏 558万6019票
国民党・侯友宜氏 467万1021票
民衆党・柯文哲氏 369万 466票

となり、民進党の頼清徳氏が新総統に選出された。

中国との関係では民進党が独立指向を示す一方で、国民党と民衆党は中国との融和を重視する方針を示している。

事前の世論調査で頼清徳氏の優勢が伝えられていたため、国民党と民衆党の候補者一本化が試みられたが、話し合いが決裂して三者による選挙戦に突入した経緯がある。

国民党と民衆党による候補者一本化協議が成立していれば、この勢力が総統選に勝利したと考えられる。

単独過半数を獲得する候補者が存在しない場合に、上位2者による決選投票が実施される仕組みが取り入れられていれば、同様に国民党または民衆党の候補者が勝利したと推察される。

フランスの大統領選では最初の選挙で単独過半数を獲得する候補者がいなければ上位2者による決選投票が行われる。

フランスでは議会選挙においても2回投票制が採用されている。

台湾総統選の結果は日本における首長選挙および衆議院小選挙区選挙、参議院選挙区選挙に重要な示唆を与えるものだ。

主権者の意思を正確に選挙結果に反映させるためには、選挙制度の特性を踏まえた対応が必要になる。

台湾では総統選挙と同時に議会。立法院選挙も実施された。

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立法院選挙では総議席113のうち、国民党が52議席を獲得して第一党となり、民進党が51議席、民衆党が8議席を獲得した。

民進党は改選前から11議席を減らし、立法院過半数議席を維持できなかった。

国民党と民衆党は合わせて60議席を獲得し、両党合計では立法院過半数を獲得した。

総統選の投票率は71.86%で4年前の前回選挙よりも3%ポイントほど低下した。

それでも投票率が7割を超えていることは特筆される。

日本の国政選挙では投票率が50%程度の水準で低迷している。

総統選後に日本の上川陽子外相が、台湾の総統選で勝利した民主進歩党の頼清徳氏に祝意を表したことに対し、中国政府が反発した。

中国政府は、

「日本の外相が公然と祝意を表した」

と表現し、その上で

「台湾は中国の台湾で、台湾地区の選挙は中国内部の事柄だ」

と強調。

日本に対し、

「『台湾独立』勢力にいかなる誤ったシグナルも発さず、台湾海峡の安定や中日関係を妨害しないよう厳しく促す」

と要求した。

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日本は台湾に関して中国とどのような取り決めをしているのか。

この問題について、元外務省事務次官、駐米大使を歴任した栗山尚一氏が正確な解説記事を公開されている。

この内容を、台湾問題に言及する者は正確に理解しておく必要がある。

「台湾問題についての日本の立場-日中共同声明第三項の意味-」
https://www.jiia.or.jp/column/column-141.html

栗山氏は、1972年の日中国交正常化交渉の当時、外務省条約課長として、田中角栄首相、大平正芳外相に随行し、高島条約局長を補佐して中国側との交渉に参画している。

実際の交渉担当者として交渉の内容を正確に把握している人物である。

日本と中国は「日中共同声明」を発表して国交を正常化した。

その「日中共同声明」に台湾問題に関する記述が明記された。

栗山氏によれば、台湾の地位について合意された日中共同声明第三項が北京での国交正常化交渉において最後まで残った争点であり、また、共同声明の中で今日でも実体的意味を持っている唯一の規定であると指摘する。

その第三項とは次のもの。

「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。
日本政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。」

後述すように、この規定により、日本は実質的に台湾が中国の領土の不可分の一部であることを認めたことになる。

したがって、中国政府が指摘するように、上川外相が台湾総統選での頼清徳の当選に祝意を示したことは「内政干渉」に当たると理解される。

台湾有事は米国軍産複合体が自己利益の増大のために工作して創出しようとしているものであると理解される。

日本の内政干渉は、こうした企てに加担することにつながり、非難されねばならない。

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第3677
「台湾の中国帰属認めた日本」

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2017年2月 4日 (土)

日本施政下尖閣諸島が安保適用範囲はあたりまえ

成果がないのに、成果があったように報道するのはやめるべきだ。


大本営発表である。


米国のマティス国防長官が来日し、安倍首相と会談して、


「沖縄県の尖閣諸島が日米安全保障条約第5条の適用対象だ」


と明言したと、各紙が大きく報道している。


日米安保条約第5条の条文は次のもの。


第五条:
各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。


条文は、日米安保条約の適用範囲を


「日本国の施政の下にある領域」


定めており、


尖閣諸島が日本の施政下にあるなら、


「自動的に」


安保条約適用範囲になる。


尖閣諸島は日本施政下にあり、日米安保条約が存在する以上、マティス国防長官が発言してもしなくても、トランプ大統領が発言してもしなくても、


安保条約適用範囲になる。


ニュースになるような内容でない。

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NEWS


が「新しい内容」であるとするなら、このようなことは、


OLDS


に過ぎない。


2014年4月にオバマ大統領が来日した際、


オバマ大統領が、


「尖閣が日米安全保障条約の適用範囲であること」


を明示したことを大きく報道したが、これも、まったく意味のないことだ。


日米安保条約第5条が存在し、


尖閣諸島が日本の施政下に置かれている以上、


「自動的に」


尖閣諸島は日米安保条約第5条の適用範囲になる。


日米会談で、成果が何もないから、成果でも何でもない、こんなことを大きく報道するしかないのだ。


米国は尖閣諸島が日本の施政下にあるから、安保条約第5条の適用範囲であることを、過去から繰り返し表明しているが、


尖閣諸島が日本に帰属するとは一度も言ったことがない。


「尖閣諸島の領有権について、米国はいずれの国の側にも立たない」


との立場を貫いている。

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マティス国防長官が


「尖閣諸島の領有権は日本にある」


と明言したなら、これはビッグニュースだ


しかし、そんなことは一言も言っていない。


また、


「尖閣諸島は日米安保条約第5条の適用範囲ではない」


と明言したなら、これもビッグニュースだ。


しかし、日本の施政下にある尖閣諸島が日米安保条約第5条の適用範囲であることは、条文の規定の解釈そのものであり、これを


「大きなニュース」


であるかのように報じることがいかがわしい。


さらに言えば、米国は尖閣諸島が日米安保条約第5条の適用範囲であることを認めているが、具体的に何をするのかについて発言していない。


安保条約第5条は、


「自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動する」


ことしか定めていない。


武力出動するなどの具体的内容を記載していないのである。


1948年に米国上院で決議された「バンデンハーグ決議」は「相互主義の原則」を定めている。


米国の自国の安全に影響を及ぼす地域的・集団的防衛協定への参加、およびその協定が〈継続的・効果的な自助と相互援助〉の原則に基づくことを定めている。 


トランプ大統領は、


「現在の日米安全保障条約は、アメリカに日本の防衛義務があるのに、日本には同じ義務がない」


と述べており、バンデンハーク決議との関係で、米国が日本のために防衛出動するのかどうかは不明なのだ。


メディア報道は、ニュース価値のないことを政府の大政翼賛会として大報道するのをやめて、本当に大事なことを伝えるべきだ。

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2014年11月 8日 (土)

尖閣領有権棚上げの原点に回帰し日中関係を改善

「尖閣問題を紛争のタネにするな」


というタイトルの社説がある。次の書き出しで始まる。


「日本が尖閣諸島の魚釣島で進めいている開発調査に対し、中国外務省が公式に遺憾の意を表明するとともに、善処を求めてきた。


この遺憾表明は口頭で行われ「日本の“行為”は法的価値を持つとは認めない」と中国側の立場を明確にしながらも、厳しい抗議の姿勢ではなく、繰り返し大局的な配慮を要望したという。事をあら立てまいとする中国の姿勢がうかがわれるが、わが国としてもこの問題を日中の“紛争のタネ”に発展させないよう慎重な対処が必要だろう。」


さらに次のように続く。

「尖閣諸島の領有権問題は、一九七二年の国交正常化の時も、昨年夏の二中平和友好条約の調印の際にも問題になったが、いわゆる「触れないでおこう」方式で処理されてきた。


つまり、日中双方とも領土主権を主張し、現実に論争が“存在”することを認めながら、この問題を留保し、将来の解決に待つことで日中政府間の了解がついた。


それは共同声明や条約上の文書にはなっていないが、政府対政府のれっきとした“約束ごと”であることは間違いない。約束した以上は、これを順守するのが筋道である。


鄧小平首相は、日中条約の批准書交換のため来日した際にも、尖閣諸島は「後の世代の知恵にゆだねよう」と言った。


日本としても、領有権をあくまで主張しながら、時間をかけてじっくり中国の理解と承認を求めて行く姿勢が必要だと思う。」

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尖閣領有権問題は日本と中国がそれぞれに領有権を主張しているため、1972年の日中国交正常化時と、1978年の日中平和友好条約調印時に
「領有権問題の決着を先送りすること」で日中両政府が了解した。


上記の「社説」は、


「共同声明や条約上の文書にはなっていないが、政府対政府のれっきとした「約束ごと」である」


ことを明記している。


日本と中国の双方が尖閣諸島の領有権を主張しており、両国の国交正常化及び平和友好条約締結のために、この問題の決着を先送りすることで両国が合意したことを、一般に「棚上げ合意」と呼んでいる。


上記「社説」は、尖閣領有権問題の「棚上げ合意」が存在することを明確に認めたものである。


この社説は、読売新聞社説である。


1979年5月31日付の読売新聞に掲載されたものである。


読売新聞は、社説において、尖閣諸島の領有権問題に関する日中両国による「棚上げ合意」が存在することを、


「これを順守するのが筋道である」


と明記している。


これは歴史の真実、明白な事実である。

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その読売新聞が、2013年1月26日付の社説では、次のように記述した。


「尖閣諸島は日本固有の領土であり、領土問題は存在しない。日本政府の立場を堅持することが肝要なのに、気がかりな点がある。


山口氏が訪中前、香港のテレビ局に対し「将来の知恵に任せることは一つの賢明な判断だ」と述べ、「棚上げ論」に言及したことだ。


山口氏は習氏らとの会談では触れなかったが、看過できない発言だ。棚上げ論は、中国の長年の主張である。


先に訪中した鳩山元首相は、尖閣諸島を「係争地だ」と述べた。領有権問題の存在を認めたことなどから、中国の主要紙が大きく取り上げた。中国に利用されていることが分からないのだろうか。


国益を忘れた言動は百害あって一利なしである。」


つまり、


「棚上げ合意が存在する」


ことを社説で主張していた読売新聞が、手のひらを返して、今度は、


「尖閣諸島は日本固有の領土であり、領土問題は存在しない」


と社説で述べているのである。


こうした、いわゆる「二枚舌」外交が、


「国益を忘れた言動」


と言うべきもので、


「百害あって一利なし」


の行動なのだ。

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日中首脳が2年半ぶりに北京で首脳会談を開催する可能性が高まった。


尖閣諸島の領有権問題について、日中両国間に見解の相違が存在することを日本政府が認めることによって首脳会談が開催される予定となった。


日本政府が従来の主張を変えて譲歩したことによって首脳会談が実現することになる。


あたり前の対応が取られたわけで、このように問題を長期化させず、歴史事実に基づいて早期に対応するべきであった。


とはいえ、日本側が譲歩して日中関係を改善させる方向に一歩前進することは望ましいことである。

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