国民生命より五輪道路が大事とする基本姿勢
東京五輪の招致委員会は国際陸上競技連盟元会長で国際オリンピック委員会(IOC)前委員のラミアン・ディアク氏の息子に関係するシンガポールの口座に、2013年7月と10月に「東京2020年五輪招致」という名目で2億2300万円を送金している。
招致委員会が送金したのはシンガポールの「ブラックタイディングス社」である。
「東京2020年五輪招致」の「コンサルタント費」だ。
「コンサルタント費」
とは何か。
恐らく
「裏工作」費
ということなのだろう。
オリンピック開催地決定はIOC総会での投票による。
投票で勝つことにより招致が実現する。
招致を目指すのは、招致で金儲けをするためである。
アスリートは五輪で勝つことを目標にし、政府からできるだけ多くの補助金を得ることを目指すが、周辺にいる人々が目指すものは「金」である。
「金メダル」ではなく「カネ」だ。
五輪のために設備を作れば設備関係企業が潤う。
五輪のための広告事業を行えば広告代理店が儲かる。
これらの事業で口利きを行えば「コンサルタント」料が入る。
欲得にに憑りつかれた者が血眼になって行うのが招致活動である。
極めて不純なものだ。
その象徴とも言えるのが、招致に関わる「贈収賄」だ。
日本の法律は公務員だけを対象にした犯罪としているが、納税者の立場からすれば、自分が収めた税金が賄賂になって使われることを承服できないだろう。
どこかの誰かが賄賂を受け取り、私腹を肥やすために、なぜ税金を使うのか。
これを肯定する納税者はいない。
そのような資金であるから、途中でどのように、誰かが「中抜き」をしているのかも分からない。
フランスの法律は民間の贈収賄も犯罪としており、フランス当局が捜査していることから今回の問題が発覚した。
このようなことを素通りさせている日本の対応がおかしい。
そのオリンピックに関して、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、五輪までの開通を目指す環状2号道路の建設について東京都知事に
「やるならやる、やらないならどういう方法があるかを示してもらいたい」
と伝えたことが報じられている。
築地市場の豊洲への移転を決定したことに伴い、築地市場を通過する環状2号線の建設に支障が生じるためだ。
小池都知事は「東京大会に遅延なく進めるよう指示しているところだ」と返答したと伝えられているが、クレームをつける勘違いの老害は深刻だ。
森氏は
「五輪の準備はここまで順調に進んでいるので、支障のないようやってもらいたい」
と、五輪予算の検証についても牽制したが、
「ここまで順調に進んでいる」
とは聞いてあきれる。
必要のない無駄な新競技場建設をさんざん迷走させた上、新たに決定した建設案でも聖火台がないという大失態を演じている。
エンブレム決定での関係者の癒着が発覚し、大混乱したあげく、新しいエンブレムは喪章との評判も生まれている。
最大の問題は費用だ。
招致時の2013年1月時点の立候補ファイルでは、組織委員会の予算(大会の運営に直接関わる予算)が約3500億円と見積もられていた。
ところが、この点について森喜朗氏は、7月22日にこう述べた。
「ロンドン五輪は2兆円、ソチ五輪は4兆2000億円の経費がかかった。そのぐらいの金額になるんです」
7月25日の組織委理事会では、
「招致時の見積もりに問題があった」
とも述べている。
利権まみれ、と言うより、利権のための五輪を、不正に満ちた手法で日本で開催する必要性はゼロである。
まして、五輪のために道路を作るから、有害物質に汚染された場所への市場移転を強制するなど言語道断だ。
森喜朗氏に五輪組織委会長を務めてもらいたいと思う主権者は皆無に近いのではないか。
主権者は森氏の更迭を求める活動を活発化させるべきである。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
のご購読もよろしくお願いいたします。
上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。
http://foomii.com/files/information/readfree.html
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第1532号「NHK改革基本は受信契約任意性への移行だ」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:540円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.com までお願い申し上げます。
泥沼ニッポンの再生
価格:1,512円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:星雲社 |
安保法制の落とし穴
価格:1,512円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)
価格:1,728円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章
価格:1,620円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射- 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:ビジネス社 |
20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う! 価格:1,680円 通常配送無料 出版社:日本文芸社 |
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下 価格:2,100円 通常配送無料 出版社:早川書房 |
アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 価格:1,575円 通常配送無料 出版社:講談社 |
鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ) 価格:1,470円 通常配送無料 出版社:飛鳥新社 |
金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く 価格:1,785円 通常配送無料 |
消費税増税 「乱」は終わらない 価格:1,470円 通常配送無料 |
国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る 価格:1,470円 通常配送無料 |
消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す! 価格:1,000円 通常配送無料 |
日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の独立 価格:1,800円 通常配送無料 |
売国者たちの末路 価格:1,680円 通常配送無料 |
知られざる真実―勾留地にて― 価格:1,890円 通常配送無料 |
消費税のカラクリ 価格:756円 通常配送無料 出版社:講談社 |
href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062880598/ref=as_li_ss_il?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4062880598&linkCode=as2&tag=miyokotk2011-22" target="_blank">amazonで詳細を確認する
戦後史の正体 価格:1,575円 通常配送無料 |
日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 価格:798円 通常配送無料 |
日米同盟の正体~迷走する安全保障 価格:798円 通常配送無料 |
検察崩壊 失われた正義 価格:1,365円 通常配送無料 |
検察の罠 価格:1,575円 通常配送無料 |
「主権者」は誰か――原発事故から考える 価格:525円 通常配送無料 |
原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体 価格:1,680円 通常配送無料 |