岸信介内閣から安倍晋三内閣至る傀儡政権の系譜
日米安保条約改定調印から60年が経過し、安倍内閣は1月19日、外務省飯倉公館で記念行事を開いた。
60年前の1月19日、岸信介首相は国内の猛反対を無視して米国ワシントンで改定日米安保条約に調印した。
当時の米国大統領がアイゼンハワー。
19日の行事には開かれた式典に、安倍内閣はアイゼンハワー元大統領の孫娘まで招いた。
1957年に岸信介首相は訪米し、アイゼンハワー大統領とゴルフをした。
安倍首相は自分がトランプ大統領と4回ゴルフをしたことを自慢するかのように話した。
私たちは日本の現実を冷静に見つめる必要がある。
主権者の多数が暴政だと判断する安倍政治が長期政権になっているのは、日本の支配者米国がこの内閣を支配し、利用しているからだ。
日本は第二次大戦で敗北した。
それ以来、日本は米国に支配され続けてきた。
米国に隷従する政権は長期政権となり、米国にものを言う政権は短命に終らされてきた。
この厳然たる事実を冷静に見つめなければならない。
1957年に岸信介氏が首相の地位に上り詰めた背景に米国の介入があった。
岸信介氏は1945年9月15日にA級戦犯容疑で逮捕、収監された。
その岸氏は、満州時代の盟友・東条英機が絞首刑で処刑された翌日の1948年12月24日に不起訴処分で釈放された。
そして、わずか9年も経たずして岸氏は日本の首相に就任し、日米安保条約改定を強行した。
東条英機氏は絞首刑に処せられたが、岸信介氏はGHQによって助命され、首相の地位に上り詰めた。
その背後に、米国と岸氏との間の取引があったと見られる。
米国のエージェントとして活動することと引き換えに助命され、さらに、首相の地位にまで押し上げられたと考えられる。
1956年12月に鳩山一郎首相が日ソ国交回復を花道に辞任した際、米国は岸信介氏の首相就任を望んだ。
春名幹男氏は著書『秘密のファイル CIAの対日工作』に英国外交秘密文書に記された事実を明らかにしている。
英国外交文書に、当時の米国国務省北東アジア部長のハワード・パーソンズ氏の言葉を引用した以下の記述がある。
「アメリカは、岸が石橋にブレーキをかけることができるだろう、と期待している。いずれ、最後には岸が首相になれるだろうし、『ラッキーなら石橋は長続きしない』とパーソンズは言った。」
この「予言」通り、1956年12月23日に発足した石橋湛山内閣はわずか2ヵ月後の1957年2月23日に総辞職し、岸信介氏に政権を禅譲した。
石橋首相は軽い脳梗塞で2ヵ月の療養が必要と診断されたことを受けて首相を辞任した。
石橋湛山氏は昭和初期に『東洋経済新報』で、暴漢に狙撃され「帝国議会」への出席ができなくなった当時の濱口雄幸首相に対して退陣を勧告する社説を書いたことがあった。
この言説との整合性を重んじて首相の地位を辞した。
石橋首相の体調異変の背景に米国の画策があったのではないかと疑われる。
石橋湛山氏は米国に対しても堂々とものを言う稀有の政治家であった。
米国はこのような日本の首相を潰す。
他方で、米国の命令に服従する日本の為政者を徹底支援する。
米国が岸信介氏に求めたことは日米安保条約の片務性の解消だった。
改定安保条約第5条に米国の義務が定められたが、日本は米軍のための軍事出動ができない。
この点を踏まえて改定安保条約では、
第6条 日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。
が定められた。
日本の基地を米軍が自由に利用できる権利が付与された。
米国には1948年のバンデンバーグ決議が存在する。
地域的・集団的防衛協定における「相互主義」を定めたものだ。
日本が米国のために軍事出動を行わないなら、米国は日本のために軍事出動を行わないというものだ。
この状況下で、米国は日本の再軍備を強要し、集団的自衛権の行使を容認するように圧力をかけ続けてきた。
その命令に従ったのが岸信介氏の孫である安倍晋三氏である。
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