カテゴリー「原発ゼロ」の15件の記事

2014年6月17日 (火)

斑目春樹氏発言のパクリだった石原環境相発言

かつて、原子力安全委員会の委員長をしていた斑目春樹氏はこう述べた。


「最後の処分地の話は、最後は結局お金でしょ。あのー、どうしても、そのー、えー、みんなが受け入れてくれないって言うんだったら、じゃあ、おたくには、これ、その、じゃあ、えー、いままでこれこれと言ってたけど、その2倍払いましょう。それでも手上げないんだったら、じゃー5倍払いましょう、10倍払いましょう。どっかで、国民が納得する答えが出てきます。」


班目氏の発言は、使用済み核燃料の最後処分地についての発言である。


多くの人は石原伸晃環境相の発言を聞いたとき、デジャブ=既視感を感じたに違いない。


石原伸晃氏は、まさに使用済み核燃料の処分施設=中間貯蔵施設を地域に押し付ける際に、最後はカネの問題になるとの趣旨の発言を示したのである。

石原伸晃環境相は16日、東京電力福島第一原発事故の除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設の建設をめぐり、首相官邸で記者団に対し、


「最後は金目(かねめ)でしょ」と語った。


政府は候補地の福島県大熊、双葉両町の住民説明会を15日に終えた。


石原氏の発言は、その直後に出たものだ。


石原氏は16日午後、官邸で菅義偉官房長官に、今後の事業日程などを報告した。


その面会後に石原氏は、記者団に対して、


「説明会が終わったから今後の日程について話をした。最後は金目でしょ。(菅氏は)こちらが提示した(住民への補償の)金額については特に何も言っていなかった」


と語ったのである。

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石原氏は斑目春樹氏の最終処分場についての発言を動画で確認して、


「これだ」


と思ったのだろうか。


斑目春樹氏の


「最後は結局お金でしょ」


発言と、


石原伸晃氏の、


「最後は金目でしょ」


発言は見事にコラボしている。

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斑目春樹氏がどのような発言をしていたのかを、ご自分の目で確認されていない国民が多数おられると思う。


この機会に、ぜひ一度、ご自分の目と耳でご確認いただきたい。


どのような認識の下で原発が推進されてきたのかを、よく知っておいていただきたいと思う。


この斑目氏発言は2005年時点のものだ。


「大失言!【原発儲かる】原子力安全委員長 【最後は金】」


https://www.youtube.com/watch?v=zKwOxJuMhPs


確認いただきたいのは、1分25秒経過時点の発言。


「安心なんてできるわけないじゃないですか。あんな不気味なもの。」


これは、原発についての発言、感想である。


そして、ジャスト2分経過時点から冒頭で紹介した発言が始まる。


「最後の処分地の話は、最後は結局お金でしょ。


あのー、どうしても、そのー、えー、


みんなが受け入れてくれないって言うんだったら、じゃあ、おたくには、これ、その、じゃあ、えー、いままでこれこれと言ってたけど、その2倍払いましょう。


それでも手上げないんだったら、じゃー5倍払いましょう、10倍払いましょう。


どっかで、国民が納得する答えが出てきます。」

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これと対照的な意見を示しているのが京大原子炉実験所の小出裕章氏である。


残念ながら、斑目氏の発言と小出氏の発言を収録した動画映像が削除されているので、発言を文字起こししたものを紹介しておく。


小出氏はこう述べた。


「私が原子力に反対する根本の理由は、自分だけがよくて、危険は人に押し付けるという、そういう社会が許せなかったからです。


電力を使う都会には原発を作らないというのもそうですし、原子力発電所で働く労働者はほんとに底辺で苦しむ労働者であったりするわけです。


こういう社会を私は認めたくないので、原子力に反対してきています。」

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小出氏は、もともと原子力が夢の技術であるとの希望と熱意を持って原子力の研究に入られた。


その過程で、東北電力が宮城県の女川に原発を立地するという問題に直面した。


小出氏は、原子力が本当に安全であるなら原子力の消費地である仙台に原発を作るべきであるとの考えを持った。

 

しかし、東北電力が示した結論は、


「大都市に原発を置くことはできないから女川に原発を作る」


というものだった。


小出氏は、このことから、原発は安全ではないとの認識を深めた。


そして、安全でないものをお金の力で人に押し付けることは良くないとの思いから、原発反対の研究に取り組まれるようになったということなのだ。

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2014年6月 8日 (日)

風評被害と批判する前に現実を正視するべきだ

民主主義を健全に機能させるためには、マスメディアの情報空間の除染をしなければならない。


日本のマスメディア情報空間は御用メディアによって深刻に汚染されてしまっている。


主権者に真実の情報が届けられなければ、主権者が正しい判断を下すことは極めて難しい。


日本の情報空間のなかで、例外的に先進的であるのが沖縄県である。


沖縄には、琉球新報と沖縄タイムズという、二つの地方紙がある。


この地方紙がいずれも、権力迎合にならず、社会の木鐸(ぼくたく)としての役割を果たしている。


【木鐸】とは、


(1)
舌(振子)を木で作った金属製の鈴。昔中国で法令などを人民に触れて歩くときにならしたもの。金口木舌。


(2)
(転じて)世人に警告を発し教え導く人。
「社会の―」「世の―として立たん/復活(魯庵)」

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琉球新報は「金口木舌(きんこうぼくぜつ)」と題するコラムを有する。


社として、社会の木鐸として力を注ぐ意思を有しているのであろう。


沖縄の人々は、権力が発する情報以外に、権力の主張を客観的に論評する、批評精神を有する報道機関が発する情報に常に触れている。


このため、権力の情報だけに誘導されてしまう傾向が弱い。


ものごとには多様な見解が存在することを常に意識し、多様な主張が存在することを認識しつつ、自分自身の考え方を形成する知的訓練が日常的に行なわれているのだろう。


NHK放送受信料の都道府県別支払率で、全国最低値を記録しているのが沖縄県である。沖縄県の支払率は50%を割り込んでいる。


「みなさまのNHK」と言いながら、「政治権力のNHK」、「あべさまのNHK」に成り下がっているNHKの放送受信料を強制的に支払わされるのは不当であると考える市民が多いのだと思われる。


NHK放送をスクランブル化することは可能になっているのだから、NHK放送をスクランブル化して、受信契約を任意制に移行させるべきだ。


この正当な主張を実現させるためには、沖縄県民の行動を日本全体の意識ある市民が見習うべきだろう。

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前置きが長くなった。


16社体制と呼ばれている大手メディアのなかでは、北海道新聞や中日新聞(=東京新聞)だけが、例外的に、権力迎合に陥らずに、政治権力に対しても、批評精神を失わない報道を展開している。


それ以外のメディアで、大健闘しているのが「日刊ゲンダイ」である。


大都市圏で働く企業人が夕刻に講読するケースが多いが、ウェブサイトで講読することもできるから、ものごとの正しい判断、御用メディアが伝えない真実の情報を得たいと思う人は、ぜひウェブ上で講読することをお勧めしたい。


日刊ゲンダイは、安倍政権が推進する「成長戦略」の名を借りて、政商として蠢(うごめ)き、血税に吸い付いて私利を追求する人物が跋扈している現状を正確に伝えてくれる。


この点については、6月6日付ブログ・メルマガ記事を参照賜りたい。


http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-d8bc.html


http://foomii.com/00050


この「日刊ゲンダイ」が6月6日付記事


「原因不明…千葉の牛乳問題でささやかれる「牛白血病」との関係」


で重要事実を伝えている。


「千葉県内の小中学校で5月、給食の牛乳を飲んだ児童や生徒1700人余りが腹痛や下痢などを訴えた問題。牛乳はいずれも古谷乳業(千葉市)が同県内の工場で製造したもので、県の調査では農薬などの不審物は検出されていない。


そんな中、ある「原因」がささやかれ始めた。牛の白血病である。


(中略)


86年のチェルノブイリ原発事故の被災者を支援している「NPO法人チェルノブイリへのかけはし」の報告によると、〈チェルノブイリではたくさんの家畜たちも白血病になった〉とある。


福島原発事故との因果関係は不明だが、不気味な話だ。」

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記事の記述態度は慎重である。「福島原発事故との因果関係は不明」であることを明記している。因果関係が確かめられてはいない現状で、憶測で断定することを慎重に避けている。


しかし、2011年3月11日の、あの原発事故以来、放射能汚染による生物への影響が警戒される、多くの重大なエビデンス=証拠が確認されつつある。


福島県に在住する子どもたちに発見されている甲状腺異常も極めて重大である。


甲状腺がんの発生確率は、これまでの通説の200倍以上になっているのである。県や国は、「検査を強化しているからがんの発見が増えている」と強弁するが、この主張にも確かな裏付けがない。


福島原発事故による放射能汚染の影響を軽視するべきでない。


安倍政権の姿勢は不誠実であると言わざるを得ない。


原発再稼働を推進する姿勢は、国民に対する背信行為である。


主権者国民が立ち上がり、安倍政権の不誠実、不当性を糾弾してゆくべきだろう。


千葉県で生産された牛乳による健康被害の問題について、テレビメディアは十分な報道を展開していない。


日刊ゲンダイの報道姿勢は、御用メディアが跋扈(ばっこ)する日本のメディアのなかでは、異彩を放つものである。


こうした良質メディアを支援する有効な方法は、有料購読することである。


市民が適正な購読料金を支払うことにより、こうした良質メディアの財政基盤が確保される。


日本のマスメディア情報空間が深刻に汚染されている現状の下で、この浄化、除染を図る有効な手段が有料購読の実行である。

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2014年5月29日 (木)

原発の安全確保意味しない規制委員会の安全審査

アベノリスクの本質は安倍政権が衆参両院で与党過半数勢力を確保して暴走することである。


衆参両院で過半数勢力を確保しても、民主主義を健全に機能させるために必須の行動原理=少数意見の尊重を重視するなら政治の劣化を防ぐことができる。


しかし、政権が「数の論理」を振り回し、「数の力」で強引に重要事項を独断専行で決定してしまえば、政治の劣化は避けられない。


政権が国民の多数の支持によって成り立っているなら、政権の独断専行も一定の正当性を持つだろう。


しかし、安倍政権の場合、国政選挙の際に自公の与党勢力を直接支持した国民は、全有権者の4分の1程度に過ぎない。


4分の1の国民にしか支えられていない政権が独断専行で重要事項を決定してしまうことは正当性に欠くと言わざるを得ない。

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世論調査では脱原発を求める国民が圧倒的に多い。


時事通信社が5月に実施した世論調査では、国内の原発について、


「徐々に減らし、将来的にはなくすべきだ」が 49.3%


「なるべく早くなくすべきだ」が 24.7%


「直ちになくすべきだ」が 10.3%


だった。この三つの回答を示した比率は84・3%に達した。


日本の主権者は明確に脱原発の判断を有している。


ところが、安倍政権は4月11日にエネルギー基本計画を閣議決定した。


エネルギー基本計画では、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けた。主権者の大半が脱原発の判断を有しているなかで、安倍政権は原発を積極推進する考えを明確に打ち出したわけだ。


上記の時事世論調査では、


「原発を重要な電源として活用を続けるべきだ」は 12.7%


にとどまった。


主権者の判断と遊離した政策を安倍政権は強引に推進している。

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原発の再稼働についても時事世論調査では、


反対が48.7%、賛成が41.3%だった。


この数値を見ると賛成の比率が非常に高いが、ここには、回答者の誤解がある。


それは、この設問が、


「原子力規制委員会の安全審査に合格した原発を再稼働させる政府方針」


についての是非を問うかたちになっているからだ。


回答者である国民は、


「原子力規制委員会の安全審査に合格した原発」


の表現を見て、「安全性が確認された原発」であると勘違いしてしまう。


「安全性が確認された原発」なら、再稼働させてもよいのではないかと勘違いしてしまうのだ。


何が勘違いであるのかと言うと、


「原子力規制委員会の安全審査に合格した原発」



「安全性が確認された原発」


とは異なることだ。世論調査の回答者の多くが、両者を同一視して回答してしまっていると思われるが、両者はまったく異なるものである。

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原子力規制委員会は設定された基準に適合するのかどうかを審査するのであって、原発の「安全」を確約するものでない。


「原子力規制委員会の安全審査」を調査回答者は「原発の安全性を確認する審査」と思ってしまうが、そうではないのである。


もっとも分かりやすいのが、基準地震動である。


福井地裁は5月21日に大飯原発運転差し止め訴訟で、大飯原発の運転差し止めを命ずる判決を示した。


その根拠として、福井地裁は極めて重要な事項を摘示した。


判決文から該当部分を取り出す。


「我が国において記録された既往最大の震度は岩手宮城内陸地震における4022ガルであり、1260ガルという数値はこれをはるかに下回るものである。


岩手宮城内陸地震は大飯(およびすべての原発立地地点)でも発生する可能性があるとされる内陸地殻内地震である。


この既往最大という概念自体が、有史以来世界最大というものではなく近時の我が国において最大というものにすぎない。


(よって)1260ガルを超える地震は大飯原発(およびすべての原発立地地点)に到来する危険がある。」


(括弧内は筆者補充部分)

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原子力規制委員会の「安全審査」とは、あくまで設定された規制基準をクリアすることを審査するものであって、その規制基準が十分であることを前提とするものでない。


したがって、世論調査の質問は、


「原子力規制委員会の安全審査に合格した原発」


ではなく、


「原子力規制委員会の審査に合格した原発」


の再稼働を認めるかどうか、に変える必要があるのだ。


原子力規制委員会の審査基準は、原発の絶対安全を確保するものでない。


いつでも発生し得る地震動すら前提とされていないのである。


こうした重大問題についてすら、安倍政権が衆参両院で過半数勢力を確保しているということだけで、国民が望まない方向で決定、運用されてしまうのである。


本当に深刻なリスク=アベノリスクが日本を覆い尽くしている。

原子力規制委員会では、さらに重大な事態が発生している。

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2014年5月27日 (火)

原発事故加害者救済で被害者切り棄ての不条理

5月27日付東京新聞(=中日新聞)『こちら特報部』は、


「棄民化の策 帰還を強要」


の見出しで原発放射能汚染地域の住民が国や県によって棄民化されている現実を伝えている。


「チェルノブイリ原発事故で旧ソ連は年間積算線量1~5ミリシーベルトの区域を「移住権利ゾーン」と設定し、住民が移住を設定した場合、住民が失う家屋などの財産を補償した。


日本では20ミリシーベルト以下の地域で帰還を促し、もしも拒否すれば、その後の生活は自己責任とされてしまう。」


と記述する。


旧ソ連と現在の日本。


どちらが人の生きる権利、人権、生存権に強い配慮を示しているのか。


この事実ひとつでも、実態がくっきりと浮かび上がる。


『美味しんぼ』は休載に追い込まれたが、原作者の雁屋哲氏の主張を排除する正当な理由は存在しない。


雁屋氏は福島県に居住するすべての住民の鼻血が出るなどとは一言も言っていない。


鼻血が出た人がいる事実、その人が述べた「多くの人が、鼻血が出る体験をしている」の発言を、事実通りに描写しただけだ。


その上で、低線量被ばくの潜在的なリスクを重視する考えを示した。


低線量被ばくの健康被害の実態は十分に明らかになっていない。


しかし、低線量被ばくでも健康被害は起こり得るとの見解を示す専門家は多数存在する。


この見解を否定し切る根拠は存在しない。

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『美味しんぼ』第604話「福島の真実」24は、登場人物の海原雄山の口から次の言葉を表出させた。


「福島に住んでいる人たちの心を傷つけるから、
住むことの危険性については、
言葉を控えるのが良識とされている。」


「だが、それは偽善だろう。」


「医者は低線量の放射線の影響に対する知見はないというが、

知見がない、とはわからないということだ。」


「私は一人の人間として、福島の人たちに、
危ないところから逃げる勇気をもってほしいと
言いたいのだ。」


「特に子供たちの行く末を考えてほしい。」


「福島の復興は、
土地の復興ではなく、人間の復興だと
思うからだ。」


そして、こう付け加える。


「では、われわれにできることは。」


「福島を出たいという人たちに対して、
全力を挙げて協力することだ。」


「住居、仕事、医療などすべての面で、
個人では不可能なことを補償するように
国に働きかけることだ。」

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国の政策に対する強烈なメッセージ、批判が込められている。


いまの安倍政権の対応、佐藤雄平氏が率いる福島県の対応は、この真逆である。


放射能に汚染された地域で、いま、急ピッチに避難措置解除が推進されている。


完全な安全を確保し、住民を帰還させるのではない。


避難に伴う財政負担を軽くするために、避難措置を解除しているだけなのだ。


チェルノブイリでは年間積算線量1~5ミリシーベルトの地域は「移住権利ゾーン」とされた。


それが、日本では年間積算線量20ミリシーベルトの地域で帰還を促し、補償を打ち切る措置が取られるのである。

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『美味しんぼ』が排斥されたのは、『美味しんぼ』が正論中の正論を提示するからである。


このような「正論」が浸透すれば、国と福島県による「棄民政策」の推進は妨害される。


福島県は住民帰還を強行するために、空間線量をできるだけ低く見せるための工作を行ってきた。


住民の生命と健康を第一に考えるのではなく、財政負担の軽減だけを考える姿勢である。


原発事故を引き起こした東電は実質債務超過状態にあり、法的整理を実行して、関係ある当事者の責任を問う必要がある。


経営者、株主、債権者の適正な責任が問われる必要があるが、この責任は免除され、国が救済している。


一方で、罪のない住民の被害は共済もされず、放置されている。


このような理不尽、不条理が放置されている。


それが、いまの日本なのである。

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2014年5月17日 (土)

原発事故実害を「風評被害」にすり替える工作

「風評被害」


の意味を「goo辞書」は次のように記述する。


http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/190458/m0u/


「根拠のない噂のために受ける被害。


特に、事件や事故が発生した際、不適切な報道がなされたために、本来は無関係であるはずの人々や団体までもが損害を受けること。


例えば、ある会社の食品が原因で食中毒が発生した場合、その食品そのものが危険であるかのような報道のために、他社の売れ行きにも影響が及ぶことなど。」


『美味しんぼ』が休載になる。


言論弾圧の色彩が濃厚である。


「福島で鼻血が出た」との描写、


作中に登場する井戸川克隆元双葉町長が、


「福島に鼻血が出たり、ひどい疲労感で苦しむ人が大勢いるのは、被曝(ひばく)したからですよ」


と語る場面が描写された。


この描写に対して激しい攻撃が展開され、国や福島県が「風評被害」を引き起こすとして批判した。


この攻撃を受けての休載発表である。


出版社が権力の圧力に屈したというなら、言論活動を行う資格はないというべきである。

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福島県双葉町の元町長である井戸川克隆氏は、騒動が起きてから取材に対しても、正々堂々と持論を展開している。


発言の正当性を強く訴えている。


『美味しんぼ』原作者の雁屋哲氏は自身のブログに、


「私は自分が福島を2年かけて取材をして、しっかりとすくい取った真実をありのままに書くことがどうして批判されなければならないのか分からない。


真実には目をつぶり、誰かさんたちに都合の良い嘘を書けというのだろうか。


「福島は安全」「福島は大丈夫」「福島の復興は前進している」


などと書けばみんな喜んだのかも知れない。


今度の「美味しんぼ」の副題は「福島の真実」である。


私は真実しか書けない。」


「今の日本の社会は「自分たちに不都合な真実を嫌い」「心地の良い嘘を求める」空気に包まれている。」


と記述した。

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『福島の真実』


は、2324まで続くとあり、5月19日発売号が24にあたるから、予定通り発行を続けて、一段落したところで休載となるということなら当初の予定通りなのかも知れない。


しかし、民間人の真摯な言論活動に対して、国家権力、公権力が圧力をかけて、その情報発信を封じようとし、出版社がその圧力に屈して休載を決定したということなら出版社の姿勢が糾弾されるべきである。


根拠のないこと、ウソ、でっち上げた情報を流布して、人に迷惑をかけたのなら、その行為は糾弾されるべきだ。


しかし、


「鼻血が出た」


「疲労した」


「鼻血を出す人が多数いる」との発言があった


ことは事実であり、捏造でもでっち上げでもない。


井戸川氏は鼻血が出ることをネット上でも写真入りで伝えており、ウソを言っているとは思われない。

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政府や福島県は現在の原発周辺の放射能汚染の現状を「安全だ」としているが、反論を唱える者は専門家のなかにも少なくない。


低線量被ばくの健康への影響についても見解は割れている。


「安全だ」とする見解だけを流布させて、「危険だ」とする見解を流布させないというのは、言論弾圧であり、人権尊重、民主主義の大原則に反するものだ。

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消費者が放射線による内部被ばくを警戒して、原発立地周辺地域産出の農林水産物を忌避する行動を取ることは、基本的人権の正当な行使である。


これを「風評被害」とは言わない。


「消費者主権」に属する行為である。


消費者が「食の安心・安全」を重視して、原発立地周辺地域産の農林水産物を忌避すれば、当該地域の農林水産業者は被害を受ける。


これは「風評被害」ではなく、原発事故による「実害」である。


農林水産業者に罪はなく、罪があるのは国と東京電力である。


被害者である農林水産業者は救済される権利を有する。


その補償を行うべき主体は、消費者ではなく国と東京電力なのである。


「風評被害」という言葉は、農林水産業者、あるいは観光事業従事者が被害者で、消費者が加害者とする図式をもたらす言い回しだが、これは、「責任のすり替え」なのだ。


国と東京電力が負うべき損害賠償責任を消滅させるために、原発周辺地域を忌避する消費者が悪者であるとの「責任転嫁」を目論む表現なのだ。

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2014年5月15日 (木)

『美味しんぼ』騒動がもたらした巨大な啓蒙効果

放射線被ばくが健康被害をもたらすとしても、全員にその被害が生じるわけではない。


ここが大事なところだ。


大半の人々には目立った変化が生じなくても、変化が生じる人の比率が上昇することが問題なのだ。


「福島に行ったが鼻血が出なかった」


と言う人が多くいたとしても、そのことは、


「福島の放射能汚染が問題を引き起こしてはいない」


ことを証明する根拠にはならない。


問題は、影響が具体的に生じている人の比率が上昇することにある。


したがって、「鼻血が出る」人が現実に存在し、その比率が原発事故前よりも上昇しているなら、これは重大な事実である。


その事実の確認は容易でない。


だが、現に、「鼻血が出た」人が存在することが事実であり、また、「鼻血が出る人はたくさんいる」との発言を示した人物が存在することが事実であるなら、その事実は、極めて重要な意味を持つ可能性を秘める。


言論の自由、出版の自由は、こうした「事実の記述」に制限をかける、弾圧することと矛盾する。


『美味しんぼ』の作者は、2年間にわたる福島での取材をもとに、この作者の目を通して得たものを、漫画作品として表出しているのであって、この言論活動に制限をかける、あるいは、弾圧することは、政治権力の行動として間違っている。

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ウェブ上に、


「総統閣下が「美味しんぼ」鼻血問題でお怒りのようです」


と題する映像が配信されている。


http://goo.gl/4I4Uh6


秀逸な作品であるので、拡散いただきたいと思う。


『美味しんぼ』作者の雁屋哲氏は、強い信念と行動力をもって対応している。


これに対して、石原伸晃環境相が、安易な批判を展開したことが、結果的には、重要事実を日本中に流布させる契機になった。


石原氏は


「鼻血と原発事故の因果関係は否定されている」


との見解を示したが、この見解が正しくない。


学者の一部が述べていることは、


「低線量被ばくで鼻血がでることはない」


という一つの「見解」であって、


「実際に被ばくして鼻血が出た」


という現実があるなら、その事実を否定することはできない。


昨日付の記事で紹介したチェルノブイリ原発事故関連でのアンケート調査結果を見る限り、


「原発事故で鼻血を流す人が増えている」


という現実は、否定しようがないように思われる。

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「風評被害」


という言葉が安易に用いられるが、「鼻血が出る」という現実があるなら、その事実をありのままに述べて生じる影響は、


「風評被害」


ではない。


「事実」と「事実に基づく影響=被害」


である。


「旅館の予約がキャンセルされた」


のは風評被害ではなく、「事実」に基く影響である。


旅館は被害者であるが、加害者は雁屋哲氏ではない。


加害者は原発事故を引き起こした国と東京電力である。


旅館予約のキャンセルによって、旅館に被害が生じるのであれば、その被害を補償する責任は国と東京電力が負うべきであって、その負担を雁屋哲氏にかぶせようとすることは、論理のすり替えでしかない。

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『院長の独り言』ブログの5月13日付記事


「美味しんぼ」大阪府が言論封殺行為」


http://onodekita.sblo.jp/article/96472463.html


のコメント欄に紹介されていたが、「美味しんぼ」騒動が勃発すると、産経新聞が次の記事を掲載したことが紹介されている。


"
低線量被曝が原因で鼻血が出ることは、科学的にはありえない


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140513-00000112-san-soci

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2014年5月14日 (水)

チェルノブイリの鼻血問題に関する報告

「美味しんぼ」鼻血騒動が続いているが、日本の政治権力の言動は、力による言論封殺でしかない。


「原発推進者の正体」がはっきりと表れたものである。


「美味しんぼ」作者の雁屋哲氏は自身のブログに次のように記述している。


「私は自分が福島を2年かけて取材をして、しっかりとすくい取った真実をありのままに書くことがどうして批判されなければならないのか分からない。


真実には目をつぶり、誰かさんたちに都合の良い嘘を書けというのだろうか。


「福島は安全」「福島は大丈夫」「福島の復興は前進している」


などと書けばみんな喜んだのかも知れない。


今度の「美味しんぼ」の副題は「福島の真実」である。


私は真実しか書けない。」


正論そのものである。


雁屋氏はさらに続ける。


「自己欺瞞は私の一番嫌う物である。


きれい事、耳にあたりの良い言葉を読み、聞きたければ、他のメディアでいくらでも流されている。


今の日本の社会は「自分たちに不都合な真実を嫌い」「心地の良い嘘を求める」空気に包まれている。


「美味しんぼ」が気にいらなければ、そのような「心地の良い」話を読むことをおすすめする。」

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日本の言論空間が汚染されている。


除染が必要なのは、この汚染された情報空間である。


情報空間が汚染されていることを認識し、この情報空間に「真実」の情報を提供しようと努力する人々がいる。


私の活動もその一部である。


マスメディアでは、東京新聞=中日新聞、北海道新聞、日刊ゲンダイなどが、孤軍奮闘の活動を展開している。


雁屋氏は、自らの足で2年間にわたって福島で取材し、その取材で確かめた真実を「美味しんぼ」で情報発信している。


「鼻血が出た」という話を取材で得たことも真実であるし、「鼻血が出たと話した人がたくさんいた」との話を聞いたことも真実である。


30万部の販売部数を誇るコミック誌に連載されている人気漫画であるから、原発推進者は慌てたのである。


しかし、権力の力によって言論封殺をすることは、完全に間違っている。


その権力と一体化して雁屋氏を攻撃する市民の態度も間違っていると言わざるを得ない。

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「チェルノブイリ子ども基金」前代表で月刊誌「DAYS JAPAN」編集長チェルノブイリにおける鼻血問題について、貴重なデータを開示された。


レーバーネットサイトが、公表されたアンケート結果文書のPDFファイルを公開されているので、ぜひご熟読いただきたい。


http://www.labornetjp.org/files/0514days


1993年~1996年にかけて、広河氏とチェルノブイリ子ども基金は、チェルノブイリ原発の避難者2万5564人に対して、健康状況に関する独自のアンケートを行ったという。


その結果では、5人に1人が鼻血を訴えている。


アンケート結果の一部を紹介する。


●プリピャチ市(原発から約3キロ)の避難民アンケート
回答者9501人


「事故後1週間に体に感じた変化」
という質問に、人々は次のように答えた。


頭痛がした     5,754人 60.6

吐き気を覚えた     4,165人 43.8

のどが痛んだ      3,871人 40.7

肌が焼けたように痛んだ  591人  6.2

鼻血が出た       1,838人 19.3

気を失った        880人  9.3%

異常な疲労感を覚えた  5,346人 56.3%

酔っぱらったような状態になった1,826人 19.2

その他         1,566人 16.5%

 

「その人々の事故から約10 年後の健康状態」

健康           161人  1.7

頭痛          7,055人 74.3

のどが痛む       3,606人 38.0

貧血          1,716人 18.1%

めまい         4,852人 51.1

鼻血が出る       1,835人 19.3

疲れやすい       7,053人 74.2

風邪をひきやすい    5,661人 59.6%

手足など骨が痛む    5,804人 61.1

視覚障害        2,773人 29.2

甲状腺異常       3,620人 38.1%

白血病          50 0.5

腫瘍           440人  4.6

生まれつき障害がある    34 0.4%

その他         1,715人 18.1


武田邦彦氏は5月10日付記事に次のように記述している。


http://takedanet.com/2014/05/post_32bc.html


「今、甲状腺がんは100倍とされ、思春期の子供の急性白血病が増加していること、二本松市の死亡者数が20%以上も増大していることなど、日本人として関心を持たざるを得ないことが起こっている。」


雁屋哲氏の指摘は、安倍晋三氏にとって「極めて不都合」な内容を含んでいる。


これでは、


「フクシマの状況は完全にコントロールされている」


ことにはならなくなってしまうからである。

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「「鼻血が出る」が真実でない」


ことを立証するのは簡単なことではない。


テレビメディアは、福島の医師を登場させて、


「鼻血が出るという話は聞いたことがない」


と発言させる。


しかし、たった一人の医師がこのように発言したことは、


「「鼻血が出る」が真実でない」


ことを立証する根拠にはなっていない。

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2014年5月12日 (月)

鼻血が出るかではなく原発を推進すべきかが問題

「美味しんぼ」の鼻血描写について論争が生じている。


賛否両論が存在するのは、福島原発事故の影響評価に関する見解が、いまだに割れているからである。


同時に、この評価は原発推進と原発廃止の主張対立とリンクしている。


原発推進者は、福島の放射能汚染の影響を限定的に捉えている。


代表者は安倍晋三氏である。


IOC総会で、「状況はアンダーコントロールだ」と宣言した。


また、汚染水は福島原発の港湾0.3平方キロ内で完全ブロックされていると発言した。


しかし、この発言を肯定する者は少ない。


汚染水の流出は続いているし、港湾の汚染水も外洋と遮断されているわけではないからだ。


もうひとつの論点は低線量被曝の影響についての見解が割れていることだ。


低線量被曝による健康被害はないと主張する者がいる一方で、低線量被曝による健康被害はあると主張する者がいる。

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ただし、一方で、確かなこともある。


福島原発が人類史上最悪レベルの放射能事故を引き起こしたこと。


これは間違いない事実だ。


福島原発事故は暫定評価ながら、国際原子力事象評価尺度において、旧ソ連チェルノブイリ原発事故と並ぶ「レベル7」の事故に分類されている。


「レベル7」は深刻度で最高レベル、最悪の放射能事故を指す。


東電は福島第一原発からの撤退を検討した。


原発から撤退していれば、事故はさらに重大なものになったはずである。


東日本全体が壊滅した可能性は十分にある。

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低線量被曝の健康被害については見解が割れているが、高線量被曝が健康被害を引き起こすことについては、見解の相違は存在しない。


高線量を被曝すれば、人間は死ぬ。


これははっきりしている。


「放射能が安全である」という命題は、明確に「偽」である。


絶対安全だとされてきた原発が、重大事故を引き起こしたことも事実である。


これを否定する者もいない。


そして、日本が世界最大の地震国であることも事実である。


これを否定する者もいない。


福島原発事故が地震で起きたのか、津波で起きたのかは判明していない。


地震で事故が起きたとなると、同様に事故が発生する可能性は飛躍的に高くなる。


福島原発の地震動の規模の地震は日本で頻発しているからである。

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「美味しんぼ」のような描写が登場するのは、安倍政権が福島原発事故を経験しながら、原発推進の方針を示しているからである。


原発のリスクを除去するために、原発即時ゼロ、廃炉の方針を支持する者は極めて多い。


この考えを持つ人々が、共鳴者を一人でも増やすために、さまざまな啓蒙活動に尽力している。


この文脈でこの問題を捉えるべきである。


重要なことは、決定的な回答はまだ示されていないことだ。


政府や福島県は、低線量被曝の健康被害はないとのスタンスで政策を実行している。


そして、一般人の被ばく限度を、年間1ミリシーベルトから年間20ミリシーベルトに引き上げるという、恐るべき行政を展開している。


とりわけ、胎児、および乳幼児の健康に与える影響については、懸念する専門家が多数存在する。

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「風評被害」という言葉は、放射線を警戒する主張、見解を、攻撃するために用いられている。


低線量被曝を警戒する、回避しようとする行為は、基本的人権に属することがらである。


これを「風評被害」と攻撃することは、「言論封殺」そのものである。


人によっては、鼻血が出ることがあっても不思議ではない。


「鼻血が出る人はいない」と断定するなら、その明確な根拠を示すべきである。


「多い」、「少ない」は主観的な表現である。


3人いたとして、これを「多い」と表現する人はいる。


10人いても、これを「少ない」と表現する人もいる。


問題は、今後の政府の施策なのだ。


原発推進と原発廃絶の二つの主張が間違いなく存在する。


そして、現在の安倍政権は原発推進なのだ。


政府が原発推進だから、原発廃絶の主張をしてはいけない、というのは、民主国家の対応ではない。


これが問題の本質であることをわきまえるべきだ。

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2014年5月 5日 (月)

原発再稼働阻止市民巨大デモ再始動が急務

東京地方で震度5弱と発表された地震があった。


岐阜県飛騨地方では震度3レベルの地震が続いている。


私たちは、日本が世界最大の地震大国であることを忘れるべきでない。


地震国であることを認識するとき、まず熟慮しなければならないことは、原発再稼働の是非である。


私たちはフクシマの悲劇を経験した。


「経験した」とは表現したが、この問題は現在進行形である。


安倍首相はIOC総会で、


「フクシマの状況はコントロール下にある」


と断言したが、真実は違う。


フクシマの放射能被害はいまなお拡大しているのである。


高濃度の放射能汚染地帯が広がっているが、政府は十分な対応を示していない。


十分な対応を示すことが膨大な費用を要するため、この「経済的事情」であえて不十分な対応が採られているのである


食品の安全基準を本来は厳格にする必要がある。


人々の居住制限をはるかに厳しく設定する必要がある。


子どもの被曝を回避する基準を、はるかに厳格に定める必要がある。


放射性物質の除去を徹底する必要がある。


しかし、いずれも、十分に対応していない。


理由はただひとつ。コストがかさむからである。

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深刻な健康被害が懸念されるが、政府は逃げ道を用意している。


それは、健康被害発生の因果関係立証責任を被害者に覆いかぶせれば、国と東電は責任を回避できると判断していることだ。


たとえ、甲状腺がんを含むがんの発症、その他の健康被害が生じても、原発事故との因果関係を明確に立証することは容易でない。


裁判所が、


国や東電が、「健康被害発生の原因は原発事故でない」ことを立証しない限り、被害者の主張を認める


との立場を採るなら、多くの健康被害に対する損害賠償が実行されることになるだろう。


しかし、裁判所が、


被害者が「健康被害の原因は原発事故にある」ことを立証しない限り、被害者の主張を認めない


との立場を採るなら、原発事故被害者が損害賠償を受けることは極めて困難になる。


人権機関ではなく権力機関である裁判所は、後者の姿勢を示す可能性が高い。


国家権力は裁判所に後者の判断を示すように圧力をかけるだろう。

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このために、政府の対応が極めて杜撰で不完全なものになっている。


安倍政権は原子力規制委員会の審査をクリアした原発については、再稼働を認める方針を示している。


その際に使われるフレーズは、


「世界最高水準の厳しい原発安全基準を定めて、その基準をクリアした原発の運転を再開させる」


というものだが、欺瞞に満ち溢れているものと言わざるを得ない。

なぜなら原子力規制委員会が定める基準は、原発の安全を担保するものではないからだ。


原子力規制委員会は各原発が設定した基準をクリアするのかどうかを審査する機関であって、原発の安全宣言を行う機関ではないからだ。


原子力規制委員会の基準をクリアすることは、当該原発が事故を引き起こさないことを保証するものではない。


設定した基準をクリアするかどうかだけを審査するのである。


つまり、原子力規制委員会の規制基準を満たしたからと言って、原発事故が起こらないとは、まったく言えないのだ。

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しかも、その規制基準は、東日本大震災のような巨大地震に耐えるような水準に設定されていない。


鹿児島県の九州電力川内原発の再稼働が検討されているが、原子力規制委員会が設定している川内原発の耐震基準は極めて緩いものである。


鹿児島県では桜島の火山活動が活発化しており、川内原発の立地地点が強い震度に晒される可能性は十分にある。


安倍政権が進めようとしている原発再稼働計画は、十分に発生する恐れのある地震に対しても安心・安全を保証できるものではないのだ。


そして、日本の主権者の過半数は、このような状況下での原発再稼働に反対の意思を有していると思われる。


この主権者の意思が尊重される必要がある。


巨大事故を再び引き起こしてからでは手遅れなのである。


原発再稼働阻止に向けての市民運動を、もう一度全国規模で拡大し、原発再稼働を阻止しなければならない。

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2014年4月30日 (水)

主権者多数は集団的自衛権行使・原発再稼働に反対

日本のマスメディアのなかで、社会の木鐸としてのメディアの役割を果たす存在が極めて少ない。


情報空間の貧困さが日本の民主主義の健全な発展を阻害している。


辛うじていくつかのメディアがジャーナリズム精神を備えている。


こうした良質なメディアを市民が支援し、育ててゆく必要がある。


メディアと市民は相互依存の関係にあり、メディアが市民の判断力を養うとともに、市民が良質メディアを育てる責務を負っている。


数少ない良質メディアと言える、北海道新聞と東京新聞が最新の世論調査結果を公表した。


東京新聞=中日新聞は4月30日、


「9条改憲、反対62%に増 解釈改憲も半数反対」


の見出しで、憲法改正、集団的自衛権行使に関する世論調査結果を公表した。


http://goo.gl/JZHjSC


同紙が実施した世論調査結果によると、


憲法9条について、


「変えない方がよい」が62%で、


「変える方がよい」の24%


を大きく上回った。

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安倍首相が目指す集団的自衛権の行使容認に向けての9条の解釈改憲でも、


「反対」が50%を占めて、


「賛成」の34%


を大きく上回った。


原発再稼働については、


「反対」が61%で、


「賛成」の30%を


大幅に上回った。

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北海道新聞も世論調査結果を公表した。


http://goo.gl/jC6qiJ


憲法改正については、


「全面的に改めるべきだ」が8%、


「一部を改めるべきだ」が52%、


改憲派は昨年12月の前回調査より10ポイント減った。一方、


「改正する必要はない」は39%


で調査前回より11ポイント増えた。


集団的自衛権の行使を容認する解釈改憲については、


「集団的自衛権の行使を認めない」が45%で、


「行使できるようにする」の40%


を上回った。


憲法9条の「陸海空軍その他の戦力は保持しない」という条文については、


「変更しなくてもよい」が51%


「変更して、自衛隊を持つことを明記すべきだ」が35%


「変更して、軍隊を持つことを明記すべきだ」が10%


だった。

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二つの新聞社が実施した世論調査結果は、憲法9条改正および集団的自衛権行使についての日本国民の慎重な判断姿勢を示している。


オバマ大統領が来日して発表された日米共同声明に、集団的自衛権についての言及が盛り込まれてことを、安倍首相は集団的自衛権行使を容認する方向での憲法解釈変更を強行するための根拠に用いようとしているが、共同声明の文言は、必ずしも安倍首相の意図を支持するものではない。


東京新聞=中日新聞が4月29日付「こちら特報部」で、


「オバマ発言を「我田引水」」


の見出しで、日米首脳会談、共同会見、共同声明について論評している。


このなかで、集団的自衛権行使容認の方向での憲法解釈変更に関連して日米共同声明に盛り込まれた文言が、事実とかい離して喧伝されていることが指摘されている。


日米共同声明の日本語版では、


「米国は,集団的自衛権の行使に関する事項について日本が検討を行っていることを歓迎し,支持する。」


と表記された。


この部分の英語版の表現は次の通りである。


The United States welcomes and supports Japan's consideration of the matter of exercising the right of collective self-defense.


米国が歓迎(welcome)し、支持(support)するのは、日本の集団的自衛権行使に関する、検討(consideration)である。


日本の集団的自衛権行使を歓迎し、支持するものではないのである。


ジャパンハンドラーの一人として知られるアーミテージ元国務副長官でさえ、日米首脳会談直前の4月22日に、自民党の石破茂幹事長と極秘に会談し、集団的自衛権について「急ぐ必要はない」という考えを伝えたことが報道されている。


集団的自衛権行使容認に向けての憲法解釈変更、憲法改定、そして、原発再稼働に突き進もうとしている安倍晋三政権の行動を、日本の主権者は支持していない。


そして、安倍晋三氏が懸命に偽装しようとしている、日米関係の強化の現実も存在しない。


日本の主権者は真実を正確に認識しないと、安倍政権によって危険極まりない状況に連れてゆかれてしまうことになる。

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