カテゴリー「尖閣海域中国漁船衝突問題」の18件の記事

2013年6月30日 (日)

「日本が進むべき道」

紀伊国屋サザンシアターで、


『「対米従属」という宿痾』(飛鳥新社)


http://goo.gl/RiEp8


発売記念トークイベント


「日本の進むべき道」


が行われた。


満席の聴衆が2時間以上に及ぶトークセッションに聞き入った。


冒頭、スピーチをされた孫崎亨氏は、日本が危機に直面していることを力説された。


原発事故については、事故原因さえ、いまだに究明されていない。


このなかで、原発再稼働、原発輸出が着々と推進されている。


TPPは国家主権を喪失する重大性を持つ危険な多国間協定である。


実際に米国との間でISDS条項を含むNAFTA(北米自由貿易協定)を締結したカナダやメキシコは、極めて手痛い代償を払わされることになった。


これらのことがらが、十分な論議もなく、検証もされずに、既成事実化される。


この現状をどう打破するか。

 

それが問題である。

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鳩山元首相が尖閣問題に関して発言したことが、事実を歪めて、メディアが大宣伝している。


正確な事実を知らない人々は、メディアが扇動する情報操作の網に絡め取られてしまう。


スポーツ新聞に至っては、鳩山元首相は「尖閣は中国のものだ」と発言したかのような報道を展開する。


こうなると、もはや「報道」ではない。


単なる「人物破壊工作」になる。


鳩山元首相が述べたことは、尖閣が日本の領土であるとの日本の主張があり、その論拠もある。


しかし、中国にも、尖閣が中国の領土であるとの主張があり、その論拠がある。


中国側の主張に耳を傾け、中国側の示す論拠を踏まえるなら、尖閣の領有権は中国側にあるとの主張も理解できることを述べただけだ。


領土問題のように、国の主張が正面からぶつかり合う問題では、お互いが相手の主張に耳を傾け、そのうえで冷静に話をしなければ、文字通り「話にならない」と鳩山元首相は強調する。


正論そのものだ。

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孫崎亨氏は著書『日本の国境問題』(ちくま新書)


でも、日中双方の主張を丹念に、そして冷静に比較検討している。


政府に求められる姿勢はこれである。


やみくもに「尖閣は日本のもの」と叫び、「領有権問題は存在しない」と言い通しても、意味はない。


日本の対米従属主義者が頼りにする米国はこの問題にどう対応しているのか。


米国は「尖閣領有権問題が存在する」ことを一貫して明示し続けている。


1971年の沖縄返還協定に際して、米国が尖閣の日本領有を明確にして、尖閣施政権を日本に返還していたなら、尖閣領有権問題はまったく異なる推移を辿ってきているはずである。


日本の尖閣領有権が国際社会において、広く認められてきた可能性が高い。


ところが、肝心の米国が、沖縄返還に際して、尖閣領有権については、日本と中国のいずれの側にも立たないことを明示したのである。


対米従属派が頼りにする米国が「尖閣領有権問題が存在する」との立場を明確にしてきているのである。

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孫崎亨氏が著書で紹介する原貴美恵著『サンフランシスコ平和条約の盲点』には、米国が日本と周辺国の友好関係を阻止するために地雷を埋め込んだとの見方が示されている。


尖閣領有権を強く主張する人々は対米従属派なのだから、中国に文句を言う前に、米国に文句を言うべきだろう。


「尖閣領有権問題は存在しないのに、領有権問題が存在するかのような見解提示は困る」と。


しかし、これらの対米従属派の人々が、米国に、きちんと言うべきことを言ったのを見たことがない。

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2012年4月に鳩山元首相はイランを訪問し、アハマディネジャド大統領と会談した。


鳩山元首相がイランを訪問した背景には、米国のオバマ大統領がイラン問題に重大な関心を寄せているという背景があった。

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2013年6月27日 (木)

鳩山元首相尖閣問題発言攻撃するメディアの無知

昨日のブログ記事に記載した鳩山元首相の香港フェニックステレビでの発言について、一部、事実と異なる記述があったので、一部訂正を含めて再論する。


鳩山元首相は上記テレビ番組において、

 

沖縄県の尖閣諸島について、


「中国側から見れば(日本が)盗んだと思われても仕方がない」


と発言したこと自体は事実であった。この点は事実を確認したうえで、表記を改めたい。


日本の一部メディアは、鳩山元首相のこの発言を強く非難している。


しかし、的確な論評を行うためには、鳩山元首相の発言の意味を正確に読み取る必要がある。


昨日付メルマガ記事にはすでに記述したが、


『「対米従属」という宿痾』(飛鳥新社)


http://goo.gl/RiEp8


146ページから151ページに、この点に関する記述があるので、事実関係をよく理解することが必要である。


また、孫崎亨氏の著書


『日本の国境問題』(ちくま新書)


http://goo.gl/e56Es


の57ページから94ページにも、尖閣問題についての詳しい解説が記述されているので、ご参照賜りたい。

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カイロ宣言では、清の時代に中国から奪った領地は中国に返還されることになっている。


「満洲、台湾及澎湖島ノ如キ日本国カ清国人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民国ニ返還スルコト」


日本が尖閣を領地に組み込んだのは清の時代である。


日本側の主張は無主の地を日本が先占したと主張し、日本の領有権を主張するものである。


この点に関して孫崎亨氏は、中国側の主張を精査したうえで、清の時代に尖閣諸島に対する中国の管轄権が及んでいた可能性がないとは言えないことを示している。


清の時代に尖閣諸島に対して清の管轄権が及んでいたとすると、


尖閣諸島が「日本国カ清国人ヨリ盗取シタル一切ノ地域」に該当するとの判断は生じ得る。


鳩山元首相が述べたことは、このことである。


つまり、清の時代に、尖閣諸島に対して清の管轄権が及んでいたことを中国は主張しており、その論拠も示している。


このことを踏まえると、尖閣諸島がカイロ宣言に記述された、


「日本国カ清国人ヨリ盗取シタル一切ノ地域」


に該当することになり、このことを根拠に中国が尖閣諸島の領有権を主張することは論拠を持つことになる。

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日本政府は尖閣諸島の領有権を主張しており、その主張に正当な論拠があるなら、これを主張することは正当である。


しかし、同時に中国の主張に耳を傾けたときに、中国側の主張にも一定の合理性が存在するなら、その現実から目を背けて、日本の主張だけを「一点張り」で言い張ることは賢明な姿勢ではない。


鳩山元首相発言は日本の主張を否定しているものではない。そうではなく、中国側の主張に目を向けて、その主張にも一定の合理性があることを率直に認め、そのことを表明しているに過ぎないのである。


現実を現実として直視し、自分と敵対する側の主張であっても、謙虚に耳を傾け、そこに一定の合理性があるなら、その合理性を認める姿勢は、「賢明」なものであって避難されるべきものでない。


このような理性的な姿勢、冷静な対話の姿勢がなければ、紛争を話し合いによって平和裏に解決することはできない。

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重要な点は、清の時代に清の管轄権が尖閣諸島に及んでいたとの中国側の主張に合理性があるのかどうかという点、日本側が主張する、1895年の領地への組み入れのプロセスに瑕疵がなかったのかどうかという点に絞られるだろう。


詳細は、孫崎亨氏の著書『日本の国境問題』をご高覧賜りたいが、結論から言えば、中国側の主張にも一定の合理性があると認めざるを得ないと考えられる。


以下に、孫崎氏が著書に記述されている事項の一部を紹介する。


16世紀の中国の歴史的文献にはすでに釣魚島についての記載がある。


また、明の時代に出版された『日本一鑑』には、釣魚島は台湾に付属する小さな島であるとの意味の記載がある。


清朝の時代の冊封使は、尖閣諸島と古米山(久米島)の間に深い海溝がありあり、これが「中外の界」であると書いている。


これらの文献の存在に従えば、釣魚島は中国人が最初に発見し、16世紀から中国の版図に入ったことが明らかになる。


また、日本の尖閣諸島の領地組み入れについても、中国側は、日本が1884年に尖閣諸島を「発見」した際に、中国に対する侵略の意図を疑われることを躊躇して版図に入れることを憂慮し、日清戦争後に台湾に付随する島嶼として割譲したものだと主張する。

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日本が日本側の主張を展開することは正当であるが、中国側がどのような主張を展開しているかに耳を傾け、その主張を正当に評価する姿勢は必要不可欠なものである。


フジ・サンケイグループを中心に、偏狭なナショナリズム感情をむき出しにして、鳩山元首相の発言を猛攻撃しているが、同じ日本人として、とても恥ずかしい行為であると言わざるを得ない。

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2013年6月26日 (水)

鳩山元首相正当発言叩く偏狭ナショナリズム報道

51uxhaslpml__ss500_7月4日に拙著

『アベノリスク
-日本を融解(メルトダウン)させる7つの大罪-』
(講談社)

を上梓します。


http://goo.gl/xu3Us

 

新著の出版に際して、

7月7日(日)に
東京・渋谷の

TKP渋谷カンファレンスセンター

において、

新著刊行講演会を開催いたします。


講演会の概要は以下の通りです。


名称:『アベノリスク』(講談社)出版記念講演会


日時:2013年7月7日(日)
   午後3時開場 午後3時半開演


場所:TKP渋谷カンファレンスセンター5階

カンファレンスルーム 5B

150-0002東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷東宝ビル
TEL
03-5778-2700(営業時間:8002300

http://www.shibuya-kaigishitsu.net/access.shtml

東京メトロ銀座線、半蔵門線、副都心線渋谷駅
15番出口)より 徒歩2


料金:1500円(新著『アベノリスク』代金を含む)


定員:90名(先着順)


チケット購入:イープラス
       
http://goo.gl/NAXKQ


サイトでの情報公開は7月1日からとなりますのでご注意ください。

チケット発売開始:7月1日(月)午前10時


講演会後、会場にて、希望者に新著に署名をいたします。

新著(税込価格1570円)代金を含んで1500円の講演会チケットになりますので、ぜひ、この機会をご利用ください。

 

限定90名様先着順チケット販売の講演会ですので、7月1日のチケット発売開始後、イープラスサイトより、お早目にご購入ください。

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昨晩、鳩山由紀夫元首相、孫崎亨元外務省国際情報局長と会談させていただいた。


香港のフェニクステレビが6月25日に放送した番組内での鳩山由紀夫元首相による発言について、メディアからの取材が相次いでいるとのことだ。


読売新聞はこの内容を次のように伝えている。


「鳩山由紀夫元首相は25日放送された香港のフェニックステレビとのインタビューで、沖縄県の尖閣諸島について、「中国側から見れば(日本が)盗んだと思われても仕方がない」と述べ、同諸島は「係争地である」との認識を示した。

 
中国政府は、同諸島が日清戦争末期に日本に奪われたとの立場から、「日本が清国人から盗取した一切の地域を中華民国に返還する」とのカイロ宣言を領有権主張の根拠としている。鳩山氏は、「カイロ宣言の中に尖閣が入るという解釈は、中国から見れば当然成り立つ話だ」と述べ、中国政府の言い分に理解を示した。

 
鳩山氏はまた、同諸島を巡る問題の「棚上げ」について、「文書ではないが、41年前に周恩来首相と田中角栄首相の間で合意したのは事実だ」と主張した。」

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産経も読売も、事実を歪曲して報道していると思われる。


私が鳩山元首相から直接聞いた話では、上記の新聞記事は事実とは異なる。


鳩山元首相が述べた内容は、中国が尖閣領有権を主張する根拠について、中国側の言い分の立場に立てば、そのような主張も成り立ち得るとの理解を示したものである。


この問題について、産経新聞は、


「尖閣領有権発言で鳩山氏が「言っていない」と釈明」


との見出しを付けて次ように伝えている。


「鳩山由紀夫元首相は25日夜、香港のフェニックステレビの取材に対し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権を主張する中国に理解を示す発言をしたことについて、都内で記者団の質問に答えた。


「(中国側から『日本が盗んだ』と思われても仕方がないとは)言っていない。中国側がそう判断をするという可能性があると申し上げた」と釈明した。」

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こうしたマスメディア報道に、事実を歪曲するイメージ報道が存在することに十分な注意が必要だ。


産経新聞が伝えた鳩山元首相の説明が真実に近いものであると思われる。


鳩山氏は、鳩山氏が示したように、


「中国側から『日本が盗んだ』と思われても仕方がない」


と述べたのではなく、


「中国側がそう判断をするという可能性がある」


と述べたのであると思われる。


したがって、鳩山氏の取材での受け答えは、「釈明」ではなく、「説明」である。


フジ・サンケイ、読売は鳩山氏を攻撃するが、こうした視野狭窄、偏狭なナショナリズムに基づく姿勢が、日本外交を屈折させて、日本の本当の意味の国益を喪失させる原因になる。

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2013年1月27日 (日)

「百害あって一利なし」は読売新聞に贈る言葉

二つの社説を読み比べていただきたい。


ひとつのタイトルは


「尖閣問題を紛争のタネにするな」


次の書き出しで始まる。


「日本が尖閣諸島の魚釣島で進めいている開発調査に対し、中国外務省が公式に遺憾の意を表明するとともに、善処を求めてきた。


この遺憾表明は口頭で行われ「日本の“行為”は法的価値を持つとは認めない」と中国側の立場を明確にしながらも、厳しい抗議の姿勢ではなく、繰り返し大局的な配慮を要望したという。事をあら立てまいとする中国の姿勢がうかがわれるが、わが国としてもこの問題を日中の“紛争のタネ”に発展させないよう慎重な対処が必要だろう。」


さらに次のように続く。

「尖閣諸島の領有権問題は、一九七二年の国交正常化の時も、昨年夏の二中平和友好条約の調印の際にも問題になったが、いわゆる「触れないでおこう」方式で処理されてきた。


つまり、日中双方とも領土主権を主張し、現実に論争が“存在”することを認めながら、この問題を留保し、将来の解決に待つことで日中政府間の了解がついた。


それは共同声明や条約上の文書にはなっていないが、政府対政府のれっきとした“約束ごと”であることは間違いない。約束した以上は、これを順守するのが筋道である。


鄧小平首相は、日中条約の批准書交換のため来日した際にも、尖閣諸島は「後の世代の知恵にゆだねよう」と言った。


日本としても、領有権をあくまで主張しながら、時間をかけてじっくり中国の理解と承認を求めて行く姿勢が必要だと思う。」

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もうひとつの社説を読んでいただきたい。


タイトルは


「習・山口会談 首脳対話に必要な中国の自制」


次の書き出しで始まる。


「途絶えている日中首脳会談が再開できる環境を整えるには、日中双方の外交努力が必要だ。」


そして、こう続く。


「中国は尖閣諸島の領有権問題での日本の譲歩を求めているのだろうが、それは認められない。むしろ中国にこそ自制を求めたい。

 
昨年9月に日本が尖閣諸島を国有化した後、中国政府による日本の領海侵入は恒常化し、領空への侵犯も起きている。


不測の事態を防ぎ、日中関係を改善するには、まず中国が威圧的な行動を控えるべきだ。」


「公明党は、1972年の日中国交正常化の際、議員外交で大きな役割を果たした。今回も、溝が広がった政府間の橋渡しをしようとする意図は理解できる。


尖閣諸島は日本固有の領土であり、領土問題は存在しない。日本政府の立場を堅持することが肝要なのに、気がかりな点がある。


山口氏が訪中前、香港のテレビ局に対し「将来の知恵に任せることは一つの賢明な判断だ」と述べ、「棚上げ論」に言及したことだ。日中双方が自衛隊機や軍用機の尖閣諸島上空の飛行を自制することも提案した。


山口氏は習氏らとの会談では触れなかったが、看過できない発言だ。棚上げ論は、中国の長年の主張である。ところが、中国は1992年に尖閣諸島領有を明記した領海法を制定するなど一方的に現状を変更しようとしている。」


「先に訪中した鳩山元首相は、尖閣諸島を「係争地だ」と述べた。領有権問題の存在を認めたことなどから、中国の主要紙が大きく取り上げた。中国に利用されていることが分からないのだろうか。


国益を忘れた言動は百害あって一利なしである。」

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二つの社説の主張のなかに、正反対の事実認識がある。


尖閣の領有権問題についての事実認識だ。


前者の社説では、次のように指摘している。


「尖閣諸島の領有権問題は、一九七二年の国交正常化の時も、昨年夏の二中平和友好条約の調印の際にも問題になったが、いわゆる「触れないでおこう」方式で処理されてきた。


つまり、日中双方とも領土主権を主張し、現実に論争が“存在”することを認めながら、この問題を留保し、将来の解決に待つことで日中政府間の了解がついた。


それは共同声明や条約上の文書にはなっていないが、政府対政府のれっきとした“約束ごと”であることは間違いない。約束した以上は、これを順守するのが筋道である。」


尖閣領有権問題は日本と中国がそれぞれに領有権を主張しているため、1972年の日中国交正常化時と、1978年の日中平和友好条約調印時に
「領有権問題の決着を先送りすること」で日中両政府が了解した。


共同声明や条約上の文書にはなっていないが、政府対政府のれっきとした「約束ごと」であることが間違いないとしている。


「棚上げ合意」が間違いなく存在しているとの事実認識だ。

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これに対して、後者の社説では、


「尖閣諸島は日本固有の領土であり、領土問題は存在しない。」


としている。


そのうえで、公明党の山口代表が「棚上げ論」に言及するとともに、日中双方が自衛隊機や軍用機の尖閣諸島上空の飛行を自制することを提案したことについて、「看過できない発言だ」としている。


さらに、鳩山由紀夫元首相が訪中して、尖閣諸島を「係争地だ」と述べ、領有権問題の存在を認めたことについて、


「国益を忘れた言動は百害あって一利なし」


と罵倒する主張を掲示した。


こちらの社説では、「尖閣領有権問題は存在しない、尖閣諸島は日本固有の領土である」との認識が示されている。

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まったく正反対の事実認識を示す新聞社説だ。


どの新聞社とどの新聞社が全面対決しているのか興味深い。


正解を示しておこう。


前者は読売新聞社説であり、後者は読売新聞社説だ。


真冬の夜のミステリー。


前者は1979年5月31日付の読売新聞社説


後者は2013年1月26日付の読売新聞社説


である。読売新聞とはこのような新聞である。


こんな新聞を購読するのは「百害あって一利なし」だと言える。

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2012年10月 5日 (金)

尖閣領有権問題に対する読売新聞社説の正論

孫崎亨氏とお会いしていろいろとお話しさせていただいた。


すでに孫崎氏が公表されているが、あの読売新聞が正論を社説に掲載したコピーをいただいた。


タイトルは「尖閣問題を紛争のタネにするな」


である。


社説は以下の書き出しで始まる。


「日本が尖閣諸島の魚釣島で進めいている開発調査に対し、中国外務省が公式に遺憾の意を表明するとともに、善処を求めてきた。


この遺憾表明は口頭で行われ「日本の“行為”は法的価値を持つとは認めない」と中国側の立場を明確にしながらも、厳しい抗議の姿勢ではなく、繰り返し大局的な配慮を要望したという。事をあら立てまいとする中国の姿勢がうかがわれるが、わが国としてもこの問題を日中の“紛争のタネ”に発展させないよう慎重な対処が必要だろう。」


極めて冷静で妥当な論評である。


日本政府に対して冷静で慎重な対応を求める読売新聞は、この主張の根拠として次の歴史的事実を指摘する。


歴史的事実に基づき、冷静で慎重な対応を示すのが適正な外交の基本におかれるべきことは当然のことだ。


よみうりの社説から引き続き引用する。


「尖閣諸島の領有権問題は、一九七二年の国交正常化の時も、昨年夏の二中平和友好条約の調印の際にも問題になったが、いわゆる「触れないでおこう」方式で処理されてきた。つまり、日中双方とも領土主権を主張し、現実に論争が“存在”することを認めながら、この問題を留保し、将来の解決に待つことで日中政府間の了解がついた。


それは共同声明や条約上の文書にはなっていないが、政府対政府のれっきとした“約束ごと”であることは間違いない。約束した以上は、これを順守するのが筋道である。鄧小平首相は、日中条約の批准書交換のため来日した際にも、尖閣諸島は「後の世代の知恵にゆだねよう」と言った。日本としても、領有権をあくまで主張しながら、時間をかけてじっくり中国の理解と承認を求めて行く姿勢が必要だと思う。」

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この社説の内容は、私が本ブログ、メルマガ、あるいは『金利・為替・株価特報』で主張していることとほぼ同一である。


昨日のブログ、メルマガ記事にも次のように記述した。


「私たちは歴史の事実を正確に見つめ直す必要がある。


1972年の日中国交正常化の過程で、尖閣の領有権問題は俎上に乗っている。


このときに「棚上げ合意」が形成された。


中国は領有権を主張するが日本の実効支配を容認するとの考えを明示し、日本もこれを受け入れたのだ。


それを日本が「棚上げは存在しない」、「領有権問題は存在しない」と主張し始め、尖閣を国有化すれば、波風が立たないわけがない。


日本が喧嘩を売ったと言われて反論できない。」


日中両国が国交正常化、そして平和友好条約締結の時点で「知恵」を出し、こじれがちな領土問題について、日本の実効支配を容認しつつ「棚上げ」の措置で問題を先送りしたことは、賞賛に値する行動である。


国家間で「約束」した以上、その「約束」をしっかりと守るのが、国際社会における「信義ある行動」である。

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実は上記の読売新聞社説は1979年5月31日付の記事である。


読売新聞にもまともな社説を掲載していた時代があったようだ。


重要な点は、この記事の中に


「つまり、日中双方とも領土主権を主張し、現実に論争が“存在”することを認めながら、この問題を留保し、将来の解決に待つことで日中政府間の了解がついた。


それは共同声明や条約上の文書にはなっていないが、政府対政府のれっきとした“約束ごと”であることは間違いない。約束した以上は、これを順守するのが筋道である。」


と明記されていることだ。


読売社説は尖閣地域における日本の開発調査について中国が善処を求めたことについて次のように論評している。


「今回の魚釣島調査は誤解を招きかねないやり方だった。三原沖縄開発庁長官(総務長官)は「自然条件や動植物調査をやったまでで、他意はない。これ以上の実効支配や地下資源調査は考えていない」というが、条約発効後一年もたたないのに、ヘリポートをつくり、調査団を派遣するのは、わざわざ実効支配を誇示しようとするものと受けとられかねない。


運輸省や沖縄開発庁の行動に対して、外務省は「あまりこれみよがしに実効支配を宣伝するのはどうか」と懸念していたといわれ、園田外相は「中国が黙っているのは友情であり、わが国は刺激的、宣伝的な行動を慎むべきだ」と国会で答弁した。


もし、どうしても学術調査が必要なら、事前に中国と話し合い、共同調査でもやる方法はなかったか。尖閣諸島の周辺海域では、いずれ遠くない時期に海底資源を調査開発しなければならなくなる。“小さな岩”で争うよりも、こうした遠大な事業で日中両国が協力する方向に、双方のふん囲気を高めて行くことが大事だ。もしこれが成功すれば、とかくこじれがちな領土紛争に、よき解決の先例を国際的にもつくることになる。」

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読売新聞は自社が掲載した社説を、いま紙面で紹介するべきだろう。


読売社説の主張は、いまの時代にそのまま通用する正論である。

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今回の対談では、尖閣諸島をはじめとする「日本の国境問題」について、根本にあるものは何か、そして政府の失政に乗じて騒動の裏で誰が得をしているのか、さらに民自党首選を終えたのちの政局展開、次期総選挙争点などについて徹底討論しています。

《対談のテーマ》
・尖閣、竹島、北方領土をめぐる日本外交
・米軍が配備するオスプレイ
・民主党代表選、自民党総裁選と今後の政局
・三党合意と総選挙時期
・小沢新党のゆくえほか橋下維新の動向

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2012年9月 5日 (水)

誰が誰の為に何を目的に領土問題を煽っているか

尖閣問題に火をつけてきたのは、前原誠司氏と石原慎太郎氏である。

日本と中国の間には、尖閣領有権を棚上げするとの合意が存在してきた。

「棚上げ」合意とは、中国が、尖閣を日本が実効支配している現状を容認し、その変更を武力をもって行わないことで合意したとうことである。

「棚上げ」措置が取られたのは、中国が尖閣諸島を中国領であると認識しながら日本との関係を発展させることが重要であるとして、日本の実効支配を容認すると譲歩したからである。

日中国交回復時に、この「棚上げ」合意が成立された。

日本は尖閣の実効支配を確保しており、中国がこれを容認している。この状態で安定化させることが、日本にとってももっとも賢明な対応である。

この「棚上げ」措置を日本が一方的に破棄して日本の領有権主張を始めれば、中国が対抗手段に打って出ることは当然である。

このとき、避難されるのは中国ではなく日本ということになるだろう。

ところが、前原誠司氏は国会答弁で、「日中間に棚上げ合意は存在しない」と何度も答弁した。

そして、石原慎太郎氏は、本年4月、ワシントンで尖閣を東京都が購入する考えがあることを意思表示した。

これを日本で語らず、ワシントンで語ったところがミソである。

一種のワシントン詣でである。

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8月24日付ブログ記事「領土紛争はアメリカが仕掛けた」


http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-1adf.html

に記述したが、菅沼光弘氏も指摘するように、日本の国境問題である、北方領土、尖閣、竹島の紛争の種を蒔いたのはすべて米国である。

北方領土問題のポイントは、1945年2月の米ソ英参加国によるヤルタ協定において、ソ連の対日参戦と千島領有権が交換条件とされたことにある。サンフランシスコ講和条約で日本は南千島の領有権を放棄した。

この南千島に国後、択捉両島が含まれていた。このことを日本政府は国会答弁でも示していた。

この事情を背景に1956年、鳩山一郎首相はソ連を訪問し、日ソ平和友好条約の締結を模索した。歯舞、色丹の二島返還で平和友好条約は締結されかけたが、ここに横やりを入れたのはアメリカだ。

アメリカの国務長官ダレスは、「日本が二島返還で日ソ平和友好条約を締結するなら、米国は沖縄を永久に返還しない」と通告してきた。このアメリカの横やりで二島返還は消えた。

サンフランシスコ講和条約にはソ連が参加しなかった。これを口実に、アメリカは日本に対して、四島返還をソ連に要求するように要請したのだが、これは、日ソが関係を修復しないための工作だった。

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竹島問題は、GHQが日本を支配下に置いている時期の1952年1月18日に韓国の李承晩大統領が一方的に「平和ライン」なるものを設定したことに起因して発生した問題だ。このラインの中に竹島が含まれた。


当時、日本は占領下に置かれていたから、韓国の言動に抗議し、適切な処置をとるのはアメリカの役割であった。しかし、アメリカは手を打たず、李承晩ラインを黙認した。このために竹島問題が生まれた。


米国は日本と韓国の間に紛争の種を植え付けたのである。

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中国が尖閣の領有権を主張し始めたのは1970年頃以降である。米国が強い影響力を持つ国連が、尖閣近辺の海底に鉱物資源が埋蔵されていることを発表したのが契機になった。


尖閣は1971年の沖縄返還協定の対象地域であり、米国の施政下に置かれていたから、沖縄返還で日本に帰属することになるのは順当である。


ところが、この米国が、尖閣の日本領有を強く主張しなくなった。現在の米国は、尖閣の領有権について、日本にも中国にも加担しない立場を明示している。


現在、中国を訪問しているクリントン米国務長官は、領有権問題について、「特定の立場をとらない」ことを明示したと伝えられている。


他方、米国は、尖閣諸島が日米安保条約第5条の適用地域であることを認めている。日本政府が国民にこの点だけしか伝えないのは姑息である。


日米安保条約は日本の施政下にある地域を対象としているから、安保条約の対象地域なのだが、肝心の領有権について、中国の主張を認めず、日本の主張を認めるとの立場を採っていないから、安保条約の適用地域だとしても米国が中国と戦うことはあり得ない。

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米国は、日本と中国の間にも紛争の種を植え付けたのである。


それにも拘らず、日本と中国が「棚上げ」合意で、紛争を封じ込めて友好関係を築くことは米国の国益に反する。


この米国の意向を忖度してか、米国から指令を受けたからなのか、前原氏は「棚上げ合意」を否定し、石原氏は尖閣購入で、意図的に、日中間に波風を立てる努力を示してきたのだ。


これまでの日本では、米国のお墨付きを得ないと総理大臣になれない。


あるいは、なったとしても米国にすぐ潰される。そこで、前原氏も石原氏も熱心に米国の歓心を買うことに注力しているのだと思われる。


石原氏はせがれの石原伸晃氏を何とか総理の椅子に座らせたいのだと思う。

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2012年8月21日 (火)

本来は野田佳彦氏が正論を提示すべき局面

台湾の馬英九総統がNHKのインタビューに応じて、


「尖閣諸島を巡っては、関係するすべての国と地域が島への上陸などの行動をそろって自制することが重要だ」


との考えを示したと報じられている。


報道によると馬英九氏は尖閣諸島について、


「台湾に属する島だ」


と述べて領有権を主張した一方で、台湾と同じように尖閣諸島の領有権を主張する中国と連携して日本に対抗する意図はないことも明確にし、尖閣諸島を巡る主張の違いによって日本との関係が悪化することは避けたいという立場を強調した、とのことである。


そのうえで馬英九氏は、尖閣諸島に上陸して逮捕、強制送還された香港の活動家らが10月ごろに再び上陸する計画を検討していることについて、日本の地方議員などが尖閣諸島に上陸したことに触れながら、


「最も重要なのは、いずれか一方だけに自制を求めるのではなく、皆が平和的に争いを解決する方法を探ることだ」


と述べて、関係するすべての国と地域が島への上陸などの行動をそろって自制することが重要だという考えを示したと、NHKは報じている。

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馬英九氏は8月5日、争いを平和的に解決するための提言である「東シナ海平和イニシアチブ」という構想を打ち出して、関係する国や地域による資源の共同開発を呼びかけた。


この「東シナ海平和イニシアチブ」について、琉球新報社説は次のように論評している。


「台湾の馬英九総統が、日本のほか、中国と台湾が領有権を主張する尖閣諸島の問題で、「行動規範」策定など5項目を内容とする「東シナ海平和イニシアチブ」を提言した。


(中略)

 

日中を念頭に、関係国の話し合いで平和的解決を図るとする提案は、国連憲章にも沿うものでもあり傾聴に値する。

  
(中略)

 
馬氏は、さらなる対立を避けるため主権問題を棚上げした上で、行動規範策定のほか、東シナ海の資源の共同開発などを訴えた。尖閣をめぐって関係国の緊張が高まっている現状に、強い危機感を抱いていることの表れだ。」


本来は、日本の為政者がこのような発言を示し、東アジア諸国・地域間の「対立」を平和的に解決するリーダーシップを発揮するべきである。


日中両国政府は日中国交回復時に、尖閣の領有権問題を「棚上げ」する合意を形成した。「棚上げ」とは、中国が日本による実効支配という現状を容認し、その変更を武力をもって行わないということである。


8月17日付ブログ記事
「消費増税問題をせん滅するための竹島尖閣騒動」


同日付メルマガ記事
「領土問題を武力紛争にしないための知恵」


に記述したが、孫崎亨氏が指摘するように、この「棚上げ」合意を尊重する姿勢を取ることは日本の国益にかなうものである。


それを日本側から「棚上げ」合意を否定して、日本の領有権のみを強調する方法でアピールし、中国や台湾などの対抗措置を招くことは建設的対応とは言えない。


米国は東アジア諸国・地域が友好関係を深めると、この地域で戦争を誘発することが困難になるため、意図的に東アジア諸国・地域の対立を誘導しようとの考えを有しているのだと思われるが、その手先として日本が行動することは日本の国益に反するものである。

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琉球新報社説は次のように続けるが、これが正論というものだ。

  
「とりわけ、野田首相は戦略対話を提案しながら、7月に打ち出した国有化方針が、ことさら中国や台湾の神経を逆なでしたことは否定できない。対日強硬論が強まり、海洋活動などがエスカレートしていることからも明らかだろう。

  
いたずらに領土ナショナリズムを刺激し合うような現状は、関係国相互の憎悪を増幅させるだけで、あまりに非生産的だ。関係国が目指す戦略的互恵関係から程遠く、国際社会にとっても不幸である。

  
国連憲章にあるように、武力の行使や威嚇によらず、平和的方法による解決の道を模索することは、日本だけでなく、中国や台湾の利益にもかなうはずだ。

  
本来ならば、日中国交正常化40周年の節目に当たる今年は、民間レベルを含め日中両国の友好関係を深める好機となるはずだが、信頼醸成の機運はしぼんだままだ。

  
日中が領土問題を棚上げし、国交正常化や平和友好条約締結を推し進めたのは、不毛な感情的な対立を避け、平和と安定を希求した双方の外交的努力があったからにほかならない。尖閣をめぐる「不信の連鎖」を断ち切るためにも、今こそ先人の知恵に学びたい。」

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国民のナショナリズム感情に火をつけて、いたずらに反中国などの感情を煽ることは、国内問題から国民の目をそらさせ、政治的支持を得る上では好都合な手法かも知れないが、真に国を思う行動とは言えない。


しかも、その行動が日本を支配する米国の意向に迎合するものであるなら、なおさら、その行動の反国民性は重大である。

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馬英九氏が提唱するように、領土問題を「棚上げ」して、資源開発などで国際協力体制を構築することは、対立を煽り、東アジア情勢を不安定化させることよりも、よほど国益に適う外交対応である。


本来は野田佳彦氏がこのリーダーシップを発揮するべきところ、馬英九氏にその役割を先んじて示されてしまったことを日本政府は謙虚に反省するべきだ。


日本が尖閣諸島の実効支配の現状を補強することは間違った施策ではないだろう。しかし、米国で東京都が尖閣諸島を購入する構想を発表したことなどは、アジア情勢を不安定化させるためへのパフォーマンスを演じて、単に米国の歓心を買うことだけを目指したものであると言わざるを得ない。


日本の安全保障を確保するために重要な第一のことがらは、アジア諸国・地域と相互依存、互恵の強い友好関係を構築することである。


日本がこの友好関係を構築するなら米軍が日本の常時駐留する必要性も著しく低下するはずである。

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2012年2月24日 (金)

「言うだけ番長」改めすぐキレる「無駄吠え番長」襲名

前原誠司氏に対して「言うだけ番長」の表現を用いて論評することは、正鵠を射ていると判断する者が多いはずだ。
 
 もっとも分かり易い例は、八ッ場ダム工事の中止決定だろう。
 
 鳩山政権が発足して前原誠司氏は国交相に就任した。就任して直ちに八ッ場ダムの建設を中止する方針を表明した。これに猛反発が生じると、中止を中止してしまった。
 
 その後は、国交相在任中に何の処理もできなかった。
 
 蒸気機関車に乗って運転士ごっこをして遊ぶくらいのことしかしなかったのではないか。
 
 沖縄担当相を兼務していたが、鳩山由紀夫首相が明示した普天間基地の県外、国外移設に向けて、微塵の努力も注がなかったのではないか。
 
 内閣改造が繰り返され、結局、前田武志国交相の時代に、八ッ場ダム工事継続の決定がなされた。民主党の政調会長に就任していた前原氏は、工事継続が決定されるなら、国交相予算を党として認めないと発言したが、その後、うやむやになった。
 
消費税増税問題では、途中まで、消費増税反対の意思を表明していたのではないか。
 
それが、何の説明もなく、突然、消費増税賛成に主張が変わった。

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尖閣諸島海域で発生した中国漁船による海上保安庁巡視船への衝突事件では、日本の法律に沿って粛々と処理すると明言しながら、米国の指令が下されると、たちまち、中国人船長を釈放、帰国させた。
 
 この間の経緯は明らかにされていない部分があるが、前原氏の行動は、ただひたすら米国の指令に従っているものとしか映らない。上記の記述は、私の推測による記述であることを補記しておく。
 
 
 これだけの「実績」を積み上げているのだから、「言うだけ番長」の表現は順当である。このような「論評」をされたくないなら、言動を改めるしかないのではないか。
 
 それを、その論評を示す新聞社を記者会見から締め出すとは、いささか幼稚すぎる。
 
 今度は言われるとすぐキレる「無駄吠え番長」と呼ばれることになるだろう。

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そもそも、前原氏のような実力も実績もない人物が、なぜ民主党の要職を渡り歩くのかが謎である。世界七不思議のひとつに入れても良いのではないか。
 
 人柄についても良い話を聞いたことがない。
 
 
 前原氏に限らず、現在の民主党執行部には、魅力のある人材が皆無である。皆、ポストと権力の亡者に見える。
 
 野田、岡田、前原、枝野、玄葉、安住、仙谷、渡部とくれば、これは、人徳のない博覧会の様相を呈する。
 
 
 これらの民主党が消滅し、本来の正統派民主党が生き残れば、それがベストだ。縁起も悪いので、党名を刷新した方が良いだろう。
 
 野田佳彦氏は2月23日の衆議院予算委員会での答弁で、民主党の党運営が民主的でないことを指摘され、まともに反論できなかった。
 
 TPPも消費増税も党内で多数決採決を実行していないのである。
 
 委員会で反対多数となると委員を差し替える。
 
 意見集約の場で反対意見が多数になると多数決を採らずに、「執行部に一任させてもらう」と一方的に宣言して、少数意見を強引に党の決定にしてしまう。この運営が「民主的でない」というのは、正しい指摘だ。

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次の総選挙で現在の民主党が惨敗することは間違いない。上記の野田、岡田、前原、枝野、玄葉、安住、仙谷、渡部の八人衆は全員落選が望ましい。
 
 民主党は2009年8月の「国民の生活が第一」の路線に戻るべきである。この正統派民主党を軸に、新しい政党を立ち上げるべきだ。
 
 この勢力が二大政党の一翼を担わねばならない。
 
 言われるとすぐキレる「無駄吠え番長」は、「政治とカネ」の問題でも、客観的に明らかに違反である行為をしてきた。犯罪の存在に対して「合理的な疑いを差し挟む余地のない」、本人も罪を犯したことを認める行為を実行してきたのだ。ただ、「故意ではない」との主張を受け入れてもらい立件されなかっただけである。
 
 できるだけ早期に総選挙を実施して、国会から消えてもらわねばならない議員を主権者国民の力で退場させ、その上で、日本の出直しを図らねばならない。

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お知らせです!

 128日に配信しご好評いただいた【天木×植草リアルタイム時事対談】の第2回生中継配信が決まりました。
 
 第2回となる今回は、「日本はどこまで米国に支配されているのか」をテーマに、小沢裁判とこの国の警察・検察・司法の闇、対米隷属を続けるこの国の政治・政策運営などの問題についてとことん議論します。
 
配信日時:2012225日(土曜日) 1900分放送開始予定
 
 今回の放送は、有料メールマガジンの読者限定で生中継配信させていただくもので、有料メールマガジン読者は無料でご覧いただけます。対談の視聴をご希望の方は、ぜひこの機会に有料メールマガジンにご登録くださいますようご案内申し上げます。
 
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2010年11月11日 (木)

映像公開と守秘義務違反の是非を混同する愚かしさ

尖閣諸島沖の衝突映像流出事件で神戸の第五管区海上保安本部所属の海上保安官が映像流出を自白した。容疑を裏付ける証拠が整わず、同保安官の逮捕が遅れているが、容疑が固まり次第、逮捕するべきである。
 
 NHKを始めとするマスゴミは、記録映像を流出させた海上保安官を擁護する報道を大々的に展開しているが、著しい偏向を言わざるを得ない。
 
 日本の警察・検察・裁判所制度の前近代性を指摘してきたが、こうした前近代性を助長している最大の存在がマスゴミの偏向報道である。
 
 刑事事件の取り扱いにおいては、
Due Process of Law の厳格な適用
②罪刑法定主義
③法の下の平等
④基本的人権の尊重
⑤裁判所の独立性確保
⑥警察・検察の裁量的・恣意的判断の排除
⑦国家公務員の守秘義務の徹底
が厳正に尊重されなければならない。
 
 ところが、現実にはこうした大原則が無視され、マスゴミの情報誘導によって刑事事件の取り扱いが左右される現実が強まっている。
 
 罪刑法定主義ではなく情緒的な人民裁判の傾向が強まっているのだ。
 
 今回の衝突映像について、政府は当初から衝突映像を公開するべきであった。このような重大事案について、事実を正確に国民が知るためには、映像を公開することがもっとも適切な措置である。国民には「知る権利がある」ことを私は主張してきた
 
 菅直人政権が映像の公開を拒み、密室の協議で事態に対処したことは根本的に間違っている。
 
 問題が生じた地点が日本の領海であり、そのことを日本政府が国際社会に対しても正面から主張できるなら、この地点で発生した問題に対しては、日本の国内法に基づき、粛々と処理すればよいのである。
 
 このことについて、海外から横やりを入れられて腰砕けの対応を示すなら、日本は世界の笑いものである。
 
 しかし、日本と中国のこれまでの外交過程において、この地域の領有権に関して、その決着を先送りすることが暗黙の合意とされ、同海域での日中両国の漁業活動について、合意なりルールなり慣習が存在していたのなら、その点を無視することはできない。
 
 尖閣諸島の領有権について、日中国交回復、沖縄返還、日中平和友好条約締結に際して、中国の鄧小平氏が「棚上げ政策」を提案したことは事実であり、2000年に発効した日中漁業協定はこの「棚上げ政策」を踏まえたものであることも事実であると考えられる。
 
 したがって、今回の問題を適正に評価するためには、同海域での日中両国の漁業活動および日中政府の規制活動について、どのような現実が存在してきたのかを検証することが絶対に必要なのである。
 
 メディアに求められるのは、本来、こうした点についての正確な情報提供であり、この点での正確な情報が提供されることにより、事案全体の正しい評価が初めて可能になるのである。

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 日本の領海で中国の漁船が違法に操業したとしたうえで、その操業を中止させて漁船の周りを旋回した海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突した映像だけを流せば、国民の反中国感情を扇動するだけである。戦略的互恵関係の発展など期待すべくもない。
 
「衝突映像が本来公開されるべきものであった」ことと、「政府が外部に流出させないとの方針を決めていたものを外部流出させた」こととは、まったく別次元の問題である。これを混同することは完全な間違いである。
 
 ある人が冤罪で逮捕、起訴され、勾留されたとしよう。この人物は冤罪であるから、本来、逮捕、起訴、勾留は間違った対応である。このとき、ある国民がこの冤罪で勾留された人物を脱走させたとしよう。
 
 このときに、脱走させた国民を罰するべきでないとの主張が正当であるのかどうかの問題と同じだ。
 
 逮捕、起訴、勾留されている人物が冤罪であるのかどうかは、確定した事実ではない。ある人は冤罪だと判断するが、別の人は冤罪だとは判断しないだろう。
 
 衝突映像の公開をある人は公務員の守秘義務違反に該当しないと考えるかもしれないが、そのことは確定していない。政府が外部流出させない方針を決めている以上、この時点では外部流出させてはならない秘密事項であると考えるのが常識的な判断である。
 
 マスゴミは、「映像を公開すべきか」という問題と「映像を外部流出した」問題を意図的に混同させて街角インタビューを行う。その結果として、「公開すべき映像を流出させたのだから罪を問うべきでない」との論調を生み出すことを意図していると思われる。海上保安官の罪を問わないための工作活動と考えられる。
 
 マスゴミは小沢一郎氏の問題でこのような対応を示したことがあったか。小沢一郎氏が攻撃されている問題は、収支報告書上の重箱の隅を突くような問題である。この内容を正確に報道し、このような内容で小沢氏の罪を問うことに賛同するかとの街角インタビューを実施したことがあったか。
 
 NHKは、インターネットの書き込みを強調し、インターネットでは、海上保安官の罪を問うべきでないとの声が多いと強調した。民主党代表選に際して、インターネットでは小沢一郎氏を支持する声が圧倒的に優勢であったが、このことをNHKは正しく伝えたのか。
 
 11月28日に投開票を迎える沖縄県知事選が本日11日に告示された。この選挙に向けて、マスゴミは辺野古海岸を破壊する軍事基地建設を最終的には容認すると見られる仲井真弘多氏を当選させるために、日中関係の悪化を演出しなければならない使命を負っていると考えられる。
 
 この目的のために、海上保安官の罪を問わず、中国非難の世論を高めることが求められているのだ。背景には、米国の強い指令があると考えられる。
 
 日本の主権者国民はマスゴミの情報誘導に惑わされず、法治国家日本を守らねばならない。「映像を公開するべきこと」と「国家公務員が守秘義務を守ること」とは、まったく別の問題である。このことを正しく認識することが、今回の問題に対処する基本であることを忘れてはならない。

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2010年11月 8日 (月)

尖閣諸島帰属問題決着先送り事実は本当に無いか

マスゴミが詳細を報道しないために、一般国民は事実関係を把握することが難しいのだが、尖閣諸島海域における日中の漁業活動に対する日中両政府の対応について、これまでどのような取り決め、ないし取り扱いが行われてきたのかを確認する必要がある。
 
 臨時国会が開かれており、予算委員会も開催されていることから、国会論議のなかで、この点が明らかにされる必要がある。
 
 偏向マスゴミのなかで、権力に対して一定の距離を保っているのが中日新聞=東京新聞であるが、中日新聞は11月2日付の紙面で日中漁業協定についての解説記事を示した。
 
 この記事では外務省OBである孫崎享氏の「棚上げ論」こそ日本の国益にかなうとの主張を紹介して記事を締めくくっている。
 
 日中漁業協定で日中暫定措置水域に定められたのは、北緯27度から北緯30度40分にかけての海域であり、北緯27度以南の海域については、この対象外とされている。
 
 尖閣諸島はこの北緯27度以南の海域に位置しており、尖閣諸島海域は日中漁業協定の対象海域にはされていない。
 
 しかし、中国は尖閣諸島の領有権を主張しており、日本の主張と対立している。この問題が日中国交回復、沖縄返還、日中平和友好条約締結に際して問題として浮上した。
 
 この点について中国の鄧小平氏が日本の実効支配を認める代わりに、領土問題の決着を先送りするとの提案を行った。これが、いわゆる「棚上げ論」、「棚上げ政策」である。
 
 その結果として北緯27度以南の海域については、日中両国が自国船のみを取り締まるとの運用が行われてきたと伝えられている。
 
 つまり、尖閣海域は日中両国が領有を主張している海域であるが、領有権について最終決着がついていない現実が存在するため、日中両国が同時に操業するとともに、自国漁船の操業について、自国政府が取り締まるとの運用がなされてきたと伝えられている。
 
 この海域で中国側の許可なく操業している中国船があれば、水産庁または海上保安庁の巡視船が発見すると、違反船の写真を撮り、外交ルートで中国に注意喚起するとの措置が取られてきたと伝えられている。
 
 他方、河野太郎氏のブログ記事によれば、「海上保安庁は、尖閣諸島周辺の領海をパトロールし、領海内で操業している中国船は、違法行為なので退去させる」ともある。

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 尖閣諸島の領有権について、日中両国間で最終決着がついていないのであれば、日本の海上保安庁が尖閣諸島海域を日本の領海だとの前提で、中国漁船の操業を停止させる、あるいは、この海域で日本の国内法を適用することには無理が生じる。
 
 しかし、前原誠司外相が明言したように、日中間に領土問題が存在せず、尖閣諸島は日本の領土であることが、日中間で確定している事項であるなら、尖閣諸島の日本の領海で中国漁船が操業することは違法行為になり、日本政府が中国漁船および中国漁民に対して日本の国内法を適用することは当然の行為になる。
 
 違法な中国漁船および中国漁民を日本の法律に基づいて粛々と措置することは当然であり、この基本を実行しない日本政府は批判されなければならない。
 
 前原誠司外相が明言する「日中間に領土問題は存在しない」の言葉が真実であるなら、日本政府の対応は不当極まるものということになる。
 
 ところが、日本政府は中国の激しい非難に対応して、腰砕け状態になって中国人船長を釈放、帰国させた。背景には、これまでの「棚上げ政策」合意があり、尖閣諸島の領有問題については決着を先送りするとの日中両国の合意が存在したことを踏まえたのではないのか。
 
 尖閣諸島の領有問題決着を先送りするとの日中政府の了解があるのなら、前原誠司氏の「日中間に領土問題は存在しない」との発言は間違いということになる。
 
 北緯27度以南の尖閣諸島周辺海域においては、日中両国の許可を得た漁船が操業することができ、日中両国は自国船のみを取り締まることとされているなら、この海域で操業する中国漁船を日本の海上保安庁が取り締まること自体がルール違反ということにならないのか。
 
 この場合には、中国漁船の操業を停止させ、さらに、中国漁船の周りを旋回し始めた海上保安庁の巡視艦に、発進した中国漁船が衝突したことについて、中国漁船を一方的に避難することはできなくなる。
 
 つまり、一連の報道に決定的に欠落している事項は、今回の問題が発生した背景に関する詳細な事実関係に関する解説なのである。この説明をせずに、中国漁船が海上保安庁巡視船に衝突した場面の映像だけをセンセーショナルに垂れ流すことは百害あって一利なしである。
 
 一国の外務大臣が、領土問題が存在するのに存在しないと述べることは許されない。中国漁船の操業を停止させた海域における適正な日本政府の対応とはいかなるものであるのかが明らかでなければ、問題を適正に評価することができない。
 
 マスゴミがこの役割を果たさないのであるなら、国会質疑でこの問題を明らかにすることが不可欠である。この基礎情報のうえに問題は論議されるべきである。

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