カテゴリー「2010参院選(3)」の4件の記事

2010年8月 1日 (日)

正統性ない菅直人政権の続投

菅直人政権は必ず行き詰まる。最大の理由は菅直人首相が人間力を欠いていることにある。
 
 小渕恵三元首相は「富国有徳」の言葉を掲げた。
 
 菅直人首相には首相としての専門能力以前に人間としての信頼感がない。そのうえ、首相としての専門能力も欠いている。

 徳のない政治を持続させれば、小泉政権下の日本に舞い戻る。
 
 かつて、霞が関に対抗する理念と情熱を菅直人氏が維持し続けてきたなら、首相に就任して、大きな仕事をすることができただろう。しかし、いつの頃からか、菅直人氏にとって、目的と手段が入れ替わってしまったのだろう。
 
 民主党の混乱は、6.2クーデターに端を発している。6.2クーデターとは、民主党中心勢力から小沢一郎氏グループを排除した政変を意味する。
 
 自由党と民主党の合併の経緯を踏まえれば、小政党であった自由党代表の小沢一郎氏が民主党代表に就任してから、民主党が大躍進したことは、元民主党議員からすれば快いことではないのかも知れない。
 
 しかし、民主党は鳩山由紀夫氏、菅直人氏、岡田克也氏、前原誠司氏が代表を務めた結果、2006年には解党の危機に直面した。この危機に火中の栗を拾ったのが小沢一郎氏である。2006年から2009年までの3年間に、民主党は解党の危機から政権交代実現にまで、党勢を大躍進させた。小沢一郎氏の力量を否定することは誰にもできない。
 
 日本の既得権益勢力=米官業政電の悪徳ペンタゴンは、小沢一郎氏を最強の危険人物と認定した。その結果、2006年以降、悪徳ペンタゴンは小沢一郎氏攻撃を執拗に繰り返して現在に至っているのだ。
 
 民主党内部には、悪徳ペンタゴンと繋がる勢力が存在していた。これが七奉行を中心とする勢力である。
 
 偽黄門=渡部恒三氏を後見人とする仙谷由人氏、岡田克也氏、野田佳彦氏、前原誠司氏、枝野幸男氏、玄葉光一郎氏、の七名がその中核をなす。
 樽床伸二氏は七奉行から脱退した。
 
 菅直人氏は首相の椅子を掴むため、小沢一郎氏に恭順の意を示してきた。本年元旦の小沢邸での新年会にも出席し、臣下の礼を取った。
 
 ところが、6.2クーデターに際して、民主党内悪徳ペンタゴン派と結託し、民主党を乗っ取ってしまった。小沢一郎氏に対しては、「しばらく静かにしていた方がいい」との暴言を浴びせた。
 
 まさに、目的のためには手段を選ばない品性の下劣さを如何なく発揮した。
 
 共闘一致体制で臨まねばならなかった「決戦の総選挙」に向けて、菅直人氏は民主党を分裂させる暴挙を演じた。その結果として、民主党の参院選大敗がもたらされた。
 
 参院選の勝敗を分ける最大の決戦場が29の1人区である。この1人区で8勝21敗の大敗北を喫した主因が、菅直人氏の言動にあった。
 
 菅直人氏は民主党を分裂させるとともに、党内でまったく論議していない消費税大増税公約をマニフェスト発表会見で政権公約として掲げたのである。

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『月刊日本』2010年8月号が発行された。

 

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巻頭特集は「自壊する菅政権」である。
  
村上正邦・筆坂秀世「覇道に堕ちた菅首相」
森田実「菅と自民は「増税翼賛会」だ」
平野貞夫「小沢の沈黙が意味するもの」
植草一秀「対米隷属の菅政権を打倒せよ」
の各論文が所収されている。
 
 また、
鈴木宗男「菅首相は民主主義の基本に立ち返れ」
も収められている。
 
 菅政権は悪徳ペンタゴンに属する政権であり、昨年9月に樹立された主権者国民政権を継承するものでない。悪徳ペンタゴン広報部隊のマスゴミは菅直人政権の延命を画策する。
 
 菅直人氏が議員定数削減に動き始めたが、最終的な狙いは「対米隷属二大政党制確立」にある。
 

対米隷属勢力が民主党を乗っ取り、ここに同じく対米隷属勢力の「みんなの党」が合流する。これと、従来の悪徳ペンタゴン勢力である自民党を中心とする勢力が二大政党の一翼を担う。この二大勢力が結託して、①対米隷属、②官僚主導、③大資本と癒着する政治、が維持されることになる。
 
 議員定数削減は、対米隷属に反対する小政党を壊滅させる点に最大の狙いがある。議員定数削減は、比例区の定数削減に進めば、明らかに小政党抹殺の意図が鮮明になる。
 
 菅直人氏は主権者国民から不信任を突き付けられ、民主党議員からも不信任を突き付けられており、延命する基本条件を欠いている。
 民主党にとって何よりも重要なことは、正統制のある最良の人物を代表選に擁立することである。悪徳ペンタゴンに乗っ取られた民主党を主権者国民の手元に引き戻さねばならない。

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2010年7月31日 (土)

菅首相前原国交相早期退陣で民主党再生を

民主党の参院選大敗の原因についてメディアが指摘するのは以下の三点だ。

①菅直人首相の消費税率10%への引き上げ発言
②普天間基地移設問題処理の失敗
③政治とカネ問題
である。
 
 しかし、政治とカネ問題が民主党大敗の原因であるとは言えない。
 この問題に関連して鳩山由紀夫首相と小沢一郎民主党幹事長が辞任した。辞任によって民主党支持率はV字形に急回復したのであり、参院選大敗の原因はこれ以外の理由を背景とするものである。
 
 最大の原因になったのは、菅直人首相が6月17日のマニフェスト発表会見で消費税大増税方針を明示したことにある。
 
 このマニフェスト発表会見で菅直人首相は2010年度中に税制抜本改革案をまとめることを明言した(10分30秒経過時点)
 
 さらに、当面の税率について、自民党が提示した10%を参考にすると明言した。税制改革案は超党派での協議を呼びかけるが、意見の一致を得られなければ、民主党単独ででも改革案をまとめることが強調された。
 
 実施時期について、玄葉光一郎政調会長は、「最速で2012年秋の実施」を明言した(7分20秒経過時点)
 
 民主党執行部がまとめた総括案では、菅首相の発言が唐突であったこと、発言が民主党公約と受け止められた面があること、などが示されたが、6月17日に菅首相が提示したのは、民主党の公約そのものである。
 
 「誤解」や「説明不足」の言葉は当たらない。菅首相が民主的な党内手続きを踏まずに勝手に消費税大増税方針を民主党の公約として提示してしまったのだ。
 
 7月29日の民主党両院議員総会では、山梨県選出の米長晴信議員が、菅首相が6月17日のマニフェスト発表負会見で消費税大増税案を提示した経緯について質問した。しかし、菅首相は何も答えなかった。玄葉氏を含むごく少数でしか会話がなかったのだと思われる。
 
 民主党の政権公約の最重要部分を独断で変更して参院選に大敗したのだから、菅首相は辞任するのが当然である。菅首相が辞任しないのなら、民主党は菅氏に対する懲戒処分を検討しなければならない。民主党は公党であり、菅直人氏の私有物ではないからだ。
 
 枝野幹事長も菅首相も、消費税発言が公約変更でないと言い張っているが、玄葉光一郎政調会長が6月20日のテレビ番組で次のように発言したことと完全に矛盾する。
 
 玄葉光一郎政調会長は6月20日のフジテレビ番組「新報道2001」に出演して
「「10%」は民主党の参院選の公約になるのか」
との質問に対して次のように発言した。
「数字は一つの目安として堂々と申し上げていく。参院選後に検討チームを党内に作り、軽減税率や還付、給付付き税額控除、逆進性対策も含めて(10%が)若干前後する可能性はなきにしもあらずだ。首相発言は公約だ。ほぼ同じことを選挙できちんと申し上げる。」
 
 はっきりと「公約だ」と発言しているのだ。
 
 それを、参院選大敗の総括において、依然として「誤解」だの「説明不足」などと、言い逃れしようとする姿勢が問題なのだ。

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また、普天間基地移設問題においても、菅政権執行部は、いまも主権者国民の意思を踏みにじり続けている。
 
 鳩山前首相は「最低でも県外、できれば海外」と明言して昨年8月の総選挙を戦った。鳩山政権発足後も辺野古海岸での基地建設を「自然への冒涜」だと述べて、県外、あるいは海外への移設方針を明示し続けた。
 
 それが、5月29日に、辺野古付近への移設に変節したのである。5月14日には、米国の同意を得るよりも先に地元住民の同意を得ることも明言した。それにもかかわらず、鳩山首相は地元の同意を得ずに、米国の言いなりになって日米共同文書を発表してしまった。
 
 この誤った決着を受けて社民党が政権を離脱し、鳩山首相は辞任に追い込まれたのだ。
 
 したがって、菅政権は沖縄県民の同意を得ていない日米共同文書を見なおすところから、政権を発足させなければならなかった。ところが、菅首相は首相就任時点から、「日米合意を踏まえ、日米合意を守る」ことを明言し続けている。
 
 この点についても、7月29日の両院議員総会で追及があった。地元の同意が移設案決定の前提条件であることを確認しようとする意見が提示された。
 
 ところが、菅首相が提示した見解は、
「日米合意は守る。沖縄県民の負担軽減は最大限努力する。」
だった。
 
 「主客転倒」を絵に描いたような姿勢だ。
「沖縄県民の負担を軽減する。日米合意は最大限尊重する。」
が正しい意思表明だ。

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普天間問題の処理失敗には、岡田克也外相、北沢俊美防衛相、前原誠司沖縄担当相、平野博文前官房長官が連帯責任を負っている。これらの閣僚は菅首相と同時に責任明確化のために辞任するべきである。
 
 ところが、現実には逆に、これらの人々が率先して菅首相続投支持姿勢を示し始めている。菅首相続投により、自分自身の責任も雲散霧消させてしまいたいのだろう。本当に嘆かわしくなるほど、菅政権閣僚の結果倫理は崩壊している。自分の利益、自分の地位保全だけが何よりも優先しているのだ。
 
 このような暴走、破廉恥行為を断じて許容してはならない。国民の審判を受けずに首相が交代するのが良くなければ、新首相が就任したら、あまり期間をおかずに解散総選挙を実施すればよい。国民が不信任のレッドカードを突き付けた総理大臣が、のうのうと居座るよりも、新首相が就任して、国民がきちんと意思表示をすることの方が、はるかに優れている。
 
 前原誠司氏は普天間問題処理失敗の重大な責任を背負いながら、7月29日の両院議員総会を欠席した。両院総会を欠席せざるを得ない重大な日程があったのだと推察されたが、真相は市川海老蔵氏と小林麻央氏の結婚披露宴に出席するためだった。
 
 このような人物に国会議員としての資格などない。民主党は前原誠司氏に対しても厳しい懲戒処分を検討するべきである。
 
 メディアが指摘しない民主党参院選大敗のもうひとつの重大な理由は、菅首相が民主党を分断し、新執行部を反小沢色に染め抜いたことである。これが、多数の民主党支持者の離反を招く主因になった。とりわけ、大敗した1人区選挙区でこの傾向が強かったと思われる。
 
 挙党一致で進まねばならないときに、菅首相は民主党を分断する行動を強行したのである。そのために民主党は大敗した。その延長上にある現時点で、菅首相を続投させたい反小沢派勢力の議員が「党内でごたつく余裕がない」と発言するのは笑止千万だ。
 
 顔を洗って出直してくるべきだ。
 
 菅首相の脳内に「責任」、「責任感」の言葉が存在するなら、菅首相は適切に辞任するべきである。「無責任」を放置したまま前に進もうとしても、必ず、無責任の重しが前進を阻むはずだ。
 
 自己の責任で決戦に大敗北し、多くの戦友が死滅したなかで、大将だけが自分の地位に恋々とするのは、あまりにも見苦しい。見苦しい姿を晒しても、最終的には、必ず追いつめられるはずである。衆議院で内閣不信任案が提出されれば、可決される可能性は極めて高い。
 
 替え歌『菅敗』には、民主党が再生の道を進むことを心から願う思いを込めた。菅首相は7月29日の両院総会で、
「わたしがどう行動することが、この政権交代に、国民の皆さんが期待していただいている、その政権交代に、民主党として応えることができるのか、そのことを考えた」(1時間50分20秒経過時点)
と述べた。
 菅首相がこの視点でものを考えるのなら、菅首相は潔く、首相および民主党代表の地位から身を引くべきである。それが、政権交代を希求した主権者国民の期待に応える行動である。
 
 2009マニフェストに対してしっかりと責任感を持ち、挙党一致体制を確立し、米国の言いなりになる外交から脱却し、日本の自主独立を打ち立てることこそ、新生民主党に期待されることである。そのためには、基本路線を間違った菅直人氏には退いてもらうより他に道はない。
 
 ネットからこの主張を徹底的に展開してゆく。政治は政治家のために存在するのではない。主権者国民のために存在するのであり、政治の実権は主権者国民が保持しなければならない。菅首相の個人的利害のために政治が歪められることを絶対に阻止しなければならない。

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2010年7月29日 (木)

消費税・普天間責任者辞任が民主再生の出発点

昨年の総選挙から11ヵ月、参院選から3週間が経過した。

 政権交代を実現した高揚感はどこかに消え失せてしまい、民主党は党内での権力闘争に明け暮れるようになった。
 
 鳩山政権が総辞職に追い込まれた最大の原因は、鳩山政権が普天間基地移設問題の着地を誤ったためである。
 
 後継の菅直人政権が参院選で大敗し、再び政治を混沌に陥れたのは、菅直人首相が、民主党が主権者国民と交わした約束、政権公約を独断で破棄して消費税大増税を参院選政権公約に掲げたからである。
 
 本来、本年夏の参院選で与党が勝利し、安定した政権基盤を確立することが求められた。政権運営の失敗がなければ、新しい日本の政治体制が確立されていたところだった。ところが、上記の政権運営大失策が重なり、再び極めて不安定な政治状況が生み出されてしまった。
 
 こうした状況を生み出した責任者には、当然、責任がある。ところが、普天間問題と消費税問題での政権運営失敗に責任ある当事者から、明確な責任処理が示されない。
 
 示されないどころか、政権運営に失敗した当事者である戦犯が、自らの権力を保持するために、責任問題放置に動いている。これでは、日本政治の未来に明るい光が差し込むはずがない。
 
 普天間問題では鳩山首相が、普天間基地移設先を「最低でも県外」、「できれば海外」との方針を明示した。自民党時代に政府が辺野古地域への移設で日米合意を締結してしまっていたから、県外あるいは海外への移設は、もとより困難を伴う方針だった。
 
 しかし、鳩山首相は本年5月末を期限と定め、普天間基地移設問題の着地を図ることを公約として掲げてきた。
 
 鳩山政権内部でこの問題を担当したのは、岡田克也外相、北沢俊美防衛相、前原誠司沖縄担当相であり、全体の取りまとめは平野博文官房長官が担当した。
 
 しかし、鳩山政権は最終的に、移設先を辺野古付近とする日米合意を沖縄県民の了解も得ずに結んでしまった。大山鳴動して元の木阿弥の結果を招いたのである。
 
 零点どころかマイナス100点の結果を生み出したのである。社民党の辻元清美議員が社民党を離脱する意向を表明し、福島瑞穂社民党代表が批判を浴びているが、鳩山政権の普天間問題処理を受けて、福島党首が社民党の連立離脱を決定したことは筋が通っている。
 
 普天間問題では、辺野古での工事具体案決定期限が本年8月末とされているが、沖縄県民の基地拒絶の意思は固く、8月末の具体案決定は絶望的な状況にある。
 
 こうした、米国にとって望ましくない状況を打開するために、米国が背後から工作活動を展開して、社民党に揺さぶりをかけているのだと思われる。
 
 北朝鮮の脅威を煽り、米韓が対北朝鮮軍事演習などを展開しているのも、日本国民の米軍基地拒絶行動を牽制するためのものであると考えられる。
  

鳩山前首相は普天間問題の処理失敗の矢面に立たされて、首相辞任にまで追い込まれたが、連帯して責任を負うべき三名の戦犯が、のうのうと大臣の椅子に居座っている。
 
 岡田克也氏、前原誠司氏、北沢俊美氏の三名は普天間問題処理失敗の責任を明らかにする責めを負っている。
 
 消費税問題では菅直人首相と玄葉光一郎政調会長の責任が突出している。勝敗ラインを54議席として44議席しか獲得できなかったのだ。また、参議院選挙に勝利して初めて主権者国民の信任を得ることになることを、菅首相自身が明言していたのだ。参院選に大敗して主権者国民の信任を得られなかったのだから、そのまま首相の地位に居座る正統性は失われている。
 
 岡田克也氏は、まだ首相に「就任したばかりだから」菅首相を続投させるべきだと主張しているが、民主主義の根本原則を踏みにじる発言だ。
 
 民主主義の根本原則は、意思決定の主役を国民とするものである。主権者国民が国政選挙で菅政権に不信任を突き付けた以上、菅政権が存立する正統性は失われているのだ。

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これらの人々は、「政治とカネ」の問題も参院選敗北の一因であると主張する。たしかに、鳩山首相の問題は、裁判でも決着がつき、鳩山首相も監督責任を認めているから、それなりの影響と責任があったと判断せざるを得ない。
 
 しかし、小沢一郎前幹事長の問題はまったく異質のものである。「小沢氏が悪い」としているのは、検察当局とメディアだけなのだ。とりわけメディアは、小沢氏に対する執拗で激しい攻撃を続けてきた。この偏向した報道によって、詳細を知らない一般国民の判断が歪められてきた。
 
 検察が問題としてきた諸点を詳細に調べる限り、「小沢一郎氏が悪い」との結論は、現段階では引き出せない。
 
 詳細については、本ブログでも繰り返し説明してきたところであるので、繰り返さないが、政治資金収支報告書への不動産取得に関する「時期の2ヵ月強のずれ」と「記載しなくてよいとされてきた資金繰りの記載がないことについての解釈の相違」だけが問題にされている。
 
 また、昨年3月3日の大久保隆規氏の逮捕については、第2回公判で被告無罪の決定的証言がすでに示されている。
 
 検察審査会の議決がクローズアップされているが、検察審査会の審査は審査補助員の弁護士に強く誘導されると考えられ、小沢氏のケースでは、恣意的に審査補助員の弁護士が選定されてきた疑いが濃厚に存在する。
 
 小沢氏の問題については、民主党が党をあげて、検察捜査の適正性を徹底的に求めるべき事案であり、検察権力の不正行使に屈せず、検察権力の適正化に向けて力を注ぐべきものである。
 
 2006年4月の民主党解党の危機に小沢一郎代表が誕生し、民主党を飛躍的に発展させ、ついに政権交代を実現するところにまで至らしめた。この過程で、小沢氏グループに属する国会議員数は130名を突破し、小沢氏の影響力が飛躍的に高まった。
 
 自由党と合併した元民主党議員のなかに、小沢氏の影響力増大を快く思わない人々が存在するのは事実である。小沢氏に対して嫉妬の炎を燃やす醜悪な偽黄門議員などもその一人である。
 
 菅直人氏、岡田克也氏、仙谷由人氏、前原誠司氏、野田佳彦氏、玄葉光一郎氏、枝野幸男氏、そして渡部恒三氏の言動からあふれ出てくるのは、この類の私情ばかりである。
 
 主権者国民は「国民の生活が第一」とする小沢一郎氏の政策方針に賛同して民主党を支持、支援してきたのだ。それを、これらの人々は自分自身の利益を優先し、私情と私利私欲によって、民主党から小沢氏グループを排除して、民主党の私物化に突き進んでいる。
 
 この低次元の発想から民主党が再生することはあり得ない。
 
 民主党が再生するには、まずは、参院選大敗の責任を負う人々が、潔く責任を明確化すること。消費税問題と普天間問題の失敗が参院選大敗の主因である。責任者の一斉辞任が求められる。
 
 そのうえで、9月代表選で挙党一致体制を構築できる新しい党首を選出するべきだ。同時に、主権者は国民であるとの民主主義の原点に立ち帰り、「国民の生活が第一」の方針を再確認しなければならない。
 
 政権交代によって、
①対米隷属からの脱却
②官僚天下りの根絶
③企業団体献金の全面禁止
実現が求められてきた。この三大施策も確実に実現しなければならない。
 
 また、警察・検察制度の近代化を実現するためには、取り調べ過程の全面可視化が不可欠である。この点も忘れてはならない。

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2010年7月28日 (水)

菅首相辞任を誘導すべき民主参院選総括に注目

民主党執行部は7月29日午後、両院議員総会を開催し、参院選の総括を行うことを決定した。参院選実施から18日経過しての参院選総括は、あまりに遅すぎる対応である。
 
 民主党執行部が発表する総括案では、菅直人首相の消費税発言が唐突感を与えたとの見解が示されるようだが、この問題について、事実関係を明確にした総括が必要である。
 
 菅首相は選挙戦の後半に「説明不足」や「誤解を与えた」などの表現を用い、「税制抜本改革の超党派の論議を呼び掛けただけ」などと弁明した。しかし、そののちに、「1ミリたりともぶれていない」、「1ミリたりとも後退していない」と述べた。
 
 菅首相の暴走と迷走が民主党大敗の最大の原因になったことは明白である。菅首相の失策によって、本来、国会で活躍するはずの有能な人材が参院選で敗北した。民主党を指示する国民に対しても、落選した民主党候補者に対しても菅首相は責任を明らかにする必要がある。
 
 消費税発言について、民主党は事実に即した総括を行う必要がある。参院選後半における菅首相の行動は、「逃げ、ぶれ、ごまかし」と言わざるを得ないものだった。この責任逃れのぶれまくった言動が民主党を大敗に導く原動力になった。その行動を真正面から総括しない限り、参院選の正しい総括にはなり得ない。
 
 菅首相が消費税率10%発言を行ったのは、参院選マニフェスト発表会見の場においてである。幸い、民主党が公式サイトにマニフェスト発表会見の全容を動画配信しているので、問題を総括するためには、改めて動画を詳細に確認する必要がある。
 
 菅首相は12分45秒の会見の大半を「強い経済、強い財政、強い社会保障」の説明に充てた。発言の7分経過以降は、消費税増税公約に充当した。
 
 このなかで菅首相は、
「(消費税増税を含む)税制抜本改革案を年度内にまとめる」
(10分30秒経過時点)
「当面の税率としては自民党が提示した10%を参考にする」
(10分59秒経過時点)
と明言した。
 
 さらに、超党派での協議が難航した場合には、与党単独でも税制改革案をまとめて成立を期す方針を明示した。
 
 また、玄葉光一郎政調会長は、質疑応答のなかで、
「最速で2012年秋の実施」
(7分20秒経過時点)
 
 を明示した。さらに玄葉光一郎氏は菅首相の口からマニフェスト発表会見で消費税増税公約が示されたことについて、「菅首相の思い入れがそれだけ強いためにこの形になった」ことを明示した。また、記者からの「公約と受け止めていいのか」の質問に対して、「マニフェスト発表会見での発言であるから、当然、公約という位置づけになる」ことを明言した。
 
 つまり、菅首相の10%消費税率発言は、問題提起でも、論議の呼び掛け、でもなかった。参院選に向けての民主党マニフェストの「目玉」として示されたものであり、菅首相自身が自民党などの野党との協議が整わなくても、単独ででも法案をまとめて国会に提出する意向を示したものだった。
 
 ところが、この消費税大増税公約提示に対する批判が高まると、菅首相は「逃げ、ぶれ、ごまかし」の方向に走った。この行動が有権者の強い批判を招いたと考えられる。
 
 世論の批判に直面して、消費税増税公約を撤回したのなら、これはひとつの選択である。また、世論の反発にあっても、とよい覚悟と信念の下に提示した公約であるから、この公約を堅持するとの姿勢を貫くのも一つの選択である。
 
 責任ある政治行動としては、上記の二つの選択肢のうちのいずれかが選択されなければならなかった。
 
 ところが、菅首相が取った行動は、上記の二つの選択肢のいずれにも該当しない、「逃げ、ぶれ、ごまかし」だった。この「逃げ、ぶれ、ごまかし」が、有権者の厳しい批判の主因になったと考えられる。

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菅首相は、明確に公約として示したにもかかわらず、
「論議を提起しただけ」
「超党派の協議を呼びかけただけ」
「総選挙で民意を問わずに消費税増税を実施しない」
などの発言を繰り返し、さらに、
「年収が300万円以下、350万円以下、400万円以下の国民には税の還付を行う」などの発言を不規則に繰り返した。
 
 十分な検討をせずに、その場の思いつきでさまざまな具体案を提示したことは明白だった。
 
 しかし、マニフェスト発表会見で菅首相も玄葉政調会長も、総選挙で民意を確認して消費税増税を行うのが「原則的に」必要、あるいは、「本来望ましい姿」だとは述べたが、この点を確約しなかった。つまり、総選挙前の消費税増税実施を否定せず、その結果として、最速2012年秋の実施を明言したのだ。
 
 民主党の参院選総括では、この問題についての十分な検証と、責任明確化が不可欠である。
 
 この問題の最大の焦点は、これらの重要施策、マニフェストの目玉政策の決定が、民主党内の民主的な意思決定手続きによって決定されたのかどうかの検証である。
 
 民主党は昨年8月の総選挙で、政府支出の無駄排除優先を明示した。そのうえで、衆議院任期中の消費税増税を完全に封印した。増税を検討する前に、政府支出の無駄を排除するのが先決であり、政府支出の無駄排除をやり切るまでは消費税増税を封印することを公約として明示した。
 
 これが、民主党が主権者国民とかわした約束、契約の骨子である。
 
 菅首相が6月17日のマニフェスト発表会見で明示した新しい公約は、昨年8月の総選挙で民主党が掲げた公約とまったく異なるものである。その内容は、国の経済政策の根幹中の根幹である税制、しかも一般国民全体に重大な影響を及ぼす消費税大増税問題である。
 
 こうした根本政策のついての主権者との契約、政権公約を変更するのであれば、当然、民主党内で十分な協議と公約変更の民主的な手続きが必要になる。
 
 最大の問題は菅首相の新公約提示が、このような民主的な手続きを経て決定されたものであるのかどうかである。
 
 小沢一郎氏の代表時代の党運営について、菅首相および菅政権の執行部議員は、意思決定手続きが十分に民主的でないとの批判を繰り返していた。この批判を踏まえれば、菅新体制の下では、少なくとも、消費税問題などに関する政権公約については、十分に慎重な党内論議が不可欠なはずである。
 
 民主党の参院選総括においては、まずこの点が十分に検証されなければならない。
 
 そのうえで、もし、菅首相が十分な党内手続きを経ずに消費税大増税公約を対外発表したことが明らかにされるなら、菅首相自身の責任が厳しく問われなければならないはずだ。
 
 菅首相は総選挙を経ない首相交代について、野党時代に「民意を問うべき」との批判を展開してきた。今回、総選挙を経ない首相交代について、「参院選が菅政権に対する信任を明らかにする」ことを明言した。
 
 その参院選で、菅首相が勝敗ラインに定めた低めのハードルである54議席を大幅に下回る44議席しか獲得できず、多くの有能な人材を参院選で落選させてしまった。
 
 責任ある政治家として、菅首相は責任を明確化することが不可欠である。また、菅首相は参院選に臨む新体制構築に際して、「ノーサイド」発言に逆行する「反小沢体制構築」に突き進んだ。菅首相による民主党分裂人事も多くの民主党支持者の民主党離反を招く重大な原因になった。
 
 参院選総括ではこの問題もしっかりと総括されなければならない。
 
 菅首相は辞任する以外に道はないというのが、客観情勢である。この情勢のなかで、民主党現執行部がどのような参院選総括を示すのかが注目される。

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