カテゴリー「郵政民営化・郵政利権化(2)」の8件の記事

2012年9月21日 (金)

松下忠洋金融相急逝は本当に「自殺」によるものか

ジャーナリストの高橋清隆氏が松下忠洋金融相の死亡についてディープな取材記事を掲載された。


詳しくはこちらの記事をご参照賜りたい。


松下大臣の「自殺」、沈黙で深まる疑惑(上)
http://www.janjanblog.com/archives/80925


松下大臣の「自殺」、沈黙で深まる疑惑(中)
http://www.janjanblog.com/archives/80933


松下大臣の「自殺」、沈黙で深まる疑惑(下)
http://www.janjanblog.com/archives/80940


高橋清隆氏は本年6月にも新著


『亀井静香-最後の闘いだ-』(K&Kプレス)
http://goo.gl/MXg7n


を出版された、気鋭のジャーナリストである。


亀井静香氏が金融相在任中も、記者会見に完全密着して取材活動を続けられてきた。郵政民営化に関わる深い闇、巨大謀略を徹底して追跡してこられている。


私が巻き込まれた冤罪事件についても、当初から真相を究明する真摯な姿勢を示してこられた方である。


この高橋氏が松下金融相の「自殺」報道に疑念を示している。


大きな問題意識として、小泉政権が実現を目指してきた郵政民営化とは一体なにであったのか。日本を動かす海外の巨大な力は、郵政民営化を通じて、何を狙っているのか、という視点を持つことが必要不可欠である。

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そもそも郵政民営化とは何であったか。


拙著『日本の独立』(飛鳥新社)をご参照いただきたいが、小泉純一郎氏が郵政民営化にこだわった背景が三つある。


第一は、小泉氏の優勢に対する個人的怨恨=ルサンチマンである。


小泉氏は1969年に総選挙に出馬して落選している。このとき郵政が小泉氏を支援しなかったという。その怨恨が郵政民営化の原動力であると伝えられている。


第二は、郵政民営化を米国が求めたことである。100兆円の簡保資金、250兆円の郵貯資金の支配権を米国は狙った。米国が小泉氏に指令して実行させたのが郵政民営化の核心である。


第三は、郵政民営化が銀行界の永年の悲願であったことだ。小泉純一郎氏はれっきとした大蔵族議員である。大蔵族議員にとって、銀行界はまさに飯の種である。銀行界は巨大な郵貯の存在が目障りで仕方がなかった。この銀行界の利益のために郵政民営化が挙行されたのである。


これが郵政民営化の基本構造であり、主権者国民の幸福という視点はどこにも存在しなかった。


日本国民の貴重な財産である郵貯・簡保マネーを、熨斗を付けて米国に上納するというのが郵政民営化であったにも拘らず、マスメディアが


郵政民営化=善
郵政民営化反対=悪


の構図で情報操作したため、多数の国民が間違った方向に誘導された。


自民党議員でこの誤りを指摘した者は除名され、刺客まで送り込まれた。


一種の集団ヒステリー現象、狂気に包まれた時代を私たちは経験した。


この小泉・竹中改革がもたらした悪事の氷山の一角が「かんぽの宿疑惑」で表面化した。また、2008年末の年越し派遣村は、弱肉強食奨励の小泉竹中政治の当然の帰結でもあった。

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さて、松下忠洋氏の死亡問題に戻る。


高橋清隆氏は「自殺」の決定的証拠が示されていないことを指摘する。


記事は次の書き出しで始まる。


「10日に亡くなった松下忠洋郵政民営化・金融担当相を警察は「自殺」と断定している。説得力のある理由が見当たらず、警察は一切の情報提供をやめた。」


高橋氏は次のように続ける。


「松下大臣は10日午後5時前、東京・江東区東雲の自宅マンションで首をつっているのを上京していた妻が見つけ、病院に搬送後死亡が確認されたと伝えられる。しかし、説明がつかない点があまりに多い。


まず、動機が見当たらない。春に前立腺がんの手術を受けて回復し、体調も良かった。6月には大臣に就任し、郵政改革や金融規制の強化に取り組んでいた。8、9日には地元・鹿児島に帰り、大臣就任を祝う会合に出席。次期衆院選のポスター作りなどについて地元後援者と笑顔で話していたという。

7日には通常国会が閉会し、野田首相が院内の各会派をあいさつに回った。冒頭の国民新党職員は「特に変わった様子はなかった。部屋に入ってきた首相をもてなし、元気な表情を見せていた」と振り返る。」

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週刊新潮が女性スキャンダルを記事にしたが、その内容は現職大臣を自殺に追い込むようなものとは見えない。


高橋氏は「自殺」報道の矛盾を指摘する。


NHKが10日18時20分に配信した初報は
「自宅で倒れているのが見つかり」
だったのが、23時49分には、
「首をつった状態で見つかり、病院に運ばれたが、死亡」
に修正されたというのだ。夕方のTBSテレビ速報は
「心不全」

だったという。

 

「11日1時16分配信の時事通信の記事は週刊誌の記事掲載について、「同署は関連を調べる」と記す。「同署」とは所管の警視庁湾岸署のこと。一方、11日10時30分ブルームバーグ配信の記事は「警視庁は自殺と断定し、捜査を打ち切った」とつづる。この間に捜査をやめる判断をしたのか。だとしたら、週刊誌は読めないはずだ。」


週刊誌の早刷り配布前に警察は捜査を打ち切ったというのだ。


高橋氏は2000年に日銀出身の日債銀本間忠世社長が大阪市内のホテルで「首つり自殺」した事件を連想させることを指摘する。本間氏の死亡も「自殺」で処理されたが、当時隣室に滞在中の女性歌手が、夜中に「隣の部屋が騒がしい」とホテル側にクレームをつけていたと伝えられている。


警察発表の「自殺」を鵜呑みにするのは早計であると思われる。

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続きは本日の
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来る9月29日に第7回【天木×植草 時事対談】を生動画配信することが決まりました。

●サタデーナイトライブ2012 天木×植草の時事対談
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3ヶ月ぶりとなる今回の時事対談では、政治・国際情勢・経済分野のホットニュースについて時間の許す限り徹底的に討論を行います。

《政治》
・民主党代表選、自民党総裁選結果を踏まえた今後の政局
・三党合意のゆくえと総選挙時期の見通し
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《国際情勢》
・尖閣、竹島、北方領土などの日本の国境問題
・米軍によるオスプレイ日本配備
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《経済》
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今回の時事対談の生動画配信をUstreamで無料公開します。
アーカイブ動画は、後日、有料(315円)で配信する予定です。
なお、これまでのアーカイブ動画はこちらでご購入できます。

◎サタデーナイトライブ:小沢氏民主党離党と今後の政局
http://foomii.com/00057/2012070315000010688

2012/06/30 放送分)

◎サタデーナイトライブ:小沢一郎氏の復権はあるのか
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2012/05/26 放送分)

◎サタデーナイトライブ:小沢一郎氏裁判とはなんだったのか
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◎サタデーナイトライブ:消費税増税のゆくえと今後の政局
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◎サタデーナイトライブ:日本はどこまで米国に支配されているのか
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2010年1月 3日 (日)

外資による国民資産収奪を阻んだ鳩山郵政改革

鳩山政権には五つの課題がある。

①官僚主権政治からの脱却

②政治権力と大資本の癒着解消

③対米隷属からの脱却

④市場原理主義を排しセーフティネットを整備

⑤郵政改革の実現

いずれの課題も道半ばであるが、着実に進歩を遂げている。

しかし、敵は「悪徳ペンタゴン」。総力をあげて抗戦している。

とりわけマスメディアが「悪徳ペンタゴン」の一角を占めており、鳩山政権を攻撃する情報操作が展開されている。

また、検察権力が既得権益勢力に取り込まれたままであり、検察の偏向した鳩山政権攻撃も持続している。2010年7月11日と見込まれる参議院選挙が政局の天王山になる。日本政治刷新を推進する主権者は、マスメディアの情報操作、検察権力の暴走を冷静に洞察し、守旧派勢力=悪徳ペンタゴンとの最終決戦に必ず勝利しなければならない。

①と②の課題については、「天下り根絶」と「企業献金の全面禁止」を実現することによって達成される。強い抵抗が予想されるが、新政権は必ずこの二つの課題を実現しなければならない。

③「対米隷属からの脱却」の視点に立てば、沖縄普天間基地移設問題の処理は極めて重大な意味を有する。普天間基地返還と辺野古キャンプシュワブ海岸を破壊する滑走路建設中止を実現する代替策を見出さねばならない。本年前半の最重要の政治課題になる。

④「市場原理主義の排除、セーフティネット整備」は着実に進展する状況を示している。経済悪化に伴う税収の激減がマニフェスト実現の最大の阻害要因になっているが、強い制約要因が存在するなかで、鳩山政権は大きな努力を注いでいると評価することができる。

⑤「郵政改革の実現」について、鳩山政権は極めて迅速な対応を示している。小泉政権が掲げてきた「郵政民営化」の実態が「郵政米営化」、「郵政私物化」であることが多くの国民の知るところとなった。

地域コミュニティーの核であった特定郵便局ネットワークが無残に破壊され、営利優先の市場原主義経営が地域社会に住む人々に対するサービスを排除してしまった。お年寄りに対するきめ細かなサービスが破壊され、すべての国民に身近な金融口座を付与するユニバーサルサービスが破壊されつつあった。

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「かんぽの宿不正売却未遂疑惑」では、貴重な国民資産が政商とも呼ぶことのできる特定の事業者に破格の安値で横流しされようとしていた実態が白日の下に晒された。2400億円の国費が投入され、時価が1000億円を超すと見られる「かんぽの宿」が109億円の安値で売却されようとしていたことが明らかにされたのだ。

小泉竹中政治は、日本郵政グループのゆうちょ銀行とかんぽ生命の全株式を市場売却する方針を示していた。これらの株式が外国資本の支配下に置かれれば、300兆円の国民資金が外国資本の目的のために使われてしまうところだった。

日本郵政は日本最大級の一等地不動産保有企業である。日本郵政株式の3分の2が市場売却される予定になっていたが、この株式の過半が外国資本の支配下に入れば、一等地不動産の所有権も移転してしまうところだった。

ぎりぎりのタイミングで「売国政策」が排除された。政権交代実現の最初の偉大な成果が日本郵政関連株式売却凍結法制の整備であったと言える。

日本郵政社長には三井住友ファイナンシャルグループの西川善文氏が起用されていたが、この人事は竹中平蔵氏が主導したもので、巨大利権が背後に蠢(うごめ)いていると推察される。その根拠については、「りそな疑惑」に関連して本ブログでも繰り返し指摘してきたところである。

鳩山政権は政権発足直後に日本郵政人事を刷新した。これまでの日本郵政は一部財界に支配されたものであった。地域住民、郵政サービス利用者、郵政プロパー職員、為政者が日本郵政の経営に関与しない、極めていびつな経営体制であったと言わざるを得なかった。

報道によると、日本郵政グループの経営形態見直しに関して、政府と日本郵政が、持ち株会社と郵便事業会社、郵便局会社を統合した新会社の下に、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の金融2社を置く3社体制への移行でほぼ合意したとのことである。

小泉政権は350兆円の国民資金が政府部門に滞留して、民間で活用されてこなかったことを是正するのが郵政民営化だと説明してきた。しかし、郵政民営化実施後も、滞留した資金が民間に供給されることはまったくなかった。郵政民営化の本当の狙いは、300兆円の国民資金と膨大な不動産資産の外国資本および一部特定資本による収奪にあったのだと考えざるを得ない。

巨大な国民資産の収奪を防ぐことができたことは最大の成果である。これだけをもってしても、政権交代実現は偉大な成果をあげたと言うことができる。

「かんぽの宿」売却は当面凍結される方針である。一部施設は社会福祉施設に転用することも検討されるという。貴重な国民資産であるからには、国民にとって最善の利用方法を検討するべきであるし、売却する場合には、可能な限り高い価格で売却することが求められる。いずれにせよ、これまでのような不透明極まりないいかがわしい取引は完全に排除されなければならない。

マスメディアが不自然に鳩山政権および鳩山政権与党攻撃を続けているが、このマスメディアの基本姿勢、検察当局の偏向姿勢こそ、糾弾されるべき対象であることを、一人でも多くの国民に伝えてゆかねばならない。

「ものを見る基準」が大切なのである。マスメディア報道を「中立公正」と勘違いしてしまうと正しい判断を下せなくなる。「マスメディア報道や検察の行動が根本的に歪んでいる」との基本をしっかりと押さえてものを見れば、真実がおぼろげながらも浮かび上がってくる。

鳩山政権の日本政治刷新をしっかりと支援してゆかねばならない。

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2009年12月 6日 (日)

日本郵政株式売却凍結法を成立させた鳩山政権

12月4日、日本郵政と傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式売却を停止する日本郵政株式売却凍結法が参院本会議で与党と共産党などの賛成多数で可決、成立した。

今臨時国会では、政府提出12法案のうち10法案が成立。議員立法の肝炎対策基本法、原爆症認定集団訴訟の敗訴原告救済基金創設法も成立した。政府提出の北朝鮮関連船舶を対象とする貨物検査特別措置法案と、社会保険病院などを原則存続させる独立行政法人地域医療機能推進機構法案は継続審議となり、政府、与党は来年の通常国会での成立を図ることになった。

第173臨時国会は4日午後、参院に続き衆院本会議で閉会中審査の手続きを行い、4日間延長された40日間の会期を終えて閉幕した。鳩山政権は2010年度予算の年内編成に全力を挙げることになる。

鳩山政権与党は8月30日の総選挙に際して、郵政改革の実現を政権公約に掲げて選挙を戦った。国民は鳩山政権与党を圧勝させた。鳩山政権樹立後に郵政改革が実行されるのは当然のことだ。政治の主権者は日本国民なのである。

2005年9月の総選挙では小泉政権が大勝し、郵政民営化が公約通りに実行された。これもまた、民意を反映した政治行動だった。

日本郵政公社は2007年10月に日本郵政株式会社に移行し、「民営化」の第一歩が印された。

ゆうちょ、かんぽの300兆円強の資金が、これまで政府部門内に滞留していた。この資金を民間に還流させ、日本経済を活性化することが郵政民営化の大きな狙いであるとされた。

また、民営化によって郵政事業のサービスが向上し、国民が便益を受けるとも説明されてきた。

しかし、そのような現実は実現しなかった。

ゆうちょの残高は激減し、すでに資金量は300兆円を下回った。この資金が民間に還流すると喧伝(けんでん)されてきたが、これもまったくのでたらめだった。

11月28日付記事

「亀井静香郵政相との直接対決完敗の竹中平蔵氏」

にも記述したが、民営化実現後も郵政資金は政府部門に滞留したままである。政府部門内への資金供給の比率は逆に上昇した。

2009年3月末現在、ゆうちょ銀行の総資産196兆円のうち、有価証券が173兆円、このなかの162兆円が公共債である。貸出金は4兆円に過ぎない。かんぽ生命では総資産107兆円のうち、有価証券が83兆円、このなかの74兆円が公共債である。貸付金は18兆円あるが大半が機構貸付で一般貸付は2170億円に過ぎない。

つまり、民営化すると300兆円の資金が民間に還流して日本経済の発展に寄与するかのような話はまったくのでたらめだったのだ。

過疎地の採算の悪い郵便局は2007年10月の日本郵政正式発足までに、激しい勢いで消滅させられた。地域コミュニティーの重要な核が無残に破壊されたのである。

郵政事業4分社化によって、これまで実施されてきたきめ細かい、血の通った温かなサービスが廃止された。

過疎地域に住む高齢者は年金資金の受け取りにも多大の困難を伴う状況に追い込まれている。

また、金融口座を持つことのできない国民が大量に発生する「金融排除」の問題も深刻化している。

人間性を無視した効率至上主義の経営が強行され、郵政職員の士気の低下も深刻化している。

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このなかで表面化したのが、「かんぽの宿」不正売却未遂疑惑だった。固定資産税評価金額が857億円、時価が1000億円程度と見られる「かんぽの宿」79施設がたったの109億円で、オリックス不動産に売却されることが決定された。

鳩山邦夫元総務相が、不正売却の疑いを指摘し、国会で厳しい追及が行われた結果、オリックス不動産への売却は白紙に還元された。

79施設のうちのひとつである「ラフレさいたま」だけで100億円の時価はあると見られている。都内にある9ヵ所の社宅施設だけで、時価は47億円と見られている。これ以外に、全国の69ヵ所の豪華な宿泊施設が109億円で横流しされようとしていた。

「かんぽの宿」売却規定を法律案にもぐり込ませたのは竹中平蔵氏で、この工作は法律案決定直前に行われた。

オリックスの社長は宮内義彦氏で、宮内氏は小泉内閣の総合規制改革会議議長として、2003年10月まで、郵政民営化を論じていた人物である。しかも、著書のなかで「かんぽの宿」に対する強い関心を明記していた。

オリックスは旅館ビジネスに本格進出する途上にあったが、「かんぽの宿」79施設売却計画は、オリックスのビジネスモデルに合わせて策定された疑いもある。

多くの国民は「国民のための郵政民営化」だと理解して、2005年9月の総選挙で郵政民営化にゴーサインを出した。しかし、実際に実行された郵政民営化は国民のためのものではなかった。

一部の政商と外国資本に利益供与するためのものだったのだ。このことが明白になり、郵政改革を掲げた鳩山政権与党が国民から圧倒的な支持を受けたのだ。

ゆうちょ銀行、かんぽ生命、そして日本郵政の株式が市場で売却されてしまったなら、300兆円の国民資金、簿価ベースで2兆8000億円の巨大不動産がハゲタカに収奪されてしまっただろう。

ぎりぎりのところで、郵政私物化、郵政米営化の惨事を回避することができた。鳩山政権はとてつもなく大きな成果をあげたのである。

国民の視点に立って、郵政三事業の体制を根本から再構築する必要がある。マスメディアは主権者である国民が全面否定した竹中平蔵氏などをいまだに登場させて、でたらめ満載の詭弁を垂れ流しているが、良識をもって自己規制するべきである。

小泉竹中政治は主権者である国民によってすでに全面否定されたのである。新しい基準に従って問題解決を図るべく、貢献するのがマスメディアの本来の役割であることを忘れてもらっては困る。

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2009年11月30日 (月)

竹中平蔵氏対亀井静香金融相直接対決でのウソ

11月27日付記事

「亀井静香郵政相との直接対決完敗の竹中平蔵氏」

に記述した読売テレビ番組「ウェークアッププラス」での直接対決について、ニュース報道を含めて多くの論評が示された。

 郵政民営化の美名の下で、いかにゆがんだ経営が行われてきたか。

 郵政事業に従事する労働者の人権を無視した収益至上主義のすさんだ労働管理が推進されてきたことも伝えられている。

 日本郵政株式会社を持株会社とする4分社化体制が実際に始動したのは2007年10月である。郵政民営化を担当した竹中平蔵氏が小泉元首相から担当を命じられたのは、2003年6月25日に赤坂プリンスホテルで開かれた夕食会の開始前だったと竹中氏が著書に記述している。

 オリックスの宮内義彦氏が議長を務める総合規制改革会議でも論議されていた郵政民営化の論議の場を、竹中氏が仕切り役を務める経済財政諮問会議に一本化したのは2003年10月3日である。

 2004年4月26日に郵政民営化準備室が設置され、9月10日に郵政民営化の基本方針が閣議決定された。郵政民営化準備室は2004年4月から2005年5月までの1年強の時間をかけて法案作成を行ったが、郵政民営化準備室は、その間に米国保険業界関係者など米国政府関係者と17回もの会合を重ねていた。

 この重大事実は、今回の総選挙で衆議院議員に復職された城内実衆議院議員が2005年6月7日の国会論議で明らかにした。

 2005年9月の総選挙を経て、2005年10月に郵政民営化関連法が成立し、11月には日本郵政株式会初代社長に三井住友銀行頭取の西川善文氏が起用されることが決定され、西川氏と竹中氏が共同で記者会見を行った。

 日本郵政株式会社が正式に発足したのは2007年10月1日だが、西川氏は2006年1月に準備会社の社長に就任し、2007年4月からは日本郵政公社総裁を兼職した。

 日本郵政公社には生田正治氏が就任していたが、菅義偉総務大臣が生田氏を排除する形で西川氏の兼務を実現させた。

 竹中平蔵氏は2006年9月に自民党総裁が小泉純一郎氏から安倍晋三氏に交代するのと同時に総務大臣を辞するだけでなく、参議院議員の職も辞任した。

 竹中氏が参議院議員に就任したのは2004年7月で2010年までの任期約4年を残して突然、辞任した。有権者に対して無責任極まりない行動が取られたのである。

日本郵政公社は日本郵政株式会社への事業承継を前提に行動した。昨年12月、時価が1000億円を超すと見られる「かんぽの宿」79施設が、オリックス不動産に109億円の安値で売却される方針が決定されたことが明らかにされ、国会での問題追及の結果、売却計画が白紙に撤回された。「かんぽの宿」を安値売却する決算処理上の工作は2006年3月から始まっている。

「かんぽの宿」の簿価は2006年3月期決算から急激に引き下げられ始めた。西川善文氏直結の、いわゆる「チーム西川」のメンバーが簿価引き下げ工作の中心を担ったことが各種資料によって裏付けられている。

竹中平蔵氏は日本郵政株式会社が正式発足してからは、地域の郵便局が減少していないと言うが、その最大の理由は、日本郵政が発足する前の日本郵政公社時代に利益を生まない郵便局が多数整理されたからである。

また、会計処理においても、日本郵政公社は日本郵政に引き継ぐ最後の決算である2007年9月期決算で1兆5800億円の特別損失を計上している。日本郵政発足後の決算計数の見栄えを良くするための工作であったと見られる。

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竹中氏は郵政民営化についての討論に出ると、必ず、

①民営化(=日本郵政株式会社正式発足)後は、郵便局が減っていない。

②郵政民営化後、日本郵政株式会社は2009年3月期決算で4200億円の経常利益を計上した。民営化によって利益を生む体質が作られた。

③日本郵政社長、副社長に財務相OBを就任させたのは「天下り」だ。

と主張する。

 以前の記事にも記述したが、日本郵政は290兆円の金融資産を保有しており、利ざやが0.8%確保されている。これだけで2兆3200億円の粗利益が確保される。民営化してもしなくても、大きな利益が確保されることに変化はない。

 日本郵政株式会社発足に際して代表取締役副社長に就任したのは元金融庁長官の高木祥吉氏である。高木氏は竹中金融相の下で金融庁長官を務めた人物である。高木氏の日本郵政副社長就任こそ天下りそのものである。自分で天下り人事を実行しておきながら、鳩山新政権の下での日本郵政人事を「天下り人事」だと批判する竹中氏の厚顔無恥ぶりにはあきれるばかりである。

また、竹中氏は鳩山邦夫元総務省が「かんぽの宿」疑惑を追求した際、「民営化した日本郵政に政治が介入することは根本的に誤っている」と主張していた。つまり、竹中氏は日本郵政の株式が100%政府に保有され、日本郵政が完全国有会社である段階においても、株式会社形態に移行したことをもって「民営化」が実現したと認定していたのである。

この定義に基くなら、鳩山政権が日本郵政株式売却を凍結しても「民営化」を否定することにはならない。鳩山政権は日本郵政の株式会社形態での運営を廃止する方針を示していないからだ。

ブログ界で日本郵政問題について、もっとも詳細な分析を示されているサイトのひとつがTokyonotes東京義塾」様である。このサイトには、日本郵政に関するあらゆる情報が、正確に紹介されている。

Tokyonotes東京義塾」様から11月28日付記事

Go away 2

へのトラックバックをいただいた。

同記事に以下の記述があった。

「亀井金融・郵政改革担当大臣と、市場原理主義を標榜して日本を破壊した竹中平蔵氏とのテレビにおける郵政民営化問題についての応酬があった。竹中平蔵氏は、郵便局員が規律違反をおかして、老人などのお客さんに郵便貯金を扱っていた、犯罪が続出していたなどと、事実誤認の暴論を並べ立てた。

郵政三事業一体の中で、外務を担当する職員が、郵便、貯金、保険をひとりで担当して、一軒一軒を回っていたことなど、ご存じなかった様である。詭弁を労したあげくに、事実に反する、郵便局員を侮辱する発言を述べ立てた。

事実の確認をせずに、竹中氏の発言をそのまま報道したテレビ局も同罪ではないだろうか。テレビ局は、訂正を行うべきである。郵政関係者は、東京の番組を製作したテレビ会社に抗議するべきである。

また、事実に反する発言を行った竹中氏の勤務する慶応大学などを通じて抗議と反論の声を上げるべきである。竹中氏は、学術論文を剽窃したことがあると、指摘されているが、文字通りのえせ学者にすぎない口舌の徒であることが、また明らかになった。」

虚偽の内容をおりまぜ、無責任な言説を公共の電波に乗せて流布し、不正義を押し通そうとする人物を公共電波から排斥するべきである。

Tokyonotes東京義塾」様は、「郵政民営化の巨大な闇を捜査すべきかどうか」について、ネット上でのアンケート調査を実施されている。

ひとりでも多くの市民のアンケートへの参加をお願いしたい。

「かんぽの宿」疑惑に代表される郵政民営化の巨大な闇は、りそな疑惑、ミサワホーム疑惑、新生銀行上場疑惑などと並ぶ「平成の黒い霧事件」の一角を占める重大案件である。鳩山政権下での真相解明が強く求められる。

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2009年10月21日 (水)

鳩山政権の郵政改革本格始動と今後の課題

鳩山新政権の郵政改革が本格的に動き始めた。

10月20日、日本郵政株式会社の西川善文社長は記者会見を開き、辞任の意向を正式に表明した。「かんぽの宿」疑惑が表面化してレッドカードが突き付けられるなか、西川氏はこれまで日本郵政社長職にしがみついてきたが、鳩山新政権に退路を断たれ、ようやく辞職の決断を下した。遅すぎる決断だった。

小泉竹中政治を礼賛してきた偏向マスメディア勢力は、西川氏辞任に際しても偏向報道を維持している。その代表であるテレビ朝日は、自民党大島理森幹事長、山本一太参議院議員、小泉政権御用コメンテーターの松原聡氏、さらに竹中平蔵氏のコメントを紹介するとともに、新たに開設された簡易郵便局の利用者が少ない事例と日本郵政の収益が改善したことだけを紹介した。

コメントを提供した4名は、すべて小泉竹中政治万歳の人々だ。何をコメントするかは話を始める前に明らかだ。この反対側に、郵政民営化の欺瞞(ぎまん)を指摘する多数の論者が存在するが、テレビ朝日はその声を一切報道しない。

日本郵政株式会社が発足して収益体質が改善したかのような報道がなされているが、事実誤認も甚だしい。日本郵政公社は日本郵政株式会社へ引き継ぐ最後の決算である2007年9月決算で1兆5800億円の特別損失を計上している。新会社である日本郵政株式会社の決算計数の見栄えを良くするために、巨額損失をその前に計上しているのだ。

日本郵政はゆうちょ銀行に190兆円、かんぽ生命に100兆円の資金を保持している。ゆうちょ銀行の資金利鞘は0.8%であり、ゆうちょ銀行の資金利鞘から発生する粗利益だけで年間1兆5200億円の収益が確保される。

300兆円弱の資金を抱えているのであるから、誰が経営者であっても利益を計上することは可能である。そもそも郵政3事業は赤字事業ではない。税金を投入せずに運営されてきた事業部門なのである。

小泉竹中政治万歳派は以下の点が郵政民営化の利点だとしてきた。

①民営化することによって経営の効率が上がる

②ゆうちょ、かんぽの資金が民間部門に還流して経済の発展に資する

③民営化によってサービスが向上する

しかし、現実にこのような結果は生まれていない。収益については、2007年10月の日本郵政発足前に巨額損失を計上したために、日本郵政発足後の損益が見かけ上改善したが、経営が効率化されたわけではない。日本郵政が計上している利益は従来の郵政公社の時代にも確保していたものである。

民営化するとこれまで財政投融資制度の下で政府部門にしか回らなかった資金が民間部門に還流すると説明されてきたが、そのような事実はまったく観察されていない。

2009年3月末現在、ゆうちょ銀行の総資産196兆円のうち、有価証券が173兆円、このなかの162兆円が公共債である。貸出金は4兆円に過ぎない。かんぽ生命では総資産107兆円のうち、有価証券が83兆円、このなかの74兆円が公共債である。貸付金は18兆円あるが大半が機構貸付で一般貸付は2170億円に過ぎない。

つまり、民営化すると300兆円の資金が民間に還流して日本経済の発展に寄与するかのような話はまったくのでたらめだったのだ。

民営化された郵政では、全国一律の金融サービス提供義務が取り除かれた。これまで郵便局職員は地域住民に対して極めてきめ細かいサービスを提供してきたが、郵便、銀行、保険業務が明確に区分され、総合的なサービス提供が著しく縮小したことが指摘されている。

小泉竹中郵政民営化は外国資本に利益を提供するために仕組まれた売国政策であったと言わざるを得ない。銀行、保険、郵便、郵便局に4分社化して持株会社として日本郵政を位置付けたのは、日本国民の貴重な財産を外国勢力に安価で提供するための手法だったと考えられる。

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日本郵政公社24万人の人員の配分には著しい偏りがある。

郵便事業   10.01万人

郵便局    12.07万人

ゆうちょ銀行  1.16万人

かんぽ生命   0.54万人

ゆうちょ銀行、かんぽ生命には最小の人員しか配分していない。この2社の株式はすべて売却される予定とされた。この株式の過半を取得すれば、300兆円の国民資金を丸取りできる。

日本郵政が保持する一等地不動産は郵便局会社、および持株会社の日本郵政が保有することとされた。郵便事業会社と郵便局会社を傘下に持つ日本郵政株式会社株式の3分の2が売却される予定だった。

ここには、22万人の人員が配置されるから、売却される株式は低い価格になるだろう。この株式全体の過半を獲得すると日本郵政の経営権を取得できる。そののち、郵政事業を多数の人員とともに国営事業として国に返還してしまえば、日本最大級の不動産会社だけが残る。外国資本は日本郵政が保有する巨大不動産に狙いをつけていたと考えられる。

4分社化は外国資本が日本の国民資産を収奪するためのスキームであった可能性が高い。マスメディア報道は4年前の郵政民営化選挙で自民党が大勝し、郵政民営化が実現したことを強調するが、今回の総選挙では民主、社民、国民の3党が郵政民営化見直しの方針を明確に公約に掲げた。このなかで国民が民主党を圧勝させたのであり、郵政民営化の根本見直しは正当な施策である。

竹中氏は、政府が100%株式を保有している日本郵政について、「民営化した日本郵政に政府が口を出すべきでない」と述べていた。つまり、株式を政府が100%保有している状態を「民営化」した姿と捉えていたのである。

この主張によるなら、鳩山新政権が日本郵政各社の株式売却を凍結しても「民営化」そのものを変えることにはならない。

地域住民がどこに住んでいても金融取引口座から排除されない状況を確保することは極めて重要なことである。特定郵便局を地域の行政サービスの拠点として活用することは行政サービスの効率化、地方公共団体の統合を進める上で、極めて有効な手法である。

鳩山政権は、

①郵政4社株式売却を凍結する

②郵便貯金・簡易生命保険の基本的なサービスをユニバーサルサービスとするための法的措置を講じる

③郵便局ネットワークを「地域や生活弱者の権利を保障し格差を是正する拠点」と位置づけ、地域のワンストップ行政の拠点として活用する

④現在の持株会社・4分社化体制を見直し、経営形態を再編成する

⑤郵政事業を抜本的に見直す「郵政改革法案」(仮称)を次期通常国会に提出し、成立を目指す

ことを打ち出した。いずれも正しい対応である。

日本郵政の新社長に元大蔵省事務次官の斎藤次郎氏を起用することが示された。民主党の小沢一郎幹事長との近い関係が背景にあると考えられる。鳩山政権は「官僚主権」から「国民主権」への転換を訴えている。「官僚主権」の中核を担ってきたのが旧大蔵省と検察・警察・司法権力である。

斎藤氏の起用を、「官権主義」を復活させる契機としないための取り組みが不可欠だ。12月末に先送りした公的部門への天下り人事問題と併せ、鳩山政権は「官権主義」からの明確な脱却の方針を改めて明示する必要に迫られている。民主党が「官権主義」から「民権主義」への転換公約を反故(ほご)にするなら、民主党に対する国民支持が急落することを肝に銘じなければならない。

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2009年10月 2日 (金)

『亀井静香郵政担当相のらつ腕に期待する日』

10月1日付本ブログ記事再掲載

鳩山新政権の郵政担当相兼金融相に国民新党の亀井静香氏が就任した。国民新党はこれまで党を挙げて「郵政民営化の見直し」を訴えてきた。民主、社民、国民の連立与党は8月30日の総選挙に際して「郵政民営化見直し」を公約に掲げており、総選挙で320に近い議席を得たのだから「郵政民営化見直し」は当然だ。

小泉竹中政権は2005年9月の総選挙に際して郵政民営化を実現さえすれば世の中のすべてが良くなるとの主張を展開した。ところが現実は正反対だった。社会は荒廃し、地方の衰退は目を覆う状況になった。その評価が今回の総選挙の結果に反映されたのだ。

郵政民営化では、郵便、郵便局、貯金、保険に四分社化し、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の全株式を売却し、郵便と郵便局を傘下に持つ日本郵政株式の3分の2を売却することとされてきた。

仮に外国資本がゆうちょ銀行とかんぽ生命株式の過半を取得すれば300兆円の資金を手にできることになる。一方、外国資本が日本郵政株式の過半を取得したのちに、採算の悪い郵便事業を大量の人員とともに国に返上してしまえば、日本最大級の不動産会社を手中に納められる。

不自然な四分社化の背景にこのような策謀が巡らされていた可能性が高い。通常国会で表面化した「かんぽの宿」疑惑も重大だ。時価評価が1000億円を超すと見られる国民財産が極めて不透明な手続きを経てオリックス不動産に109億円で売却されようとしていたことが判明した。

事業用資産の場合、赤字の事業収支を基準にして、収益還元法で鑑定評価を行うと著しく低い鑑定評価額を「創り出す」ことが可能になる。「かんぽの宿」の場合、この手法が悪用された可能性が高い。

この問題はすでに東京地裁に刑事告発され、受理されているが、亀井静香新大臣も刑事告発の当事者である。日本郵政の不動産売却の闇は深い。真相の全容解明と責任追及が不可欠だ。

特定郵便局のネットワークは地域の貴重な財産である。将来、市町村合併により、30~40万人規模の基礎自治体を整備することになれば、特定郵便局ネットワークは地域住民への行政サービスを提供するために強力な拠点になりえる。

金融相を兼務する亀井新大臣のらつ腕を大いに期待したい。

2009年9月18日執筆

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2009年10月 1日 (木)

『亀井静香郵政担当相のらつ腕に期待する日』

鳩山新政権の郵政担当相兼金融相に国民新党の亀井静香氏が就任した。国民新党はこれまで党を挙げて「郵政民営化の見直し」を訴えてきた。民主、社民、国民の連立与党は8月30日の総選挙に際して「郵政民営化見直し」を公約に掲げており、総選挙で320に近い議席を得たのだから「郵政民営化見直し」は当然だ。

小泉竹中政権は2005年9月の総選挙に際して郵政民営化を実現さえすれば世の中のすべてが良くなるとの主張を展開した。ところが現実は正反対だった。社会は荒廃し、地方の衰退は目を覆う状況になった。その評価が今回の総選挙の結果に反映されたのだ。

郵政民営化では、郵便、郵便局、貯金、保険に四分社化し、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の全株式を売却し、郵便と郵便局を傘下に持つ日本郵政株式の3分の2を売却することとされてきた。

仮に外国資本がゆうちょ銀行とかんぽ生命株式の過半を取得すれば300兆円の資金を手にできることになる。一方、外国資本が日本郵政株式の過半を取得したのちに、採算の悪い郵便事業を大量の人員とともに国に返上してしまえば、日本最大級の不動産会社を手中に納められる。

不自然な四分社化の背景にこのような策謀が巡らされていた可能性が高い。通常国会で表面化した「かんぽの宿」疑惑も重大だ。時価評価が1000億円を超すと見られる国民財産が極めて不透明な手続きを経てオリックス不動産に109億円で売却されようとしていたことが判明した。

事業用資産の場合、赤字の事業収支を基準にして、収益還元法で鑑定評価を行うと著しく低い鑑定評価額を「創り出す」ことが可能になる。「かんぽの宿」の場合、この手法が悪用された可能性が高い。

この問題はすでに東京地裁に刑事告発され、受理されているが、亀井静香新大臣も刑事告発の当事者である。日本郵政の不動産売却の闇は深い。真相の全容解明と責任追及が不可欠だ。

特定郵便局のネットワークは地域の貴重な財産である。将来、市町村合併により、30~40万人規模の基礎自治体を整備することになれば、特定郵便局ネットワークは地域住民への行政サービスを提供するために強力な拠点になりえる。

金融相を兼務する亀井新大臣のらつ腕を大いに期待したい。

2009年9月18日執筆

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2009年5月 2日 (土)

遠吠えを繰り返す竹中平蔵氏は国会に出頭せよ

5月2日放送のよみうりテレビ番組「ウェークアッププラス」

「徹底検証郵政民営化」のふれこみにもかかわらず、内容のない番組だった。この番組の前身は「ウェークアップ」だった。落語家の文珍氏が司会を務め、私もレギュラーのコメンテーターとして出演していた。

出演者は多岐にわたり、政府批判も封殺されていなかった。

小泉政権の時代に、完全な「偏向番組」に改編された。政府批判を展開する言論人が番組から排除された。御用司会者の辛坊某氏が番組を仕切るようになった。

「徹底検証郵政民営化」と銘打つからには、「郵政民営化」推進派と「郵政民営化」懐疑派の双方から有力な論客を同人数出演させるのが、最低限必要だろう。

日大教授の岩井奉信氏は、私が主査を務めていた21世紀臨調政治部会の委員を務めていた人物だが、千葉県知事選で「完全無所属」の虚偽事項を公表して選挙活動を行なった森田健作氏の行動について、根拠をまったく示さずに「公職選挙法違反で摘発することは難しいのではないか」とのコメントを提供した人物である。典型的な「御用人」と見なして良いだろう。

竹中平蔵氏、偏向司会者、偏向コメンテーターの岩井氏、さらに自民別働隊の橋下徹大阪知事が出演するなかに、国民新党の亀井久興(ひさおき)氏が単身で出演し、論議に応じた。

4対1で論議して、公正な論議ができるとでも言うのか。「ただただ笑っちゃうくらいあきれる」番組制作スタンスだ。

それでも亀井氏は竹中氏の詭弁(きべん)にひるむことなく、堂々と反論を展開した。

ニュージーランドの民営化失敗、ドイチェポスト社長の逮捕などを、亀井氏が的確に指摘した。また、「かんぽの宿」については、アドバイザーのメリルリンチ社が黒字見通しを提示していたことも指摘した。

竹中氏は日本郵政による不動産事業についての積極推進論を示しながら、「かんぽの宿」売却を日本郵政株式会社法に潜り込ませた。「本業でない」ことを理由とするが、それならば、日本郵政の不動産事業も「本業でない」はずだ。「詭弁」は必ず矛盾を来す。「かんぽの宿」売却は別の目的で法律に盛り込まれたのだと考えられる。

辛坊氏は、「かんぽの宿」問題を鳩山総務相が提起したが、「結局、総務省が査定した資産価値から雇用維持分を差し引いた金額がオリックス不動産の落札価格だったのだから、結局何だったのか」といった趣旨の乱暴な要約を示したが、こうした発言が「出来レース」の証拠である。

鳩山総務相のスタンスは3月2日を境に急変した。総務省が委託した資産査定そのものが「恣意的」である可能性がある。「不動産の資産査定」はいかようにも操作しうるものであることを、不動産鑑定士が証言している。

とりわけ、事業用資産については、「事業」として評価し、「事業が赤字」との前提を置いて査定すると、著しく低い査定金額を提示することが可能になる。他方、物件には「事業」ではない「固定資産」としての側面がある。

「事業」を前面に提示し、「不動産」としての価値を下回る査定を実施したことが問題とされているのだ。とりわけ、今回の売却においては、①ラフレさいたま、②世田谷レクセンター、③9か所の首都圏社宅、の取り扱いが重要である。

売却先決定過程が不透明であり、人為的にオリックス不動産に売却先が決定されたとの疑いはまったく晴れていない。疑惑は一段と深まったのが現実である。

竹中氏は、竹中氏を援護射撃する出演者が多数出演する設定でないと、テレビ番組にも登場しない。竹中氏が責任を果たすべき舞台は、「出来レースのテレビ番組」ではなく、国会の委員会である。

参議院総務委員会はすでに二度、竹中氏を参考人として招致要請した。だが、竹中氏は二度とも、国会への出頭を拒絶した。「出来レース」のテレビ番組で詭弁を弄する暇があったら、国会に出頭して、十分に答弁すべきである。

国会は、竹中氏の参考人招致を証人喚問に切り替えるべきだ。

これから、5月末にかけて、西川善文日本郵政社長の引責辞任問題がクローズアップされる。

竹中平蔵氏と西川善文氏の個人的関係は2002年12月11日の密会を境にして転換したと見られている。この密会には当時ゴールドマンサックス証券のCEOを務めていたヘンリー・ポールソン氏、同COOのジョン・セイン氏との4者によるものだ。

竹中金融庁が自己資本増強を求め、ゴールドマン・サックスが三井住友への出資を決めた。竹中氏が橋渡しをしたと見られている。三井住友銀行は2003年に5000億円の資金をゴールドマンから受け入れ、以後、三井住友は実質的にゴールドマンの支配下に入ったと見られている。

その三井住友トップの西川善文氏を日本郵政社長に起用したのが竹中平蔵氏である。竹中氏は、2007年10月の日本郵政株式会社発足によって、郵政関連事業のすべてが西川氏に委ねられることになったと指摘し、政治は西川氏の事業運営に介入すべきでないとの「根本的に誤った」主張を示してきた。

日本郵政の資金運用の委託機関を見ると、ゴールドマン・サックスとメリルリンチが突出していることがよくわかる。また、日本郵政の事業運営においては、三井住友関連企業が突出して採用されてきた。

郵政民営化疑惑の核心のひとつは、巨大な国民財産である郵政事業の巨大利権がゴールドマン・サックスを中心とする外資に引き渡されているとの疑惑だ。

2002年12月に西川氏が密会したジョン・セイン氏がその後、メリルリンチ社のCEOに就任した。日本郵政のゴールドマン、メリル優遇の根源が2002年12月の密会にあると考えられる。

よみうりテレビ、日本テレビは、その創設時から、CIAとの強い関係を有すると見られている。外国勢力は西川善文氏を日本郵政社長として残留させることに強い誘因を保持している。

「ウェークアッププラス」は、西川氏の留任に向けての工作活動を開始したものと考えられる。

①「かんぽの宿」不正売却問題
②日本郵政による三井住友グループ企業優遇問題
③日本郵政によるゴールドマン、メリルリンチ優遇問題
の真相、深層が明らかにされなければならない。

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