カテゴリー「かんぽの宿(2)」の10件の記事

2009年2月22日 (日)

フジテレビ「サキヨミ」が「かんぽの宿」を適正に報道

フジテレビ「サキヨミ」が「かんぽの宿疑惑」を三たび取り上げた。

すでに売却された「かんぽの宿」のその後を検証した。

日本郵政公社時代に売却・閉鎖された「かんぽの宿」は27箇所。現状は、高齢者施設4、工場・墓地2、閉鎖14、宿泊施設7である。

「あわの抄」、「さひめ野」などの宿泊施設の事例が紹介された。利用料金を据え置いたままで、黒字化に成功している現状が伝えられた。

大きな経営改善が人件費圧縮によって達成されている。フルタイム雇用60人体制を15人体制に転換して、人件費を大幅に圧縮した事例が示された。別の施設では、54人体制が30人体制に修正された。

親方日の丸の「ぬるま湯体質」を筋肉質の体質に変えることが「民営化」の大きな目的ではないのか。日本郵政の経営形態が株式会社に転換しても、従来の親方「日の丸体質」を維持するのでは、制度改革の意味はない。

料理のメニューも抜本的に見直せば、同じ経費でより満足度の高いサービスを提供することが可能になる。

旅館ビジネスの専門家が今回売却対象になった55の施設の財務データを分析した結果では、32の施設が黒字化できるとの結論が得られたことを番組は紹介した。

役所からの「天下り」職員の退職金負担などが大きいことが問題であるとのコメントが示されたが、経営効率化に向けての努力を注ぐべきことは当然だ。

政府の財産評価では、経営努力をまったく施さないまま、直近1年間の収益性の変化から将来の収支を予測し、割引現在価値から資産価値を査定する手法が取られた。番組出演者は「資産査定を恣意的に引き下げるための措置」だったのではないかと指摘した。

すでに日本郵政公社元常務理事の稲村公望氏が、60年償却を25年償却に変更したことが、見かけ上の収支悪化をもたらし、このことが低価格査定につながったことを指摘されている。日本郵政が79施設を「できるだけ安く売るために」行動したとの疑いは益々濃厚になっている。

70%の稼働率が現存する「かんぽの宿」は、経営の効率化、サービス精神の向上、減価償却負担の低下を図れば、十分黒字化することが可能と考えられる。黒字化した施設であれば、売却に際して不動産の実勢価格が売却価格に強く影響することになる。

かんぽの宿79施設の日本郵政簿価は123億円だが、固定資産税評価額は857億円である。不透明極まりない方法で、オリックス不動産に109億円で売却する方針が決定されたことが「不正入札」の結果であったとの疑いは益々濃くなっている。

竹中平蔵元郵政民営化担当相-西川善文日本郵政社長-宮内義彦オリックス会長-メリルリンチ日本証券などのつながりを、徹底して再精査する必要がある。 

2月22日日本テレビ番組「バンキシャ」では、小泉元首相発言を正しい発言だとする竹中平蔵氏の主張を河上和雄氏が一蹴(いっしゅう)した。河上氏は小泉元首相が四代目の世襲を図りつつ、予算関連法案への反対意見を表明したことを、完膚なきまでに批判した。竹中氏は一言も反論できなかった。テレビ朝日と日本経済新聞系列の偏向は別格、不変だとして、これ以外のマスメディアの空気に微妙な変化が見られ始めるのだろうか。

自民党議員による麻生首相批判が激しさを増しているが、自民党議員に麻生首相を批判する資格はない。昨年9月に自民党所属の首相が二代続けて政権を放り出した。自民党は理屈を並べて、3週間もの時間と膨大な費用をかけて総裁選を実行した。そのお祭り騒ぎの末に選出した麻生首相がだめなら、内閣総辞職して野党に政権を引き渡すしか道はない。

マスメディアは自民党内の麻生首相批判の根本的な誤りを批判して、自民党に内閣総辞職を迫るべきではないのか。麻生首相が総辞職の道を選ばぬなら、解散を決断する意外に逃げ道はない。マスメディアが主導する歪んだ世論形成を厳しく糾弾(きゅうだん)しなければならない。

「かんぽの宿疑惑」が封印されることを防ぐため、西川社長解任と郵政民営化委員刷新だけは確実に実行したうえで、麻生首相は総辞職か解散の決断を早期に示すべきである。

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「かんぽの宿疑惑」竹中平蔵氏の益々稚拙な反論

「かんぽの宿不正入札疑惑」では、重要事実が次々に明らかにされている。

  

①日本郵政がオリックス不動産に109億円で売却することを決定した「かんぽの宿」など79施設の簿価と固定資産税評価額が
日本郵政簿価   123億円
固定資産税評価額 857億円
であった。貴重な国民資産が実勢価格の約10分の1で払い下げられようとしていた。

②一括売却の第2次審査で提示された内容において、オリックス不動産の提示条件よりもHMI社の提示条件が日本郵政に有利であったと鳩山総務相が明言した。

③「かんぽの宿」の売却契約が進んでいた08年10月末から12月下旬にかけて、日本郵政が地上デジタル放送に対応した液晶テレビ3447台や超低温冷凍庫など、合計3億5千万円分を購入していた。

④日本郵政とメリルリンチ日本証券との間で、日本郵政を「ROME」、オリックスを「ORGAN」、HMI社を「HARP」と呼びかえる「隠語」が用いられ、最終落札者をオリックスに誘導しようとする行動が存在していたとの情報が浮上した。

⑤オリックスへの「かんぽの宿」一括譲渡契約書に、2年以内でも施設の廃止と売却を可能にする但し書きが盛り込まれていた。

 年間40億円の赤字の存在が安値売却の最大の理由とされてきたが、帳簿上の赤字の最大の要因が、高額の減価償却費であるとの見方が存在する。また、宿泊業務の多くが外部業者に委託されており、その費用が過大に計上されていた可能性が高いことも明らかにされつつある。

 郵政民営化法が成立した際の附帯決議に、「職員の雇用安定化に万全を期すこと」が盛り込まれており、安値売却の大きな理由とされてきた。しかし、オリックスに義務付けられた雇用維持期間はわずか1年であることが判明した。

 総務相が日本郵政に対して資料提出を求め、また、野党を中心に国会で真相究明が進められるなかで、今回の入札が適正でなかったことはすでに明らかになっている。

 しかし、マスメディアが「かんぽの宿疑惑」をほとんど伝えない。テレビ朝日番組「サンデープロジェクト」は、小泉竹中政治の「郵政民営化」政策を全面的にサポートしてきたと言って過言でない。「かんぽの宿疑惑」は「郵政民営化」の本質が「郵政利権化」であったとの疑惑を生み出す重大な問題だ。

 テレビ朝日が報道機関の一角に名を連ねると自任するなら、「かんぽの宿疑惑」に頬かむりをして、一切報道しないとの姿勢が許されるはずがない。「頬かむり」は番組の「偏向」を自ら宣言するものである。

 2月21日のテレビ朝日番組「サタデースクランブル」も、中川昭一前財務相のG7会見、小泉元首相発言、橋下知事国交省訪問などを扱ったが、「かんぽの宿」疑惑にまったく触れなかった。

 テレビ東京「週刊ニュース新書」も、再び小泉竹中一家の中川秀直氏を登場させ、麻生首相攻撃を展開しただけで、「かんぽの宿」問題にほとんど触れなかった。

 2月5日に麻生首相が「郵政民営化見直し」発言を示して以降、小泉竹中一家を中心に、「郵政民営化見直し」の気運を封殺しようとする常軌を逸する動きが表面化した。

 野中広務自民党元幹事長と鳩山邦夫総務相が時事放談で指摘されたように、
①小泉竹中一家は疑惑追及が自分たちに及ぶことを恐れている、
②「郵政民営化の真相」が「郵政利権化」=「郵政米英化」であることが判明した、

③マスメディアは「郵政民営化の真相」が国民に知られないように、徹底的な情報隠蔽を図っている、
のが「真相」であると思われる。

「サタデースクランブル」では、番組途中のCMに「オリックス生命」が登場した。これでは、「かんぽの宿疑惑」を追及できないのは当然だろう。

①中川財務相G7会見、②小泉元首相の、笑っちゃうくらいあきれてしまうような発言、が繰り返し報道され、麻生政権の窮地が報道されるが、③「かんぽの宿疑惑」続報は封印されている。

竹中平蔵氏は「ポリシーウォッチ」なる組織を舞台に、益々稚拙な反論を示しているが、竹中氏が指摘された問題には何も答えていない。「ポリシーウォッチ」の会合が森ビルのアカデミーヒルズで開かれていることから考えると、小泉元首相と非常に親密な森ビルがスポンサーであるのかも知れない。ポリシーウォッチは極めて偏ったメンバーで組織されている。

竹中氏は次のように訴える。

「鳩山総務相は当初、①なぜこの時期なのか、②なぜ一括売却なのか、③なぜオリックスなのか、との問題を提起した。

①については「赤字」が出ているから売却を急ぐ、②については、「雇用」維持のため、③宮内氏は郵政民営化にまったく関与していない、から、問題はない。

このように反論したところ、鳩山総務相は、今度は、①プロセスが不透明、②価格が安い、と言い始めた。

しかし、①プロセスとしてはM&Aの一般的な手法が用いられており、②2000億円のものを100億円で売るのではなく、100億円のものに2000億円もの資金を投じたことが問題である。プラス400億円の資産とマイナス300億円の資産があるから差し引きでプラス100億円になるので、おかしくない。

一連の動きは、西川日本郵政社長を追放するための陰謀だと思う。西川氏を追放して、総務省出身者が日本郵政社長に座り、郵政4分社化を見直せば、郵政民営化は崩壊してしまう。西川社長を追放するようなことをすれば、こうした仕事に就く民間人はいなくなる。」

こうした趣旨の主張を繰り返した。

竹中氏はなぜこのような次元の反論しか示すことができないのであろうか。そもそも売却価格が不自然に低く、入札プロセスが不透明であるから、問題が表面化したのだ。鳩山総務相はこの問題意識に基づいて、上記した三つの問題を提起したのだ。竹中氏の日本語理解力が問われる。

竹中氏は、「12月26日に日本郵政が売却決定を発表する前に、日本郵政は総務省から了解を得ていた」と主張するが、「役所や政治家から独立して判断するのが「民営化」された日本郵政がとるべき行動だ」とする竹中氏の持論と矛盾する主張である。

今回のケースでは、日本郵政が一括売却方針を発表したものの、会社形態を変更するために総務相の認可が必要だった。その認可に関連して、正当な理由が存在して総務相が認可しない可能性を表明したことに、まったく問題は見当たらない。

貴重な国民資産の売却に不透明な部分を残したまま不透明な売却を容認することが総務相の取るべき行動だと竹中氏が主張するなら、間違っているのは100%竹中氏である。

竹中氏が掲げる「雇用」と「赤字」を根拠とする安値売却の正当性主張は、すでに明らかになっている事実によって破綻している。1万円で売却した「かんぽの宿」が半年後に6000万円で売却された事例が、安値売却の不当性を象徴的に証明している。

経営改善、料金改定、減価償却費の見直しにより、「かんぽの宿」の赤字は恐らく解消可能だと考えられる。「雇用維持」条件も1年であったとのことであるし、「2年の転売規制」も「抜け穴条項」によって「ざる規定」になっていることが判明した。

詭弁を維持し続けている点では、竹中氏と日本経済新聞が双璧を成している。日本経済新聞は2月21日朝刊社説で、
「「かんぽ」撤回が映す民営化後退を憂う」
と題する論評を掲載した。日本経済新聞の堕落には目を覆うばかりだ。

正しいタイトルは
「「かんぽ」疑惑が映す郵政利権化を憂う」
ではないのか。

2007年3月に売却された178件の物件においても、半年以内に77%が転売されていることが明らかにされた。これらの取引も不透明極まりないものだ。

今回の一括売却は、初めからオリックスに安値払い下げを行うことがシナリオとして描かれていたとの、極めて重大な疑惑に発展しつつある。仮に、この疑惑が深まれば、不正入札として刑事問題に発展することは間違いない。それほどの重大性を帯びている。

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2009年2月20日 (金)

竹中平蔵氏と日経新聞「かんぽの宿」の外堀が埋まりましたが

日本経済新聞と竹中平蔵氏はいつまで詭弁を維持するのだろう。

「かんぽの宿疑惑」はすでに「疑惑」の段階を超えている。「かんぽの宿不正売却問題」と表現する方が適切である。

日本郵政がオリックス不動産に109億円で売却することを決定した「かんぽの宿」など79施設の簿価と固定資産税評価額が明らかにされた。
日本郵政簿価   123億円
固定資産税評価額 857億円
である。

通常、不動産の取引実勢価格は固定資産税評価額の1.3~1.5倍程度とされている。オリックス不動産が取得することになっていた価格は固定資産税評価額の13%、実勢価格が固定資産評価額の1.3倍だとすると、実勢価格の10%である。

2月20日の衆議院予算委員会の質疑では、また新たに二つの重要事実が明らかにされた。

ひとつは、2008年10月31日の「第2次入札」に応札したオリックス不動産とHMI社の2社の提示した条件を比較すると、価格、雇用維持条件、などを勘案すると、HMI社が提示した条件の方が、明らかに日本郵政に有利であったことが明らかにされたことだ。鳩山総務相が日本郵政が提出した資料をもとに明言した。

第二は、オリックス不動産に対して2年間の転売規制が付けられているとのこれまでの日本郵政の説明が虚偽であることが判明した。オリックス不動産との契約内容に、2年間の期間内でも例外的に施設の廃止や転売をオリックス不動産が実行できる条項が盛り込まれていたことが明らかにされた。

日本郵政が当初、「一般競争入札」としてきたものが、実は「一般競争入札」ではなかったことがすでに明らかにされている。会計法により、日本郵政の資産売却は「一般競争入札」、「指名競争入札」、「随意契約」のいずれかによることとされているが、「かんぽの宿」売却は、このいずれの範疇にも入らないものだった。

ただし、最終的に今回の「かんぽの宿」の事例では、最終的な入札に1社しか参加していないから、保坂展人議員によれば、「不落随契」と呼ばれる「随意契約」に分類されるとのことだ。

一括譲渡先決定のプロセスが明らかにされるに連れて、決定プロセスの不透明さは解消されるどころか、濃くなるばかりである。すでに「真っ黒」の状況だ。

日本郵政とメリルリンチ日本証券との間では、日本郵政を「ROME」、オリックスを「ORGAN」、HMI社を「HARP」と呼びかえる「隠語」が用いられ、最終落札者をオリックスに誘導しようとする行動が存在していたとの情報も浮上している。

この期に及んでも、日本経済新聞と竹中平蔵氏は、日本郵政が正しく、一括譲渡に「待った」をかけた鳩山総務相の行動が間違いであるとの「詭弁」を維持し続けるのか。

今回の問題に対して、中立公平の視点からの、一般常識に適合する論評をまったく示さず、ひたすら日本郵政と西川社長を擁護しようとする奇怪な行動が、「郵政民営化」に対する疑念を急激に拡大させていることに気付かないのだろうか。

朝日新聞は当初、鳩山総務相批判のポジションを取ったが、事態の進展に応じて、論調を転換した。日経新聞と産経新聞が当初のスタンスに固執している。

「ポリシー・ウォッチ」と呼ばれる、誰がスポンサーになっているのかを知らないが、メンバーに明らかな偏りのあるグループのサイトで、懸命に詭弁を弄する竹中平蔵氏の顔色に焦燥感が濃いと感じるのは私だけだろうか。

竹中平蔵氏が提供する、まったく進歩の見られない稚拙な反論に対するコメントを次回コラムに要約して提示する。

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「かんぽの宿」不正払下げを証明する固定資産評価

2月19日の衆議院財務金融委員会で、「かんぽの宿疑惑」に関連して、また新しい重要事実が明らかにされた。

この点に関連する重要事実は、すでに2月16日の衆議院財務金融委員会で明らかにされていた。

本ブログ2月17日付記事「「かんぽの宿」不正売却の新事実判明」に、「ラフレさいたま」の日本郵政評価額と固定資産評価基準額が明らかにされたことを記述した。

民主党の松野頼久議員の執拗な追及により、日本郵政がようやく「ラフレさいたま」の日本郵政評価額と固定資産税評価額を明らかにしたのである。

日本郵政の寺崎執行役は「ラフレさいたま」の評価金額について、
日本郵政評価額    15億6700万円
固定資産税評価基準額 85億3700万円
であることを明らかにした。

松野頼久議員が日本郵政に対して資料提出を求め、日本郵政がオリックス不動産に一括売却することを内定した全国79施設および世田谷レクセンターの日本郵政評価額および固定資産税評価基準額に関するデータを提出した。

2月19日の委員会では、民主党の川内博史議員が質問に立った。質疑によって、世田谷レクセンタープラス79施設の数値が明らかにされた。

日本郵政評価額    185億円
固定資産税評価基準額 910億円

 不動産の場合、一般に不動産時価が固定資産税評価基準額の1.3倍から1.5倍程度であることが多いのではないかとの発言が鳩山総務相からあった。日本郵政がオリックス不動産に一括売却しようとしていた80施設の固定資産税評価基準額が910億円もあることが明らかにされたのだ。

 世田谷レクセンターを除いても、109億円での売却は間違いなく「不当廉売」である。

 日本郵政は物件の不動産鑑定を実施する際に、鑑定物件を「ホテル業を営む施設」として評価を委嘱したことを明らかにした。

 川内氏は、「かんぽの宿」は日本郵政株式会社法上、「加入者福祉施設」と位置付けられており、「ホテル業」としての不動産評価額鑑定は間違っていると指摘した。

 これまで繰り返し指摘してきたように、「かんぽの宿」は「加入者福祉施設」であるために、料金体系が低水準に抑制されてきた。稼働率は70%に達しており、リゾート宿泊施設としては非常に高い稼働率を実現してきている。

 「赤字」の大きな原因が「減価償却費」にあるのではないかと指摘してきたが、山崎行太郎氏がブログで、日本郵政公社元常務理事の稲村公望氏の説明を紹介している。

 稲村氏はすでに週刊誌でも実名告発しているが、「日本郵政公社時代に、会計基準見直しで減価償却期間を60年から25年に短縮したため、帳簿上、年度ごとの赤字額が増大」したのだという。

資産価格が大幅に圧縮されてしまえば、新たに施設を購入した事業者の減価償却費は大幅に減少することになる。財務データの詳細を確認する必要があるが、「年間40億円の赤字」を鵜呑みにすることはできない。実体上の赤字は驚くほど小さい可能性がある。

日本郵政はこれまで、「事業の巨額赤字」と「雇用の維持」が低価格売却の理由であると主張し続けてきた。「3200人の雇用維持」と「事業の継続」が大きな重荷になり、入札辞退者が続出したと説明してきた。

日本経済新聞を筆頭に、日本郵政サイドの説明を強調する人々が依然として存在する。これらの人々は、皆が類似した説明を示しており、何らかの利害を共有する勢力であると判断される。

これらの人々の説明に説得力があれば別だが、いずれのケースも事実誤認がはなはだしく、日本郵政サイドの公式説明をなぞらえているだけに過ぎない。

国民新党の亀井亜紀子議員は、「ラフレさいたま」の正規職員数がたったの5人であることをブログに記述されている。

「雇用の維持」、「事業の継続」が強調されてきたが、オリックス不動産の場合、「雇用維持義務の期間」は1年、「転売規制」は2年しか付けられていなかった。この条件が入札への参加を希望した事業者によって異なっていたことも明るみに出始めており、すべてが「でたらめ」との印象が強い。

本当に3200人の雇用維持が義務付けられていたのか、また、雇用条件の見直しも認められていなかったのか、詳細な事実を明らかにする必要がある。

日本郵政公社は2007年3月に「かんぽの宿」などの売却を実施している。これまでに廃止や売却した施設の場合、雇用維持をどのようにクリアしたのかの検証も必要だ。

「かんぽの宿」は、老人福祉施設に改装して利用することも可能である。現に1万円で売却された鳥取県岩美町の「かんぽの宿」は老人福祉施設として再利用されている。

固定資産税評価額が800-900億円の施設を100億円で売却することを正当化する理屈は存在しない。過去の政府保有資産が安値売却されたことを安値売却の正当性の根拠とする見解が存在するが、これは、過去の事例が正当なのではなく、過去の事例においても、「不当廉売」、「不正廉売」が横行していたことを意味するだけである。

「雇用維持条件」と「転売規制」を明確に定めて、「一般競争入札」を実施していれば、そもそも問題は発生していない。そのような透明性の高い一般競争入札を実施していれば、6億-7億円などの法外な手数料も発生しない。

また、米国投資銀行ベア・スターンズ社の経営危機が表面化して、米国の金融危機が本格的な危機に突入したのは昨年3月である。米国の金融危機が世界に波及するなかで、売却期限である2012年まで4年もの時間的猶予のある「かんぽの宿」売却が性急に強行されたことも理解しがたい。

「ラフレさいたま」だけで100億円程度の不動産時価が得られ、首都圏9箇所の社宅土地の時価評価が47億円である。これらを含む全国70の「かんぽの宿」と社宅9箇所の合計が109億円で売却されることを、無理やり正当化しようとする発言者は、そのことをもって、私は公正な発言者でないと判断する。

小泉竹中一家に括られる人々やマスメディアが懸命に、この、まったく説得力を持たない主張を訴えるが、この奇怪極まる主張を展開する人々は、何らかの形で小泉竹中一家=外資勢力とつながりを持つとしか判断できない。

2月18日の衆議院予算委員会で、公明党の大口善徳議員が質問に立ち、さらに新たな事実が発覚した。

「かんぽの宿」の売却契約が進んでいた08年10月末から12月下旬にかけて、日本郵政が地上デジタル放送に対応した液晶テレビ3447台や超低温冷凍庫など、合計3億5千万円分を購入していたことが明らかになった。

竹中平蔵氏は自著のなかで、「民営化」について次のように述べている。

「辞書によると、民営化とは、「民間の経営に任せること」とある。文字通り郵政民営化とは、郵政の経営を民間に任せることであり、政府はそれが可能なように、また効率的に行われるように枠組みを作ることである。これで、西川氏に、経営のすべて、民営化のすべてが委ねられることになった。
(『構造改革の真実』239ページ、太字は植草による)

2007年10月1日に正式発足した日本郵政株式会社社長に西川善文氏が就いた。竹中氏は、これ以後は、日本郵政のすべてを西川氏の采配で決定できると勘違いしたのだろう。竹中氏と西川氏が通じていれば、竹中氏の意向を日本郵政の経営に反映させることも出来る。

竹中氏は1月19日の産経新聞に投稿した稚拙な反論のなかで、
「そもそも民営化とは、民間の判断に任せることであり、経営判断の問題に政治が口出しすること、しかも機会費用の概念を理解しない政治家が介入することは、根本的に誤っている。」
と記述したが、この判断が根本的に誤っている。

日本郵政株式を100%政府が保有している間は、日本郵政は「民間会社」ではなく、「国営会社」なのだ。「国営会社」である以上、資産売却等に対する国民と国会、行政による監視が不可欠である。

日本郵政の巨大事業、資産売却に対する国会、行政、国民の監視を制度的に保証する制度改正が不可欠だ。「郵政民営化見直し」は「郵政民営化法」第19条が定めている「法定事項」である。「郵政民営化見直し」に強烈に反対する小泉元首相などは、「郵政民営化法」に対する基礎知識を欠いていると考えられる。法律を勉強し直す必要があると思われる。

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2009年2月17日 (火)

「かんぽの宿」不正売却の新事実が判明

私自身はアワードに興味はなく、主催者に対する疑念も有しているのだが、「アルファブロガー・アワード2008」がブログ記事大賞の投票を受け付けている。

「カナダde日本語」様「きっこのブログ」様など、尊敬すべきブログがアルファブロガーに名前を連ねられている一方で、ブロガーとしての基本的要件を満たしていないと考えられる人物の手によるブログまでがアルファブロガーにリストアップされており、背景に対する疑念の気持ちを拭えない。

本年は個別記事への投票で、2月18日に投票を締め切るとのことだが、このような機会に、もし審査が公正に行われるなら、読者の皆様には大変ご面倒をおかけしてしまうことになり、また、自薦になってしまい大変恐縮だが、下記記事に投票してくださることを希望する。大変ご面倒をおかけするが、2月17日中の投票を謹んでお願い申し上げたい。(「カナダde日本語」の美爾依さんには、せっかく記事を推薦くださったのに大変申し訳なく感じておりますが、なにとぞ事情をご理解くださいますようお願い申し上げます。)

私の個人的な利益のためではない。記事内容を一人でも多くの人に伝達したいと思うからだ。時間的な制約が大きいが、趣旨に賛同してくださる皆様にはご協力をお願い申し上げたい。審査が「かんぽの宿」のような「出来レース」である場合は、リストアップされる可能性はゼロだと思うが、そうではない可能性に期待してお願い申し上げたい。

ブログ記事:「「根本的に誤っている」のは竹中平蔵氏、の歪んだ「郵政民営化」」(2009年2月16日付記事)

すでに多くの方が紹介されているが、2月15日のTBS番組「時事放談」で、野中広務氏と鳩山邦夫氏が極めて重要な発言を示した。私は放送を見逃したが、天木直人氏が概要を紹介してくださった。2月14日の同局番組「ニュースキャスター」と好対照を示した。

以下は天木氏のブログからの引用である。

「今朝早朝に流されたTBS系時事放談は野中広務と鳩山邦夫がゲストだった。その中で両者は驚くべき率直さで次の三点を国民の前で明言した。

1.小泉発言は「かんぽの宿」疑惑の追及が自分に向かってくる事を恐れた目くらまし発言だ。

2.「かんぽの宿」疑惑を追及している内に、小泉・竹中構造改革は米国金融資本に日本を売り渡した事がわかった。

3.日本のメディアは小泉・竹中売国奴構造改革に加担し、疑惑を必死に隠そうとしている。政局報道に矮小化しようとしている。

この三点セットこそ、これまで様々な人々がネット上で指摘してきたことだ。素人が何を言っても国民はそれを信じない。しかし裏を知り尽くした元自民党政治家と、現職の政権政党閣僚の口からこのいかさまが発せられ、全国の国民に流されたのだ。

この番組はユーチューブで繰り返し、繰り返し流され、何も気づかない多くの国民が知るようになればいい。

国民の覚醒によって、日本は崩壊のがけっぷちから、まだ救われる可能性が残っている。」
(ここまで引用)

まったくの同感だ。私が主張してきたことを、二名の政治家が代弁してくれた。

「ネットゲリラ」様「株式日記と経済展望」様「チラシの裏」様が貴重なメッセージを発してきてくれたのも事実だ。政治権力に支配されたマスメディア情報の嘘を暴き、ネットから真実の情報を発信してゆかなければならないと思う。

 「ネット・IT」を絶賛してきた竹中平蔵氏秘書官だった天下り大学教授が、一転して「ネットはゴミの山」などと慌てているのが滑稽である。

これも、すでに「ネットゲリラ」様などが記述されているが、2月15日放送の「新報道2001」は、「かんぽの宿」売却プロセスがでたらめであったことを明確に示した。もっともスタジオ出演の政治家は、小泉一家およびチルドレンである山本一太氏、片山さつき氏、小泉一家と連携していると見られる渡辺新党の江田憲司氏、民主党の原口一博氏の4名で、偏向ぶりは明らかである。

番組では「かんぽの宿」の「競争入札」の実態の一部が暴露された。

「雇用維持」と「転売規制」の条件がどのように明確に示されていたのかが疑わしいことを、私は本ブログで何度も記述してきた。竹中氏、日経新聞、産経新聞、朝日新聞が、「公明正大な競争入札のプロセス」がとられたとの前提に立って、鳩山総務相の「横やり」を批判したが、そもそも「公明正大な競争入札のプロセス」が取られてきたのかが疑わしかった。

HPページ上の告知も、重要情報を広く公開するものであったのかが疑わしい。「公明正大な競争入札」を実施するには、「雇用維持についての条件の詳細」、「転売規制の詳細」を明確に定め、そのうえで「一般競争入札」を実施すれば良いだけだ。

このような条件を設定するのに、高額手数料を支払って外部アドバイザーを雇う必要などない。「雇用維持」、「転売規制」を隠れみのにして、不正な売却が進められた疑いが浮上したのである。

「新報道2001」によると、譲渡を希望した事業者に対する説明がばらばらだったとのことだ。

「2年の雇用維持、5年の転売規制」を告げられた業者も存在した。

まったく説明のなかった業者もいた。

「雇用維持の年限が示されず、転売規制が2年」だった業者もいた。

「でたらめ」と言う以外にない。

最終的にオリックス不動産に提示された条件は「1年の雇用維持と2年の転売規制」だった。

第2次募集締め切りで、オリックス不動産は105.2億円、HMI社は105.5億円の札を入れた。HMI社が落札する札である。

日本郵政はこの後に条件を変更して、HMI社が応募を辞退し、オリックス不動産への一括売却方針が定められた。

メリルリンチにはこれまでに1.2億円の手数料が支払われ、ディール成立段階で6億円が支払われる約束になっていたとのことだ。

オリックス不動産に法外に低い価格で売却する方針が、当初から定められていた疑いが濃い。2007年に日本郵政に入社し、「かんぽの宿」売却を担当した伊藤和博執行役が在籍していた不動産会社「株式会社ザイマックス」はオリックスが出資する企業である。

2005年10月21日に成立した「日本郵政株式会社法」附則第2条に「かんぽの宿」を2012年までに売却ないし廃止することが規定されている。原口議員によると、「この附則は法案決定の2日前に潜り込まされた」とのことだ。

「郵政民営化法」は2005年10月に成立したが、「ゆうちょ」、「かんぽ生命」、「郵便事業」、「郵便局」の4社に、資産や人員をどのように配分するかは、日本郵政が作成する「承継基本計画」に基づき、やはり日本郵政が作成する「承継実施計画」によって定められることとされた。

「承継基本計画」は2006年1月に決定され、「承継実施計画」は2007年4月に総務省に認可申請され、2007年9月に認可された。

細かい話になっているが、要するに、具体的な資産や人員の配分は、2007年4月に認可申請された「承継実施計画」に盛り込まれたのである。

ところが、旧簡易保険の「かんぽの宿」、旧郵便貯金の「メルパルク」だけが、2005年9月の郵政民営化関連法成立の際、「日本郵政株式会社法」に潜りこまされたのである。

「出来レース」の第一のポイントが、この2005年9月の「日本郵政株式会社法」にある。なぜ、「かんぽの宿」と「メルパルク」だけが突如、十分な論議もなく、期限付き売却の対象とされたのかが明らかにされなければならない。

低価格で払い下げを実行するためには、日本郵政内部の「かんぽの宿」簿価が低く設定されることが必要になる。これが第二のポイントだ。日本郵政は今回の「かんぽの宿」および「ラフレさいたま」、社宅79施設の売却について、109億円が日本郵政内部の簿価よりも高いことを、「適正売却」の根拠としている。

ところが、簿価が人為的に低位に抑制された疑いが存在するのだ。

この点について、2月16日の衆議院財務金融委員会で、重要事実が明らかにされた。

民主党の松野頼久議員の執拗な追及により、日本郵政が「ラフレさいたま」の日本郵政評価額と固定資産税評価額が明らかにされた。日本郵政の説明によると、「ラフレさいたま」は
日本郵政評価額    15億6700万円
に対して、
固定資産税評価基準額 85億3700万円
であることが明らかにされたのだ。

一般に不動産を売買する際、一般的に売買される「時価」とかけ離れた価格での売買が実行される際、「時価」と「売買価格」との差が「贈与、寄付金」として認識され、課税対象になる。「不当廉売」と認定されるのである。「ラフレさいたま」以外のすべての施設の固定資産評価額が明らかにされなければならない。

  

85億円の資産を15億円で売却したら、これは「不当廉売」である。この「不当廉売」を「正当な売買」に「偽装」するための手法が、「事業譲渡」であり、「事業収支に基づく不動産評価」なのだ。

この「不動産評価」を担当したのが「郵政民営化承継財産評価委員会」である。

検察当局がどのように動いているのかが確かでないが、「かんぽの宿疑惑」を刑事問題として追及することが必要な段階に移行しつつある。

テレビ朝日「サンデープロジェクト」は「かんぽの宿疑惑」を無視し続けている。麻生首相批判が、小泉元首相を批判した中川昭一財務相批判にまで拡大し、「郵政民営化見直し」封殺の動きが拡大しているが、「かんぽの宿疑惑」を封殺することは絶対に許されない。引き続き、本ブログでも追及を続けてゆく。

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2009年2月11日 (水)

「かんぽの宿」詭弁を弄する竹中氏と「郵政利権化」の策謀

「目からウロコの、ホンモノ探し」様「こづかい帳」様「パタリ」様、ありがたいお言葉をありがとうございます。『あの金で何が買えたか』の竹中氏の記述は、機会があれば紹介いたしたく思います。「かんぽの宿疑惑」を徹底究明できれば、国民にとって「目からウロコが落ちる」成果を得ることができると思います。

「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」=「郵政米営化」であることを国民は正確に知らなければなりません。そして、巨大な国民資産の「私物化」を阻止しなければなりません。「利権勢力」は死に物狂いで実態解明を阻止しようとすると考えられます。「草の根」の力を結集しなければならないと思います。

麻生首相が昨年9月の総裁選で「郵政民営化は私の担当だった」と発言したことを最初に伝えられたのは、「低気温のエクスタシーbyはなゆー」様であるとのことでした。はなゆーさんのブログからは、いつも貴重な情報をいただいております。「雑談日記(徒然なるままに、。)」様には、貴重なご指摘をいただきましてありがとうございました。

竹中平蔵氏が「かんぽの宿」一括売却の正統性を訴える詭弁を弄し続けているが、いよいよ鮮明になる疑惑に何も答えることができていない。

偏向報道を続けるテレビ局が竹中氏に詭弁演説会の機会を無尽蔵に提供しているが、竹中氏がそれほど説明したければ、衆参両院の予算委員会に参考人として出席することを志願すればよい。偏向テレビ局の「出来レース」演説会ではない、国会の質疑に堪えられると考えるなら、ぜひ参考人として国会で演説会を行ってほしい。すでに参議院予算委員会では石井一議員が参考人招致を要請したので、何回でも参考人として登院していただきたい。

竹中氏の反論のポイントは以下の5点である。
①「かんぽの宿」は1年に40億円も赤字を出している「不良債権」である。
②「2400億円投じた資産を100億円で売る」のが問題なのではなく、「100億円の価値しか評価されないものに2400億円もの資金を投じた」ことが問題なのだ。
③「かんぽの宿」売却価格が低いのは「雇用維持」を定めた国会決議があるからだ。
④「かんぽの宿」一括売却先は「競争入札」によって決められたことで、疑義をさしはさむ余地はない。
⑤「民営化」した企業の経営判断に政治が介入することは根本的な誤りだ。

④、⑤については、すでに決着がついている。

問題が拡大した最大の背景は、一括売却先決定が極めて不透明であることだった。公明正大なプロセスが取られていれば、そもそも問題は生じていない。日本郵政の西川社長が国会で虚偽答弁したことも明らかになった。

「一般競争入札ではなかったこと」「最終選考に応募したのが1社しかなく、日本郵政が存在しない架空の入札価格を創作して発表したこと」がすでに明らかになっている。

竹中氏は「民営化」した企業の経営判断に政治が加入するのは根本的な誤りだとするが、「民営化」をはき違えているのではないか。日本郵政は株式会社形態に移行したが、株式は100%政府が保有している。現段階では国有会社である。「民営化」はまだ実現していない。

株式が民間保有になった時点で「民営化」されたと言えるのだ。竹中氏が「株式会社形態に移行すれば、その瞬間から好き勝手に「私的利益」を追求して構わない」と考えて、実行に移していたとするなら大間違いだ。

郵政民営化法には以下の規定がある。

第十四条  会社は、総務大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。
 第十五条  総務大臣は、この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、会社からその業務に関し報告をさせ、又はその職員に、会社の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
 3  第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

日本郵政は100%政府出資の国有会社である。したがって、日本郵政保有資産は完全なる「国民資産」であって、政府、国会、国民は、日本郵政の行動を監視する義務と責任を負っている。

日本郵政の資産売却に不透明な点があるとき、所管大臣の疑問を明らかにしようとする行動を「根本的に誤っている」と批評する人物が、「郵政民営化」を取り仕切ってきたことは驚きを超えて恐怖である。

「かんぽの宿疑惑」を解明する鍵は、
①毎年40-50億円の赤字が持続するとされる収支構造
②約100億円と評価した政府の「承継財産評価委員会」の財産評価
③「雇用維持」に関する規定
である。

今後、国会が「かんぽの宿」に関するすべての資料提出を求めることになるだろう。国会には国政調査権がある。日本郵政は100%政府出資の国有会社である。国会はすべての資料を請求する権利を持つ。日本郵政はすべての資料を国会に提出する義務を負っている。

「かんぽの宿」の評価額が低くなった根拠として「赤字」があげられているが、財務データの詳細を見なければ、赤字の実態が分からない。「料金設定」にも大きな原因があると考えられるし、「減価償却費」の取り扱いが極めて重要だ。「効率経営」の余地がどの程度あるのかもポイントである。

鳥取県岩美町や鹿児島県指宿市の「かんぽの宿」の事例が如実に示すように、収支から算出する資産価値と、不動産そのものの財産価値はまったく異なる。収支からの評価が「ゼロ」であっても、6000万円で買い手がつくことがこのことを表している。

「かんぽの宿」を、売却以前の諸条件を完全に維持することを条件にして売却するときにだけ、収支をベースにした資産評価額が売却価格の基準になる。「減価償却費も不変」、「料金設定も不変」、「効率経営も禁止」などの条件が付けられて売却が進められていたのなら理解できなくもない。

政府の承継財産評価委員会委員にオリックス関係者である奥田かつ枝氏が名前を連ね、調査部会の委員を務めた。この奥田氏がどのような役割を果たしたのかを明らかにしなければならない。奥田氏にも参考人として国会での証言を求める必要があるだろう。

「雇用義務」がもうひとつのポイントだ。郵政民営化法可決に際して、国会は附帯決議を行っている。この「附帯決議」のなかに「雇用」に関する記述が含まれている。「附帯決議」十一に以下の記述がある。

十一、   職員が安心して働ける環境づくりについて、以下の点にきめ細やかな配慮をするなど適切に対応すること。

①現行の労働条件及び処遇が将来的にも低下することなく職員の勤労意欲が高まるよう十分配慮すること。
②民営化後の職員の雇用安定化に万全を期すること。
③民営化の円滑な実施のため、計画の段階から労使交渉が支障なく行われること。
④労使交渉の結果が誠実に実施されること。
⑤新会社間の人事交流が円滑に行われること。

「かんぽの宿」売却に際して、この国会決議がどのように影響したのかを明らかにしなければならない。また、公社時代に閉鎖した「かんぽの宿」における雇用問題への対応を確認することも必要だ。

日本郵政はメリルリンチ日本証券とアドバイザー契約を結び、これまでに1億2000万円の手数料を払うとともに、成功報酬として6億円の支払いが保証されていたことが明らかにされている。

「かんぽの宿」を売却するのに、これほどの資金を投じてアドバイザーを雇う必要はない。政府が日本長期信用銀行をリップルウッドに売却した際も、政府はゴールドマン・サックスに多額のアドバイザリー・フィーを支払った。しかし、この売却先は日本政府にとって、最善の売却先ではなかった疑いが濃厚である。「不正入札」の疑いが存在する。関係資料がすべて明らかにされていないため、確定は出来ないが、いずれ明らかにする必要がある。詳細は拙著『知られざる真実-勾留地にて-』を参照されたい。

「雇用維持義務」を含めて「かんぽの宿」の売却条件を明確に定めて、文字通り「公明正大な」一般競争入札を実施すればよかっただけだ。条件設定に際して、外部専門家のコンサルティングを活用する程度の行動は認められるだろうが、日本郵政は高い給与を支払っている従業員を多数雇用しているのではないか。米系証券会社に6億も7億も相談料を払うとの契約も疑惑の対象である。

「雇用維持」が不正売却を実現するための「かくれみの」として活用された可能性が高いと思われる。

私は9月27日付記事「「小泉改革」の評価」に次のように記述した。

「この三つの「民営化」には、すべて裏があった。「裏」とは、特定の利害関係者に利益、利権をもたらす「民営化」だったということだ。かけがえのない「道路資産」が将来、特定の「資本」の所有物になる。「郵政三事業民営化」では、郵貯、簡保の350兆円の国民資金を収奪しようとする外国勢力、銀行界が存在した。さらに外国資本は郵政会社が保有する「莫大な一等地不動産」に狙いをつけている。「郵政会社」は「莫大な一等地不動産」の再開発事業を今後本格化させる。この動向から目を離せない。」

 「郵政民営化」は
①小泉元首相の個人的な怨恨
②銀行業界の熱望
③米国の熱望
の三つの「私的利益」が「三位一体」に結合して実行されたと考えられる。

 米国の狙いは、350兆円の郵貯、簡保資金だとされてきたが、それだけではなかった。日本郵政は「莫大な一等地不動産」を保有しているのである。

 民営化会社がこの「莫大な一等地不動産」を手に入れる。この「莫大な一等地不動産」は「眠れる獅子」である。未開発のまま放置されてきた。この開発が巨大プロジェクトになる。日本郵政CRE部門が疑惑の中核のひとつである。「金融」、「建設」、「不動産運用」にビッグビジネスが展開される可能性が高いのである。

 現に、日本郵政は不動産事業に注力し始めている。

2月1日記事「外資の標的である日本郵政保有巨大不動産」

2月2日記事「「かんぽの宿疑惑」報道を封殺する巨大な闇の力」

に記述したように、日本郵政は「不動産」に注力している。

 しかし、日本郵政グループが保有する資産は、すべて、貴重な国民資産である。その国民資産が、一部の特定の勢力にとっての「利益を生み出す宝の山」に改変されつつある。また、日本郵政株式会社法第一条(会社の目的)および第四条(業務の範囲)に反するのではないか。

 これだけの「宝の山」を国が保有するなら、その「宝の山」を国民のために活用しなければならないはずだ。ところが、現実には、「宝の山」を掠(かす)め取ろうとする「強い意志」が働いていると感じられる。

 問題は、以下の三点だ。
①日本郵政公社の資産を4つの会社に継承させたが、資産分割が極めて不自然である。

②日本郵政の株式については、「できる限り早期に処分する努めるものとする」とされているが、日本郵政の保有資産価値が売り出す株価に十分に反映されなければならないが、早期売却はその前に売却することを狙うものではないか。

  
③「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」が受け継ぐ資産が極めて限定的である。

 「日本郵政」は、「三菱地所」、「三井不動産」などの日本を代表する不動産会社を目指す方向にある。このことを、「郵政民営化」と国民は理解してきたか。

 「ゆうちょ」、「かんぽ」に資金を投入してきた国民に本来帰属するべき資産が、なぜ「ゆうちょ」や「かんぽ」から切り離され、不透明な方法で売却されなければならないのか。

 財産承継で、①郵便事業会社、②ゆうちょ銀行、③かんぽ生命、の3社には不動産が最小限度しか配分されていない。主要不動産は「日本郵政」と「郵便局会社」に帰属された。

 「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」の株式は全株売却される。この株式を買い集めれば、350兆円の資金を手にすることが出来る。

 「郵便事業会社」と「郵便局会社」を傘下に持つ「日本郵政株式会社」株の3分の2が売却される。早期売却では、ユニバーサルサービス義務を負う「郵便事業会社」が含まれるから株価は相対的に低位になる。日本郵政支配を狙う資本は、株式市場が低迷しているタイミングを選べば安い株価で株式を入手できる。

 この間、外資が日本郵政株式の2分の1以上を買い集めれば、「日本郵政」は外国企業になる。その後、人員整理を進展させ、「郵便事業会社」を切り離してしまえば、「日本郵政」は「日本地所」になる。

 その頃までに東京駅、大阪駅前など、全国の巨大不動産開発を完了させる。高騰した株式を売り抜ければ巨大な利益を確保できる。

 このような「郵政利権化」の構造、「郵政米営化」のシナリオを十分に検討しなければならない。

 麻生首相の発言を攻撃して「郵政民営化見直し」を攻撃するマスメディアの論調は激しさを増している。「郵政民営化見直し」を必死の形相で批判する国会議員を分類すれば、外国勢力と連携する議員集団を明確にすることが出来る。本当は、「郵政民営化」を見直し、「売国」に歯止めをかけることが、いま求められている。「日本郵政株式」が売却されてからでは手遅れになる。「郵政民営化見直し」、「郵政4分社化見直し」が「正論」である。

 「かんぽの宿」売却を義務付けているのは、「日本郵政株式会社法」附則第2条である。株式売却を定めているのは第3条である。「かんぽの宿疑惑」解明を進めつつ、まずは、「日本郵政株式会社法」第2条および第3条を凍結する法改正を実現させなければならない。

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2009年2月10日 (火)

「かんぽの宿疑惑」特ダネ報道を封殺する闇の力

「公明正大な手続きに従って取り運んできている。疑いをもたれることはない。」

日本郵政の西川善文社長は「かんぽの宿」一括売却について、1月29日の記者会見でこのように発言した。

17歳の新入門力士が暴行により死亡した痛ましい事件があったが、当時の時津風親方(当時)がインタビューで、
「大事な子どもを死なせるようなことは私はしませんよ、正直言って。
「何がいけないって言われてもですね、正直言って、今答えようがないですよ。」
と答えたことがあった。

うがった見方かも知れないが、「疑いをもたれることはない」と語ることでかえって「疑い」という言葉がクローズアップされてしまう場合がある。

西川社長は「公明正大な手続き」と述べたが、「かんぽの宿」一括売却が、「一般競争入札」によって売却先が決定されたのではないことが明らかになった。

1月7日の衆議院予算委員会での質疑で、社会民主党の保坂展人議員が重大な答弁を引き出した。以下は保坂議員のブログからの転載だ。

「日本郵政は会計検査院の検査対象である。国の出資が100%なら当然のことだが、そんなこともあまり知られていない。国の機関ではないから、総務省に日本郵政株式会社が届け出ている規定で契約手続きを行なわなければならない。
その「規定」をみると、「一般競争入札」「指名競争入札」「随意契約」の3種類しかない。この「規定」にのっとって契約を締結しているのなら「指名競争」か「随意契約」のふたつしかない。
どれだと西川社長に質問した。」(ここまで転載)

保坂氏のブログによると、
「日本郵政は128日には「公開競争入札と同類のもの」と文書回答し、また24日には「単純な『競争入札』は馴染まないものと判断し」と同じく文書回答している。「何度もヒアリングで確かめ、文書で回答いただいているが、西川社長、間違いないでしょうね」と念をおした。答弁席に立った西川社長は、「一般競争入札ではありません」と小さな声で証言した。エエッーと議場に静かなどよめきが走り、後方に座る鳩山総務大臣が身体を揺らす。」(ここまで転載)

さらに、保坂議員は一括売却リストに掲載されていた「世田谷レクセンター」がリストから外されたことに注目し、この施設がいつリストから外されたのかを質問した。

西川社長は11月20日だったと答弁した。第二次選考の締め切りが10月31日であるのに、その締め切り後に「世田谷レクセンター」がリストから外されるのは、どう考えても不自然である。

さらに、保坂議員は最後に念を押すように確認した。
「最後に西川社長に確かめておきたいんですが、第2次の締め切り1031日の段階で、さきほどの報道によれば61億円ですか、ホテル運営会社。オリックスは109億円だと。オリックスが高かったというのは本当ですか。間違いないですか」と聞いた。

これに対して西川社長は次のように答弁した。
「ただいま、御指摘をいただきました点につきましては、事実そのとおりでございます」

ところが、2月9日の衆議院予算委員会で民主党の川内博史議員が「かんぽの宿疑惑」を追及した結果、驚くべき事実が明るみに出た。

10月末の第二次選考締め切りに応募したのがオリックスとホテル・マネジメント・インターナショナル社(以下HMI社とする)で、入札価格はオリックスが105.22億円、HMI社が105.5億円だった。ただし、オリックスは19.78億円の負債を引き継ぎ、グロスでは125億円を提示したとされるが、ネットの金額では、HMI社がオリックスを僅かに上回っており、高い金額を提示した業者に一括譲渡することになると、HMI社が落札することになる。

日本郵政は10月31日の第2次選考ののち、11月20日に世田谷レクセンターを除外することを2社に通知し、12月3日に最終提示するように連絡したとのことだ。

これに対して、オリックスは108億8600万円(119億4000万円から負債額10.54億円を差し引いた金額)を提示したが、HMI社から金額の提示がなかったとのことだ。

つまり、最終選考に応募したのはオリックス1社だったことが明らかにされた。オリックスが109億円、HMI社が61億円の札を入れて、高い札を入れたオリックスが落札したというのは「作り話」だったことが明らかになったのだ。

61億円はHMI社が提示した105.5億円から世田谷レクセンターの評価額を差し引いたものを日本郵政が勝手に数値化したものであることが判明した。105.5-61=44.5であり、44.5億円はHMI社が提示した世田谷レクセンターの評価額ということになる。

つまり、仮にHMI社が世田谷レクセンターを除外して再度札を入れるとの仮定を置いた計算をするには、HMI社の「世田谷レクセンター」評価額を差し引かなくてはならないからだ。

2月10日付日本経済新聞は、日本郵政はオリックスもHMI社も世田谷レクセンターの評価額が日本郵政の簿価を大幅に下回っていたために、世田谷レクセンターを除外したと説明しているが、HMI社の44.5億円の評価はそれほど低すぎるものなのか。

もうひとつの仮説は日本郵政の簿価をHMI社の105.5億円から差し引いたとの考え方である。しかし、これでは「HMI社が入れたと想定する札」ということにならない。そもそも、オリックス社もHMI社も日本郵政の簿価を大幅に下回る価格でしか「世田谷レクセンター」を評価しなかったと日本郵政が説明しているのだ。

オリックス社は10月31日の105.22億円を12月3日には108.86億円に引き上げている。50億円相当の世田谷の一等地を除外して落札価格がなぜ上昇するのか。

日経新聞は「世田谷レクセンターを除く事業評価を18億円上積みした」と説明するが、理解に苦しむ説明である。

通常の判断に委ねるなら、本来、10月31日の応募でHMI社が105.5億円で落札していたものではないか。提示金額があまりに接近しているのも、甚だ不可思議である。オリックスに売却するために、オリックスに巨大な開発資金が必要となり、外部環境の悪化からオリックスが入手しても開発が困難な「世田谷レクセンター」をはずしたのではないか。

いずれにせよ、最終選考にはオリックス1社しか参加していないのである。保坂議員は、
「企画提案コンペの入札もどきの一部始終が開示される日も近いのではないか。仮に、競争入札だったとしても最後に応札する企業が1社になれば、「不落随契」と呼ばれる随意契約になることを改めて確認しておきたい」
と記述されているが、契約の類型が「一般競争入札」、「指名競争入札」、「随意契約」のなかの「随意契約」に分類されるとの指摘は重要である。

また、世界的に100年に1度の不動産金融危機の暴風が吹き荒れる中で「一括譲渡」を強行する判断が常軌を逸している。最終的な入札参加者を最大限、減少させることを意図したのではないかとしか考えられない。このようなディールに1.2億円のアドバイザリー・フィーを支払うのは国民に対する背任的行為である。

また、日本郵政関係者の「偽証」の責任も問われなければならない。

マスメディアは「特ダネ」級の新事実が発覚したのに、まったく報道していない。NHK定時ニュースは、朝から「三笠フーズ」、「キャノン」、「豪山火事」、「オバマ大統領」、「漢字検定協会」、「工作機械」報道だけで、「かんぽの宿疑惑」報道を封殺した。

麻生首相の発言のブレと矛盾は大々的に報道され、「郵政民営化見直し糾弾」の激しい世論誘導が図られている。

麻生首相の国会答弁での、「私は郵政民営化担当ではありませんでしたから。濡れ衣をかぶせられるのは面白くない」との発言が、昨年9月の自民党総裁選での「私が郵政民営化担当大臣、私が担当」発言と矛盾しているとの「スクープ」を報じたのは、私が知る限りは「晴天とら日和」様である。その前にどなたかが指摘された可能性を確認していないが、テレビ朝日「報道ステーション」は、知的財産権を重視するなら、「スクープ」の出所くらい明らかにする礼儀を持つべきではないかとも感じた。

日本経済新聞は2月10日朝刊で、「競争入札の詳細」を詳しく報道し、「「かんぽの宿」最終選考2社」の大きな見出しを付している。詳細な事実関係を把握していない読者は、「公明正大」な「競争入札」が実施したのではないかと事実誤認してしまう。

「かんぽの宿疑惑」を封印し、「郵政民営化」、「郵政4分社化」の根本的な見直しを力づくで阻止しようとの巨大な闇の力が働いているとの確信が一段と強まった。「三笠フーズ」や「キャノン」に新たな動きを作り、報道番組の時間を占有しようとの意図が働いているとも感じられる。

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2009年2月 8日 (日)

CMSA日本支部を巡る「かんぽの宿疑惑」人脈の蠢き

「誠天調書」様、ならびに「ネットゲリラ」様、ならびに「チラシの裏」様「カナダde日本語」様「喜八ログ」様、貴重なメッセージをありがとうございました。マスメディアは全力をあげて問題封殺を図ろうとしていますが、「かんぽの宿」疑惑の完全解明を求めて参りたく思います。「リフォーム(改革)詐欺」の悪の構造を白日の下に晒し、国民を救済しなければならないと思っております。志を共有する多くの皆様とともに一歩ずつ進んで参りたく思います。

2月8日のテレビ朝日番組「サンデープロジェクト」は、自公VS民共での対論を実施した。共産党は選挙戦術上、民主党との対決姿勢をも示している。討論のなかで民主党を孤立させようとの意図が明白だ。民主、社民、国民新党は「かんぽの宿疑惑」でも共闘体制を強化している。結束力を強める野党を同席させない、驚くべき「偏向テレビ局」だ。

さらに驚くべきことは、「郵政4分社化方針見直し」、「かんぽの宿疑惑」をまったく取り上げなかった。「「郵政利権化」の実態が広く一般国民の知るところになることを絶対に阻止しなければならない。郵政利権の刈り取り時期が目前に迫っている。ここで「郵政民営化見直し」が拡大すれば、巨大な果実を獲得し損なう」との、売国ハゲタカ一族の焦燥の叫びが聞こえてくる。

「ギャラリー酔いどれ」様が「天網恢々疎にしてなんとやらですかね」と記述された。「天網恢々疎(てんもうかいかいそ)にして漏らさず」とは「悪事をした報いは逃れることができない」の意味だが、「売国ハゲタカ一族」の悪事が白日の下に晒(さら)される日が近づいている。

2月5日のテレビ朝日報道番組「スーパーJチャンネル」が「かんぽの宿疑惑」を取り上げた。VTRで登場したのが早稲田大学大学院ファイナンス研究科の川口有一郎教授だった。

川口氏は、疑惑の「かんぽの宿一括売却」について、「開示資料を見る限り、入札の過程も価格の決定もそれぞれの過程には疑問を差し挟むようなことは見受けられない」と述べた。あまりに不自然なコメントが人々の注意を呼び起こす。「刑事コロンボ」の犯人は自ら聞かれてもいないコメントを示して墓穴を掘る。

川口氏がどのような背景を持つのかは現段階では不明だが、川口氏のこれまでの仕事に参考になる事例がある。

Photo

写真はオリックス不動産投信の第10期(2006年9月1日~2007年2月28日)の資産運用報告サイトに掲載されている写真である。オリックス・アセット・マネジメント株式会社社長の佐藤光男氏とにこやかに写真に納まっている。

川口氏と佐藤氏の対談が掲載されているが、最初の質問に、
「-お二人は、J-REIT誕生の前からのお知り合いなのだそうですね。」
とあり、川口氏が、
「平成124月に行われた「不動産金融工学の世界」というフォーラムで講演した際に、ご一緒させていただいたのが最初のご縁です。」
と答えている。

川口氏とオリックスの関係は決して浅くは無いと見られるのだ。

「かんぽの宿疑惑」に関連して登場する人々がつながって登場するのが、「CMSA日本支部」という名の組織である。「CMSA」とは「商業不動産証券協会」を意味する。商業用不動産ではあるが、「サブプライム金融危機」を引き起こした元凶のひとつである「デリバティブ不動産証券化商品関係者の総本山」とも言える。本部は米国にある。川口氏は「不動産金融工学」を専門としており、不動産関連デリバティブの専門家である。

2008年10月16日には第3回CMSA日本支部セミナーが早稲田大学大学院日本橋キャンパスホールで開催され、川口有一郎氏が基調講演を行っている。川口氏は2007年2月に開かれた第3回CMSA日本支部シンポジウムでも講演を行っており、CMSAのセミナーなども頻繁に早稲田大学大学院日本橋キャンパスで開催されている。川口氏はCMSAで活動する中心人物の一人であると見られる。

このCMSA日本支部組織体制を見ると、オリックス専務執行役の小島一雄氏が理事長を務めていることがわかる。

川口氏はオリックスと極めて強い関係を有していると見ることができるのではないか。川口氏は上記したオリックス不動産投信の営業報告(2007年4月)のなかの対談で、
「J-REITの隆盛はバブルではないかという意見もありますが」との質問に対して、

「現在、東京都心5区のオフィス空室率は3%(平成193月発表、三鬼商事による)を切っていますが、これは欧米など諸外国と比べても例をみない低水準。需要に供給が追いついていない状況といえます。バブル崩壊で、日本の不動産は、実力以下に低く評価されてきました。不動産価格が高騰しつつあるといっても、ようやくバブル前の水準に回復したという状態なのです。」
と述べて、REIT市場の堅調を展望している。

 東証REIT指数を見ると、このレポートが出された2007年5月に2636ポイントのピークを記録したのちに暴落に転じ、昨年11月には683ポイントの安値を記録した。指数は現在872ポイント(2009年2月6日現在)の水準にある。2007年5月に投資したとすると、投資元本は3分の1になってしまったことを意味する。

 結果的に見れば「バブルではないかという意見」は正しかったことになる。

 興味深いのは、このCMSA日本支部が主催するシンポジウムやセミナーに、「かんぽの宿疑惑」に登場する重要人物が数多く登場していることだ。

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2007年2月8日に開催された第3回CMSA日本支部シンポジウムは経団連会館国際会議場で開催され、川口有一郎氏とともに竹中平蔵氏が基調講演を行っている。写真はCMSA日本支部サイトに掲載されている、竹中氏の基調講演を撮影したものである。

 また、2007年10月9日に早稲田大学大学院日本橋キャンパスで開催された第2回CMSA日本支部セミナーでは、川口有一郎氏が基調講演を行うとともに、株式会社緒方不動産鑑定事務所取締役・不動産鑑定士の奥田かつ枝氏が講演を行っている。

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奥田氏は一橋大学を卒業して三菱信託銀行に勤務した経歴を有している。すでに「晴天とら日和」様が簡略図入りで説明してくださったように、2月4日付「しんぶん赤旗」が奥田かつ枝氏が所属する緒方不動産鑑定士事務所などが共同設立した「アースアプレイザル社」の社外取締役に就任していることを明らかにしている。問題はオリックスの100%子会社であるオリックス・キャピタルがこの「アースアプレイザル社」の主要株主になっていることである。

 CMSA日本支部理事長の小島一雄氏はオリックスの専務執行役であると同時に、オリックス・キャピタルの代表執行役会長を務めている。

 「しんぶん赤旗」が、日本郵政が一括売却の対象になった「かんぽの宿」70施設と9箇所の社宅施設の簿価を300億円から129億円に圧縮していたことはすでに2月2日付記事「「かんぽの宿」売却先決定の不透明なカラクリ」に記述した。その根拠とされたのが政府の「郵政民営化承継財産評価委員会」による評価額変更である。

 政府の「財産評価委員会」については、「雑談日記(徒然なるままに、。)」様が詳細を調べて下さっている。この委員会の調査部会と事務局が実際の資産評価額決定に関与したと考えられるが、調査部会のメンバーには、
株式会社緒方不動産鑑定事務所取締役 奥田かつ枝 氏
日本公認会計士協会理事 樫谷 隆夫 氏
株式会社産業再生機構代表取締役社長 斉藤 惇 氏
PwC
アドバイザリー株式会社取締役パートナー 田作 朋雄 氏

新日本監査法人代表社員 成澤 和己 氏
が指名された。

 詳細については回を改めて記述するが、新日本監査法人は本ブログおよび拙著『知られざる真実-勾留地にて-』に詳述した「りそな銀疑惑」に直接関わる監査法人である。また、田作朋雄氏は2002年12月に竹中金融相(当時)が発足させた金融庁検査局内の「再建計画検証チーム」のメンバーに選出された人物である。人選は基本的に「竹中人脈」によったと見てよい。

 この調査部会で不動産評価の専門家と呼べるのは奥田氏一人しか入っていない。不動産評価額決定に関しては、奥田氏が重大な決定権を有したのではないかと考えられる。評価委員会の議事録を見ると、事務局提案がほとんど論議なしに了解されている。「かんぽの宿」が「オリックス」に安値で売却される準備が綿密に進められていたとの疑惑を頭ごなしに否定することはできないと思われる。

 テレビ番組では、川口氏とならんでもうひとり、「入札」の正当性を主張する人物が登場した。日本テレビ「NEWSZERO」の偏向報道についてはすでに記述したが、番組MCで元財務省官僚である村尾信尚氏が必死の形相で、「入札は適正なものだった」との日本郵政サイドの公式説明だけを繰り返した。

 この日本郵政サイドの説明を補強したのが、「キョウデン」(6881)会長の橋本浩会長である。橋本氏は「自分も入札に参加して、アドバイザーリースタッフと接触したが、完全にフェアーであるとの感触を持った」と述べた。視聴者はこの手の第三者発言に強く影響される。テレビ局側のねらいはこの点にある。

 しかし、橋本氏の発言を必ずしも額面通りに受け取ることはできない。「キョウデン」はさまざまな分野のM&Aを手がけてきたことがよく知られているが、すべてにおいて成功を収めてきたとは言えない。東洋経済新報社の四季報見通しによると、「キョウデン」の最終利益は2008年3月期から3期連続での赤字が見込まれている。株価を見ると、2004年に1679円の高値を記録したが、2009年2月6日終値は91円である。極めて厳しい状況に置かれていると言える。

 取引銀行としては筆頭に三井住友が記載されているので、三井住友がメインバンクではないかと推察される。有利子負債は2008年9月末時点で176億3100万円である。メインバンクである三井住友出身の西川善文氏が喜ぶコメントを提供した可能性も否定できない。

 テレビ朝日の川口有一郎氏のコメント、日本テレビの橋本浩氏のコメントなど、当事者であるオリックスや日本郵政社長出身銀行と強い利害関係を有する人物に、問題の是非についてのコメントを求めるテレビ局の姿勢には、強い疑念を抱かざるを得ない。

 また、日本郵政で「かんぽの宿」一括売却を担当したのが伊藤和博執行役であることが明らかにされている。伊藤氏は2007年7月に日本郵政に入社したというが、それまで在籍した「ザイマックス」はオリックスが出資する不動産企業である。しかも住所は「赤坂1-1-1」であり、鳥取県岩美町の「かんぽの宿」を日本郵政から1万円の評価額で譲り受けて、半年後に6000万円で転売した幽霊会社「レッドスロープ」の名を連想させる。

 日本郵政はメリルリンチ日本証券をアドバイザーに起用したが、メリルリンチには1億2000万円もの手数料が支払われている。

 拙著『知られざる真実-勾留地にて-』に森ビルと小泉竹中政権の親密な関係を記述したが、森ビルの森稔社長は私に直接、「小泉政権批判をするな」と発言した人物である。

森ビルが経営するセミナービジネスに「アカデミーヒルズ」がある。竹中平蔵氏は2006年12月にアカデミーヒルズの理事長に就任した。

 このアカデミーヒルズによる「アーク都市塾「都市・不動産分野のマネジメントを学ぶ」講座」の2005年2月22日のカリキュラムが、
メリルリンチ日本証券ファースト・ヴァイスプレジデントの橋本嘉寛氏

株式会社ザイマックス常務取締役の伊藤和博氏
による講義だった(キャッシュのみ残存)。

この時点から、伊藤和博氏はメリルリンチ日本証券の不動産担当アナリストである橋本嘉寛氏と面識があったことになる。

 CMSA日本支部が2月12日に日本都市センタービルで「第5回CMSA日本支部シンポジウム」を開催する。「かんぽの宿疑惑」を追跡するジャーナリズムは、この会合を注視する必要があるだろう。奇しくも同日、アカデミーヒルズは特別シンポジウムを開催する。

「かんぽの宿疑惑」は拡大の一途を辿っている。「郵政民営化」のプロセスのなかで、シナリオが周到に練られて実行に移されてきたとの疑惑がさらに強まりつつある。次第に明らかになる不透明な「かんぽの宿」売却プロセスを見ると、日本郵政がわざわざ高額の手数料を支払ってアドバイザーを雇ったのは特別な理由によるのではないかと思われてくる。「黒い取引」を「グレー」に塗り替えて、その「グレー」を霧のなかに隠してしまう技術を有する業者がアドバイザーに選任された疑いがある。第三者を入れることで、「不正」を隠蔽(いんぺい)しようとしたのではないかとの推論も悪い冗談と笑い飛ばすことができない。

マスメディアが「メディアコントロール」の巨大権力を活用して問題封殺に動いているが、これを許してはならない。「かんぽの宿疑惑=郵政利権化」の巨大な闇を明らかにしなければ日本の未来に光は差し込まない。「天の網」の役割を「草の根」の情報発信と国会での徹底追及が担わなければならない。

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2009年2月 6日 (金)

「かんぽの宿」疑惑拡大と麻生コウモリ首相の迷走

昔、「小泉改革」の一族と「反小泉改革」の一族がお互いに争っていた。その様子を見ていたコウモリは、「小泉改革」の一族が有利になると「小泉改革」たちの前に姿を現し、「私は「小泉改革」の仲間です。あなたたちと同じように小泉改革に賛成します」と言った。「反小泉改革」の一族が有利になると「反小泉改革」たちの前に姿を現し、「私は「反小泉改革」の仲間です。小泉改革に反対します」と言った。その後二つの一族間の争いは終わり、「小泉改革」も「反小泉改革」も和解した。しかし、幾度もの寝返りをしたコウモリはどちらの種族からも嫌われ、仲間はずれにされてしまい、やがて暗い洞窟の中へ身をひそめるようになった。

これは、Wikipedia「卑怯なコウモリ」にある説明の「鳥」と「獣」を、「小泉改革」と「反小泉改革」に置き換えたものである。

麻生首相は小泉政権で、
2001年4月  自民党政務調査会長
2003年9月  総務大臣
2005年10月 外務大臣
を歴任した。

麻生首相は2008年9月の自民党総裁選で小泉政権が実行した財政収支改善優先の緊縮財政政策路線を批判したが、小泉政権が超緊縮財政政策を実行した2001年から2003年にかけて、自民党の政策決定最高責任者の地位にいた。

麻生首相は2月5日の衆議院予算委員会の答弁で、「小泉首相の郵政民営化に賛成ではなかった」、2005年8月8日に郵政民営化法案が否決され、小泉首相が衆議院解散の方針を打ち出した際、「閣議で解散詔書の署名に反対した」と述べたが、最終的には署名して、衆議院解散に同意した。

「小泉改革」が有利なときは、小泉元首相に同調して、自民党政調会長、総務相、外務相として要職を渡り歩いた。小泉政権の超緊縮財政政策の政策最高責任者の地位にも収まっていた。郵政民営化選挙に反対したと言うが、解散に反対の主張を貫いたのは、農林水産大臣職を罷免された島村宣伸議員だけである。

麻生政権は2005年9月の総選挙で自民党が獲得した衆議院の圧倒的多数の議席を利用して、参議院が否決する法律案などを強行成立させてきた。2005年9月の総選挙における自民党多数議席は、郵政民営化賛成の有権者の声を反映したものである。

麻生首相が郵政民営化方針に反対の意向を表明した以上、麻生首相が自民党の衆議院多数を活用して、法案成立を強行することは正当性を失う。

麻生首相は暗い洞窟の中に身をひそめる時期を迎えたのではないか。政治家はブレることのない信条、哲学、信念を持つべきである。ものごとに対する判断、主張が変化することはあり得るだろう。政治家としての「最善の判断」に基づく主張が変化することは容認される。しかし、「私的な利害」、「私」のために重要な政治の主張が転変することは許されない。

経済政策の方針、「郵政民営化」といった国家の根本政策などの重要な政策課題についての主張を、「私的な利害」によって変化させる政治家を信用することはできない。平沼赳夫議員、綿貫民輔議員、亀井静香議員、城内実前議員など、利害得失では損失を蒙りながら信念を貫いた政治家がいる。

「小泉改革」を否定する論調が強まるなかで、小泉政権で枢要な地位にあり続けた麻生首相が、「郵政民営化に反対だった。ぬれぎぬを着せられるのは面白くない」と述べるのは、麻生首相の品格の欠落、不正義を示すだけのものだ。

麻生首相が「郵政民営化反対」を表明した以上、衆議院の3分の2での再可決を行使する正当性は消失した。今後、政府提案の法案を参議院が否決し、衆議院で再可決しなければ法律が成立しない場合で、麻生政権が法律成立を図る場合には、衆議院の3分の2条項を使えなくなった。この場合、衆議院を解散して国民に信を問わなければならない。

3月に衆議院が解散される可能性が急激に高まった。

「かんぽの宿疑惑」がさらに拡大している。

日本郵政は「かんぽの宿」をオリックス不動産に一括譲渡する方針を白紙に撤回することを決定した。貴重な国民資産が不透明なプロセスによって、不当に低い価格で外資系企業に売却されることが、ぎりぎりのところで回避された。

この意味で、鳩山総務相の働きは評価されるべきだ。しかし、だからといって自公政権の責任が免除されることにはならない。

小泉竹中政権が推進し、法律を成立させた「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」であったことが明らかになりつつある。多くの国民は「リフォーム(改革)詐欺」の被害者であることが判明し始めた。

問題は今回の一括譲渡だけではない。2007年3月に旧日本郵政公社が売却した178件の不動産資産は、115億円で売却された。日本郵政公社の内部評価額は114億円であったと説明されている。114億円の内部評価価格に対して落札価格が115億円であったとすれば、当然のことながら「談合」の疑いが浮上する。

オリックス不動産の事例では、日本郵政の内部評価額93億円に対して売却価格は109億円だった。個別に物件を調べた不動産専門家が400億円は下らないと評価するものが、内部的には100億円程度で評価されていた。それを外部にあるオリックス不動産が109億円の札を入れたことが極めて不自然である。

鳥取県岩美町の「かんぽの宿」が東京の不動産開発業者に1万円で売却されて半年後に6000万円で売却された事例が紹介されているが、東京の不動産開発業者は「レッドスロープ社」だと伝えられている。直訳すれば「赤坂」で、赤坂に所在する企業かと思うと、届出の住所は銀座である。

2007年3月の落札業者には「リーテック」という名の企業も名前を連ねているが、「リーテック」の米国子会社の社長と「レッドスロープ社」の代表が同一氏名であることも明らかにされている。

「リーテック」の社長は「リクルートコスモス(=現コスモスイニシア)」に15年勤めた人物であり、コスモスイニシア自身が落札業者7社のひとつに名を連ねている。

これらの点を含めて、「飄(つむじ風)」様Tokyonotes東京義塾」様「誠天調書」様「ネットゲリラ」様「マッシーパパの遠吠え」様などが、詳細な情報を伝えてくださっている。

日本郵政の西川善文社長の人脈で日本郵政執行役として「かんぽの宿」一括売却を担当したのは伊藤和博執行役で、伊藤氏は不動産会社「ザイマックス」に在籍した経歴を有する(2月5日記事に記載した伊東敏朗常務執行役は旧郵政省出身者であり、正しくは伊藤和博執行役であったとの訂正記事が宮崎信行様のブログに掲載されましたので、本ブログでの記述も合わせて訂正させていただきました)。

「東京サバイバル情報」様によると、「ザイマックス」という会社は元はリクルートビルマネジメントという会社で、1990年3月にリクルートより独立したとのことだ。オリックスが株主として出資しており、本社所在地は港区赤坂1-1-1である。これこそ、「ザ・レッドスロープ」との感がある。

「東京サバイバル情報」様は、2007年12月4日の不動産金融ニュースウォッチに、「国家公務員共済組合連合会(KKR)の住宅・保養所跡地、計206物件一括売却の入札が3日行われ、コスモスイニシアを代表者とする企業コンソーシアム(ほかリーテック、長谷工コーポレーション、穴吹工務店、東急リバブル、穴吹不動産センター)が落札した」との情報があることも伝えている。

2月5日のテレビ朝日「報道ステーション」に、「かんぽの宿」入札で400億円規模での入札を希望した業者がVTR出演した。『週刊新潮』がすでに伝えていた不動産業者である。

日本郵政が貴重な国民資産を、もっとも高い価格で売却できる売却先を入札において排除していたことが明らかになった。「企業の財務内容や雇用維持の条件などを総合的に判断し」などの言い訳は通用しない。

この重大情報は、今回の一括売却を単に白紙撤回する次元を超えて、刑事事件として究明する必要が生じたことを意味する。

重大な点は、かりに刑事問題に発展するとして、それが単独の汚職問題ではなく、「郵政民営化」という巨大な国家プロジェクト全体に関わる「驚天動地の大スキャンダル」に発展する可能性が高いことにある。

まずは、2007年3月の日本郵政公社資産売却の闇を明らかにする必要がある。上記のフロントに位置する企業の裏側には外国資本の影が蠢(うごめ)いている。2007年3月売却の闇、「かんぽの宿疑惑」の闇を解明することにより、「郵政利権化」の全貌が姿を現してくると考えられる。

民主、社民、国民新党の野党三党は郵政民営化見直しで足並みをそろえつつある。この状況下で、麻生首相が国会答弁で「郵政民営化見直し」、ならびに「郵政4分社体制見直し」を明言した。この国会発言の意味は重い。「郵政民営化見直し」は国会における多数意見となりつつある。2005年9月の総選挙結果との矛盾が残るため、この点は次期総選挙で解消する必要があるが、「郵政民営化」を根本から見直すべきであるとの認識は広く国民一般に広がり始めている。

貴重な国民資産が特定の人々の利権にすり替えられるのが「郵政民営化」の実態であるなら、国民は「郵政民営化」に賛成するはずがない。「かんぽの宿疑惑」が、「郵政利権化」の実態を国民に知らせる、「パンドラの箱」開ける働きを演じつつある。

2007年10月に日本郵政株式会社が発足したが、「民営化」はまだ実施されていない。「株式会社形態」に移行しただけである。日本郵政株式は100%政府が保有している。郵政三事業を担う株式会社は、現段階では完全な国営企業である。国民、所管官庁、内閣、国会は日本郵政グループ企業の活動に全面的に介入し、監視する権限と責任を負っていることを忘れてはならない。

日本郵政の行動について、国民と国会が全面的に監視する権利と義務を負っている。国会は国政調査権に基づき、日本郵政の活動のすべてについて介入する権限を有している。

民主、社民、国民の野党三党は「かんぽの宿疑惑」を追及する合同プロジェクトチームを発足させ、PTは衆参予算委員会での集中審議を求める方針を決めた。国会が国政調査権を活用して、真相を全面解明することが求められる。

また、「かんぽの宿」が4分社化された際に、「かんぽの宿」が「かんぽ生命」ではなく「日本郵政」の帰属とされたことも正当性を欠いている。簡易保険加入者の資産が社外流出している可能性がある。簡易保険加入者による法的対抗措置が検討されるべきである。

また、日本郵政は株式上場基準を満たす利益を確保するために、社宅用地などの保有不動産売却を進めているが、これらの資産売却についても、詳細な情報の開示が不可欠である。国民資産を特定の勢力に不正な利益を供与する形で売却することは許されない。

疑惑の全容を解明して、「郵政利権化」にストップをかけなければならない。

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2009年2月 5日 (木)

「かんぽの宿」疑惑新事実とTBS竹中平蔵氏詭弁演説会

「かんぽの宿疑惑」に関連する重要な新事実が明らかになった。2月5日の衆議院予算委員会で民主党の川内博史議員が追及し、新事実が明らかにされた。

すでに、「国会傍聴記by下町の太陽・宮崎信行」様速報として伝えてくれている。

「かんぽの宿」70施設+社宅9施設の一括売却を担当したのが日本郵政執行役の伊藤和博氏であることが明らかにされた。伊東氏は日本債券信用銀行出身で不動産会社である株式会社ザイマックスなどを経て日本郵政に入社したとのことだ。長谷工コーポレーションにも在籍したことがあるとのことだ。

伊東氏が在籍していた株式会社ザイマックスの発行済み株式の1.5%をオリックスが保有していることが明らかになった。ザイマックスは非上場企業であるから、ザイマックスがオリックスと直接関わりを有している可能性が高い。

昨日付記事「「かんぽの宿」売却先決定の不透明なカラクリ」に記述したように、日本郵政が「競争入札した」と説明している「入札」は、透明な「一般価格競争入札」とは程遠い代物であったことが、すでに明らかになってきている。

当初の入札参加希望業者のなかには、400億円程度の価格を打診した業者がいたとの情報も浮上しており、一括譲渡先がオリックス不動産に決定された経緯は極めて不透明である。

国民新党は民主党、社民党に合同調査委員会設置を呼びかける方針を固めた。国民新党の亀井静香代表代行は2月4日の記者会見で「西川善文日本郵政社長の背任容疑での東京地検へ刑事告発も視野に入れたい」と述べている。

貴重な国民資産である「かんぽの宿」を含む資産売却が、不正な売却先決定方法によって、特定の業者に利益を供与したことが明らかになれば、問題は刑事事件に発展する。真相の完全解明が求められる。

「かんぽの宿疑惑」以外にも重要な問題がいくつも浮上している。麻生首相が表明した「天下りあっせんと渡りを禁止する政令を年内に定める」との方針を、マスメディアの大半が「大きな前進」であるかのように伝えているが、愚にもつかない茶番である。麻生首相は現存する「渡り」の大半を、「あっせんによるものでなく、役所を退職したOBの自発的な人材確保行動」として捉え、規制の対象外と認識しているのである。つまり、現存の「天下り」は今後も完全に容認されることは明白なのだ。

自民党「偽装CHANGE勢力」を中心に新たに「政府紙幣発行構想」が提示され始めた。この政策が実現するとは考えられないから、本ブログではこれまで記述を控えてきたが、一部マスメディアが大きく取り扱い始めた。

結論から言えば、「政府紙幣発行」は健全な政策ではない。財政赤字残高の増加をどの水準まで容認するかとの問題に置き換えて論議するべきである。財政赤字と切り離して「政府紙幣」には問題がないとするなら、「政府紙幣」を800兆円発行して財政赤字を一掃すればよいということにもなる。この問題については、改めて記述する。

2月4日のTBS「久米宏のテレビってやつは!」は、TBSの見識が疑われる番組だった。タイトルこそ、「私がそんなに悪いのか・・・竹中平蔵」、「経済崩壊&品格劣化の元凶?をスタジオ喚問」と付けられているが、実態は「名ばかり喚問」で、竹中平蔵氏に詭弁大演説会の場を提供しただけであった。

「ニコブログ」様が番組の内容を詳細に紹介してくださっている。スタジオに出演したのは、竹中平蔵、室井佑月、荻原博子、ビビる大木、久米宏、八木亜希子の6名だった。経済の専門家と言えるのは、荻原博子氏だけだったが、悲しいことに、まったくの知識不足、勉強不足だった。室井祐月さんからは、竹中氏に反論したいとの心情だけは伝わってきたが、言葉がまったく出て来なかった。

番組が相応の準備をして、MCの久米宏氏が竹中氏を追及することが最低限度の対応として求められたが、番組は最低限の責務を放棄していた。事件の被疑者をスタジオに招き、被疑者を追及する資料もそろえずに被疑者に独演会の場を提供したようなものだった。久米宏氏はジャーナリストとしての地位を完全に放棄して、単なる御用タレントに成り下がる宣言をしたように受け取れる。竹中氏を絶賛してきた経緯を踏まえて、追及を控えたのだろうか。

竹中氏はどこに出ても、数少ないまったく同内容のフレーズを繰り返すから分かりやすい。番組や出演者が想定問答を用意して竹中氏と論戦すれば、竹中氏はあっという間に追い詰められるはずだ。出演者がそのような基礎作業を怠っていることが詭弁を野放しにする要因になっている。

竹中氏の発言の主なポイントを列記すると以下のようになる。

 
①「派遣切り」が問題になっているが、派遣労働者の比率は2.6%にすぎない。

 
②経済財政諮問会議では労働行政の自由化を進める際に、「同一労働・同一賃金」を提言したが、皆が反対して実現できなかった。セーフティネットを整備すべきとの意見には自分も全面的に賛成である。

  
③宮内義彦氏は経済財政諮問会議のメンバーではなかった。郵政民営化を論じたのは経済財政諮問会議である。宮内氏は郵政民営化のプロセスに関与していない。

  
④日本の法人税負担は高すぎる。そのうえ、雇用費用が引き下げられなければ、企業は海外に逃げ出してしまう。

  
⑤1979年の高裁判決によって、企業は正社員を倒産まで解雇できない。司法がこのような判断を下したから、行政が企業の雇用負担を軽減しなければならない。

  
⑥「かんぽの宿」は赤字を計上している事業だから、出来るだけ早く売却しなければならない。

  
⑦「かんぽの宿」は公明正大な「入札」によって売却先が決定されたのであるから、その決定に疑義をさしはさむ余地はない。

これが、竹中氏がいつも繰り返す主張である。竹中氏とテレビで論戦する出演者は、最低限、これらの主張に対する想定問答を準備して番組に出演するべきだ。

テレビ局は竹中氏を論破できる論客を番組に起用しない。竹中氏は必ず番組に竹中氏を擁護する発言者の同席を求めるのだと思われる。サンデープロジェクトではレギュラーの御用言論人が見え見えの応援を展開する。

サンデープロジェクトも久米宏氏の番組もMC自身が竹中氏擁護役を演じている。NHKも、必ず竹中氏を擁護する発言者を同席させる。強力な論客と1対1で論戦する設定を私は見たことがない。そのような設定では、竹中氏は出演を拒否するのだと考えられる。以前、月刊誌『文藝春秋』から私に、竹中氏との1対1の対論のオファーがあった。私は快諾したが、竹中氏が日程を理由に拒否したと連絡を受けた。

TBS番組での竹中氏発言については、大石英司氏も「大石英司の代替空港」適切な論評を掲載されている。竹中氏の詭弁を検討してみる。

①竹中氏は派遣労働者の比率が2.6%であることを強調するが、「格差拡大」で問題とされているのは、3分の1を超えた「非正規雇用労働者」と「ワーキングプア」の激増だ。「非正規雇用労働者」の過酷な労働条件と不安定な雇用を象徴するのが「製造業の派遣労働」なのである。極めて悪い労働条件の下で、契約期間未了のまま、一方的な「雇い止め」に遭遇し、仕事と住まいを失う多数の労働者が発生していることが問題なのだ。

 比率は低いが絶対数は極めて大きい。竹中氏の発言は、本年3月までに40万人が失業する可能性が高まっていることを、軽視する発言にほかならない。

②小泉政権が労働者に対するセーフティネットを十分に整備しないまま、労働行政の規制緩和実施に踏み切ったことが問題とされているのだ。「同一労働・同一賃金」が重要だと認識していたと発言しても何の意味もない。

 竹中氏の発言をつなげれば、④の日本の法人税負担が高く、雇用費用削減を認めなければ企業が海外に脱出してしまうから、企業が簡単に首を切れる新しい制度を導入したということになる。⑤にあるように、正社員であれば首をきれないから、簡単に首を切れる非正規雇用労働の拡大を誘導したということになる。

 その際に、非正規雇用労働者のセーフティネットを十分に整備しなかったから、不況が進行している現在、問題が噴出しているのだ。労働市場の規制緩和を進展させる際に、セーフティネット整備を強行に実現しなかった罪が問われているのだ。「同一労働・同一賃金が望ましいと考えていた」ことは免罪符にはならない。

 結局「財界」の利益を優先して、「労働者」の不利益拡大に対応策をとらなかったのであり、このことが問題とされているのだ。

③宮内氏は経済財政諮問会議のメンバーではなかったが、規制改革会議の議長を務めていた。規制改革会議では郵政民営化についても意見交換が実行されている。宮内氏は郵政民営化推進論者で、著書で、「かんぽの宿」を民営化すべきだと主張もしている。

 宮内氏が「経済財政諮問会議」のメンバーだったとの荻原氏の言い間違いを取り上げて、鬼の首を取ったようにあげつらう竹中氏の発言はあまりに幼稚である。

 重要な点は宮内氏が小泉竹中政治の「民営化・改革路線」に全面的に賛同し、「規制緩和政策」の推進に深く関わってきたとの事実である。その宮内氏が経営する「オリックス」が、「かんぽの宿」の譲渡を受けるのであれば、利権をむさぼっているとの誤解を招かぬよう、細心の注意を払うことは当然だ。「李下に冠を正さず」、「瓜田に履を入れず」は妥当な判断だ。

④竹中氏は、「日本の法人税が圧倒的に高い」と主張するが、欧州と比較するとき、欧州企業がより大きな社会保障負担を負っていることを見落とすことは出来ない。

 内閣府ホームページに掲示されている平成19年11月に発表された政府税制調査会による「抜本的な税制改革に向けての基本的考え方」の17-18ページには、
「課税ベースや社会保険料負担も考慮した企業負担については、モデル企業をベースとした試算において、我が国の企業負担は現状では国際的に見て必ずしも高い水準にはないという結果も得た」
と記述されている。「日本の法人税率が高い」との主張は、ひとつの見解に過ぎない。

⑥、⑦の「かんぽの宿」の赤字、「入札」経緯の問題は、「かんぽの宿疑惑」の核心である。「赤字」は料金設定と減価償却費による部分が大きいと考えられる。日本郵政によって、意図的に大きな赤字が表記された疑いも新たに浮上している。

「価格競争入札」が実施されていなかったことが明らかになりつつある。「総合評価による入札」の場合には、「より透明な選定過程の開示」が求められる。

番組が「かんぽの宿疑惑」について時間をかけて論じるなら、「赤字問題の詳細」と「不透明な選考経緯」の詳細を、少なくとも番組で解説する必要がある。

問題を追跡している週刊誌がそろって、社民党の保坂展人議員のコメントを掲載しているのだから、保坂氏をスタジオに招くべきだった。

竹中氏に「詭弁大演説会」の機会を提供したTBSと久米宏氏の見識がまずは問われなければならない。

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