カテゴリー「市場原理主義VS人間尊重主義」の18件の記事

2015年3月30日 (月)

冷静かつ合理的であった大塚家具株主の判定

2月26日付ブログ記事


「大塚家具内紛報じ、政治とカネ報じないNHK」「大塚家具の社内紛争」


http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-e896.html


メルマガ記事


「敗戦70年安倍談話が政権崩壊の端緒になる」


http://foomii.com/00050


に次のように記述した。



大塚家具の問題は、経営路線をめぐる社内対立で、国民にとってはどうでもよい話だ。


家具においても価格競争は激化しているから、入り口で氏名、住所を記載して会員になることを強制され、スタッフ同伴でなければ展示商品を見ることができないような手法は、もはや時代遅れであると言えるだろう。


とはいえ、これは大塚家具の内部の問題だ。



その大塚家具の株主総会が開催されて、創業者である大塚勝久氏の長女である大塚久美子氏の社長続投が決まった。


メディアの多くが創業者の大塚勝久氏の側に立つ論評を展開してきたから、報道各社は肩透かしを食らった格好になった。


体面を保つために、大塚久美子社長の行動を批判的に記述する論評が目につく。


基本は大塚家具社内の権力闘争であるが、企業が企業価値を高めることを重視するなら、この手の内紛は表に出すべきでない。


内紛が表に出たことは企業にとってはイメージダウンの原因になり、損失になる。

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私は、創業者の大塚勝久氏の主張と現社長の大塚久美子氏の主張を比較して、現社長の主張に合理性があると判断していた。


したがって、大塚家具の株主が示した結論は順当であると判断する。


また、各種の情報が創作するなかで、株主が適正な判断を示したことに、ある種の驚きを感じた。


大株主の一部には、創業者との歴史的な関係からなのか、創業者側に立つ企業が散見されたが、こうした企業株主よりも、一般の個人株主の方が、はるかに冷静で合理的な判断を示したものと感じる。


大塚家具が脚光を浴びたのは、いまから20年近くも前のことである。


当時の日本では、大きな「内外価格差」が残存していた。


外国製品の国内販売価格が極めて高い状態が続いていた。


日本の貿易黒字の大きさが問題になっているころで、円高にもかかわらず、日本の輸入が拡大しない理由として、輸入製品の国内販売価格に円高の影響が迅速に反映されないことが問題とされていた。


こうした状況のなかで、大塚家具は海外の高級家具の輸入販売を積極的に展開することで業容を拡大した。


その販売方法として、大規模な販売店舗を設置して、いわゆる会員制の販売方式を導入したのである。


来店客に受付で会員登録を要請し、販売員が来店客を引率して店内を案内する方式が採られたのである。

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輸入家具の仕入れと最終販売を直結させるビジネスモデルに特徴があった。


また、大規模なフロア面積を有する店舗を活用しての展示販売も斬新な試みであった。


また、会員制の販売方式により、接客する販売員当たりの売り上げを伸ばすことも実現したのである。


また、大塚家具の販売においては、販売価格が一本化されていた。


従来の日本の家具販売店においては、定価を高めに設定しておいて、顧客と販売員とのやりとりのなかで「値引き販売」する方式が一般的に採用されていた。


顧客と販売員との「駆け引き」によって販売価格が大幅に変動するという状況が広範に見られたのである。


大塚家具では、このような方式が、価格に対する不信、不透明感を招くとの判断から、販売価格の一本化ならびに明確化を打ち出した。


つまり、一切の値引きをしない。


公示されている価格が、企業が提示できる最安値であるとの方式を採用した。


この「価格の透明化」も新規顧客を獲得する大きな武器になったと考えられる。


私は、テレビの報道番組のコメンテーターとして、大塚家具の新しいビジネスモデルに見られる斬新さを解説したことがある。


その解説に対して創業者の大塚勝久氏から謝辞をいただいたこともあった。

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この時期のビジネスモデルとしては優れたものであったと言えるだろう。


大塚家具は「内外価格差の解消」を目標に掲げていたが、実際には、かなり大きな内外価格差は残されていた。


外国製の家具を輸入して販売するのであるから、そのための経費が価格に上乗せされることは避けられない。


ただし、内外価格差の原因はそれだけにあるのではなかった。


会員制の販売方式がもたらす、「高人件費体質」という問題が、実は当初から存在していたのである。


したがって、国内の他の販売業者の提示する価格よりは安いが、生産国における国内販売価格と比較すると、1.5倍から2倍程度の小売価格が設定されているものが少なくなかった。


20年前のビジネスモデルとして、大塚家具のビジネスモデルには長所も多く、斬新なものであったが、その後の日本の消費市場が劇的に変化したことを見落とせない。


その変化によって、創業者の大塚勝久氏が指向するビジネスモデルが、言わば「時代遅れ」になってしまったのである。


そのために、大塚勝久氏は経営陣から排除された。


そのことに対する「私憤」が問題を大きくさせてしまったのである。


2012年以降の業績悪化が指摘されるが、急激な円安によって商品調達コストが跳ね上がったことが最大の理由である。


経営の問題というよりも為替レート変動の問題である。


しかし、問題が拡大するなかで、一般投資家の判断が冷静かつ合理的であったことは、ひとつの驚きである。


株主は適正な判断を下したと言えるだろう。

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2014年10月 5日 (日)

少子化の主因は弱肉強食推進政策にあり

10月3日(金)の


『月刊日本』


http://gekkan-nippon.com/?p=6342


の講演会


「強欲資本の手先に成り下がる安倍政権」


ならびに、


10月4日(土)の


「銀行の貸し手責任を問う会」


http://www.kashitesekinin.net/


の集会


「銀行の過剰債務を身の丈にあった借金へ軽減し、

日本の中小企業・個人を元気に!」


には、会場を満席にする聴衆の皆様のお越し賜りまして、誠にありがとうございました。


『月刊日本』講演会は、多数の皆様にせっかくお申し込みをいただきましたのに、定員に達したためお断りをさせていただくことになり、主催者に代わりまして深くお詫び申し上げます。


両日ともに、とても有意義な時間を共有させていただきましたことに感謝申し上げます。


また、10月3日(金)午後0時半から午後3時放送の


ラジオ日本「マット安川のずばり勝負」


http://www.jorf.co.jp/PROGRAM/mickey.php


にゲストとして生出演させていただいた。


番組を聴取下さった皆様に感謝申し上げたい。

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『月刊日本』の講演会では、安倍政権の「弱肉強食推進政策」の問題点を指摘させていただいた。


1980年代に広がった


レーガン・中曽根・サッチャー


の経済政策が、いまの新自由主義経済政策のはしりであった。


規制撤廃・小さな政府・民営化・市場原理


を軸とする経済政策の方針が提示され、これが世界に浸透し始めた。


日本ではその後、2001年に発足した小泉政権がこの政策を鮮明化して、日本を「弱肉強食社会」に転換させていったのである。


しかし、その代償というか、当然の弊害が誰の目にもはっきり分かるかたちで表出した。


2008年末の東京・日比谷の「年越し派遣村」は、まさに弱肉強食政策の餌食になった人々が命からがら逃げ込み、救済を求めた村になったのだ。


人々がようやく覚醒し、小泉竹中政治の弱肉強食推進が日本国民を必ずしも幸福にはしないことに気付いたのである。


この覚醒が2009年9月の鳩山由紀夫政権樹立をもたらす原動力になった。

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ところが、この鳩山政権が民主党内クーデターによって破壊された。


大多数の国民は、この政変の真の意味を理解していない。


民主党は水と油の混合物に過ぎなかった。


主権者の側に立つ勢力と、米官業トライアングルの側に立つ勢力が、驚くことに同じ政党のなかに同居していたのである。


米官業トライアングル勢力=悪徳ペンタゴン勢力が鳩山政権を破壊して、民主党のイメージを粉砕してしまった。


その結果として、2012年12月に大政奉還が実行され、元の木阿弥政権である安倍政権が誕生した。


そして、2001年発足の小泉・竹中政権に完全に先祖返りしたのである。


安倍政権は小泉・竹中政権の新自由主義経済政策=弱肉強食推進経済政策を先鋭化して実行している。


その結果として、日本は政界有数の格差社会に移行している。

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労働者の4割近くが非正規労働者を占めるようになった。


フルタイムで働いても年収が200万円に届かぬワーキングプアと呼ばれる状況に陥っている労働者が1000万人を突破している。


他方で社会保障制度は拡充ではなく、圧縮されている。


社会保障支出の機能別分類の国際比較を見ると、日本の「家族」カテゴリーの支出が極めて小さいことが明確になる。


「家族」とは、子育て、教育に対する社会保障支出だ。


この状況が日本の少子化に歯止めがかからない主因である。


弱肉強食推進政策の当然の帰結が出生率の低下なのである。


したがって、この弱肉強食推進政策を変えずに、少子化問題が重要と主張して、対策を検討することは、本末転倒、笑止千万の行為なのだ。


高カロリー、高脂質の過食習慣を維持しながら、肥満と高コレステロール体質を打破しようとの旗を掲げるのに近い。


この問題を解決するには、弱肉強食推進政策を見直す以外に道はない。

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2014年2月25日 (火)

子宮頸がんワクチンが大推奨されてきた裏事情

20143
『月刊日本』2014年3月号


http://goo.gl/eeOr7s


に、


「安倍総理!子宮頸がんワクチンをやめて下さい」


と題する特集記事が掲載された。


日本では子宮頸がんワクチンが2010年11月から2013年3月まで、臨時で公費助成された。


予防のためには3回の接種が必要で接種費用は合計4-5万円程度である。


厚生労働省が2010年度から実施した「ワクチン接種緊急促進事業」の対象ワクチンに子宮頸がん予防ワクチンが含められ、市区町村が行う接種事業に国が助成を行い、おおむね中学1年生から高校3年生相当の女子である事業対象者は無料もしくは低額で接種を受けられるようになった。


ところが、2013年6月14日の専門家会議で、接種のあと原因不明の体中の痛みを訴えるケースが30例以上報告され回復していない例もあることが判明した。


これを受けて、厚生労働省は接種の推奨を一時的に中止した。


接種そのものが中止されているわけではなく、接種希望者はこれまで同様に公費で接種が受けられるほか、副作用の被害が認められた際は救済制度の対象となる。


ところが、子宮頸がんワクチン接種後に長引く痛みやしびれなどの報告症例について、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会は「心身の反応」との見解を示した。


つまり、ワクチンの副作用ではないとの見解が示されたのである。


そのうえで、接種呼び掛けを国として再開するか否か、どのように行うかの結論を2月中にも出す動きが示されている。


接種呼びかけを国が再開するとしても、接種を義務化することにはならないと思われるが、極めて杜撰な取り扱いであると言わざるを得ない。

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厚労省ホームページ内の「子宮頸がん予防ワクチンQ&A」には、子宮頸がんワクチンの、がんを予防する効果についての国の説明が書かれている。


「子宮頸がんは、数年から数十年にわたって、持続的にヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した末に発症するとされています。子宮頸がん予防ワクチンは、新しいワクチンなので、子宮頸がんそのものを予防する効果はまだ証明されていません」


効果が証明もされていないワクチンの効果を誇大に宣伝し、その接種を無料化して接種を促進する裏側にどのような事情があるのか。


極めて重大な問題である。


子宮頸がんの予防ワクチン接種後、医療機関から報告された発熱などの副作用は2010年11月~2013年3月に計1196件に上っている。


このうち、運動障害が残るなど重篤とされたケースも106件あった。


ワクチンによる重篤の報告数はインフルエンザワクチンの約40倍とされる。


重篤な副作用被害が広がっているにも関わらず、国は、ワクチンと重篤な副作用の因果関係を認めていない。


福島で重大な原発事故が発生し、その後、福島県を中心に子どもの甲状腺がんの発症事例が急増している。


これについても政府は、原発事故との因果関係を否定している。


因果関係があると考えるのが自然である。


ところが、損害賠償の問題などが絡むため、挙証責任が被害者に押し付けられているわけだ。


こうした図式に対して、主権者である市民が怒りの声を上げて、行動を起こしてゆかなければ、深刻な事態は変化しない。

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子宮頸がんワクチンでは、国会で、ワクチン接種の無料化に躍動した議員がいた。


公明党の参議院議員だった松あきら氏である。


「サルでもわかる子宮頚がんワクチン」サイト


http://vaccine.luna-organic.org/?page_id=524


には、次の記述がある。


「子宮頸がんワクチンの早期承認と公費助成の推進にもっとも力を発揮したのが、公明党の松あきら議員だといわれている。


その夫の西川知雄氏は「グラクソ・スミスクライン(GSK)の顧問弁護士をしている」らしい。(出典:医療情報誌月刊『集中』)」


Photo


人脈図については、


「ヒトパピローマウイルスワクチン推進は一体誰のためなんだ、という疑惑を感じさせる人脈図だね。」


とのただし書きが付せられている。

人脈図の内容の真偽は未確認だから注意を要するが、このような評判が立てられていることには留意すべきだろう。

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3回接種で4-5万円の費用がかかる子宮頸がんワクチンは、


「サーバリックス」


という名のワクチンで、これを製造・販売している企業がグラクソ・スミスクライン社である。


ワクチン・ビジネスはいまや、大手製薬会社のドル箱商品である。


ワクチンは健常者に摂取するものだから、販売数量が桁違いに大きなものになる。


しかも、単価がべらぼうに高い。


そのべらぼうに高い薬品を政府が国家予算で買い上げるわけだから、資本にとってはたまらない甘い蜜なのである。


この甘い蜜に群がるシロアリとハゲタカとハイエナが存在する。


この世はシロアリとハゲタカとハイエナに食い荒らされているのだ。

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2014年2月17日 (月)

弱肉強食奨励=新自由主義経済政策は時代遅れ

安倍政権が推進する経済政策は小泉政権が推進した「市場原理主義経済政策」と変わらない。


「市場原理主義経済政策」とは、経済活動を市場原理に委ねる経済政策である。


経済は自然と同じで、すべてを自由放任にすれば、必ず弱肉強食になる。


経済政策には歴史がある。


経済学の元祖であるアダム・スミスは自由放任=レッセ・フェールを主張した。


資源配分は市場メカニズムに委ねることにより、もっとも効率的になる。


政府の介入を可能な限り排除して、市場の自由な活動に委ねることによって、もっとも効率の良い生産が実現する。


これが古典派の経済学である。


しかし、自由主義の経済政策運営は問題を引き起こした。


すべてを市場原理に委ねれば、強い者はより強くなり、弱い者は虐げられて消滅してしまう。


他者に損失を与える「外部不経済」が放置されれば、不公正はさらに拡大する。


自由主義的経済政策には修正を加えることが求められるようになった。


また、市場メカニズムが必ずしも万能ではないことも明らかにされるようになった。


市場は不均衡な状態に陥ることがある。


その不均衡が長く続き、しかも、その不均衡の影響が深刻である場合、市場に人為的な力を加えて、市場の不均衡を人為的に修正することが有効である場合が存在することも主張されるようになった。


修正資本主義の流れである。




これは、基本的人権の概念の進化と表裏一体を為すものでもあった。


基本的人権には、


自由権、参政権、社会権


がある。


自由権は18世紀に主張されたことから18世紀的基本権と呼ばれることがある。


同様に参政権は19世紀的基本権、社会権は20世紀的基本権と呼ばれる。


自由権が経済活動の自由などの、自由に活動する権利であるのに対して、社会権は憲法第25条が定める


「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」


に代表される、いわば「弱肉強食」を是正することを正当化する考え方を示す基本権である。




自由主義が行き過ぎれば、社会は弱肉強食化して、弱者の生存の余地がなくなってしまう。


すべての人に生きる権利を付与することが必要であるというのが、歴史の進化の結果として到達したひとつの終着点であり、この点に人間社会の特性が置かれるべきだと考えられるようになってきた。


近ごろはやりの「市自由主義」は、すべての人に一定の生活水準を保証する「福祉社会」を再度見直し、再び社会を弱肉強食の方向に差し戻そうとする考え方である。


社会を構成するすべて人の幸福を追求していたのでは、全体としての効率が低下する。


力の強い者は、巨大な果実を得られるのに、弱者のためにそれを犠牲にしなければならない。


これでは、力の強い者はやる気を失ってしまう。


力の強い者がやる気を失えば、社会全体の成長の力は低下し、全体の効率が低下してしまう。


それを防ぐために、再び社会を弱肉強食化することが必要である。


これが新自由主義の考え方である。


しかし、一言で言って、これは時代の逆行である。


小泉政権の登場以降、日本でも、一部で社会の弱肉強食化=市自由主義化を求める声が強まっているのだ。


その流れをいま推進しているのが安倍政権である。


企業は利潤を追求するあまり、労働者の幸福を考えなくなり始めている。


正規労働を廃絶して、すべての労働力を非正規化できれば、資本の利潤は格段に増大する。


これを実現するには、法規制、行政規制を撤廃して、人間を機械部品のように、消耗品として取り扱えることができる体制を整えてもらうことが有用である。


すべては資本の論理=強者の論理に則った思考である。


安倍首相は国会答弁で、経済が成長するには企業が成長する条件を整えなければならない。


他方、労働者の側でも、派遣労働のように、所得は少なくても、制約のない自由度の高い働き方を求める、働き方の多様性を求める声にも配慮しなければならないとも主張した。


これは詭弁でしかない。


多くの労働者は、安定してある程度の所得を確保できる、正規労働者になることを希望するが、その機会が激減しているために、やむなく派遣労働。非正規労働に従事しているのだ。


このような事実がありながら、現実を見ようとしない詭弁が提示されているのである。

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2012年9月12日 (水)

分裂するアメリカで二つの政治運動が激突する

三つのトップ交代が行われる。


米国では11月に大統領選挙がある。


バラク・オバマ現大統領と共和党のミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事による一騎打ちになる。


世界経済のグローバル化が進展するなかで、「格差拡大=社会の分裂」の先頭を行くアメリカ。


かつての大統領選挙が、中間層の奪い合いであったのに対して、今回の選挙は様相を異にする。


ひとことで表現すれば、「99%運動VS茶会」の大統領選である。


99%運動とは、社会の1%の富裕層が、米国の富の半分以上を支配している現実に対して、格差是正を訴える大衆の運動である。「反ウォールストリート運動」と呼んでもよい。


新自由主義の政策を突き進めれば、結果における格差は際限なく拡大する。


とりわけ、中国などの新興経済大国が台頭し、グローバルに価格破壊=大競争が展開されることに伴い、先進国では、労働コストの断層的な切り下げが広がってきた。


ITの進化は事務労働を担ってきた中間層の存在を不必要にしている。


中間所得層であったホワイトカラー労働者が激減し、ごく少数の資本家層=富裕層と圧倒的大多数の低所得労働者層とに、米国民が分裂する傾向が一段と強まっている。


「99%運動」は社会の下層に追いやられた大多数の一般大衆が、「分配の公正」を求めて生じた社会運動である。

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これに対して、米国では独立以来、自由主義的な思想、小さな政府を求める思潮が極めて根強い。

1773年マサチューセッツのボストンで、イギリス本国議会の植民地政策に憤慨した植民地人の急進派が、アメリカ・インディアンに扮装して、港に停泊中のイギリス船に侵入し、イギリス東インド会社の船荷の紅茶箱をボストン湾に投棄した。これがボストン茶会事件である。


18世紀、イギリスとフランスは各地で植民地争奪戦争を繰り返していた。北アメリカでも激しい戦争が繰り広げられ、イギリスが勝利を収めた。


イギリスは戦争債務を処理するために植民地アメリカに税負担を求めた。


植民地側は「代表なくして課税なし」の原則を理由にこれに反対したが、

ボストン市民5人が駐留英軍に射殺される事件も起こり、イギリスに対するアメリカ植民地の反発が強まった。


イギリス本国は植民地側に譲歩し、茶税以外の植民地税負担を撤廃した。

しかし、イギリスが1773年に茶法を制定し、イギリス東インド会社に植民地での茶の販売独占権を与えた。


これに対し、イギリス本国の課税権を認めるものだとしてアメリカ植民地で反対運動が展開され、1773年12月、ボストン港で茶を積んだ東インド会社の貿易船が襲撃され、茶箱が海に投げ捨てられた。


これが「ボストン茶会事件」である。イギリス政府は翌年、強硬な「抑圧的諸法」を出してボストンを軍政下に置いた。植民地側はこれに反発して本国議会の植民地に対する立法権を否認し、イギリスとの経済的断交を決議した。本国と植民地の緊張が高まって、ついに独立戦争が勃発した。


ボストン茶会事件は、イギリス本国のアメリカ植民地に対する課税への反発から発生したもので、税金の無駄遣いを批判し、「小さな政府」を求める考え方がアメリカ建国の理念であるとして、これを尊重する政治運動が「ティーパーティー運動=茶会運動」と呼ばれるようになった。

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経済思想としては、市場原理を重視し、政府の介入を嫌うものであり、いわゆる新自由主義の思想と重なる部分が大きい。


「99%運動」が、結果における格差拡大を是正するべきとの、「大きな政府」指向であるのに対し、「茶会運動」は、結果における格差は容認されるべきとの判断を内包する。


ミット・ロムニーは副大統領候補にポール・ライアン下院議員を指名した。


ライアン議員はティーパーティー運動を実行する米国保守層の支持を集めている。


2010年の中間選挙では、ティーパーティー運動がフル稼働し、これによって共和党が勝利を収め、民主党は大敗北を喫した。


この勢いを維持するために、ロムニーはポール・ライアンを副大統領候補に示したのである。

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しかし、米国における格差拡大は激烈さを増しており、低所得者層の困窮は熾烈を極めている。民間医療保険を購入できない低所得者層は、医療からも排除されている。


2008‐2009年のサブプライム金融危機において、米国政府は公的資金を金融機関救済に無制限に注ぎ込んだ。


他方で、不動産バブル崩壊で家を失った多数の低所得者層に対する救援措置は何も実行されなかった。


この結果として、反ウォールストリート運動が生じたのである。


今回の大統領選挙は、この意味で、分裂したアメリカの主導権を富裕層が握るのか、それとも大多数の低所得者層=一般庶民が握るのかという側面を有している。

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残り二つのトップ交代とは、中国と日本のことである。


そのひとつ、中国の次期トップの姿が急に見えなくなった。


巨大な変動が生じている可能性が出てきた。

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2011年12月20日 (火)

市場原理主義=弱肉強食奨励勢力台頭を警戒せよ

サブプライム金融危機と福島原発放射能事故は、ひとつの時代の終わりを告げる出来事である。
 
 この重大なことがらを感じる感性が私たちに残されているか。
 
 2001年に登場した小泉政権を多くの国民は、白馬の騎士のように歓迎した。この政権が日本の低迷を払拭してくれるのではないかと、淡い期待を寄せたのである。
 
「いまの痛みに耐えてより良い明日を目指す」
 
の言葉に多くの国民は幻惑されてしまった。
 
 小泉政権が掲げた政策の柱は、市場原理主義と財政再建原理主義であった。
 
「退出すべき企業は市場から退出させる」
 
 2001年末に青木建設が倒産したとき、小泉首相は「これは構造改革が順調に進展している表れである」と述べて、青木建設の破綻を歓迎する発言を示した。
 
 強い者のみが生きる。弱い者が死ぬことを厭わない。弱肉強食を奨励する方針が明確に示された。

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他方、財政政策運営では「国債を絶対に30兆円以上発行しない」ことが政権公約に掲げられた。史上最強の緊縮財政が実行された。
 
 緊縮財政で経済にブレーキを踏み、「退出すべき企業は市場から退出させる」との、企業破綻推進の政策運営を実行すれば何が起きるのかは明白だった。
 
 私は、小泉政権がこの方針で政策を実行するなら、日本経済は間違いなく奈落の底に落ちる。金融恐慌に突入してもおかしくないと明言した。
 
 小泉政権が発足したとき、日本全体が小泉政権を支持する空気に包まれたが、私は、政権発足の瞬間から、小泉政権下で日本経済は最悪の状況に突き進むとの予測を明確に示した。
 
 大半のエコノミストは「小泉構造改革で株価は上昇する」と予測した。私は小泉竹中経済政策で、株価は暴落、日本経済は奈落の底に向かうと予測した。
 
 
 現実に株価は小泉首相が所信表明演説を行った2001年5月7日の14,529円を起点に、2003年4月28日の7607円まで、暴落していった。この過程でりそな危機が創作され、日本経済は金融恐慌の一歩手前にまで追い込まれたのだ。
 
「いまの痛みに耐えてより良い明日を目指す」
はずが、
「いまの痛みに耐えている間に、さらに体全体を激痛が走る」
ようになったのである。
 
 小泉政権が発足した2001年度当初予算の国債発行額は28兆円だったが、この財政赤字が2002年度には35兆円に急増した。緊縮財政で減らしたはずの財政赤字は、逆に35兆円に急増したのだ。

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小泉竹中政治が叫んだ「改革」の中身は何であったか。小泉政権が実現したことは、住宅金融公庫の廃止、道路公団の民営化、郵政民営化の三つ、プラス、派遣労働の規制緩和だった。
 
「改革」と大騒ぎした割には、成果は乏しかった。
 
 その功罪を見る。住宅金融公庫はあまた存在する政府関係機関のなかで、例外的に国民からその存在が評価されていた機関だった。国民が評価する例外的な機関である住宅公庫を民営化したのは、小泉首相が銀行界に利益を供与するためだった。銀行界は貸出ビジネスが縮小し、住宅ローンビジネスを拡大したかった。ところが、国民に低利資金を提供する住宅公庫が存在するのでは、この分野の業務を拡大できない。
 
 小泉純一郎氏はれっきとした大蔵族議員であり、銀行業界への利益供与をなりわいとしていた。その一環で、住宅公庫を廃止して民間銀行に利益を供与したのだ。
 
 道路公団は民営化されたが、国民から高額道路料金を徴収する仕組み、ファミリー企業が跋扈して天下り王国を形成している状態はまったく変わっていない。民営化されたことで、国会の監視が行き届かぬようになった分だけ、不透明性は強まったのが現状だ。
 
 郵政民営化は米国に利益を供与するための施策である。四分社化したが、失敗だらけである。株式売却が凍結されたから、郵政マネーが米国に略奪されることは回避されているが、かんぽの宿疑惑に代表されるように、一部の外国資本が濡れ手に粟の暴利をむさぼる青写真が描かれていたことは間違いない。

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規制緩和として実行された派遣労働の製造業への解禁がどのような結果をもたらしたのかは、あえて説明するまでもない。
 
 2008年の年末、サブプライム危機不況に直面した製造業は、一斉に派遣労働者を放逐した。製造業に派遣労働を認めるなら、経済が急激に悪化する場合の、労働者に対する安全網=セーフティーネットを整備することが不可欠であった。ところが、小泉-竹中政治は、何の手当てもなく派遣労働の大幅解禁に踏み切った。
 
 その結果、多数の国民が命からがら日比谷公園にたどりつき、年越し派遣村で2009年の新年を迎えたのである。
 
 サブプライム金融危機をもたらしたものは、強欲資本主義である。あくなき暴利の追求、実体のない机上の空論を積み上げたマネーゲームによって、法外な利益を獲得することが目指された。この過程で、強欲資本主義者たちは、制御不能な規模にまで、金融工学商品の残高を膨張させた。デリバティブ金融バブルは膨張し、そして破裂した。
 
 2008-09年のサブプライム金融危機、2011-12年の欧州政府債務危機は同じマグマ系列から噴出したものだ。
 
 強欲に不労所得のバブルを追求し、ごく少数の者がこの世に現存する所得と富を独占的に支配する。この強欲資本主義の破綻を示しているのが、サブプライム金融危機であり、欧州政府債務危機なのである。
 
 
 この失敗の教訓とともに、新たな思想と思潮上の変化が生み出されている。弱肉強食奨励の市場原理主義から共生重視の共存共生主義がもう一度見直され始めている。
 
 福島原発の放射能事故も、あくなき利益の追求を是とする強欲資本主義が必然的にもたらした、起こるべくして起きた事故である。
 
 共存共栄を否定し、ひたすら際限のない利益を求める強欲資本主義がもたらした、システムの失敗が今回の福島第一原発放射能事故である。

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私たちはいま、「効率」ではなく「調和」を求めるべきである。
 私たちはいま、「官僚の利権」をはく奪し、「国民」への還元を求めるべきだ。
 私たちはいま、「核の利用」を断念し、世界の非核化を進展させるべきである。
 
 これを実現することが次期総選挙に向けての最大の課題である。

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第81号「 次期総選挙での市場原理主義の突風に警戒
 
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2009年10月 3日 (土)

『予算配分と所得配分見直しが優先課題』

9月17日付本ブログ記事再掲載

アメリカ東インド連合艦隊司令官ペリーが黒船で来航したのは1853年6月3日だった。幕府軍との新政府軍との戊辰戦争が箱館で終結し、名実ともに維新が実現したのは1869年5月18日だ。

1993年6月18日に宮沢首相が内閣不信任案可決を受けて衆議院を解散した結果、細川政権が誕生し、55年体制に風穴が開いた。明治維新と同様に、爾来16年の時間を要して、本格的政権交代が実現することになった。

米国では本年、オバマ政権が誕生した。ノーベル経済学賞を受賞した米国の経済学者ポール・クルーグマン氏は1980年以降の「保守派ムーブメント」政治の結果として米国の中間所得層が崩壊し、激しい格差社会が形成された事実を強調する。

「保守派ムーブメント」は「市場原理主義」、「新自由主義」、「新保守主義(ネオコン)」と解すればよい。その帰着点が「サブプライム金融危機」であり、米国でも政治思潮は大きな揺り戻しの局面を迎えている。

新しい日本政権の第一の課題は、これまで「業」と「官」に著しく偏っていた「予算配分」を「国民」中心に切り替えることだ。その前提となる具体策が「天下り」と「企業献金」の廃止だ。

第二の課題は「公正な所得配分」の実現だ。「最低賃金」など「配分ルール」を見直す必要があると同時に、「セーフティネット」を強化する「再配分」政策の見直しも不可欠だ。

第三の課題は「対米隷属政策」の検証だ。「かんぽの宿疑惑」の全容解明、「りそな処理疑惑」にもメスをいれなければならない。

同時に時代環境が大きく変化するなかで、「成長」、「官と民」、「ライフスタイル」等を含めて私たちの価値観をいま一度見つめ直す必要もあるだろう。

2009年8月30日執筆

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2009年9月26日 (土)

官・業で無く国民を潤す政府を樹立しよう

9月9日付本ブログ記事再掲載

8月14日朝日新聞「声」の欄に八王子市の中村氏による「財政問うより配分を議論して」の投稿があった。正鵠を射た指摘だ。自民党は民主党マニフェストの財源ばかりを攻撃するが、財源を全く示していないのは自民党である。民主党の財源論を自民党は不可能と言うが民主党は財源を全額明示している。

だが財源のより本格的な問題は貴重な国費を何にどう使うかとの「配分」にある。民主党は天下りと業界団体にばら撒いてきた国費を絞り込み、「子育て」、「社会保障」、「雇用」、「教育」、「農業」などに振り替えることを提案している。私は大賛成だ。フランスでは3~12歳の子育てへの親の負担を無くし、日本の人口に換算すれば年31兆円の国費を注ぎ、出生率引き上げに成功した。

財政のもうひとつの本質が「再配分」だ。グローバリゼーションの進行で企業が労働コストを切り込むなか、小泉・竹中政治は「市場原理主義」を持ち込み、セーフティーネットをずたずたに切り裂いてしまった。その結果「一億総中流」とも呼ばれた日本の「共生社会」はすさんだ「格差社会」に変質してしまった。

政権交代の大きな意義のひとつは「セーフティーネットの再構築」にある。「政・官・業・外・電」の利益を満たすためにばら撒いてきた予算を一掃し、「セーフティーネットの整備」に振り向けようというのだ。私はこの方針にも賛成だ。

問題の財源だが、民主党のマニフェストをすべて実行すると最初の2年間20兆円の費用を要する。民主党はすべてを無駄の排除などで賄おうとしているがそこまで無理をしなくとも良い。麻生政権は三度の補正予算で、僅か8ケ月で27兆円も財源に穴を開けた。民主党は補正を見直し、5兆円を2010年度に回すから、2011年度までの無駄排除による財源調達は5~10兆円程度で十分だ。これ以上財源を捻出すると景気回復を妨げる。民主党の財源論には不安は存在しない。

2009年8月15日執筆

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2009年9月23日 (水)

『予算配分と所得配分見直しが優先課題』

9月17日付本ブログ記事再掲載

アメリカ東インド連合艦隊司令官ペリーが黒船で来航したのは1853年6月3日だった。幕府軍との新政府軍との戊辰戦争が箱館で終結し、名実ともに維新が実現したのは1869年5月18日だ。

1993年6月18日に宮沢首相が内閣不信任案可決を受けて衆議院を解散した結果、細川政権が誕生し、55年体制に風穴が開いた。明治維新と同様に、爾来16年の時間を要して、本格的政権交代が実現することになった。

米国では本年、オバマ政権が誕生した。ノーベル経済学賞を受賞した米国の経済学者ポール・クルーグマン氏は1980年以降の「保守派ムーブメント」政治の結果として米国の中間所得層が崩壊し、激しい格差社会が形成された事実を強調する。

「保守派ムーブメント」は「市場原理主義」、「新自由主義」、「新保守主義(ネオコン)」と解すればよい。その帰着点が「サブプライム金融危機」であり、米国でも政治思潮は大きな揺り戻しの局面を迎えている。

新しい日本政権の第一の課題は、これまで「業」と「官」に著しく偏っていた「予算配分」を「国民」中心に切り替えることだ。その前提となる具体策が「天下り」と「企業献金」の廃止だ。

第二の課題は「公正な所得配分」の実現だ。「最低賃金」など「配分ルール」を見直す必要があると同時に、「セーフティネット」を強化する「再配分」政策の見直しも不可欠だ。

第三の課題は「対米隷属政策」の検証だ。「かんぽの宿疑惑」の全容解明、「りそな処理疑惑」にもメスをいれなければならない。

同時に時代環境が大きく変化するなかで、「成長」、「官と民」、「ライフスタイル」等を含めて私たちの価値観をいま一度見つめ直す必要もあるだろう。

2009年8月30日執筆

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2009年9月17日 (木)

『予算配分と所得配分見直しが優先課題』

アメリカ東インド連合艦隊司令官ペリーが黒船で来航したのは1853年6月3日だった。幕府軍との新政府軍との戊辰戦争が箱館で終結し、名実ともに維新が実現したのは1869年5月18日だ。

1993年6月18日に宮沢首相が内閣不信任案可決を受けて衆議院を解散した結果、細川政権が誕生し、55年体制に風穴が開いた。明治維新と同様に、爾来16年の時間を要して、本格的政権交代が実現することになった。

米国では本年、オバマ政権が誕生した。ノーベル経済学賞を受賞した米国の経済学者ポール・クルーグマン氏は1980年以降の「保守派ムーブメント」政治の結果として米国の中間所得層が崩壊し、激しい格差社会が形成された事実を強調する。

「保守派ムーブメント」は「市場原理主義」、「新自由主義」、「新保守主義(ネオコン)」と解すればよい。その帰着点が「サブプライム金融危機」であり、米国でも政治思潮は大きな揺り戻しの局面を迎えている。

新しい日本政権の第一の課題は、これまで「業」と「官」に著しく偏っていた「予算配分」を「国民」中心に切り替えることだ。その前提となる具体策が「天下り」と「企業献金」の廃止だ。

第二の課題は「公正な所得配分」の実現だ。「最低賃金」など「配分ルール」を見直す必要があると同時に、「セーフティネット」を強化する「再配分」政策の見直しも不可欠だ。

第三の課題は「対米隷属政策」の検証だ。「かんぽの宿疑惑」の全容解明、「りそな処理疑惑」にもメスをいれなければならない。

同時に時代環境が大きく変化するなかで、「成長」、「官と民」、「ライフスタイル」等を含めて私たちの価値観をいま一度見つめ直す必要もあるだろう。

2009年8月30日執筆

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