カテゴリー「地球環境・温暖化」の5件の記事

2017年6月 5日 (月)

地球温暖化主因が人間活動であると断定できない

歴史作家の塩野七生氏が


『ルネサンスとは何であったのか』(新潮文庫)


https://goo.gl/BzKt9R


において、


「ルネサンスとは一言で言うと、すべてを疑うこと」


と述べている。


すべてを疑い、自分の目で見て、自分の頭で考えること。


これがルネサンスをもたらした。


安倍政治とは何か。


安倍政治に私たちはどう立ち向かうべきなのか。


その答えを私たちは、


自分の目で見て、


自分の頭で考えて


導いているだろうか。


自分の目で見て、自分の頭で考える。


すべての主権者がこの行動様式に目覚めなければ、新しい時代を切り拓くことはできない。


暗黒の時代が続いてしまうのである。


現代社会において、私たちの判断にもっとも強い影響を与えているのは、


マスメディア


である。

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「自分の考え」と思っていることは、本当に「自分の考え」なのか。


マスメディアによって刷り込まれた情報を、知らぬ間に、


「自分の考え」


だと思い込んでいないか。


このことに気付かなければならない。


トランプ大統領が米国のパリ協定離脱を表明した。


大半のマスメディアが狂ったようにトランプ攻撃を展開する。


このマスメディアによる「刷り込み」によって、多数の市民が、


「パリ協定からの離脱を表明したトランプ大統領は間違っている」


との判断を有しているが、その判断は、本当に、


「自分の目で見て、自分の頭で判断した」


ものなのか。


大半の人々の現実は、違う。


マスメディアによる


「トランプ大統領の行動は間違っている」


という


「情報の刷り込み」


をそのまま繰り返しているだけのものなのだ。

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地球の表面温度が上昇傾向を示しているのは事実である。


この状況が続けば、さまざまな影響が生じるのも事実である。


プラス面もあればマイナス面もある。


しかし、地球の歴史上、表面温度の変化は大規模に繰り返されてきた。


もっとも深刻な影響が広がったのは、表面温度が低下した局面である。


「地球寒冷化」の方が全体としては深刻な影響をもたらしてきたと言える。


「パリ協定」


は、近年に観察されている表面温度上昇の原因が化石燃料消費に伴うCO2発生量増加によるものと断定して、CO2の発生量削減を取り決めたものである。


しかし、表面温度の上昇が化石燃料消費増加に伴うCO2発生量増加によるものであるとは、実は断定できないのである。


「気候の複雑なシステムは根本的に予測が困難である」


「人間活動が温暖化の支配的な原因かは明らかでない」


とする、科学的な見解が広く表明されている。


いわゆる「地球温暖化仮説への懐疑論」は、科学的根拠をもって広く保持されているものなのである。


ところが、マスメディアは、


「人間活動による地球温暖化仮説」に対する懐疑論に対して、


説得力のある根拠を示さずに、頭ごなしにこれを批判する。


このような冷静さを欠いた姿勢に疑念を持つことが極めて重要なのである。


メディアを支配しているのは誰か。


この点に目を向けると、まったく違った視界が開けてくる。


私たちの「自分の判断」というものが、何者かによって、気付かぬうちに「誘導されている」可能性があるのだ。


私たちがいま身に付けなければならない最重要の行動は、


「すべてを疑うこと」


である。

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2009年12月28日 (月)

ゴミ分別細分化とレジ袋撤廃運動の非合理性

地球環境に対する関心が高まり、温暖化ガスの排出量削減に各国が取り組んでいる。生命が存在できる地球環境を維持することは重要である。

①地球温暖化の傾向が確かである、

②その原因が明確である、

③原因を除去することが技術的に可能である、

④原因を除去することによる効用が原因を除去することに伴う弊害を上回る、

のすべての条件が正しければ、温暖化対策を進めることは是認される。

しかし、このなかの①と②とは必ずしも明確でない。地球温暖化に関する論議は『気候変動に関する政府間パネル』によって発行された『IPCC第4次評価報告書』に依拠している。同報告書は、人為的な温室効果ガスが温暖化の原因である確率を「90%を超える」とする。

『IPCC第4次評価報告書』は現在世界で最も多くの学術的知見を集約しかつ世界的に認められた報告書であるとされることから、原因に関する議論においても主軸とされるようになっている。

しかし、地球温暖化の事実認定、および地球の表面温度変化の原因について、各種の懐疑論、異論が存在することも知っておかねばならない。

過去あるいは将来の温暖化をもたらす要因のうち、人為的な要因が占める割合は低い、あるいは無いとの主張がある。また、温暖化の原因が人為的な二酸化炭素の増加にはないとする主張もある。

地球の表面温度は歴史的に大きな変動を繰り返してきており、現在観測されている温暖化もこれまで繰り返されてきた寒冷期と温暖期の繰り返しの一部ではないかとする見解もある。

地球温暖化論議と切り離せないのが政府の環境対策関連予算である。地球温暖化に関連して膨大な政府予算が計上されるようになった。昨年7月の北海道洞爺湖サミットに向けて、マスメディアが環境問題を大々的に取り上げた。その延長上に各種エコ電化製品、エコカーなどの環境対応商品の広告宣伝が氾濫した。

電気機器産業、自動車産業にとって政府の環境対策予算は極めて大きな利権を意味する点も見落とすことができない。

石油や石炭などの炭素エネルギーの消費抑制方針は、直ちに原子力利用推進に結び付く傾向を有する。世界の原子力産業にとって、地球温暖化問題の拡大と炭素エネルギーの消費抑制運動は、願ってもない環境である。

直観的な感覚で判断しても、有毒ガスの排出、エネルギーの過剰消費を抑制すべきことは肯定できる。地球の資源は有限であり、過剰消費が早期の資源枯渇をもたらすことも合理的に予測できる。この意味で省エネの運動を否定する考えを私も持ってはいない。

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しかし、地球の表面温度が炭酸ガスの発生増加によって温暖化しており、炭酸ガスの発生抑制が何よりも優先されるとの結論については、より慎重で十分な論議が求められる。

環境問題の美名の下に、巨大な政府予算の利権に群がる悪徳行為が蔓延している疑いが濃厚に存在することを見落とすわけにはいかない。環境問題関連の広報活動費がマスメディアに湯水のように注ぎこまれているが、これらが政治権力によるマスメディア・コントロールの一要因として活用されてきたのなら由々しき問題である。

環境問題に関して独自の立場から意見を表明されている一人が武田邦彦氏である。武田氏は多くの著作を発表されているが、そのなかのひとつである

『偽善エコロジー』

 

 

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にも、興味深い記述が多数盛り込まれている。環境問題に関心のある人は、一度必ず目を通すべき著作である。

最近のスーパーマーケットでは、レジ袋を有料化し、エコバッグ保有を推進しているところが多い。武田氏はこの運動にも疑問を投げかける。武田氏はレジ袋が石油の不必要な成分を活用して作られるもので、石油を効率よく利用するにはレジ袋を使った方が良いと主張する。

また、自治体はゴミ出しにレジ袋を利用することを禁止して、自治体指定のゴミ袋購入を義務付けるが、この規制そのものが無駄であり、むしろ資源の過剰消費を招いていると主張する。

また、各自治体が競い合うようにゴミ分別の細分化に取り組んでいるが、武田氏はこれにも合理性がないと指摘する。30年前にはゴミの焼却技術や処理技術が不完全でゴミ分別には一定の合理性があった。

しかし、現在の高性能焼却炉は家庭用のゴミを全部まとめて焼却しても、①二酸化炭素と水の気体、②飛灰、③スラグ、④金属の4つの成分に分類されるとのことである。

細分化されたゴミ分別に多くの個人が多大の労力と時間を投入しているが、高性能焼却炉を活用することにより、その労力と時間という貴重な資源を節約することができるのである。

各種リサイクル事業には膨大な政府支出、政府予算が組み込まれている。環境事業の既得権益化、利権ビジネス化が、合理的な判断を歪めている可能性を排除できない。

自然環境を大切に考え、地球環境を良好な状態で維持することは重要なことである。しかし、地球環境対策の美名の下に各種利権が渦巻いていることに十分な目配りが必要である。

同時に、環境問題にたいする懐疑論、異論を封じ込めず、建設的な論議を活発化させることが求められる。

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2008年7月10日 (木)

合意されなかった排出量削減長期目標

   

洞爺湖サミットが閉幕した。2050年に温暖化ガス排出量を50%削減する長期目標についてG8首脳宣言では、「UNFCCC(気候変動枠組み条約)の締約国と共有し、交渉において検討し、採択することを求める」との表現を示すにとどまった。

  

9日に開催された中国、インドなどの新興成長国を含む16ヵ国によるMEM(主要経済国会合)の首脳宣言では、数値目標および目標達成時期は明記されず、「排出量削減の世界全体の長期目標を含む、長期的な協力行動のためのビジョンの共有を支持する」とし、「条約の下での交渉において、締約国が公平原則を考慮して、世界全体の排出量の削減について世界全体の長期目標を採択することが望ましいと信じる」とされた。

  

G8でもMEMでも、2050年排出量50%削減は合意が得られなかったにもかかわらず、「カナダde日本語」の美爾依さんが指摘しているように、権力迎合の日本のマスメディアは、G8で合意が成立したかのような報道を繰り返している。美爾依さんが紹介している読売新聞社説の表現は以下の通りだ。

  

「温室効果ガスの排出量を2050年までに半減させる。この目標を世界全体で共有する。主要8か国(G8)として、ぎりぎりの合意にこぎ着けたということだろう。

北海道洞爺湖サミットで、G8首脳は、最大の焦点となっていた地球温暖化対策に関する合意文書を発表した。

50年までに半減という長期目標を達成するため、G8だけでなく、世界全体で排出削減に取り組んでいく必要があるとの認識で、G8首脳は一致した。」

 

G8での2050年CO2排出量50%削減合意に消極的な姿勢を貫いた米国は、中国やインドが長期目標設定に反対していることを念頭に入れて、G8首脳宣言に「UNFCC(気候変動枠組み条約)締約国と目標の共有し、採択を求める」との表現を盛り込ませた。MEMでは予想通り、中国、インドが強く反対して、具体的長期目標は設定されなかった。

  

米国はMEMで目標が設定されないことを前提に、「目標の設定と採択を求める」との表現に同意したのだ。米国は具体的な目標が設定され、それに縛られることを回避したのである。つまり、長期目標を定めてG8がコミットする「G8での合意」は得られなかったのが真相である。

  

大手マスメディアは、この事実を十分に認識しながら、「ぎりぎりの合意にこぎつけた」などと報道している。大本営報道と変わりがない。政権交代を回避したい政府・与党に対する国民の支持を少しでも回復させるための偏向報道が繰り広げられている。

  

  

インドは「1人当たりのCO2排出量で先進国を上回らない」との方針を維持している。1人当たりCO2排出量と生活利便水準は強くリンクしている。人口が多い中国やインドが豊かさを求めて経済成長を遂げてゆけば、当然、CO2排出量は増大する。すでに高い生活水準を享受している先進国が成長途上の国の経済成長を妨げるシステムを構築することを容認できないとする成長途上国の主張には正当性がある。

  

7月9日付記事に記述したが、中国の胡錦濤国家主席をはじめとするMEMに参加したインド、ブラジル、メキシコ、南アフリカの新興5ヵ国首脳は8日午後、温室効果ガスについて、「先進国は50年までに90年比で80~95%削減すべきだ」とする政治宣言を発表し、2020年までの中期目標についても、先進国に「25~40%の削減」を要求した。

  

新興5ヵ国が要求する極めて厳しい中期、長期の数値目標をG8が受け入れることは不可能で、新興国と先進国との隔たりは極めて大きい。米国が新興国を論議に組み込んだのは、数値目標設定に難色を示すインドや中国を、同じ思惑を持つ米国の隠れ蓑として利用するためだとも考えられる。

  

今回の洞爺湖サミットはG8のリーダーシップの欠如を浮かび上がらせると同時に、MEMやUNFCCにおける具体的目標設定が極めて困難である現実を改めて際立たせて終了した。

   

   

これも美爾依さんが紹介された記事だが、北海道新聞の報道によると、英国タイムズ紙が、日本政府がサミットに約600億円もの巨費を費やしていることを指摘したそうだ。タイムズ紙の指摘では、日本はサミット運営費に英国の3倍以上の経費をかけており、その半分が警備費用に充てられている。サミットそのものにも250億円が費やされたが、英国が3年前にサミットを主催したときはこの10分の1だったとのことだ。

   

高齢者に必要な医療を切り捨てるほど財政事情が悪化していると主張し、政府の無駄をゼロにしようと掛け声をかけているのなら、福田首相は今回のサミットをいかに「エコ」ノミーに運営したかをアピールすべきだった。豪華ディナーを堪能しながらアフリカの食糧危機を論じても、アフリカの市民も日本の国民も白けるだけだ。

  

  

米ソ冷戦終焉後に、「地球環境問題」が最重要の国際政治課題として急激に浮上した経緯を詳細に論じている米本昌平氏の著書『地球環境問題とは何か』(1994年、岩波新書)を改めて読み直した。

  

米本氏は1988年9月のシュワルナゼ・ソ連外相(当時)演説、同年12月のゴルバチョフ・ソ連書記長(当時)演説の重要性を指摘する。著書には、科学的根拠が曖昧な地球環境問題が最重要の国際政治課題に位置付けられ、主要国による激し主導権争いが展開されてきた経緯が詳細に示されている。

  

同書から、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された地球環境サミットでのキューバのカストロ首相の演説を引用する。

  

「コロール・ブラジル大統領、ガリ国連事務総長、そして皆様。

   

重要な生物種が、その自然のすみかを急速に失うことで、消滅の危機に立たされている。人間である。われわれは、これを避けるにはたぶん遅すぎる時期に至って初めて、この問題に気づきはじめた。この残虐な環境破壊の主たる責任は消費社会にあることは、大いに注目してよい。

   

彼らは、かつては植民地であったところの巨大都市と帝国主義政権の申し子であり、これが今日、人類の大多数に天罰として、貧困と退歩をもたらした。

  

世界の人口のわずか20%の人間が、世界全体が生産する金属資源の3分の2と、エネルギーの4分の3を消費している。彼らは、海と川を有害物質で汚し、空気を汚染した。彼らは、オゾン層を傷めて穴をあけだし、気象を乱してカタストロフィーをもたらすガスを大気に充満させたため、われわれはいまその脅威にさらされようとしている。

   

森林の消滅、砂漠の拡大、肥沃な土壌が毎年何億トンも海に流出している。おびただしい生物種が絶滅直前にある。過剰人口と貧困は、たとえ自然資源を食いつぶして生存へともがこうとも、その努力を空しくする。

  

この責を第三世界諸国に押しつけることはできない。ほんの昨日まで植民地であり、今日なお不公正な世界経済秩序によっておとしめられ、搾取されているからである。解決は、第三世界が不可欠とする開発をやめることではもたらされない(中略)。

   

不平等な保護貿易主義の運用と対外債務は、生態系への凌辱であり、環境破壊を構造化するものである。世界が利用可能な富と技術のよりよい配分こそが、このような破壊から人間性を守るのに必要である。

  

少数の国が奢侈と浪費を抑えさえすれば、それだけ、地球上のより多くの人問が貧困と飢餓から逃れる。

   

環境悪化を招いている第三世界の生活様式と消費行動に戻るような道は避けるべきである。人間の生活を理性化させよ。正しい国際経済秩序を求めよ。科学を混じりけのない持続ある発展に向けよ。対外債務ではなく、生態的債務(ecologic debt)にこそ支払いがあるべきである。飢餓は人類の前から追放されなければならない。

  

共産主義からのとされた架空の脅威が消え、冷戦と軍拡競争と軍事費への口実がなくなったいま、これらの財を第三世界の発展を促し、地球の生態学的破壊という脅威を回避するために投入することに、どんな障害があるというのか?

  

利己主義と覇権主義はこれをもって終りにしよう。冷酷、無責任、欺隔はやめにしよう。もうはるか以前に着手すべきであったことを明日からやる、というのでは遅すぎるのだ。ご静聴感謝します」

 

 

グリーンランドは中世温暖期には牧草が広がる、文字通りの緑の島だった。地球温暖化仮説の根拠には曖昧な部分が多い。地球環境を保護すること、ライフスタイルを転換することは重要だが、曖昧な根拠に立つ人為的取り決めが独り歩きする事態は回避すべきである。

  

国連での論議に際しては、成長途上国の発展権の尊重も重要である。先進国のエゴを排する、環境問題を利権争奪の場としない、環境問題を原子力利用推進の隠れ蓑にしない、などを改めて確認することが求められる。

 

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2008年7月 9日 (水)

地球環境問題の目的外利用を排除すべし

  

7月7日から北海道洞爺湖町で開催されているサミットは、すでに2日間の日程を終えた。地球温暖化、原油価格上昇、食糧危機、ドル危機などの重要テーマが掲げられ、実効性のある論議が期待されているのだが、これまでのところ目立った成果が得られているとは言えない。

  

地球温暖化問題については、2050年までにCO2排出量を半減することを目標とすることで、G8合意を得られるかどうかが焦点とされていたが、事前の予想通り、各国が主導権をめぐって駆け引きを繰り広げ、玉虫色の決着になった。

長期目標については、「気候変動枠組み条約(UNFCCC)の全締約国と共有し、採択を求める」ことが合意されるにとどまり、G8での合意は成立しなかった。

  

京都議定書から離脱し、CO2削減に消極的であった米国は、米国国内での環境問題への世論の関心の高まりと、原油価格上昇が持続するなかで、原子力利用のチャンスが広がりつつあるとの認識の上に、最近になって、環境問題への積極姿勢を示し始めている。

  

昨年には京都議定書の枠組みの外に存在する中国、インドなどを招き入れ、主要経済国会合(MEM)を発足させ、欧州が主導権を握ってきた温暖化対策論議に対抗するかのように、MEMを舞台にして新たに米国が温暖化対策を主導しようとしているように見える。

  

2005年時点で米、中、印の3ヵ国は世界のCO2総排出量の44.4%を占めており、この3ヵ国を除外した取り決めでは、排出量削減は実効性を伴わない。

  

環境問題は南北問題の性格を強く帯びている。CO2排出量と経済活動規模との間には正の相関がある。すでに成長を遂げ、豊かな生活水準を享受している先進国が、地球環境を守るために成長途上国に対してもCO2排出量の抑制を求めることは、成長途上国の経済発展の権利(発展権)を奪う先進国のエゴであるとの反発がある。

  

中国、インドなど新興国5ヵ国は、先進国に「2050年までの80~95%削減」を求める宣言を発表して、世界全体での温暖化ガス排出量50%削減の目標設定を強くけん制している。米国は中国やインドが参加しない取り決めは実効性を持たないとの論拠を活用し、米国の長期の数値目標設定に慎重な姿勢を崩していない。

  

2020年までの中期目標についてG8は、「野心的な中期の国別総量目標を実施する」としたが、具体的な数値目標を盛り込むことができなかった。

  

中国の胡錦濤国家主席をはじめとするMEMに参加するインド、ブラジル、メキシコ、南アフリカの新興5カ国首脳は8日午後に会談し、温室効果ガスについて、上述したように「先進国は50年までに90年比で80~95%削減すべきだ」と求める政治宣言を発表し、さらに、2020年までの中期目標についても、先進国に「25~40%の削減」を要求した。数値目標設定を見送ったG8に対して先手を打つ形になっている。

  

G8と新興成長国との意見の隔たりは大きく、長期目標についても中期目標についても、実効性のある合意を得ることは困難である。CO2の排出量を抑制しようとの総論で合意が得られても、各国の経済負担を伴う個別目標の設定においては、利害が激しく衝突する。

   

2008年に発効した京都議定書の枠組みにより、日本は2012年までに1990年比でCO2排出量を6%削減することを約束しているが、現在までに排出量は逆に6%増加しており、目標達成には12%削減が必要になっている。目標達成は絶望視されており、日本は合計最大で2兆円近い排出枠を買い取る必要があるとも見られている。

  

環境問題での主導権の一角を確保するために、巨大な資金負担を招いている日本政府の対応を反省すべきである。緊縮財政運営が維持されているなかで、環境対策費は聖域扱いされているが、その政府支出が他の重要な政府支出と比べて本当に優先順位が高いのかどうかを詳細に検証しなければならない。

   

新聞各紙を見ても、環境問題関連の広告は突出して大きく、政府広報も膨大な規模になっている。高齢者医療、介護、障害者支援、生活保護などの国民生活に直結する費目が容赦なく切り落とされているなかで、地球環境の名を借りた冗費が拡大している現状を検証しなければならない。

  

国内産業界、金融業界、監査法人・広告代理店・コンサルティング業界が、環境問題を利権争奪の場と位置付けている側面も強い。また、環境問題の衣をまとった原子力利用推進の動きが本格化していることにも注意を怠れない。

  

米国が急速に環境問題に強い関心を寄せ始めた裏側に、原子力ビジネス拡大の思惑があるとも指摘される。CO2排出量削減を目標に掲げると、原子力発電が相対的に推進されやすくなる論理の盲点に注意しなければならない。

  

米国のスリーマイルアイランドや旧ソ連のチェルノブイリ事故、日本の東海村や関西電力美浜原発での事故、新潟柏崎原発の地震被害などを背景に、原子力発電やプルサーマル計画に対する逆風が強まっている。地球環境への取り組みが、十分な安全性の論議を欠いた原子力利用推進の原動力として活用されることには十分な警戒が必要である。

  

らくちんランプのスパイラルドラゴンさんが多くの情報を提供されているが、地球温暖化仮説そのものに対する懐疑論には無視できないものが多く含まれている。北極の気温は温暖化ガスが増加した1940-1970年にかけて大幅に低下した。地球の保温メカニズムには、空気中濃度の99%を占める窒素と酸素の働きが大きいとの説明も説得力を持っている。また、地球の温度変化の主因は太陽活動の変化にあるとの主張も説得力を有している。

  

日本政府には、見かけの栄誉を優先して安易にリーダーシップ獲得競争にのめりこむことよりも、日本の国益を重視し、冷静な視点から環境問題を批判的に検証する真摯な対応が求められる。

  

原油高、ドル安の問題は、当面の最大の経済金融問題であり、サミットの場を活用しての深い、実効性のある論議が強く求められたが、伝えられる情報は、これらの重要問題について、雑談程度の論議しか行われなかった疑いが濃厚であることを示している。

  

この問題については機会を改めて記述するが、「投機資金を監視する」だけで原油価格高騰などの問題が解決するとは考えにくい。巨額の費用と時間を投下している「サミット」を最大限に活用しようとする姿勢が感じられないことが大きな問題だと思う。

  

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2008年6月25日 (水)

地球温暖化仮説への疑念

「晴天とら日和」様kobaちゃんの徒然なるままに」様、「無愛想のブログ」様「憲法と教育基本法を守り続けよう」様「こわれたおもちゃを抱き上げて」様「小畑くにおBLOG」様、記事のご紹介ならびに貴重なご高見をありがとうございました。深く感謝しております。「副島隆彦」様には、いつも応援をいただきまして、感謝しております。

kojitakenの日記」、ならびに「きまぐれな日々」主宰者のkojitaken様、ご丁重なメッセージを掲載くださいましてありがとうございました。過分なお心遣いを賜りましてありがとうございます。私の説明も不十分であったと感じております。意見や主張がそれぞれの個人によって異なるのは当然のことだと思いますが、各人が互いに尊重し合いながら健全な論議を深めてゆくことができればうれしく思います。今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。「カナダde日本語」の美爾依さんには身に余るご尽力を賜りまして心よりお礼申し上げます。

また、「_~山のあなたの空遠く幸い住むと人のいう」様にはいつも、ビジュアルなご紹介をいただきましてありがとうございます。

  

  

7月7日から9日にかけて北海道で開催される「洞爺湖サミット」では、環境問題が討議される見通しだ。環境問題については「らくちんランプ」のスパイラルドラゴンさんが多くの貴重な情報を提供くださっているが、CO2による地球温暖化の仮説自体が十分に科学的に裏付けられていないことを知る人は驚くほど少ない。

地球温暖化は、人間の産業活動に伴って排出された温室効果ガスが主因となって引き起こされているとする。「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)によって発行された「IPCC第4次評価報告書」によって、人為的な温室効果ガスが温暖化の原因であるとされている。

  

しかし、地球の歴史を振り返ると、地球の気候は時代とともに大きく変動して現在に至っている。野上道男氏の「地球温暖化Q&A」によると、

  

「長期間の気温変動は気候変動の1つですが、証拠が残りやすいので観測が行われる以前の時代についても、いろいろな周期の変動があったことがわかっています.例えば、地質時代の中生代から新生代へは寒冷化のフェーズ、第三紀から第四紀へは寒冷化のフェーズ、最終間氷期(12.5万年)からは寒冷化(後氷期に回復)、縄文時代(後氷期の最温暖期)からは寒冷化、弥生時代からは温暖化、小氷期(江戸時代中期ごろが中心)から現在を含む観測時代へは温暖化のフェーズとなっています.」

とあり、地球は温暖期と寒冷期とを繰り返して現在に至っている。

  

  

洞爺湖サミットに関して、共同通信が以下のニュースを配信している。

  

「7月7日に開幕する主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の議長総括や合意文書に、日本が地球温暖化対策として提案している温室効果ガス削減に向けた「セクター別アプローチ」に対する肯定的評価が明記されることが21日、固まった。新興、途上国から一定の支持を得られたためで、消極的姿勢だったドイツも容認の方向に転じた。複数の外交筋が明らかにした。

 国別削減目標の設定に、産業分野別に削減可能量を積み上げるセクター別アプローチが「有益」「重要」とする案が有力。京都議定書に続く2013年以降の温暖化対策の国際枠組みづくりで、この方式が採用される可能性が高まりそうだ。

 ただ欧州連合(EU)内には、削減可能量を積み上げるだけでは温暖化に歯止めをかけるために必要な中長期目標の達成は困難との見方が根強く、さまざまな条件が付くことも予想される。

 セクター別アプローチは、福田康夫首相が今年1月のスイス・ダボス会議で提唱。温室効果ガス削減の目標を決める際に(1)透明性や公平性が確保される(2)省エネ技術導入につながる?と国際基準化を訴えてきた。」
2008/06/22 02:05 【共同通信】)

  

  

過去1000年の時間を区切っても、中世の温暖期やその後の小氷期が存在したことが知られている。過去40万年では、およそ10万年周期で温暖期と寒冷期が繰り返されてきた。

  

地球温暖化仮説は人為によるCO2排出が近年の温暖化の主因であるとするものだが、この仮説に対する懐疑論が多くの専門家から提示されており、説得力のある主張も多い。

  

  

北極圏の研究で知られる地球物理学者の赤祖父俊一氏の指摘をスパイラルドラゴンさんが紹介しているので、引用する。

  

「この100年の期間、北極圏での平均温度変化を見てみよう。すぐに分かることは、北極圏ではやはり二回、同様の温度変化が起こったということである。

  
 さらにその変動の幅は、地球平均変動の幅に比較してはるかに大きかったことであり、第一回目の変化のピークは、現在の温度と比較すると大体同じであるか、少し高かった。

   
 しかし、炭酸ガスが上昇し続けたにもかかわらず、1940年から気温はいったん減少したことであり、したがってその上昇の大部分と降下は、炭酸ガスには直接関係がないということである。

   
 さらに1970年からの上昇の一部は、1910年からの上昇と同様の上昇によると考えることを、全く否定する根拠はない。」

  

  

地球環境が重要であることを否定しようとは思わないが、地球温暖化により、近い将来に世界が破滅的危機に直面するとのイメージが流布され、その原因がCO2にあると断定し、その断定に基づいて、CO2の排出量規制を設定し、排出権取引を開始する方向に主要国が突き進む現実には異様な不自然さを感じる。

  

1995年に議決され2005年に発効した京都議定書には、最大のCO2排出国である米国が参加しておらず、カナダも目標を放棄している。基準年が1990年とされたことで、日本の排出量削減が極めて困難な状況にある。

  

このまま進むと、今後、各国のCO2排出量キャップが設定され、排出権取引が開始されるときに、日本は世界で最も大きな資金負担を背負わされることになる。サミットでの成果をアピールするために、国益を無視して日本に著しく不利な合意形成に突き進むことは日本の正しい選択ではない。

  

   

日本のマスメディアは洞爺湖サミットに向けて環境問題を集中的に取り上げているが、地球温暖化仮説に対する懐疑論を含めて冷静な分析を提示するものは皆無に近い。

  

産業界は環境関連ビジネスをビッグ・ビジネス・チャンスと捉えている。金融業界も排出権取引に重要なチャンスを見出し、政治権力への強い働きかけを展開している。電力業界は原子力発電の安全性に対する懸念が世界的に拡大し、利潤の面から圧倒的に有利な原子力発電推進に強い逆風が生じている現状を転換する最大の契機として環境問題を捉えていると考えられる。

  

国民がデマゴギー、プロパガンダに彩られたメディア・コントロールの闇に包まれて、利権にまみれた政治論議だけが暴走する現状を打破しなければならない。地球環境問題に対する冷静な論議が求められる。

  

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