103年前の未解決虐殺事件
1923年9月1日に関東大震災が発生。
日本の地震災害史上で最大の被害をもたらしたと見られる。
首都圏の死者は10万人、住居消失者は200万人を超えた。
「帝都壊滅の危機」に日本政府は9月2日、「戒厳令」を布告。
未曾有の災害と流言飛語によってパニックが生み出され、多くの人が朝鮮人狩りに狂奔した。
殺された朝鮮人の数は6000人余とされる。
800人近い中国人も東京、神奈川で虐殺された。
「不逞鮮人が井戸に毒を入れた」
「日本人を皆殺しにしようと火を付けた」
との流言飛語が流布されて何の罪もない朝鮮人、中国人が多数虐殺されたのである。
その背景に日本政府の悪事が存在した。
「1923年9月3日午前8時15分了解」の記述とともに内務省警保局長名で各地方長官宛てに
「東京付近の震災を利用し、朝鮮人は各地に放火し、不逞の目的を遂行せんとし、現に東京市内に於て爆弾を所持し、石油を注ぎて放火するものあり。
既に東京府下には一部戒厳令を施行したるが故に、各地に於て充分周密なる視察を加へ、鮮人の行動に対しては厳密なる取締を加へられたし。」
との「官製デマ」が打電されたのだ。
流言飛語には明確な発信源が存在したのである。
震災によって被害を受けたことと、騒乱のなかでの流言飛語によって実行された暴力、暴虐行為によって被害を受けたことは、まったく別の問題である。
関東大震災の発生から103年となった9月1日午前10時から東京都墨田区の都立横網町公園の都慰霊堂で犠牲者を悼む大法要が営まれた。
これとは別に、都慰霊堂の横にある、震災直後のデマによって殺害された朝鮮人犠牲者を追悼する碑の前で、殺害された朝鮮人犠牲者を追悼する式典が開かれた。
式典は日朝協会都連合会などでつくる実行委員会が主催。
歴代の東京都知事は、横網町公園で毎年行われてきた朝鮮人犠牲者追悼式典に追悼文を寄せてきた。
しかし、小池百合子都知事は2017年以降、追悼文の送付を取りやめている。
実行委は毎年、小池百合子東京都知事に式典への追悼文送付を要請しているが、小池知事は「(都慰霊協会主催の)大法要で全ての方たちに対して慰霊を行っている」として今年も追悼文を送付しなかった。
関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑前で開かれた追悼式典で在日本朝鮮人総連合会東京都本部常任委の李俊成(イジョンソン)国際部長は
「自然災害で亡くなられた犠牲者と、虐殺の被害者は性質が異なる。歴史的事実を否定しようとしていることに憤りを禁じ得ない」
小池都知事の姿勢を批判した。
9月1日に先立つ8月31日夕刻、東京都御茶ノ水にある明治大学リバティーホールにおいて
「関東大震災朝鮮人・中国人虐殺103年犠牲者追悼大会」
が開催された。
追悼大会では虐殺によって犠牲になった方の遺族が登壇して追悼の挨拶をしたほか、健康問題で来日できなかった遺族がビデオでメッセージを送られた。
日本政府は
「事実関係を確認できる記録が見つからない」
として虐殺の事実を認めず、謝罪も補償もしていない。
国会では野党が政府を厳しく追及しているが日本政府は態度を変えていない。
追悼大会には韓国の国会議員が7名来日。
韓国議会は2025年12月に
「関東大震災朝鮮人犠牲事件の真相究明及び犠牲者名誉回復に関する特別法」
を制定した。
韓国議会が日本に先行して朝鮮人中国人虐殺の真相解明に大きな一歩を踏み出したのである。
韓国から来日した国会議員が画期的な立法についての解説を示された。
日本の国会議員からも立憲民主党杉尾秀哉参院議員、社会民主党ラサール石井参院議員、日本共産党小池晃参院議員、中道改革連合有田芳生衆院議員が登壇してスピーチした。
私たちは加害の歴史から目をそらしてはならない。
未解決の問題が残存している。
100年の時空を超えて果たすべき責任を果たすことが必要である。
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