日米欧協調利上げの可能性
9月中旬から下旬にかけて重要日程が立て込む。
金融市場では内外金融政策の動向に関心が集まる。
日米欧で金融政策決定会合が開催される。
欧州中央銀行(ECB)の定例理事会は9-10日。
まもなく結果が発表されるが、ECBの主要政策金利である中銀預入金利を0.25%引き上げ、2.50%とする可能性が高い。
8月のユーロ圏消費者物価指数上昇率が3.3%に上昇した。
エネルギー価格の上昇が最大の背景。
ECBは本年6月に約2年9カ月ぶりとなる利上げを決定。
その後、原油価格が下落して前回理事会(7月)では追加利上げが見送られたが、原油価格が再び上昇基調を示しており、インフレ抑制の政策スタンスを明示するために追加利上げが決定される可能性が高い。
米国の政策決定会合であるFOMCは9月15-16日に開催される。
利上げが決定されるかに関心が集まっている。
本年5月22日にFRB議長にケビン・ウォーシュ氏が就任した。
この人事を行ったのはトランプ大統領。
利上げ嫌いで有名なトランプに起用されたFRB新議長がどのような政策運営を行うのか。
金融市場はインフレに甘い対応を示すFRB議長を警戒する。
2018年にはパウエル氏がトランプ大統領によってFRB議長に起用された。
金融市場はインフレに甘い対応を警戒して長期金利上昇、ドル下落の反応を示した。
これに対してパウエル議長は2018年に4回の利上げを断行。
インフレ圧力に断固とした対応を示すことを政策決定で明らかにした。
金融市場の不安は完全に払しょくされた経緯がある。
本年8月末にワイオミング州のジャクソンホールでFRBシンポジウムが開催された。
ウォーシュ新議長の講演が最大の焦点だったが、ウォーシュ氏は物価安定の重要性を指摘した上で、この観点から不足があればやるべきことがあると述べた。
ウォーシュ氏はあらかじめ金融政策運営の方向性を示す「フォワード・ガイダンス」には否定的な立場を示したが、金融市場は同氏の利上げに積極的なスタンスを読み取った。
また、9月4日に発表された8月米雇用統計で雇用者増加数が市場予想(5.5万人)を大きく上回る16.2万人になった。
これらの状況を踏まえると9月16日のFOMCでFRBが0.25%幅の利上げを決定する可能性は高いと考えられる。
パウエル議長の事例を踏まえても、FRB議長が金融市場の信認を得るには、インフレに対する毅然とした対応を示すことが有効である。
ウォーシュ氏は手の内を見せないことを重視しているために事前予想は難しくなっているが、利上げを決定する確率が相対的に高いと判断される。
ただし、FOMCに先立って9月11日に8月米消費者物価指数が発表される。
この数値がFRB政策決定に影響を与えることは言うまでもない。
その意味で、断定的に政策決定を決めつけることは適当でない。
米国の政策決定を受けての日銀の政策決定会合になるが、ここでは0.25%幅の利上げが決定される可能性が高い。
日本のインフレ率は消費者物価指数で前年比約2%上昇している。
これに対して日本の短期政策金利は1.0%水準。
インフレ抑止の政策スタンスを明示するために利上げを決定するのが妥当である。
また、日本円は暴落しており、円暴落是正の観点からも日銀の利上げは正当だ。
高市内閣はこれまで日銀利上げを妨害する姿勢を示してきたが、米国が日銀の利上げを求めると、手のひらを返して米国に隷従する姿勢を示す。
単なる対米隷属である。
米国は巨額の対日投資の「出口戦略」として円高を求め始めたと考えられる。
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