袴田事件の教訓
袴田事件での無罪確定を背景に刑事訴訟法が改定された。
しかし、最重要の事項についての法改正は実現しなかった。
法改悪だ。
検察不祥事が相次ぐ。
しかし、検察の暴走を止める方策が取られない。
大阪地検では地検トップの犯罪が明るみに出た。
大阪地検のトップだった北川健太郎元検事正が準強制性交の罪で逮捕、起訴された。
被害者は部下だった女性検事。
現在は「ひかり」の名で”empathy”というタイトルのノートで記事を発信されている。
2024年10月25日の初公判で北川被告は起訴事実を認めて謝罪したいと述べた。
ところが、その2ヵ月後に無罪主張に転じた。
第2回公判はまだ開かれていない。
ひかりさんは検察組織内のハラスメント実態調査や組織健全化のための
第三者委員会の設置を求めている。
しかし、検察は応じていない。
また、元東京地検特捜部の西田将仁検事は、自身が捜査に関わった事件の関係者(女性)と不適切な交際を持ち、取り調べ等の目的で公費(税金)により確保していた都内のホテルに女性を呼び寄せて性的行為に及んだとして2026年7月29日付で懲戒免職処分を受けた。
大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件の取り調べで「検察なめんなよ」などの違法な言動があったとして特別公務員暴行陵虐罪で審判に付された元大阪地検特捜部検事の田渕大輔被告の初公判が7月10日に大阪地裁で開かれた。
さらに、東京地検特捜部が手がけた刑事事件で不当な取り調べをしたとして、東京地裁は6月24日、元東京地検特捜部検事の堀木博司を特別公務員暴行陵虐罪で審判に付す決定を出した。
検察の不祥事、犯罪は枚挙に暇がない。
しかし、検察の不正、犯罪を抑止するための制度改正は進まない。
大阪地検特捜部による元厚生労働省官僚の村木厚子さんに対する冤罪事件。
冤罪が明らかにされて検察改革が叫ばれた。
その結果として刑事訴訟法が改定されたが、大きな進展はなかった。
袴田巌さんの無罪が確定して再審制度に関する制度改正が論議されたが制度改正は実現しなかった。
大阪地検特捜部の証拠改ざん事件では特捜部長、特捜副部長、検事の3名に有罪判決が下され、1名は実刑になった。
この事件を契機に検察改革が叫ばれて2016年に法律が改定されたが大きな前進はなかったのだ。
10年が経過して2026年に再び刑事訴訟法が改定されたが、今回も肝心な部分で「法改正」は実現しなかった。
重要な事項は三つ。
1.取り調べの全課程、全関係者に対する完全可視化
2.裁判所が再審開始決定を示した場合の検察の抗告権を認めないこと
3.証拠の全面開示の義務付け
この三つを実現するだけで日本の刑事司法は一変する。
逆に、この制度改正が断行されなければ、日本の刑事司法は暗黒の状態に据え置かれる。
刑事裁判の有罪判決が99.9%以上を占めると言われる日本の裁判所にあって、珍しく無罪判決を書くことに積極的だった裁判官として知られる木谷明元裁判官が昨年11月に亡くなられた。
木谷氏は現役中に30件以上の無罪判決を確定させた実績を持つ。
その木谷明氏が編者となって編纂された
『袴田事件の教訓
冤罪の予防・救済のために』
https://www.iwanami.co.jp/book/b10166247.html
が刊行された。
日本の刑事裁判に潜む問題を、袴田事件を素材にして、第一線の裁判官OB、刑事法学者が論じている。
その他、刑事裁判の合議自体に潜む問題についての座談会も収録されている。
同書の刊行を記念してシンポジウムが開かれる。
「刑事裁判と冤罪を考えるシンポジウム――袴田事件の教訓」
https://x.gd/4Oc2T
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『日本経済の終宴』(ビジネス社)
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