歴史直視しない愚かな首相
8月15日の全国戦没者追悼式で高市首相は
戦争の被害を強調し、
「平和を重んじる国」として「戦争の惨禍を二度と繰り返させない」
と述べた。
まるで日本が「平和を重んじる国」であったのに戦争の被害を受けて、
他国に対して「戦争の惨禍を二度と繰り返させない」と主張しているかのような式辞だった。
当然のことながら強い批判が巻き起こっている。
追悼式で天皇は
「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和とわが国の一層の発展を祈ります。」
と述べた。
過去を振り返り、「深い反省」の上に立つことを明言した。
村山首相は1995年に談話で
「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ」
たと述べた。
さらに、
「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました」と述べた。
その上で、
「疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします」
と述べた。
天皇や村山首相の言葉の根底には日本の戦争責任に対する深い反省の念がある。
そして、その「誤り」によって国民ならびに近隣諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えたことに対する謝罪の気持ちがある。
敗戦の日を迎えて、改めて過去の歴史事実に向き合い、不戦の誓いを新たにすることに大きな意味がある。
ところが、高市首相の言葉には
正しい歴史認識も
過去の日本政府の行為に対する深い反省も
内外の人々に損害と苦痛を与えたことに対するお詫びも
まるでない。
「戦争の惨禍を繰り返させない」
の表現は、日本は平和を重んじる国であるのに、他国が「戦争の惨禍を引き起こした」と受け取られかねない言い回しだ。
また、高市首相は日本武道館の駐車場で、靖国神社の方向に向かって「二拝二拍手一拝」で遥拝(ようはい)を行ったという。
首相の靖国参拝に近隣諸国が反発するなかで、靖国に参拝はしないが拝礼はするという「つじつま合わせ」の行為を示したと言える。
高市首相は首相になる前の2022年2月の講演で
「日本国のトップになるようなことがあったら、すっと参拝を続けたい。
途中で参拝をやめるなど中途半端なことをするから相手がつけ上がる。」
と述べた。
ところが、首相に就任してから靖国を参拝していない。
過去の発言との整合性が問われている。
右翼勢力からの批判があり、つじつま合わせとして駐車場での拝礼に至った模様。
これを「姑息」という。
「姑息」の本来の意味は「その場しのぎ。一時の間に合わせ。」だが、現代では
「ずるい・卑怯な」という意味で使われることが広く定着している。
言葉は生きものであり、時代の変化によって「読み方」、「用法」、「意味」が変化する。
このことを明記しておきたい。
高市首相は首相就任直後の昨年10月の衆院予算委員会質疑において
植民地支配と侵略に対する反省とおわびを表明した戦後50年の村山富市首相談話など「歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、これからも引き継いでいく」との考えを表明している。
ところが、そのことが言動で示されない。
高市首相がこのまま首相で居続けることは日本国民にとって有害無益である。
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