「たしかな野党」再建最重要
日本政治の最大の問題は「たしかな野党」の弱体化。
政権与党の中心に自民党がいる。
本年2月の総選挙比例代表選で自民に投票した有権者は20%。
有権者全体の5人に1人しか投票していない。
直接的な支持率はわずか20%。
ところが、衆議院議席の68%を占有した。
比例代表の名簿登載者が不足して本来自民が得た議席が他党に流れた。
この分を含めれば71%の議席を占有するところだった。
全投票者中、自民に投票した有権者は37%。
37%の得票率で78%の議席を占有した。
その原因は「小選挙区制」にある。
「小選挙区制」は大政党に有利な制度。
二大政党体制の下では「小選挙区制」に意義がある。
政権交代を引き起こしやすい。
しかし、多党乱立、あるいは、一強多弱の政党存立の下では弊害が大きい。
議会の議席配分の構成が得票率と著しく乖離する。
この問題を解決するには全議席を比例代表で選出するのがもっとも合理的。
比例代表の得票率に応じて議席を配分すると、本年2月の総選挙での自民獲得議席は171になる。
衆院過半数の233にも遠く及ばない。
この171が自民の実力を示す議席数。
現在の多党乱立状況、一強多弱の政党存立状況を踏まえれば、選挙制度を抜本的に改正して、全議席を比例代表で選出するのが望ましい。
その際に、大きな問題になるのは、有権者が望まない人物が議員になること。
この弊害を除去することのできる方法がある。
政党は候補者に順位をつけず、投票は政党名でなく候補者名で行うこと。
議席配分数は政党ごとに決定するが、当選者は得票の多い者から配分する。
こうすると、主権者が議員にしたくない人物が議員に選出されることがなくなる。
定数削減問題との関連で選挙制度論議が浮上しているが、比例代表議席を減らすことは上記の視点から見れば適正でない。
全議席を比例代表選挙で選出する選挙制度改革を断行するべきだ。
話を本題に戻す。
自民政治に正面から対峙する「たしかな野党」勢力が弱体化している。
その理由は「与党にすり寄る野党」=「ゆ党」が拡大していること。
自民の基本路線は、憲法改定=軍拡路線、原発推進、消費税増税、である。
すべての基本に置かれているのは「対米隷属」。
これと正面から対峙する基本政策とは
平和主義堅持=護憲、原発廃止、消費税減税廃止、である。
すべての基本に「対米自立」が置かれる。
この「たしかな野党」勢力に分類されるのが、共産、社民、旧れいわ、旧立民の一部、である。
近年議席数を拡大した、維新、国民、参政、保守、みらい、が「ゆ党」に括られる。
維新は「ゆ党」から「よ党」に転じ、公明は「よ党」から「ゆ党」に転じた。
2月選挙前に中道改革連合が創設されたが、これも「ゆ党」としての性格を鮮明に示した。
このなかで、「れいわ」が解党の危機に瀕し、あらたに「いのちの党」に党名を変更したが、足元がぐらついている。
重要なことは「たしかな野党」勢力の結集だ。
「れいわ」は他の野党全体を「与党と野党の癒着」と批判して、独自路線を強調した。
しかし、「れいわ」単独で政権を獲得するビジョンにリアリティーはなかった。
基本政策を明確にしたうえで、基本政策を共有し得る政治勢力と市民の大きな連帯を構築することが最重要である。
党名を変更して新たな出発を期す必要があるが、その際に明確にするべきことは「たしかな野党」勢力の結集を目指すことだ。
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