しょぼい減税の針小棒大報道
所得税負担が生じる最低ラインを「課税最低限」という。
「最低賃金」が引き上げられてきたのに「課税最低限」が引き上げられてこなかった。
日本ではインフレも進行し、実質所得が減っているが名目所得は増える。
所得税制度においては、生存権を保障するために一定の水準に達するまでは所得税負担が生じないように設計されている。
その課税が発生する最低水準が「課税最低限」。
従来の課税最低限103万円を178万円にまで引き上げることが提案され、制度変更が行われてきた。
最低賃金は1995年の611円から現在の1055円まで約1.73倍の水準に上昇。
従来の課税最低限103万円に1.73を乗じると178万円になる。
このことから課税最低限の引き上げが提唱され、一部実施されてきた。
自民党と国民民主党の合意で課税最低限が178万円に引き上げられることになったと大宣伝されているが明らかな誇大宣伝である。
基礎控除と給与所得控除の合計が178万円になることが必要。
これはすべての給与所得者に適用されるべきもの。
ところが、そうではない。
しかも、時限措置である。
26年の改正で課税最低限が178万円に引き上げられることになるが制度変更に伴う減収額は6500億円規模とされる。
つまり減税規模は0.7兆円。
2025年税制改正でも「103万円の壁」引き上げが議論された。
すったもんだの末に課税最低限の引き上げが行われたが減税規模は同じ0.7兆円だった。
2024年度には岸田内閣が定額減税を実施した。
まったく評価を得なかったが減税規模は3.3兆円。
このうち国税が2.3兆円だった。
これは単年度の時限措置で、その結果、25年度は減税消滅から逆に所得税は2.3兆円増税になった。
したがって、25年度は「103万円の壁」引き上げで0.7兆円減税が実施されたが、2.3兆円の所属税増税があるため、差し引き1.7兆円増税になった。
基礎控除と給与所得控除の合計178万円をすべての給与所得者に適用すれば大きな減税になるが控除拡大は所得の少ない層に限定した。
投票行動に影響を与えるため、年収665万円以下のゾーンにだけ減税額が大きくなる細工が施された。
しかし、全体の減税規模は25年度の0.7兆円に引き続き、26年度も0.7兆円にとどまる。
きわめて「しょぼい減税」だ。
6500億円減税は国民一人当たり5100円。
給与所得者一人当たりでも1万3000円。
他方、日本の税収はどのように推移しているか。
2020年度の一般会計税収が60.8兆円。
25年度の一般会計税収見積り額は80.7兆円。
この5年間で税収が年額で約20兆円増えた。
国民の税負担が1年あたり20兆円も増えたわけで実質的に年額で20兆円の増税が実施されてことになる。
この税収増を国民に還元しなければ極めて強いデフレ圧力が発生する。
いま論じなければならないことは20兆円規模の恒久減税だ。
税収が年額で20兆円増えたが、これは根雪として残る。
毎年20兆円の税収増が維持される。
したがって、自然増収は恒久減税の財源になる。
20年度に一律給付金を実施した。
これは国民全員に一人10万円の給付。
その財政負担は13兆円だった。
これと比較して25年度、26年度の減税規模はあまりにもしょぼい。
いま断行すべきは消費税減税。
消費税率を5%にすると地方税を含めて年額15兆円の減税になる。
国税だけで年額20兆円の自然増収があるのだから消費税率5%は直ちに実施できる。
全体数値を正確に捉えれば「しょぼい減税」大宣伝は明らかな目くらましであることが分かる。
続きは本日の
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第4283
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