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2025年12月

2025年12月13日 (土)

未明から練り上げた国会暴言

11月7日の高市首相国会答弁の背景が明らかにされた。

立憲民主党の辻元清美衆議院議員が提出した質問主意書への政府答弁書によって明らかになった。

11月7日の高市発言は前段と後段に分かれる。

前段の発言に特段の問題はない。

「歴代内閣の立場と一致する」との説明は成り立つ。

しかし、後段の発言は違う。

歴代内閣の立場を逸脱した。

前段では台湾有事の際の日本の対応について

「発生した事態に関して、どのような事態が発生したのかについての情報を総合的に判断しなければならない」

と述べた。

辻元議員が高市答弁に関連して官僚機構が準備した応答要領の開示を求め、政府が開示した。

前段の高市発言は準備された応答要領に則している

ところが、後段で高市首相はこう述べた。

「台湾を統一、まあ、中国北京政府の支配下に置くような」場合に、「それが戦艦を使って、武力の行使もともなうものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます」

前段とはまったく違う。

この答弁は官僚機構が準備した答弁でない。

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朝3時から準備した高市首相が自分の言葉で答弁したもの。

これを言うために午前3時から準備していたのかもしれない。

そして、この答弁が大問題を引き起こした。

高市発言には二重の意味で重大な問題がある

第一は日中友好関係を根底から破壊するものであること。

高市氏に弁解の余地はない。

第二は日本の安全保障政策の許容範囲を超えるものであること。

これは内政問題として国会で追及されなければならない。

日本と中国は53年間にわたって友好関係を築いてきた。

侵略と植民地支配という「加害責任」を負う日本と中国との和解は歴史的な偉業だった。

その日本と中国が国交正常化に際して重要な文書を取り交わした。

それが「日中共同声明」。

78年には「日中平和友好条約」も締結。

日本は「赦し」を得た。

その際に中国が絶対的に重視した二つの事項がある。

「中国の核心的利益」。

それは、

1.中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であること

2.台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であること

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この2点について「日中共同声明」は次のように記述した。

二 日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。

三 中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。

この意味について再論しない。

論理的に日本は台湾の中国帰属を認めた。

さらに、日中両国は、

「主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な平和友好関係を確立、発展させること」

「この諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないこと」

を確認してきた。

したがって、

日本の首相が「台湾有事で集団的自衛権行使」

と発言するのは誤りである。

高市氏は歴代内閣の立場を逸脱して

「台湾有事があればほぼ間違いなく集団的自衛権行使」

と受け取られる発言をした。

日中友好関係を根底から覆したと言って過言でない。

続きは本日の
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2025年12月12日 (金)

高市有事で日本経済大打撃

台湾問題について日本は中国とどのような約束をしてきたのか。

事実を正確にトレースすることが重要だ。

結論から示せば高市首相の国会答弁は日中両国が築いてきた友好関係の根幹を破壊する暴言であると言わざるを得ない。

高市首相は間違ったことを言っていないと擁護する者がいるが正しくない。

事実に基づく精密な検証が必要だ。

詳細は後段に記述する。

中国政府は高市首相発言撤回を求めている。

客観的に評価して中国の要求は正当だ。

高市首相は日本の国益を重視して発言を撤回すべきだ。

圧力に屈するという意味ではなく、日本と日本国民の利益に照らして発言撤回が妥当である。

間違っていないことを間違ったと言う必要はない。

しかし、間違ったのであれば謙虚に誤りを正すことが必要。

それが日本に対する信頼を損なわない行動だ。

首相の周囲の者は客観的に事実を確認して首相に進言するべきだ。

高市首相は日本と中国との約束ごと、外交文書等を正確に精査すべきである。

是を是とし、非を非とする公正な対応が強く求められる。

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高市首相が発言を撤回しない場合、中国は日本に対して厳しい対応を示すことが予想される。

その影響は軽微なものにはならないと考えられる。

四つの重要問題がある。

1.中国・香港からの来日者が激減して日本における国内消費が激減すること

2.エンターテイメント産業の中国での活動が激減すること

3.中国によるレアアース供給が激減すること

4.日本の不動産市況が急落に転じること

とりわけ1と4の問題が大きいと考えられる。

本年1月から10月までの訪日外国人は3554.7万人。

そのうち中国からの来訪者が820.1万人、香港からの来訪者が201.9万人。

中国のシェアが23.1%、香港が5.7%で両者合計は28.8%。

本年1月から9月までのインバウンド消費額は実質7.7兆円。

年換算10.3兆円でその28.8%は3.0兆円になる。

2024年度の日本の名目GDPは616兆円、うち民間最終消費が333兆円。

3兆円はGDPの0.5%、民間最終消費の1%に相当する。

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これが消えれば日本経済に重大な打撃が広がる。

とりわけ、中国、香港からの来日客のウェイトが大きい宿泊、運輸、飲食、小売り事業者への影響は深刻である。

4の問題も重大だ。

近年、日本の都心一等地不動産の価格高騰がすさまじい。

海外からの資本流入が価格高騰の主因と見られる。

日本円暴落が放置されており、日本が外国資本によって乗っ取られる危険が増大している。

「究極の売国政策」が実行されているということ。

高市首相はこれまで対応策を一切示してこなかった。

このなかで中国からの資本流入が都心部不動産価格急騰の背景の一つと見られている。

また、外国資本が全国の優良リゾートの高級物件を買い占める動きも加速している。

ところが、中国マネーが途絶える、あるいは、日本から引き揚げることになるとどうなるか。

日本の不動産市況に激震が走ることになる。

日本経済に深刻な影響が広がることが予想される。

その原因は高市首相の暴言にある。

高市首相が正しい発言を示したのなら撤回する必要は無論ない。

だが、高市首相発言に非があるなら、非を非として認めて撤回することが求められる。

それは日本が品格ある国家であろうとすれば当然の対応だ。

続きは本日の
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2025年12月11日 (木)

高市内閣40日の勤務評定

高市内閣の支持率が高いと言うが所詮はメディアによる調査結果。

その公平性、正確性を担保するものは何もない。

規制する法律もない。

回答は質問のしかたで変わる。

どのような文言で質問するか。

どのような順序で質問するか。

方法によって結果を誘導することができる。

メディアの世論調査結果を絶対視するべきでない。

高市氏が自民党の党首に選出されたのは10月4日。

そこから2ヵ月の時間が経過した。

内閣が発足したのは10月21日。

政権発足までに2週間以上の時間を要した。

これまでの足取りのなかでの重要点が三つある。

第一は「政治とカネ」問題の放棄。

第二は「台湾有事は存立危機事態」発言。

第三は18兆円の補正予算編成。

そもそも高市内閣発足の基本背景は7月参院選での自民大敗。

自民は昨年10月総選挙と本年7月参院選で惨敗した。

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最大の背景は「政治とカネ」。

史上空前の裏金不正事件が発覚した。

25年通常国会で「政治とカネ」問題に抜本的に対応する法改正が求められたが石破内閣は実行しなかった。

その結果、石破自民は7月20日参院選で大敗。

本来は直ちに石破氏が退き、新しい体制を発足させるべきだったが高市内閣発足までに3ヵ月の時間を要した。

すべてが遅い。

新体制の最優先課題は「政治とカネ」。

しかし、自民党首に就任した高市早苗氏は「政治とカネ」問題への取り組みを放棄した。

連立パートナーの公明が働きかけたが高市氏が拒絶。

連立組換えになった。

自維連立の最優先課題は「政治とカネ」への対応だったが自維連立は「政治とカネ」対応を放棄。

問題を筋の悪い「議員定数削減」にすり替えた。

メディアが機能しているなら、この対応で新内閣が吹き飛んでもおかしくなかった。

ところが、メディアは「政治とカネ」問題を放り投げた高市新内閣をまったく攻撃しなかった。

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臨時国会で衆院予算委員会が初めて開かれたのが11月7日。

ここで飛び出したのが「高市台湾有事存立危機事態発言」。

台湾有事が発生した場合の日本の対応について問われ、高市氏は

「台湾有事が、戦艦を使って、武力の行使もともなうものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケース」

と述べた。

「台湾有事が生じたときにいかなる事態が生じたかの情報を総合的に判断しなければならない」

と述べておけば問題は生じていない。

「台湾有事が生じればどう考えても存立危機事態」発言は

日中友好を根底から覆し、日中間の外国文書の積み重ねを破壊するもの。

中国政府が猛烈に反発するのは当然。

非のある高市首相が発言を撤回するしかない。

ところがメディアが高市発言を批判せず、全面擁護に回っている。

18兆円の補正予算。

規模は大きいが、すべての国民に行き渡る財政支出は極めて小さい。

利権まみれ、軍事まみれのバラマキ予算だ。

メディアは補正予算の中身を厳しく批判すべきだがまったくしない。

この状況下での世論調査結果は歪んだものになる。

国民は正確な情報を伝えられずに単に特定方向に誘導されているだけだ。

続きは本日の
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2025年12月10日 (水)

自衛隊機レーダー照射問題

中国軍の戦闘機が日本の自衛隊機にレーダー照射を行った問題を日本が大事件として大報道を展開している。

この問題に関して中国側は訓練海空域を事前に公表したと説明しているが小泉進次郎防衛相は

「ノータムや航行警報が事前に通報されていたとは認識していない」

と述べて中国側から訓練に関する事前通報はなかったと主張した。

「レーダー照射」問題はいつも日本が突然大事件として報道する展開が続く。

2013年1月30日には中国海軍のフリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」に対し射撃用の火器管制レーダーの電波を照射していたことが大きく報道された。

2018年12月20日には能登半島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内で韓国駆逐艦「広開土大王」が海上自衛隊のP1哨戒機に向け火器管制レーダーを照射したことが大報道された。

しかし、2018年のレーダー照射事案に関して元航空幕僚長の田母神俊雄氏は次のようなメッセージを発している。

「(レーダー照射について)全く危険ではない」

「今回ぐらいのことは世界中の軍が日常的にやっていることであり、電波照射をしてもミサイルが直ちに飛んでいかないような安全装置もかけられている」

高市発言で日本は窮地に追い込まれている。

客観的に評価して高市発言に正当性はない。

中国が厳しい対応を取るのは当然と言える。

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しかし、高市首相は「撤回しない」と主張しており、今後の情勢推移によっては一段と厳しい局面に追い込まれることが予想される。

このような状況下で中立公正な議論を示していないのが日本のマスメディア。

メディアこそ過去の事実を明らかにして、たとえ日本の政権であっても非は非として追及する姿勢を示す必要があるが、戦時中の翼賛報道と類似した対応を示している。

そのメディアが大本営と化して政府が発表する情報を針小棒大に伝えている。

今回のレーダー照射について中国は事前通知を行ったと説明しているが小泉防衛相は全面的に否定した。

これに対して中国国営メディアは実際の日中間の通信音声を公開して事実の立証を試みている。

中国国営メディアが報じた内容は次のもの。

中国軍とされる音声(中国語で呼びかけ)
「日本の海上自衛隊116番艦へ、中国海軍101番艦だ。我々の艦隊は計画に沿って艦載機の飛行訓練を実施する」

中国軍とされる音声(英語で呼びかけ)
「中国海軍101艦だ。我々の艦隊は計画に沿って艦載機の飛行訓練を実施する」

自衛隊とされる音声(英語で呼びかけ)
「中国軍101艦へ、こちら日本の116艦。メッセージを受け取った」

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この音声が事実をそのまま伝えるものであるかはまだ判明していない。

しかし、ねつ造した音声を公表する可能性は低いのではないか。

現時点で確定的な論評を示すことはできないが、仮に中国側が公表した音声が事実に即したものである場合、高市内閣は一段と窮地に追い込まれる可能性が高い。

その後、小泉防衛相は中国側から事前通告があった事実を認め、「詳細については連絡を受けていない」に発言を変えたが、当初の発言は誤りだったことになる。

日本サイドはレーダー照射問題を一大事として大々的に報じた。

日本政府の意向があり、大政翼賛メディアが政府の意向に沿って大報道を展開したものだと考えられる。

ところが、中国側が日本サイドに通告した上での行動であるなら意味合いはまったく変わる。

中国国営メディアは中国軍と自衛隊とのやりとりとする音声を公開した上で中国軍の訓練の前に自衛隊に対して複数回、訓練を行う旨の通報を行って自衛隊からも返答があったと説明した。

さらに訓練等に関する位置関係を表わす図を示して、訓練直後に日本側が接近して中国側が設定し、発表した訓練区域に入ってきたと説明している。

自衛隊機が訓練区域に入ったために中国軍機との距離が縮まってレーダー探知できる距離になったとしている。

さらに、中国側の関係者の証言として

「中国軍機も同じく自衛隊機からのレーダーを感知した」

と伝えている。

まずは事実関係の確認が先決だ。

もし、中国側の説明が事実に即している場合には、高市内閣は極めて厳しい状況に追い込まれることになる。

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2025年12月 9日 (火)

高市首相のごまかしすり替え居直り

84年前に日本が真珠湾に奇襲攻撃を実行した日付である12月8日に重要な記者会見が開かれた。

「村山談話を継承し発展させる会」

が参議院議員会館講堂で緊急記者会見を開催した。

会見テーマは

「高市発言を撤回せよ!
台湾有事を口実に日本を中国への
先制攻撃・侵略戦争に駆り立てるな!
-台湾問題は中国の内政問題だ-」

11月7日の衆議院予算委員会での高市首相発言が重大問題に発展している。

「発言を撤回せよ」との声が存在する一方で「発言を撤回すべきでない」の声も存在する。

メディアは

「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」(放送法第四条)

を求められるが、日本のメディアでは高市発言擁護の主張ばかりを大きく取り上げている。

11月30日付ブログ記事
「NHK登場藪中三十二の正体」
https://x.gd/5KpWW

メルマガ記事「保存版「高市大政翼賛メディア」」
https://foomii.com/00050

に詳述した。

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このなかで12月8日の緊急会見をいくつかのメディアが取り上げて報道している。

弁護士ドットコムニュース
「高市首相の台湾有事発言は「極めて危険」「憲法にも反する」、
有識者らが撤回求める緊急声明」
https://www.bengo4.com/c_16/n_19724/

2025y12m09d_103615786

東京新聞
「高市首相の台湾有事発言は「宣戦布告」「対話成り立たない」
答弁の撤回を求める元外交官と学者の危機感」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/454626

2025y12m09d_102258145

両記事に写真が掲載されているが、なぜか、東京新聞掲載の写真には私が消えている。

それはさておき、高市首相の重大発言については日本国内において賛否両論がある。

発言撤回を求める主張は明確な論拠を示している。

したがって、メディアは両論を適正に紹介し、市民が適正な判断を下せるための情報を提供すべきである。

会見では私も意見を陳述した。

発言の趣旨は以下のもの。

日中友好、日本経済への影響考慮、日本の品格の視点から高市首相は「是を是とし、非を非とする対応」を示すべきだ。

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問題の発言は11月7日の衆議院予算委員会質疑で出た。

高市首相はその後、

「歴代内閣の立場と一致している」

としながら、

「政府としての統一見解とするつもりはない」

と矛盾する発言を示している。

矛盾の主因は「ごまかし」と「すり替え」があると思われる。

「ごまかし」、「すり替え」は日本の国益を損なう。

高市首相の11月7日国会答弁は前段部分と後段部分に分かれる。

前段部分で高市首相は台湾有事と呼ばれる状況が発生した場合の対応について、

「そのときに生じた事態について、いかなる事態が生じたということの情報を総合的に判断しなければならない」

と述べた。

発言がこれにとどまっていれば問題は発生していない。

この部分は「歴代内閣の立場と一致している」と言ってよいだろう。

問題は後段部分である。

高市首相は台湾有事について再度問われ、

「台湾を統一、中国北京政府の支配下に置くような」場合に、「それが戦艦を使って、武力の行使もともなうものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースであると考える」

と述べた。

この発言は重大なもので発言撤回が求められる。

続きは本日の
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第4274

「高市発言撤回求める緊急会見」
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2025年12月 7日 (日)

「お米券」の裏側にある利権構造

大阪交野市(かたのし)の山本景市長が

「お米券は絶対に配りません」

とXで発信して話題を呼んだ。

最大の問題は経費率が高いこと。

週刊新潮インタビューで山本市長はこう述べた。

「お米券とは、全国米穀販売事業協同組合が発行する「おこめ券」と、JA全農が発行する「おこめギフト券」の2種類があるのですが、どちらも1枚500円で440円分の米が購入できる、というもの。

差額60円分は券の印刷代や流通経費、マージンなどに充てられるので、この段階で経費率は12%。

さらにこの券を住民に郵送するとなると、名簿を作り、切手を貼るなどの作業が生じ、業者に委託することになる。とすると、経費率は20%程度まで上がってしまい、極めて効率が悪い。

「プレミアム商品券」を配ったこともあるのですが、これも経費は20%程度かかった。

券を配るという方法では、どうしても少なくない経費が発生し、その分の恩恵が住民に行き渡らなくなるわけです。」

高市内閣が編成した18.3兆円の補正予算。

〈生活の安全保障・物価高への対応〉への予算配分8.9兆円のうち、〈足元の物価高への対応〉が2.9兆円。

そのうち〈重点地方交付金の拡充〉が2兆円で、そのなかに

〈食料品の物価高騰に対する特別加算4000億円〉

が計上された。

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政府が自治体に示した資料には「食料品の物価高騰に対する特別加算」の具体例として、

「プレミアム商品券」、「電子クーポン」と並列して「いわゆるお米券」

が記載されており「お米券推し」が示されている。

こうした「商品券」の類ではなく「現金給付」を行う場合でも、銀行振込等で10%程度の経費率が発生してしまうという。

こうしたことから山本景市長は市町村が運営する水道と下水道の基本料金を免除することを提案する。

水道及び下水道の基本料金を免除するかたちで交付金を使うとシステムを改修するだけで実施できる。

そうなると経費はほとんどかからない。

山本市長は経費率を1%程度に抑制できるという。

素晴らしい提案である。

コメの価格高騰が大騒動に発展したが高騰したコメの代わりに他の穀物を摂取する選択肢もある。

生活文化の違いによっては米以外の穀物を主食にする場合もある。

「お米券」には全国米穀販売事業協同組合が発行する「おこめ券」とJA全農が発行する「おこめギフト券」の2種類があるが、発行元が2団体に絞られており、山本市長は

「これでは限られた業界への利益誘導だと言われても仕方ない」

と指摘する。

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貴重な財政資金。

可能な限り効率の良い使い方を検討すべきことは当然。

ところが現実は逆行している。

その理由を洞察することが重要。

政府は財政資金配分を「できるだけ複雑に実施する」ことを目指す。

なぜか。

「経費率が高い」というのは、そこに「中抜き」が発生することを意味する。

山本市長が

「差額60円分は券の印刷代や流通経費、マージンなどに充てられるので、この段階で経費率は12%。さらにこの券を住民に郵送するとなると、名簿を作り、切手を貼るなどの作業が生じ、業者に委託することになる。

とすると、経費率は20%程度まで上がってしまう」

と述べたが、この経費がその委託事業を行う事業者の収入になる。

政治権力と関係の深い事業者が事業を受託して財政資金で利潤を得ることになる。

これが「利権財政支出」の典型的な一類型。

政府は財政資金を「利権」にするためにできるだけ不透明で複雑な財政支出方法を用いる。

真の財政改革とは、このような「利権財政」を排除することである。

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第4273

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2025年12月 6日 (土)

大政翼賛報道の恐怖

日本の集団的自衛権行使について。

日本政府は日本国憲法の規定により集団的自衛権の行使は容認されないとしてきた。

1972年10月政府見解

「わが憲法の下で武カ行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない。」

これが50年以上にわたり維持されてきた集団的自衛権行使に関する日本政府の立場。

2014年に安倍内閣が憲法解釈を変更して集団的自衛権行使ができるとした。

憲法解釈は憲法の実体の一部。

一内閣が憲法解釈を独断で変更してしまうことは許されない。

憲法破壊行為=壊憲である。

集団的自衛権行使容認が憲法違反である疑いが強い。

2015年には憲法解釈を具体化する法律を制定。

「安保法制」=「戦争法制」制定が強行された。

集団的自衛権行使が可能になる要件を定めた。

そのひとつが「存立危機事態」。

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「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」

とされた。

「存立危機事態」を認定すれば集団的自衛権を行使できるとされた。

憲法違反を許さない立場に立てば、集団的自衛権行使容認事態が憲法違反である。

違憲の疑いは濃厚に存在する。

この問題を措いて、厳しい制約条件の下での集団的自衛権行使を容認するとしても、その要件は厳正なものでなければならない。

しかし、高市首相の答弁にはこの問題に対する精密さがなかった。

「台湾を統一、まあ、中国北京政府の支配下に置くような」場合に、「それが戦艦を使って、武力の行使もともなうものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます」

と述べた。

「台湾有事は日本の存立危機事態=集団的自衛権行使」

と受け取られる発言を示した。

台湾有事とは台湾において台湾と中国政府との間で武力衝突が生じること。

「台湾において台湾と中国政府との間で武力衝突が生じる」場合に

「どう考えても日本の存立危機事態になり得る」

と述べた。

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日本と中国との過去の外交文書等において、日本は台湾の中国帰属を論理的に認めている。

その上で、1973年衆議院予算委員会で大平外相は、

「中華人民共和国政府と台湾との間の対立の問題は、基本的には中国の国内問題であると考えます」

と答弁している。

また、日本と中国は日中共同声明(1972年)、日中平和友好条約(1978年)で

「相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認」

してきた。

日本が台湾有事で存立危機事態を認定し、集団的自衛権を行使することは、中国に対して宣戦布告する意味を有する。

過去の外交文書等の積み重ねを踏まえれば、高市首相発言はこれらの歴史的積み重ねを破壊するものである。

このことから高市首相は発言を撤回すべきである。

ところが、日本の情報空間では「高市首相は発言を撤回すべき」との正論に対する攻撃が激しく展開される。

さまざまな主張、見解は存在し得る。

そのなかで、「高市首相は発言を撤回すべき」との主張は十分に説得力のあるもの。

高市発言擁護が正しく高市発言撤回要求論が間違っているとの論証はなされていない。

それにもかかわらず、高市擁護、高市批判見解への攻撃の主張だけを主要メディアが取り上げるのはおかしい。

この空気の広がりこそが日本の危うさを象徴するものである。

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第4272

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2025年12月 5日 (金)

金利上昇主因はインフレ懸念

つい先日まで日本の長期金利上昇は財政政策が原因だとしてきたメディアが一転して説明を変えた。

12月5日付日本経済新聞は

「物価高予想、金利押し上げ」
https://x.gd/9HOc0

の見出しを付して報じた。

私はかねて「インフレ心理悪化が長期金利を上昇させている」と指摘してきた。

日経新聞はこれまで、日本の長期金利上昇主因を高市内閣の積極財政政策による「財政危機不安」だとしてきた。

11月17日には

「長期金利が1.73%に上昇、財政悪化懸念で 17年半ぶり高水準」
https://x.gd/vAWZH

の見出しで日本の長期金利上昇を報じていた。

記事は

「17日の国内債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは一時前週末比0.025%高い1.73%に上昇(債券価格は下落)した。高市早苗政権が掲げる経済政策が財政悪化につながるとの警戒感から、債券に売りが強まった。」

と伝えていた。

「財政悪化懸念=長期金利上昇」

は財務省が流布している「フェイクニュース」である。

財務省は社会保障支出を切り、消費税率を引き上げる「悪だくみ」を有する。

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この「悪だくみ」を実現するために

「財政政策発動=日本長期金利上昇・日本円下落」

という「フェイクニュース」を流布している。

日本の財政政策運営は直近5年間、超緊縮で推移してきた。

財政政策が「積極」か「抑制」かを判定する基準は「財政赤字の増減」である。

財政赤字増加=積極財政

財政赤字減少=緊縮財政

厳密に言えば財政赤字増減には「事前」と「事後」があり、不況は財政赤字を増やし、好況は財政赤字を減らす効果を持つ。

この部分を考慮する必要があるが議論が複雑になるのでここでは捨象する。

一般会計の「歳出-税収」を「財政赤字」と定義し、その「財政赤字」の前年差の数値を見ると、2021年度から25年度まで「超緊縮」の財政運営が続いてきたことがわかる(単位:兆円)。

092125_20251205194701

財政赤字減少は年平均9.9兆円。

平均約10兆円の赤字削減財政が執行されてきた。

財政政策運営が「超緊縮」であり続けたことを意味する。

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この政策運営が25年度に修正される。

高市内閣は11月28日に総額18.3兆円の補正予算案を閣議決定。

一般会計歳出が18.3兆円増額され、税収見積もりが2.9兆円上方修正された。

これを加味すると2025年度の財政赤字増減は5.2兆円の財政赤字増加になる。

120225_20251205194701

「超緊縮財政政策」が「小幅積極財政」に転換する。

この政策修正は妥当。

問題は中身である。

歳出追加18.3兆円の内訳は

生活の安全保障・物価高への対応 8.9兆円
危機管理投資・成長投資による強い経済の実現 6.4兆円
防衛力と外交力の強化 1.7兆円

である。

だが、「生活の安全保障・物価高への対応」のなかの「足元の物価高への対応」は2.9兆円でしかなく、このなかに、「子育て応援手当」3677億円、「食料品の物価高騰に対する特別加算」4000億円などが含まれるが、いずれも1回限りの措置だ。

恒久措置で政策を実施しなければ大きな支えにも大きな安心感にもつながらない。

18兆円の施策を打つなら消費税率を10%から5%に引き下げることができる。

このような透明、公正、大胆な施策を打つことが必要。

マクロで緊縮財政の修正は正しいがミクロの対応はまったくの旧態依然である。

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2025年12月 4日 (木)

高市発言が問題である二側面

高市台湾有事発言の問題には二つの側面がある。

一つは外交関係上の問題。

いま一つは内政上の問題。

両面に看過できない重大な問題がある。

外交上の問題で見落とせないことは日中間のこれまでの外交文書との整合性。

日本は中国と友好関係を築いてきた。

その過程でいくつもの重要な合意を成立させてきた。

その外交の経緯と高市発言の関係を検証しなければならない。

二つ目の問題は日本の内政上の問題。

高市首相は集団的自衛権行使に関する発言を示した。

集団的自衛権は日本国憲法が長きにわたり容認できないとしてきたもの。

2014年から15年にかけて憲法解釈が変更され、集団的自衛権の行使を一部容認する法制が制定された。

しかし、いまなお、それらの措置が違憲であるとの有力な主張が存在する。

戦争法制=安保法制は厳しい制約条件を課して集団的自衛権の行使を容認したものだが、その制約条件の実効性が問われる。

この点について高市発言は重要な問題を表出させた。

外交上の問題と内政上の問題の二つが存在することを認識しなければならない。

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高市首相が台湾問題に関連して

「発生した事態に関して、どのような事態が発生したのかについての情報を総合的に判断する」

とだけ述べていれば問題は生じていない。

あくまでも集団的自衛権行使に関する一般論についての政府見解を表出するだけであるからだ。

ところが、高市首相は台湾有事に関する個別具体的ケースに関する集団的自衛権の取り扱いについて言及した。

「質問した者が悪い」との声があるが失当。

いかなる質問が提示されようとも、適正な答弁を行えばよいだけのことだからだ。

国会質疑において質問内容に関する制限、制約はない。

その質問に対して高市首相が集団的自衛権行使に関する一般論だけを述べていれば問題は生じていない

しかし、高市首相は岡田克也氏との質疑の後段で

「台湾を統一、まあ、中国北京政府の支配下に置くような」場合に、「それが戦艦を使って、武力の行使もともなうものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます」

と述べた。

要約すれば「台湾有事で戦艦を使って武力の行使をともなうものであればどう考えても存立危機事態になり得るケース」

と述べた。

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日本政府は台湾と中華人民共和国との紛争が生じても基本的には中国の内政問題であるとの認識を示してきた(1973年衆議院予算委員会大平正芳外相答弁)。

その台湾有事が生じる場合に、極めて高い確率で日本の存立危機事態になると高市首相は述べた。

日本は日中共同声明で一つの中国を承認し、台湾の中国帰属を論理的に認めた。

また、日中間のすべての紛争を平和的手段で解決し、武力および武力による威嚇に訴えないことを確認してきた。

これらの事情を踏まえれば

「台湾有事が生じれば極めて高い確率で存立危機事態になる」

との発言は外交上許容されるものでない。

「存立危機事態」は「集団的自衛権行使の要件」であり、集団的自衛権行使とはこの場合、中国と戦争するという意になってくる。

他方、内政問題としても重大だ。

高市首相は「台湾有事で戦艦を使って、武力の行使をともなうものであれば、どう考えても存立危機事態になり得る」と述べた。

これほど安易に「存立危機事態」が認定されて良いわけがない。

集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更とそれに伴う法制(安保法制=戦争法制)制定の際に大議論が存在した。

結局、十分な歯止めなく集団的自衛権が行使されることになれば憲法は完全にないがしろにされることになる。

内政問題としての高市発言の問題があまり論じられていないが、軽い問題ではない。

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「フリーハンドの集団的自衛権」
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2025年12月 3日 (水)

ごまかし居直りすり替え高市三原則

高市三原則は

ごまかし、居直り、すり替え

台湾有事発言でもこの原則がいかんなく適用されている。

高市首相は台湾有事に関する国会質疑において

前段では

「そのときに生じた事態について、いかなる事態が生じたということの情報を総合的に判断しなければならない」

と述べた。

しかし、後段で

「台湾を中国北京政府の支配下に置くような場合に、それが戦艦を使って、武力の行使をともなうものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースだ」

と述べた。

発言が問題になってから高市首相は

「歴代内閣の立場と一致している」

「政府としての統一見解とするつもりはない」

と述べたが、これは「ごまかし」だ。

前段の発言を貫いていれば「歴代内閣の立場と一致している」の説明で問題はない。

問題発言は後段部分であって前段部分ではない。

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後段部分は「歴代内閣の立場と一致して」いない。

一致していないから

「政府としての統一見解」

にはできない。

「統一見解としない」

のではなく

「統一見解にできない」

というのが実情。

だからごまかしなのである。

高市氏の常套手段。

放送法の「政治的公平」の解釈変更を目論みた過去の経緯に関する総務省内部文書を高市氏は「ねつ造文書」だと述べて、「ねつ造でなければ議員辞職する」としたが、当該文書が総務省の正規の内部文書であったことが明らかになったのに納得のゆく説明をしていない。

これも「ごまかし」のひとつ。

強く批判を受けると居直る。

今回の高市発言はこれまでの日中政府が積み重ねてきた外交文書の合意事項を踏みにじる部分を含む。

撤回が必要だが「撤回しない」と居直っている。

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その結果、日本経済に深刻な影響が広がり始めている。

「すり替え」に関する代表事例は「政治とカネ」の「議員定数」へのすり替え。

24年総選挙、25年参院選で自民党は歴史的大敗を喫した。

最大の要因は「政治とカネ」。

史上空前の裏金不正事件が発覚した。

不正な裏金を1000万円以上不記載にした国会議員は21名に及ぶ。

少なくともこの21名は刑事責任を問われる必要があったが警察、検察が腐敗しているために巨大事件は矮小化された

それでも主権者である国民は自民党の「政治とカネ」問題への不誠実な対応を断罪した。

それを表出したのが選挙結果。

自民党は「解党的出直し」を宣言して党首を差し替えた。

その結果として登場したのが高市内閣。

ところが、高市内閣は「政治とカネ」問題への対応を放り投げて、問題を「議員定数」にすり替えた。

「政治とカネ」問題に真摯に取り組む姿勢をまったく示していない。

内閣支持率が高いのは巨大資本に支配されたマスメディアが高市絶賛報道を繰り広げているからだ。

しかし、やり過ぎると裏が透けて見えてくる。

流行語大賞などは噴飯もの。

高市内閣がすり替えた「議員定数」。

「身を切る改革」というなら「議員定数」ではなく「議員報酬」である。

続きは本日の
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2025年12月 2日 (火)

財政緩和・金融引締めが適正

経済政策について正しくない情報が流布されて大きな混乱が広がっている。

経済政策を考察する際には「マクロ」と「ミクロ」の両面を見る必要がある。

マクロの経済政策の考察対象は財政政策と金融政策。

いずれも「緩和」と「抑制=引き締め」がある。

これまでの財政金融政策は

・財政緊縮

・金融緩和

を基調としてきた。

財政が緩和であるのか緊縮であるのかの判定基準は財政赤字の増減である。

〈歳出-税収〉を〈財政赤字〉と定義して、その〈財政赤字〉の前年差の数値を見る。

2020年度に法外なバラマキ財政が実施されたこともあり、2021年度から25年度まで「超緊縮」の財政運営が続いてきた。

財政赤字削減は年平均9.9兆円。

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平均約10兆円の赤字削減財政が執行されてきた。

財政政策運営は「超緊縮」であり続けた。

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高市内閣は11月28日に総額18.3兆円の補正予算案を閣議決定した。

一般会計の歳出追加は18.3兆円。

同時に税収見積もりを2.9兆円上方修正した。

これを加味すると2025年度の財政赤字は5.2兆円の財政赤字拡大になる。

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「超緊縮財政政策運営」を「小幅積極財政運営」に転換する。

マクロの財政政策運営を「超緊縮」から「小幅緩和」に転換することは妥当。

財務省は財政支出拡大を牽制して「情報戦」を展開している。

「財政収支悪化懸念から長期金利が上昇している」

というフェイクニュースを流布している。

長期金利は上昇しているが主因は財政収支悪化懸念ではない。

財務省は日本の財政危機を喧伝するが日本財政はまったく危機に直面していない。

一般政府のバランスシートを見ると2023年末時点での日本政府の資産は1701兆円、負債は1442兆円で、259兆円の資産超過になっている。

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この状況で財政危機はあり得ない。

長期金利上昇は「インフレ懸念拡大」が主因。

インフレが亢進しているのに日銀が迅速に利上げを決定しないために長期金利が上昇している。

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12月1日の講演と会見で日銀の植田総裁が12月の利上げ決定を示唆した。

正しい政策方向性を示した。

日本の金融市場では日銀の利上げ観測を受けて長期金利が上昇する反応を示すことが多いが、これはあくまで短期の反応である。

インフレ心理がしっかり抑制されれば長期金利は逆に低下しやすくなる。

現在の日本の状況を踏まえると、

「財政緩和・金融引き締め」の政策対応が正しい。

高市内閣は「財政緩和」に着手したが「金融引き締め」を妨害する言動を示してきた。

この是正が求められている。

財政政策はマクロ面では正しい方向に政策が修正されつつあるが、ミクロ面では問題が多い。

財政政策の中身が問題になる。

何よりも求められるのは消費税減税である。

減税財源は十分に存在する。

また、今後、最大の警戒を要するのが個人消費の動向。

日本の個人消費は消費税率が5%から8%に引き上げられた2014年4月を境に「減少トレンド」に転じてしまっている。

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最近の日本の個人消費を支えている最大の柱は訪日外国人の消費。

しかし、高市台湾有事発言で中国からの訪日客が激減する可能性がある。

その影響は極めて深刻になると想定される。

高市首相発言は日中友好関係を根底から覆してしまう誤ったもの。

迅速に発言を撤回することが求められている。

続きは本日の
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2025年12月 1日 (月)

是は是、非は非とする対応不可欠

ナショナリズムは燃え盛りやすいもの。

可燃性の高いナショナリズム感情に油を注いで火を煽るべきでない。

1995年から2024年までの過去約30年間にドル表示のGDPは中国で26倍に拡大した。

米国のGDPは4倍になった。

しかし、日本のGDPは4分の3に縮小した。

いまや中国のGDPは世界第2位で日本のGDPの4.5倍以上の規模。

日本のGDPは世界第4位にまで後退した。

中国を罵り、中国を攻撃することで喜ぶ国民感情が存在することは否定できない。

しかし、中国との敵対感情を煽ることが日本国民の幸福につながることなのか。

冷静に考えるべきだ。

日本は隣国の中国と友好関係を維持するべきだ。

かつて日本は国策を誤った。

村山富市首相は1985年に談話を発表した。

村山氏はこう述べている。

「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。

私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。」

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日本には加害の歴史がある。

その加害国日本と被害国中国が1972年に国交を正常化した。

その際に中国は中国にとってとりわけ重要な「核心的利益」について日本と合意を交わした。

日中共同声明に明記されている。

二 日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。

三 中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。

いわゆる「一つの中国」を承認し、「台湾の中国帰属」については論理的に日本政府が「台湾の中国帰属」認める内容の表現で決着した。

また、

六 日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に両国間の恒久的な平和友好関係を確立することに合意する。

両政府は、右の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、日本国及び中国が、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。

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その後、日本と中国は友好関係を構築してきた。

ところが、2010年9月7日の尖閣海域中国漁船衝突事件を契機に、日本で「中国の脅威」が喧伝され、日中関係に緊張が生じるようになってきた。

高市首相発言は台湾有事に関して

「戦艦を使って、武力の行使をともなうものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースである」

と述べたもの。

「存立危機事態」は日本が集団的自衛権を行使する要件であり、集団的自衛権を行使することは中国に対して宣戦布告することとほぼ同義になる。

台湾と中国との間で衝突が生じてもこれは中国の内政問題。

1973年の衆議院予算委員会で大平外相は

「中華人民共和国政府と台湾との間の対立の問題は、基本的には中国の国内問題であると考えます。」

と答弁している。

このなかで、台湾有事が生じれば日本が集団的自衛権を行使することになる可能性が高いとの趣旨の発言を日本の首相が行った意味は重大だ。

「台湾有事が生じた場合に、いかなる事態が生じたについての情報を総合的に判断する」

と述べていれば何の問題もない。

ところが、高市首相は

「どう考えても存立危機事態になり得るケース」

と述べた。

この発言は日中間の過去の政治文書等が許容する範囲を逸脱していると言わざるを得ない。

中国批判をエスカレートされる前に日本側の言動に誤りがなかったのかどうかを謙虚に見つめ直すことが必要だ。

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