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2025年11月22日 (土)

高市首相発言撤回は不可避

高市首相は台湾有事に関して国会でどのように発言したのか。

高市首相の答弁を示す。

「まあ、先ほど有事という言葉がございました。

それは色んな形がありましょう。

例えば台湾を統一、あの、完全に、まあ、中国北京政府の支配下に置くような、えー、ことの為にどのような手段を使うか、ま、それは単なる、ま、シーレーンの封鎖であるかもしれないし、武力行使であるかもしれないし、それから偽情報、サイバープロパガンダであるかもしれないし、それは、あの、色んなケースが考えらえれると思いますよ。

だけれども、あの、それがやはり戦艦を使ってですね、そして、武力の行使もともなうものであれば、ま、これは、あのー、どう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます。」

高市首相は「中国北京政府」と表現したが、日本が認めている中国政府は中華人民共和国政府のみである。

したがって、「中国北京政府」との表現自体が不自然だ。

この表現の裏側には「台湾政府」あるいは「中国台北政府」が存在するとの見解が示唆されているとも言える。

中国と台湾との間で台湾独立に関連して武力衝突が発生するケースが具体的に言及された。

その場合に、

「戦艦を使って、武力の行使をともなうものであれば」

「どう考えても存立危機事態になり得るケースである」

と高市首相が述べた。

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この発言の前段の質疑で、岡田克也氏が高市総理が1年前の総裁選で、中国における台湾の海上封鎖が発生した場合を問われ、存立危機事態になるかもしれないと発言したことに言及したうえで、

「どういう場合に存立危機事態になるという考えだったのか」

と質問。

これに対して高市首相は

「あのときは確か、台湾有事に関する議論であったと思います。

その台湾に対してですね、武力攻撃が発生する、まあ、海上封鎖っていうのも、これ、戦艦で行い、そしてまた他の手段も合わせて、まあ、対応した場合には、武力行使が生じ得る話でございます。

あの、例えば海上封鎖を解くために米軍が来援をする、それを防ぐために何らかの他の武力行使が行われる。

まあ、こういった事態も想定されることでございますので、まあ、そのときに生じた事態、いかなる事態が生じたかっていうことの情報を総合的に判断しなければならないと思っております。」

と答えた。

この答弁を踏まえれば、高市首相の「存立危機事態」発言は、台湾で武力衝突が発生し、そこに米軍が来援し、米中の間で武力衝突が生じる場合に関する発言であったと推察することはできる。

しかし、高市首相が「どう考えても存立危機事態になり得る」と答弁した発言では、
「台湾を統一、まあ、中国北京政府の支配下に置くような」場合に、「それが戦艦を使って、武力の行使もともなうものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます」

と答弁している。

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この答弁は、台湾と中国政府との間で武力衝突があり、戦艦が使われる場合は存立危機事態になるとの発言として受け取られる。

極めて不適切な答弁である。

2014年に憲法解釈が変更され、2015年に集団的自衛権行使を認める戦争法制=安保法制が制定された。

この法律では

「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」

場合に集団的自衛権行使が容認されるとされた。

高市氏の答弁は台湾と中国との間で武力衝突が生じるだけで、日本が「存立危機事態」を認定して集団的自衛権行使に踏み切ると受け取られかねないもの。

高市氏が前段の答弁で述べたように、台湾で武力衝突が生じ、米軍が来援し、戦艦を使う武力行使もともなう場合に存立危機事態になるとの発言であったとしても、その発言内容はあまりに杜撰で乱暴なものである。

第一の問題点は台湾で有事が発生することがどうして日本の「存立危機事態」に該当することになるのかが不明であること。

第二の問題点は日本は過去の外交文書等において「一つの中国」を承認し、「台湾の中国帰属」を実体として認めており、台湾と中国の問題はあくまでも中国の内政問題ということになること。

第三の問題点は日本は中国との間で「すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認」していること。

高市発言が不当であることは明白であり、高市首相は直ちに謝罪して発言を撤回する必要がある。

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