福島英賢教授の証人申請不可欠
2022年7月8日に発生した安倍晋三元首相暗殺事件の公判が開かれている。
10月28日に第1回公判が開かれ、12月18日までに18回の公判が開かれる予定。
12月18日に結審し、2026年1月21日に判決が示されるとの日程が開示されている。
公判日程(出典:朝日新聞)
被告側は殺人罪について争わない方針だという。
山上被告が手製の銃を製作し、その銃を用いて安倍元首相に向けて発砲したのは事実と思われる。
山上氏に殺意があったことも推察し得る。
他方、銃撃された安倍元首相は死亡した。
このことから山上被告は殺人罪で有罪とされるとの見方が強い。
しかし、冷静に考えるべきだ。
刑事訴訟法は次のように定めている。
刑事訴訟法第三百三十六条
被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。
山上被告を殺人罪で有罪にするためには「犯罪の証明」が必要。
公判でその「証明」がなされているのかを凝視する必要がある。
安倍元首相を殺害した実行犯が山上徹也被告であることに合理的な疑いが存在するなら、山上氏を殺人罪で有罪とすることはできない。
実は、安倍元首相を殺害した実行犯が山上徹也氏であることに合理的な疑いが存在する。
それは、安倍元首相が銃撃された2022年7月8日に記者会見における奈良県立医科大学附属病院の福島英賢教授による検死結果に関する説明が山上氏による殺害に対する合理的疑いを浮上させている。
会見での福島英賢教授の発言内容は文字起こしされて公開されている。
MBS(毎日放送)がネット上に公開している
「【記者会見の全容】安倍元総理が銃撃され死亡
「搬送時点で心肺停止」「最終的には20人以上の態勢で処置」
https://x.gd/vWuu6
会見での説明内容における重要点は
1.安倍氏の銃創が首の真ん中のところと少し右の2か所だった
2.傷は前頸部にあり、後ろに傷はなかった
3.銃弾が銃創から入って心臓にまで到達し、心臓大血管が損傷して出血して死亡した
安倍氏が銃撃を受けて倒れる状況を撮影した動画もウェブ上で公開されている。
動画によって山上氏と安倍元首相の位置関係等がよくわかる。
安倍氏は演壇上で左回りに後ろを振り向く過程で銃撃を受けたと見られる。
上半身を左側に90度ほど回した瞬間に後ろから銃撃を受けたかたち。
福島英賢教授は、死因は首の真ん中と少し右から入った銃弾が心臓に到達して心臓大血管を損傷したことに伴う出血だと説明した。
山上被告が弾丸を発した位置の前方に安倍元首相は山上氏に背を向けるかたちで立っていた。
一発目の銃声が響いて、安倍氏が左回りに後ろを振り返ろうとし、真左、時計の針で9時の方向を向いた瞬間に銃撃を受けて倒れ込んだ。
首の前方2か所に銃創があり、銃弾が心臓に達して心臓大血管が損傷して失血死したのなら、銃弾は安倍氏が演説していた位置の左斜め前方上方から飛来したと考えるのが順当。
安倍氏が演説していた場所の左斜め前方に地上7階建ての「サンワシティ西大寺ビル」がある。
ビルの屋上は人のいない空間になっており、このあたりから銃弾が飛来したと考えるのが合理的。
ところが、もう一つの検死結果がある。
それは、事件翌日に公表された奈良県警の司法解剖による結果。
こちらは
「首の右側1ヵ所と左上腕部1ヵ所に銃創」
「心臓には銃撃による穴はない」
「死因は左上腕部射創による左右鎖骨下動脈損傷に基づく失血死」
である。
この検死結果が事実なら山上氏による殺害と矛盾しない。
まったく異なる二つの検死結果がある。
一つは真実で一つは虚偽である。
今回の公判では奈良県警による検死結果だけが法廷で示されている。
当日に安倍氏の救命にあたり死亡を確認した奈良県立医大附属病院の福島英賢教授らの法廷での証言が必要不可欠。
山上氏の代理人が証人申請しないことは不自然極まりない。
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