移動させても汚染土は汚染土
石破内閣が8月26日に新たな方針を決定した。
NHKは次のように伝えた。
来月から霞が関で除染土再生利用
政府がロードマップ正式決定
「東京電力福島第一原子力発電所の事故後に除染で取り除かれた土の再生利用と福島県外での最終処分について、政府は26日、今後5年程度で取り組むロードマップを正式決定しました。」
記事は次のように報じている。
「政府は、この最終処分の量を減らすため、放射性物質の濃度が低い土については全国の公共工事の盛り土などで再生利用する方針で、7月には福島県での実証事業を除いて全国で初めて総理大臣官邸の敷地内で再生利用しました。
政府は26日の会議で今後5年程度で取り組むロードマップを示し、再生利用については、9月から霞が関の中央省庁の花壇などで始めたうえで、地方の出先機関などでも検討するとしています。」
この記事で用いられている「除染土」とはいったい何のことか。
小出裕章氏が明快な解説を示してくださっている。
「国と洗脳」(季刊『季節』2025夏・秋号、鹿砦社)
小出氏による解説を紹介させていただく。
2011年3月11日、東北地方太平洋沖大地震によって東京電力福島第一原子力発電所が破局事故を引き起こした。
この事故によって15万人を超える人々が猛烈な放射能汚染地(概略1平方メートルあたり60万ベクレルを超えるセシウムの汚染地)から強制避難させられた。
福島原発事故は敷地内にも敷地外にも膨大な放射能汚染を引き起こした。
放射能雲となって敷地外に流れ出た放射性物質は大地を汚染した。
そのため、住宅の敷地周辺や学校の校庭などから「除染」と称して土がはぎとられた。
このはぎとられた土がフレコンバッグに詰められて福島原発敷地周辺に造られた「中間貯蔵施設」に運び込まれた。
「除染」とは汚染を除くという意味だが、汚染の正体は放射能で、人間には放射能を消す力はない。
したがって、言葉の本来の意味における「除染」はできない。
やってきたことは、ある場所にあった放射能を別の場所に移しただけのこと。
小出氏はこれを「移染」と称した。
政府は中間貯蔵施設に「移染」した「汚染土」を30年以内に福島県外に運び出すと言っているわけだ。
しかし、放射能で汚れた「汚染土」を引き受ける場所などどこにもない。
そこで、国はこの「汚染土」を「除染土」と呼び出したのだと小出氏は指摘する。
放射性物質の取り扱いについては法令で厳密に規制されている。
セシウム137の場合、1キログラム100ベクレル以下になるまでは放射性廃物として厳重に管理しなければならないというのが日本の法令。
しかし、国は特別措置法を制定して、1キログラム当たり8000ベクレル以下の汚染なら、放射性廃物として管理せずに全国にばらまくとした。
国は公共事業など管理された状態で使うから問題ないとしているが、8000ベクレルが100ベクレルまで減衰するには190年かかる。
国はどのような体制で190年にわたって「除染土=汚染土」を管理するというのか。
小出氏は放射能は発生源でできる限りコンパクトにし、集中的に管理するというのが原則であると指摘する。
ところが、政府はこの原則に反する行動を示している。
その理由は「汚染土」を全国にばらまいて見えなくして、福島事故をなかったことにしてしまおうとしていることにあると小出氏は指摘する。
放射能に汚染された土。
その汚染された部分をはぎ取った土は、はぎ取ったあとも紛れもない「汚染土」である。
「除染されていない」から「除染土」ではない。
誰でもわかること。
この「汚染土」を全国にばらまくなど、正気の沙汰でない。
福島原発事故が発生したのは2011年3月11日。
この日に政府は「原子力緊急事態宣言」を発令した。
この「原子力緊急事態宣言」はいまもなお発令されたままなのだ。
メディアは「汚染土」を「除染土」と言い換える「詐術」に対して何もものを言わない。
なしくずしで悪行をゴリ押しすることに市民が抵抗を示さなければ、市民は知らぬ間に地獄に突き落とされることになる。
続きは本日の
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