鮮明なインフレ誘導の誤り
本年7月の消費者物価指数が発表された。
7月の消費者物価指数の前年同月比上昇率は、
総合が +3.1%
生鮮食品を除く総合が +3.1%
生鮮食品及びエネルギーを除く総合が +3.4%。
総合指数の前年同月比上昇率は昨年12月から8ヵ月連続で3%を超えた。
この物価上昇=インフレが国民生活を苦しめている。
インフレが生じると賃金上昇の意味を消す。
賃金が増加してもインフレが生じると実質的な所得は増えると限らない。
厚労省発表データに基づくと労働者一人当たりの実質賃金指数は減少し続けている。
本年6月の実質賃金指数は前年同月比1.3%減少。
この数値は労働者の現金給与総額の伸び率。
本給、時間外給与、ボーナスをすべて合わせたもの。
事業所規模は従業員5人以上。
実質賃金指数は2022年4月から本年6月までの39ヵ月のうち、35ヵ月で前年同月比減少した。
これまで自公政権は「賃上げ」と騒いできたが、実質賃金は減り続けている。
日銀は2013年からインフレ誘導の旗を振った。
消費者物価上昇率を前年同月比で2%にまで引き上げると公約した。
幸い、この公約は守られなかった。
2013年のアベノミクス発足時点からインフレ誘導が可能か否かという論争が繰り広げられた。
私は2013年6月に『アベノリスク』(講談社)を上梓。
黒田日銀のインフレ誘導は成功しない可能性が高いことを指摘した。
実際に黒田日銀は公約を実現することができなかった。
同書で強調したもう一点は、インフレ誘導という政策自体が誤りであること。
インフレは政府と企業にとって利益になる現象だが、消費者=労働者=生活者=主権者=国民にとっては「百害あって一利のない」現象だ。
このことを指摘した。
黒田日銀がインフレ実現を公約に掲げたのに公約を実現できなかった理由を本年6月に刊行した
『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』(ビジネス社)
に詳述した。
ところが、その日本で2022年から25年にかけてインフレが発生した。
主因はコロナ融資の激増。
コロナ関連の無担保無利子の融資が激増。
マネーストックが急激に膨張してインフレがもたらされた。
黒田日銀の政策誘導によるインフレではない。
そのインフレがついに前年比4%を突破した。
中央銀行がもっとも重視しなければならない
「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」指数で
2023年の上昇率が前年比4.0%上昇。
総合指数でも本年1月に4.0%上昇した。
日銀が目標とした2%インフレの2倍の水準にまで日本のインフレ率が跳ね上がった。
日銀は予期せぬ激しいインフレに直面し、直ちにインフレ鎮圧へと政策を転換しなければならなかったが、黒田東彦氏は2023年の日銀総裁退任までインフレ誘導の旗を振り続けた。
インフレが進行する状況下では、仮に賃上げが実施されても、インフレが賃上げの効果を消してしまう。
だから、日本の労働者実質賃金が直近39ヵ月中35ヵ月で前年同月比でマイナスを記録した。
インフレ誘導政策が誤りであったことを明確に確認しておく必要がある。
続きは本日の
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