中室牧子氏奇怪論評の深層
フジテレビ親会社であるフジメディアホールディングス社が1月23日に臨時取締役会を開き、中居氏と女性アナウンサーの問題に関して日弁連のガイドラインに基づく第三者委員会を立ち上げることを決定した。
併せて1月27日月曜日にオープンなかたちでテレビカメラを入れて記者会見をやり直すことを決めたと公表した。
テレビ局の会見に「テレビを入れない」、「動画を撮らない」というのはウケ狙いだったのか。
「テレビ局」を「紙芝居局」に転じる布石だったのか。
拙劣対応を示す間にフジテレビの存続が危うくなる状況が加速している。
海外大株主から厳しい指摘がなされ、スポンサー撤退が加速するなかで、ようやく事態の深刻さに気が付いたのか。
「紙芝居会見」が強行された主因はフジメディアホールディングス社取締役相談役日枝久氏の意向だと週刊文春が伝えている。
週刊文春はフジ幹部の声として
「当初、港社長は『会見はやりたくない』と拒否していたが、最後は周囲に説得されて渋々応じた。
一部の取締役から『会見はオープンにしないと批判を浴びる』という意見が出たものの、フジの天皇と言われる日枝久相談役に忖度した政治部出身の石原正人常務取締役が中心となって抵抗した。
結果、日枝氏と港社長による“機関決定”が下り、動画撮影なし、静止画のみのクローズドな“紙芝居会見”になった」
と伝えている。
87歳の日枝久氏が君臨し、すべてを仕切っているとのこと。
元フジテレビ社長で現在はフジメディアホールディングス取締役副会長の遠藤龍之介氏が23日に報道陣に対応。
「全てのことを日枝が決めているわけではないが、影響力はあることは間違いない」
と述べた。
1月17日の会見はクローズドでテレビカメラのない紙芝居会見であっただけでない。
ほとんどの質問に「回答を控える」として何も事実関係を明らかにしなかった。
この会見を契機にフジテレビは廃業に向けて転落した。
ようやく事態の深刻さに気付いて慌てふためいた対応を示している。
各局がこの問題を大きく取り上げるなか、1月23日放送のNEWS23に出演したコメンテーターの中室牧子氏が耳を疑う発言を示した。
中室氏の主張は概ね以下のようなもの。
1.この事案についてさまざまな批評が生じているが、批評は第三者委員会の3月末の報告の内容を見て行うべきだ。
2.現時点では不明な部分が多く、批判はさけるべきだ。
3.兵庫県知事の問題で議会は百条委員会の結論が出る前に全会一致で知事の不信任決議案を可決して出直し知事選が行われたが、兵庫県の県民は斎藤氏を再び選出した。
〈議会の対応は早まって間違ったものだった〉との主張を示唆。
4.中居氏が引退を表明したが、五輪開会式に関連して多くの者が担当辞退に追い込まれた「キャンセルカルチャー」のような動きは回避するべきだ。
5.失敗した人にチャンスを与えて再出発できるように支援すべきだ。
これほどまでに頓珍漢なコメンテーター発言を聞くのはショーンK以来の印象が強い。
中居氏は1月23日に〈有料会員サイト〉で芸能活動引退を発表。
このなかで、
「全責任は私個人にあります。」
と明記した。
会見を開かずに、逃げるように引退を有料会員サイトで発表したことに対する批判も強い。
いま取り沙汰されている事案について、中居氏に非がないのなら、中居氏は表に出て主張するはずだ。
しかし、中居氏はまったく姿を現さず、「全責任は私個人にある」と明言して引退表明をした。
つまり、何らかの不祥事があったことは十分に推察可能だ。
フジテレビの関与については、もし、問題が中居氏と女性との間の完全にプライベートな問題であるなら、そもそも女性がこの問題をフジテレビに投げかけてはいないはず。
また、問題が完全に中居氏と女性のプライベートな問題であるなら、フジテレビは「当社は問題に一切関与していない」と明言できるはずだ。
事案が犯罪的な要素を含むものであり、その責任が中居氏にある場合には、事案の報告を受けたフジテレビが、何らかの行動を示す必要があった。
ところが、フジテレビは中居氏をフジテレビ放送で起用し続けた。
その対応に問題があると指摘されており、フジテレビサイドも概ね認めている。
現段階で中居氏やフジテレビの責任を問うべき状況が存在する。
3月末の第三者委員会の報告までは批評すべきでないという論拠が存在しない。
さらに、兵庫県知事選の例示が著しく不適切。
ネット情報によれば中室氏は竹中平蔵氏と何らかの関係を有する人物であるようだ。
この情報を得て、コメントを聞いた際の著しい違和感が的外れではなかったとの思いを強くした。
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