厳正対応必須の兵庫県問題
2024年の国内問題で素通りできないのは兵庫県知事問題。
事の発端は西播磨県民局長による告発。
県民局長は2024年3月中旬に報道機関などに斎藤元彦知事のパワハラ等の問題など7項目の問題を告発する文書を送付した。
告発は匿名だったが斎藤知事を筆頭とする県幹部が犯人捜しを実行。
西播磨県民局長が発信元であることを突き止めてPCを押収。
斎藤知事は記者会見で告発文書を「嘘八百」と表現し、県民局長を「公務員失格」と断罪した。
その上で、県民局長の定年退職を停止して懲戒処分を行った。
県民局長の告発が真実相当性のない、明らかに不当な誹謗中傷であるなら、この措置で問題はない。
しかし、県民局長の告発が内部通報に該当するなら斎藤知事をはじめとする県幹部の対応が違法行為になる。
兵庫県議会が事態を問題視し、6月13日に百条委員会設置を決めた。
県民局長は百条委員会で証言することとされたが、証言が実施される前に自死した。
百条委が8月に公表した職員アンケートの中間報告では、パワハラ疑惑について約4割が見聞きしたと回答。
9月19日、県議会は斎藤知事に対する不信任決議案を全会一致で可決した。
斎藤知事は辞職せず自動失職し、出直し県知事選が11月7日に実施された。
出直し知事選で斎藤氏が勝利して再び知事に就任した。
しかし、これで一件落着とはならなかった。
重大な問題が残存している。
第一は、西播磨県民局長の告発に対する斎藤知事を含む兵庫県の対応が内部通報者保護法に違反する疑いが払拭されていないこと。
第二は、西播磨県民局長の公用PCが押収され、PC内に保存されていた県民局長のプライバシー情報が外部流出したこと。
兵庫県の情報管理に重大な瑕疵があったこと、これに伴い重大な人権侵害が生じた可能性が指摘されている。
元県民局長の自死はプライバシー情報を元にした脅迫が原因であった疑いも指摘されている。
第三は、上記のプライバシー情報が選挙戦で流布されて選挙結果に大きな影響を与えた可能性があること。
選挙の有効性に影響を与える重大問題である。
第四は、出直し知事選において斎藤元彦氏ならびに同氏陣営が公選法違反を犯した疑いがあること。
この四点の問題が存在し、現時点で、まったく問題が解消していない。
百条委員会では元県民局長の告発に対する県側の対応について内部通報の専門家が意見を陳述した。
元西播磨県民局長は3月に外部に告発文書を送付したが、4月には正規の内部通報窓口に対しても通報を行っている。
百条委員会で意見を陳述した専門家は、元県民局長が行った告発の一部は事実であり、告発文書には法的に保護されるべき公益通報が含まれていることが明らかになっており、県の対応は公益通報者保護法に違反するものであると指摘している。
斎藤知事ら、元県民局長に対する懲戒処分を実行した者は元県民局長の告発文書に「真実相当性」がなく、県の処分は適切だったとの主張を貫いているが、すでに告発文書の一部が公益通報に該当することが明らかにされており、斎藤知事らの主張に説得力は乏しくなっている。
より重大な問題は、元県民局長のプライバシー情報が不正に外部漏洩されたこと。
そして、その情報に尾ひれが付けられるかたちで選挙において情報が拡散されたこと。
「二馬力選挙」の批判が生じているが、県知事選に立花孝志氏が立候補して、斎藤元彦氏陣営と連携する選挙戦が展開されたことに重大な疑問符が付けられている。
選挙結果は斎藤元彦氏の勝利に終わったが、斎藤氏支持に回った県民の多くが、「知らされていなかった真実を知った」ことを投票理由に挙げた。
「知らなかった真実」とは立花孝志氏らが流布した元県民局長のプライバシー情報に関連した情報であると見られている。
これらの情報は外部に流出されるべきものではなく、また、事実が正確に伝えられたものでないことも明らかになっている。
歪んだ情報が流布され、これが斎藤氏当選の主因になったとすれば、選挙結果そのものを正当に評価することも難しくなる。
選挙結果が判明した際に「SNSの勝利」、「オールドメディアの敗北」との批評が流布されたが、この論評は正鵠を射ていない。
選挙戦で元県民局長のプライバシー情報が歪んだかたちで流布されたことに対して、主要メディアが論評も加えることなく事態を放置してしまったことが有権者の正当な判断を妨げたというのが実相に近い。
これらの諸点を踏まえて選挙そのものを再評価することが必要になっている。
気鋭の政治学者・政治思想家である白井聡氏との共著が好評販売中です。
『沈む日本 4つの大罪
経済、政治、外交、メディアの大嘘にダマされるな!』
(ビジネス社)
https://x.gd/3proI
ぜひご高覧賜りたい。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
のご購読もよろしくお願いいたします。
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第3967号
「最重要の兵庫県知事問題追及」
でご購読下さい。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、support@foomii.co.jpまでお願い申し上げます。
価格:1,980円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,870円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,650円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,650円 通常配送無料
出版社:株式会社コスミック出版
amazonで詳細を確認する
価格:994円 通常配送無料
出版社:詩想社
amazonで詳細を確認する
価格:907円 通常配送無料
出版社:発行:祥伝社
amazonで詳細を確認する
価格:1,620円 通常配送無料
あなたの資産が倍になる 金融動乱に打ち勝つ「常勝投資術」~(TRI REPORT CY2018)
価格:1,620円 通常配送無料
価格:994円 通常配送無料
出版社:発行詩想社 発売星雲社
amazonで詳細を確認する
価格:1,620円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,512円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)
価格:1,728円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,728円 通常配送無料
出版社:星雲社
amazonで詳細を確認する
« 国民民主の成果はほぼゼロ | トップページ | 苛政と酷税に耐え忍ぶ日本国民 »
「兵庫県公益通報事件」カテゴリの記事
- 維新兵庫県知事問題対応の異常(2025.06.07)
- 通用しない斎藤知事の言い逃れ(2025.03.28)
- 公益通報者保護法遵守が必要(2025.03.24)
- 公正性備えていた第三者委員会(2025.03.19)
- 不正な選挙はやり直しが基本(2025.03.17)







