三つ巴の闘いになる次期総選挙
明日9月27日に自民党の党首選が投開票日を迎える。
立憲民主党は9月23日に新党首を選出した。
斎藤元彦兵庫県知事は本日9月26日に会見を開き、知事失職と出直し知事選への出馬意向を表明する見通し。
国内政治が激動している。
自民党の新党首が選出されると直ちに新政権が発足する見通し。
10月1日に国会が召集され、新内閣が発足する見通しだ。
新内閣の支持率は過去の通例で高く示されることが多く、内閣支持率が高い間に次期衆院総選挙が挙行される可能性が高い。
自民党党首選に立候補している小泉進次郎氏は、提示した三つの公約を1年以内に実現すると述べていたから、小泉氏が首相になる場合には、衆院の残り任期1年で三つの公約を実現して総選挙で信を問うのが順当だ。
しかし、この小泉氏も首相に就任したら直ちに衆院総選挙に打って出る考えを示している。
石破茂氏などは新内閣発足後、国会で一定の論戦を展開する必要があると述べているが、いずれにせよ、新内閣が発足すれば、間を置かずに衆院総選挙が挙行される可能性が高い。
兵庫県知事の斎藤元彦氏は自己の正当性を主張して知事再選を目指すと報じられているが、兵庫県職員が2名も自ら命を絶たれていることの重みは大きい。
阪神優勝パレード実施にあたり、寄付金が不足する事態を回避するために補助金を増額して、その一部を寄付金としてキックバックさせたとの疑いが持たれている。
これが事実であれば法律に抵触する犯罪行為であるとの指摘もある。
違法行為を強要された県総務課長が苦境に追い込まれて自死に至ったと見られている。
県局長の内部告発に際し、告発者探しを指揮し、告発者に対して脅迫行為を実行させて告発者が自死に追い込まれたと見られている。
内部通報者を保護する義務を負う県が告発者を脅迫して自死に追い込んだとの疑いが濃厚に存在する。
最大の問題は斎藤知事が「嘘八百」、「公務員失格」と宣言して一方的に懲戒処分を実施したこと。
これらの行為の非正当性、不法性は明らかだと考えられる。
また、公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長の五百旗頭眞氏が急性大動脈解離のため急逝した背景として、片山安孝副知事が同財団副理事長2名を解任する方針を通告したことが指摘されている。
突然の解任通告を五百旗頭氏が憤慨していたとも伝えられている。
死亡と解任通告との因果関係の立証は困難だが、解任通告の直後に五百旗頭氏が急逝されたのは事実である。
これらの事実関係を踏まえれば知事が責任を取って辞職することは当然の帰結と考えられる。
出直し選を実施して斎藤氏が知事に選出されるとは考えられない。
権力の座にしがみつく斎藤氏の行動は斎藤氏自身に対する評価をさらに貶めるものになると考えられる。
しかし、出処進退を決するのは本人でしかない。
「政治家の美学」が問われる事案である。
衆議院総選挙が実施される日が迫っている。
立憲民主党は野田佳彦氏を新党首に選出したが、このことが党勢をさらに低落させることになると考えられる。
2017年に創設された立憲民主党が躍進した最大の理由は、この政党が自公政治に対峙する野党共闘の要になると期待されたからである。
立憲民主党躍進を側面支援した中核は共産党である。
対米隷属・大企業利益追求の経済政策という自公の基本路線に反対する主権者国民の層が厚い。
この主権者の意思を反映させる野党共闘を牽引する存在として立憲民主党が期待された。
ところが、2021年の総選挙を境に党首の枝野幸男氏が「転向」した。
共産党を含む野党共闘を否定して「第二自公」を目指す方向性を明示した。
この瞬間から立憲民主党凋落が始動。
その後、泉健太氏を経由して野田佳彦氏が党首に就任したが、「第二自公」を目指す方向性がより顕著になりつつある。
こうなると、現在の自公政治に対峙する考えを持つ主権者は立憲民主党から完全に離別することになるだろう。
野田氏は共産党排除の方針を明示したため、共産党は多くの選挙区で独自候補を擁立することになると考えられる。
この結果、次の衆院総選挙は三つ巴の闘いの構図になる可能性が高まる。
自公と第二自公と反自公である。
「自公があるのに第二自公はいらない」と考える主権者が多数になるのではないか。
立憲民主党が主導する「第二自公」は凋落し、「反自公野党連合」が躍進する可能性が高い。
「三つ巴衆院総選挙」を想定することが必要だ。
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