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2024年9月24日 (火)

自民9候補経済政策を検証

9月27日に自民党党首選が投開票日を迎える。

9名の候補者が立候補しているが、自民党党首に選出された者が、そのまま内閣総理大臣に選出されることになるから、主権者にとって他人事ではない。

岸田首相が退陣に追い込まれたのは岸田内閣支持率の低迷が続き、次期総選挙への危機感が自民党内で強まり、岸田氏が自民党党首選で勝利することが不能になったと認識したことにあると考えられる。

党の顔を刷新して次期衆院総選挙に臨む必要性が生じた。

岸田内閣支持率が低迷を続けた大きな要因が二つある。

2022年7月の安倍元首相暗殺を契機に自民党と旧統一協会との癒着が明るみに出たこと。

岸田首相は旧統一協会と自民党との関係を断ち切るとしたが、自民党と旧統一協会との関係を調査することを拒んだ。

いまだに自民党は旧統一協会との関係を断ち切ることができていないと見られている。

この問題がいまなお尾を引いている。

もうひとつの要因は自民党の巨大裏金組織犯罪が表面化したこと。

裏金不正に関わった議員が85名にも及ぶ。

1000万円の水準で区分しても21名の国会議員が裏金不正犯罪行為を実行したことが明らかにされている。

警察・検察が権力側の犯罪を適正に摘発しないために刑事責任を問われた国会議員は3名にとどまっているが、適正捜査を実行したなら20名以上の逮捕者が出ていておかしくない事案である。

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自民党自体が巨大な犯罪組織と化したと言って過言でない。

この巨大犯罪が明るみに出たにもかかわらず、自民党は抜本法改正を実行しなかった。

完全なザル法改定を強行。

「政治とカネ」問題は解決していない。

このなかで、自民党党首選が行われており、まずは、この二つの問題に対する真摯な対応が求められるところだが、9名の候補者の対応は極めて緩い。

政治資金規正法改正では政策活動費廃止が最重要課題だった。

同法21条の2の2項が政党から政治家個人への寄附を例外として認めている。

この規定を悪用して自民党では年間10億円もの政治資金が幹事長に寄附され、その使途が一切明らかにされていない。

政治資金規正法を有名無実化する条文である。

同条文を利用して多額の使途不明金を創出していたのは自民だけでない。

維新や国民民主も多額の政策活動費を計上してきた。

21条の2の2項削除が喫緊の課題だが、自民党党首選の9名の候補者のうち、政策活動費廃止を明言しているのは小泉進次郎氏と茂木敏充氏の2名にとどまる。

他方、自民党と旧統一協会との関係についての調査を行う意思かあるかの問いに対して肯定した候補者は一人もいなかった。

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自民党が抱える二つの重大問題を明確に解消しようとする候補者が一人も存在しない。

これでは、選挙に向けて党の顔を変えるだけで、内実は変わらない。

自民党を刷新する党首選ではなく、「刷新感」を演出するだけの党首選になっている。

他方、国民にとって最重要の問題は新政権の経済政策である。

各種討論などから9名の候補者の財政金融政策の基本スタンスを知ることができる。

最大の問題は財政政策について「財政規律」を持ち出す候補が多数存在すること。

「財政規律」が重要でないと主張する考えはない。

しかし、2020年度から2023年度まで、日本の財政規律を木っ端みじんに破壊したのが自民党自身であることを見落とせない。

4年間に補正予算に計上された国費は154兆円に及ぶ。

年間39兆円もの放漫財政の限りを尽くしてきた。

この問題の総括なしに「財政規律」を論じることはできない。

もうひとつの問題は金融政策運営についての考え方。

多くの候補者は、金融政策運営は日本銀行に委ねるべきとの見解を示している。

これは正論。

このなかで高市早苗氏だけが金融緩和の継続を求めている。

この主張は正当性を欠いている。

高市氏が経済政策についての専門的素養を有しているとは考えられず、周辺の者が高市氏に金融緩和継続を発言させていると見られるが、この主張は正しくない。

経済政策論議が自民党党首選の大きな争点に浮上していないが、重要問題であるので適正な考察が必要である。

以下で考察したい。

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