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2024年6月27日 (木)

三分類される日本政治勢力

現在、有権者の政治意識は三つのカテゴリーへの分化が誘導されているように見える。

第一のカテゴリーは既得権死守。

政治権力は財政資金配分権力である。

国家予算では約90兆円もの金額の配分権が国家に付与されている。

その3分の2は社会保障等の「プログラム支出」が占めるが、3分の1の30兆円は補助金を中心とした裁量支出。

この外側で近年は巨大な補正予算が編成され補助金のバラマキが行われている。

2020年度から23年度までの4年間の補正予算計上額は154兆円。

1年に39兆円もの補助金バラマキが実行されている。

政権与党側に与することは巨大な財政資金バラマキのおこぼれに預かれる旨味を伴う。

このために、日本の主権者の25%が自公の与党を熱烈に支持している。

この人々は嵐が来ても槍が降っても火山が爆発しても必ず選挙に足を運ぶ。

岩盤支持層だ。

利益動機だから行動は揺るがない。

第二のカテゴリーは平和主義・リベラル層。

日本国憲法を尊重する。

同時に財政の所得再分配機能を重視する。

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市場原理主義、大資本利益追求を支援する規制撤廃の動きに異を唱える。

日本国憲法は基本的人権として生存権を保障するが、この考え方を重視する。

いわゆる「左翼」と分類される勢力だ。

1947年に片山哲内閣が誕生した。

戦後民主化の果実として日本で革新政権が誕生したのである。

しかし、片山哲内閣が誕生した1947年に米国は外交路線の基本を変えた。

「ソ連封じ込め」が米国外交の基本に据えられた。

連動して対日占領政策は「民主化」から「非民主化・思想弾圧」に転換した。

しかし、日本においてリベラルが政治の主役に躍り出る素地は存在する。

それでも、「反共政策」、「勝共政策」を基礎に据えた米国の思想統制、思想弾圧により、リベラル勢力は過去74年間、強い圧迫を受けて現在に至っている。

第三のカテゴリーが「新自由主義」勢力。

市場原理を重視し、経済の弱肉強食を容認する。

民営化を正義とみなし、所得再分配を否定する。

「超自由主義」=「リバタリアニズム」の考え方をベースに置く。

その源流は2001年の小泉内閣にある。

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これを「改革」と表現したため、多くの人々が言葉の響きに幻惑された。

2008年末に派遣労働拡大が日比谷公園の「年越し派遣村」の窮状につながった現実を見た人々は、ようやく幻影から解き放たれたが、飽くなき利益拡大を目指すグローバル巨大資本の情報工作によって、いまなお、若者がこの路線に引き寄せられている。

改革、民営化、市場原理は一見すると公正なルール適用に見えるが、内実はまったく違う。

巨大資本は労働コストを極限まで切り下げることによる利益拡大を目指し、民営化は必ず成り立つ事業の事業権を公共部門から巨大資本が簒奪するものでしかない。

2008年に創設された「みんなの党」以来、「維新」、「希望の党」などの「改革新党」の系譜は、すべてCIAが背後で糸を引いて創設された運動であると見られる。

今回の都知事選に出馬した石丸伸二氏も分類上はこの第三のカテゴリーに含まれるものと考えられる。

CIAが警戒し続けているのは第二のカテゴリーのリベラル勢力が日本政治の実権を握ること。

米国は第一のカテゴリーの利権勢力と結託し続けてきたが、この支配構造を維持するために、第三のカテゴリーを育ててきた。

第三のカテゴリーを育てる目的は二つ。

リベラル勢力への市民の支持を圧迫し、リベラル勢力が政治の実権を握ることを阻止すること。

もう一つが市場原理主義、民営化という名の営利化を推進すること。

都知事選で第一のカテゴリーに属する小池百合子氏を落選させるには第二カテゴリーに属する蓮舫氏を当選させるしかない。

そのためには、第三カテゴリーに区分される石丸氏への投票を抑制して、蓮舫氏への投票に集中させることが必要になる。


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