大村候補当選阻止に全力集中
静岡県知事選が5月26日に投票日を迎える。
選挙戦は最終局面に突入。
各社情勢調査では立憲、国民推薦の鈴木康友前浜松市長が自民党推薦の大村慎一候補にわずかな差で優位に立っている。
リニア反対を明示している共産党推薦の森大介氏は2氏に差を開けられている。
リニア反対を明示している森大介氏を当選させることが望ましいが、当選が実現する情勢ではないと見られる。
森氏の当選が難しいことを前提に置くならば、競り合っている鈴木氏と大村氏のいずれを当選させるべきかを考えるべきだ。
知事に当選するのは一人であるので、望ましい候補に投票することが、最悪の候補者の当選に寄与してしまう事態を回避しなければならない。
リニアに関しては、鈴木氏、大村氏の両者が推進の基本姿勢を示しているが、より積極的であるのは大村氏。
1年以内に結論を出すとしている。
大村氏はJR試算としてリニア開通で静岡県に停車するのぞみ、ひかりが1.5倍の数になると街頭演説で述べているが、有権者を惑わす発言である。
JR試算は、静岡停車在来新幹線が、名古屋開業で1.1倍、大阪延伸開業で1.5倍としている。
名古屋開業でもリニア利用者は多数が見込まれない。
在来新幹線との時間短縮が極めて限定的である。
大阪まで移動する乗客は名古屋で遠距離乗り換えの不便を受け入れてリニア新幹線を利用するケースが極めて限定的になると見られている。
名古屋まで開業しても採算が取れず、赤字が拡大してリニア新幹線そのものが廃止になるリスクも高いと思われる。
JR東海は名古屋開業が2034年以降になることを公表した。
しかし、現時点で解決していない問題が山積している。
岐阜県トンネル工事では地上の水位に重大な低下が観測され、JR東海はリニア工事が原因であるとの見解を表明し、工事を中断した。
都市部の大深度工事では東日本高速道路などによる東京都調布市における外環道地下トンネル工事の影響で地上の住宅に陥没被害などが広がり、外環道地下トンネル工事が中断している。
リニア新幹線は東京、神奈川、愛知などで住宅地の大深度トンネル工事を計画しており、調布市と同じシールド工法を採用していることから、同様の問題が発生することを住民が懸念しており、工事が順調に進展することは考えられない。
静岡工区は南アルプス地下トンネルが中心になるが、大井川の地下をトンネルが貫通することになり、大井川の流量減少などの問題が懸念されている。
川勝平太前知事は「命の水」を重視して、リニア新幹線工事を許可してこなかった
河川法の規定により、JR東海は静岡県の許可を得なければ大井川上流の東俣川ならびに西俣川地下を貫通するトンネル工事を着工できない。
川勝平太氏が静岡県の許認可権を適正に活用して工事着工を遅らせてきた功績は極めて大きい。
これだけでも川勝平太知事の業績は高く評価される。
その後継の知事を選出するのであるから、リニア建設に前のめりの候補者の当選を認めるべきではない。
鈴木康友氏と大村慎一氏を比較すれば、大村氏の方がリニア建設に前のめりである
したがって、現状においては、リニア建設反対派は次善の策として鈴木氏に投票を集中させる戦術を採用するべきだ。
大村慎一氏は静岡県自民党の応援を得ているが、静岡県自民党国会議員の顔ぶれを改めて確認して投票行動を決めるべきだ。
静岡県の自民党国会議員に
上川陽子衆議院議員、塩谷立衆議院議員、宮澤博行元衆議院議員、吉川赳衆議院議員、山崎真之輔元参議院議員などがいる。
驚異の顔ぶれと言ってよいだろう。
上川議員兼外相は静岡県知事選に立候補している自民党推薦の大村慎一候補の応援で演説し、
「私たち女性が産まずして何が女性でしょうか」
「産みの苦しみは本当にすごい。」
と発言。
失言を主因に川勝氏が辞任したことを踏まえれば上川氏の辞任は当然と言えるが外相も辞任せずに居座っている。
塩谷議員は自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で離党勧告処分を受けて自民党を離党。
宮澤氏は妻子を持ちながら別の女性と金銭援助を伴う同居をしていたことなどが週刊誌で報じられて議員辞職。
吉川議員は2022年6月に、18歳の女子大学生と飲酒したなどが週刊誌で報じられ、自民党を離党したが辞職していない。
山崎氏は2021年に、一般女性との不適切な関係があったことなどが週刊誌で報じられ、自民党を離党したが辞職しなかったが、2022年の参院選で落選した。
静岡県知事選の最重要戦略目標を大村慎一候補の当選を阻止することに置くべきである。
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