4年前と様変わり都知事選情勢
東京都知事選は6月20日に告示され、7月7日に投開票日を迎える。
2024年政治決戦の前半戦最大のヤマ場になる。
現職の小池百合子氏が3選出馬の決意を固めたと報じられている。
これに対して、立憲民主党の蓮舫氏が出馬の意向を表明した。
小池陣営にとっては一大事である。
小池氏を支援する陣営が懸命に「小池氏有利」の情報を流すが信じる者はいない。
5月26日に投開票日を迎えた静岡県知事選では立憲・国民推薦の鈴木康友氏が大差で勝利した。
自民党推薦の大村慎一氏を何とか当選させたいと考えていたと見られるフジサンケイ系列の報道機関が、選挙戦終盤で大村氏が鈴木氏を猛追しているとの情報を流布したが、これもガセネタであったと判断される。
投票日に大村氏に投票する有権者を増やすための質の悪い情報操作であったと推察される。
鈴木氏の優位はまったく揺らいでいなかった。
東京都知事選での小池百合子氏3戦には猛烈な逆風が吹き荒れている。
4月21日の目黒区長選。
小池氏が熱烈に支援した候補者が大惨敗。
このときから、すでに小池氏支持の空気は消えている。
4月28日の東京15区衆院補欠選挙。
小池氏が擁立した乙武洋匡氏が大惨敗した。
この選挙に小池氏は全力投球したが大惨敗だった。
最大の背景は学歴詐称疑惑。
小池氏はカイロ大学卒業と選挙広報に明記。
これまで、カイロ大学を首席で卒業したと吹聴してきた。
しかし、小池百合子氏がカイロ大学を卒業していないとの疑惑が浮上。
さまざまな証拠から、小池氏はカイロ大学を卒業していないと判断することが妥当との状況が生じている。
前回の都知事選で小池氏が再選出馬を表明する直前、弁護士の郷原信郎氏と作家の黒木亮氏が外国特派員協会で記者会見を開いた。
2020年6月9日の午後4時である。
両氏の記者会見は小池氏の学歴詐称疑惑を追及するものだった。
この動きを察知した小池百合子氏は6月6日の夕刻に側近の小島敏郎氏を呼び出した。
学歴詐称疑惑への対応についての知恵を拝借したいと述べたという。
小島氏はカイロ大学から声明を発してもらうのがいいのではないかとのアドバイスをした。
その後、小島氏は、この事案についての追加的な依頼があったものの返答を保留した。
そのなかで、6月9日午後2時に駐日エジプト大使館フェイスブックに小池氏がカイロ大学を卒業したとするカイロ大学声明が掲載された。
この「工作」は小池氏が、郷原氏と黒木氏による記者会見の効果を打ち消すために創作したものだと見られている。
実際にエジプト大使館フェイスブックの影響は大きく、6月9日に開かれた郷原氏と黒木氏の記者会見のインパクトは大きなものにならなかった。
エジプト大使館フェイスブックにカイロ大学声明が掲載されたことは事実だが、これで疑惑が解消されたわけではない。
カイロ大学は小池氏がカイロ大学を卒業したとの声明を出したが、現実の事実として、小池氏がカイロ大学を卒業していないとの疑惑はまったく解消されていない。
現実を確実に知る関係者の極めて有力な証言等が存在するからだ。
小池氏が都知事選に出馬する場合、選挙広報に「カイロ大学卒業」と記載すれば、「虚偽記載」の疑いで刑事告発がなされる可能性も指摘されている。
それでも、この刑事告発によってカイロ大学卒業が裁判所の判断で否定されるかどうかは不透明。
カイロ大学自体が卒業を認める声明を出していることが事実なら、裁判所がカイロ大学卒業を裁判所判断として否定することができるのかどうか。
判定し難い部分がある。
カイロ大学が小池氏の卒業を認める声明を出した背景に、カイロ大学とエジプト政府の関係、そして、日本とエジプト政府との関係があると考えられる。
日本政府が巨額の資金をエジプト政府に提供してきた事実を踏まえれば、エジプト政府やカイロ大学が事実を捻じ曲げる「政治判断」を下す余地は十分にあると考えられるからだ。
重要なのは日本の主権者が小池氏に対する評価をどう変化させているかだ。
4月21日目黒区長選、4月28日東京15区衆院補選結果は、日本の有権者が小池百合子氏に対する見方を激変させていることを示唆する。
かなり多くの主権者が小池百合子氏の欺瞞を洞察しているのだと思われる。
この意味で小池百合子氏の東京都知事3選の道は極めて厳しいものだと考えられる。
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