カギ握るリベラル結集
2009年に麻生内閣が末期を迎えたとき、国民には別の選択肢があった。
小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏が率いる民主党が自民党に代わる政権政党としての期待を一身に背負った。
2009年8月30日の衆院総選挙で鳩山民主党が大勝。
見事な政権交代を実現した。
残念ながら、この政権は8ヵ月で終焉してしまった。
米国・官僚機構・大資本が支配する日本政治。
この日本政治を根幹から刷新しようとしたのが鳩山内閣だった。
ところが、新政権はわずか8ヵ月で崩壊した。
崩壊した原因は内部に潜んでいた。
鳩山内閣のなかに米国と通じる勢力が潜伏しており、この勢力が鳩山内閣を政権内部から破壊した。
本題から外れるため、これ以上言及しない。
2010年6月に発足した菅直人内閣は米国傀儡政権に回帰した。
財務省の支配下に入り、消費税大増税の方針を公約として示したのは菅直人氏。
2009年9月に誕生した鳩山内閣の政治刷新方針を実現することができなかったために、日本政治刷新の可能性は封殺され、現在に至っている。
いま、岸田内閣が2009年の麻生内閣同様の末期症状を示している。
しかし、次の政権を担う中心勢力が明らかになっていない。
野党は多党分立状況で政権交代の基本図式が明らかでない。
日本の主権者国民は岸田内閣の退場を望んでいるが、岸田内閣退場後にどのような政権を樹立するべきか、不明な状況が生じている。
野党は現在、三つの勢力に分立している。
野党第一党は立憲民主党だが、この政党がふらふらしていることが日本政治混迷の原因になっている。
かつての民主党、そのあとを継いだ民進党には重大な問題が存在した。
「水と油の同居」である。
「革新勢力」と「守旧勢力」が同居していた。
2010年の鳩山内閣破壊は「守旧勢力」が、「革新勢力」が主導して樹立した政権を破壊したもの。
2010年6月以降は政権が守旧派政権に回帰してしまった。
2017年の総選挙に際して、小池百合子氏が「希望の党」創設を推進したことが契機になり「水と油の同居」が解消されることになった。
「希望の党」が安倍政治終焉のための大同団結を目的に創設されたなら意義を発揮したと見られる。
ところが、「希望の党」の本質は違った。
旧民進党からリベラル勢力を排除するために創設された政党だった。
このことが明らかになり、旧民進党がリベラル勢力の立憲民主党と守旧勢力の国民民主党に分離された。
旧民主党が抱えていた「水と油」問題がようやく解消されたかに思われた。
「リベラル勢力」が分離独立した新政党であると理解された立憲民主党が躍進した。
共産党が選挙協力したことも立憲民主党躍進の大きな要因になった。
このまま立憲民主党が、守旧勢力と切り離されたリベラル勢力として成長を続けていれば、現時点で立憲民主党が政権交代を担う中核政党として一段飛躍したと考えられる。
ところが、立憲民主党が変節した。
革新勢力による政権樹立を警戒する米国が立憲民主党の躍進を警戒した。
米国傀儡の労働組合勢力である「連合6産別」を通じて、連合が立憲民主党への介入を強めた。
この結果として、2021年衆院総選挙で枝野幸男代表が共産党との共闘を否定。
これを契機に立憲民主党の凋落が始動した。
現在に至っている。
現在の野党勢力は、
自公と通じる守旧勢力として存在する維新、国民民主党
守旧勢力とリベラル勢力の「水と油同居体」に回帰してしまった立憲民主党
共産、れいわ、社民のリベラル勢力
の三つに分立している。
政権交代を担うべき勢力は守旧勢力と正面から対峙するリベラル勢力である。
立憲民主党が再度、リベラル勢力と守旧勢力に分離して、大きなリベラル勢力共闘を構築することが政権交代への期待を高める第一歩になると考えられる。
立憲民主党の分化=分離が強く求められている。
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