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2024年2月 3日 (土)

岸田内閣は志賀原発廃炉決定へ

1月1日に発生した令和六年能登半島地震。

日本の防災対策の杜撰さと日本における原発稼働が合理性を持たないことを立証するものになった。

日本は2011年3月の東日本大震災に連動する重大な原発事故を経験している。

この経験が日本における原発稼働の非合理性を証明する事象だった。

「歴史に学ばぬ者は歴史を繰り返す」

という言葉がある。

日本は歴史に学ばず、歴史を繰り返そうとしている。

日本の国土面積は世界の0.25%しかないが、この日本で世界の地震の1割から2割が起きている。

他方、原発の耐震性能は一部の例外を除いて1000ガルが上限である。

原発を建造した時代、関東大震災は震度7で、ガル数としては350ガルないし400ガル程度だろうと思われていた。

しかし、阪神淡路大震災後に全国各地に地震計が設置された結果、現在では震度7は1500ガル以上に相当するということが科学的に判明している。

つまり、現在の原発はまったく見当違いの低い耐震性で設計建設されてしまっている。

今回の地震で最大震度7が観測されたのは石川県志賀町と輪島市。

志賀町では2828ガルの最大加速度が観測された。

他方、志賀原子力発電所の基準地震動(耐震性能)は1000ガルである。

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志賀原発が運転停止中であったために大惨事を免れたと言える。

地震で最大被害を受けた珠洲市には原発建設計画があった。

珠洲原子力発電所が実現し、珠洲原子力発電所が運転中であったら、いかなる惨事が発生していたか。

今回の地震で志賀原発では重大事故が発生している。

志賀原発では1号機地下で震度5強の揺れが観測された。

この地震で変圧器が故障して油が漏れ、外部電源5回線のうち2回線が使用不能になった。

1月16日の余震後には1号機の非常用発電機3台のうち1台が試運転中に自動停止した。

京都大学原子炉実験所元助教の小出裕章氏は中日新聞のインタビューで次のように指摘する。

「志賀原発が10年にもわたり停止していたことが何より幸いだった。

原発の使用済み燃料は発熱しているが、10年たつと発熱量は運転停止直後に比べ、千分の1以下に低下する。

今回の地震で志賀原発は外部電源の一部系統が使えなくなり、非常用発電機も一部停止した。

稼働していたら、福島第1原発と同様の経過をたどったかもしれない。」

志賀原子力発電所は極めて重大な事態に直面した可能性が高い。

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小出氏は原発運転中の地震災害に関して次の点を指摘する。

「出力100万キロワットの原発の場合、原子炉の中では、ウランが核分裂して3倍の300万キロワット分の発熱をしている。

大地震の際は制御棒を入れて核分裂反応を止めるが、実は300万キロワットのうちの21万キロワット分の発熱は、ウランの核分裂で出ているわけではない。

それまでに生成された「核分裂生成物」が原子炉の中に膨大にたまっており、「崩壊熱」を出している。

制御棒でウランの核分裂反応を止めても、21万キロワット分の崩壊熱は止められない。

膨大な発熱だ。

福島でも核分裂反応は止まったが、崩壊熱を止めることができないまま、電源が何もなくなり、冷やせないために炉心が溶けて、(放射性物質が)大量に出てしまった。」

運転停止から10年が経過した原発と、運転中の原発との間には比較にならない大きな差が存在する。

能登半島先端地域では2020年から群発地震が発生し、2021年9月にマグニチュード5.1、最大震度5弱の地震が発生。

その後も、2022年6月にマグニチュード5.4、最大震度6弱の地震、マグニチュード5.0、最大震度5強の地震が立て続けに発生した。

さらに、2023年5月にマグニチュード6.5、最大震度6強の地震が発生した。

これらの地震の震源は能登半島先端地域に集中していた。

ところが、今回の地震で震源域が珠洲市から志賀町にかけての150キロにも及ぶ沿岸域に広がった。

このなかで志賀町を震源とする地震が急増している。

志賀町に立地する志賀原子力発電所の危険性は鮮明である。

政府は速やかに志賀原子力発電所の廃炉を決定すべきである。

日本が今回の事例を教訓にして原発問題に向き合わなければ、早晩天誅が下されることになるだろう。

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