日経平均が史上最高値に接近
昨年年初に上梓した
『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社)
https://x.gd/8MnQp
帯に「日経平均3万6000円突破も!」と明記した。
1年が経過して、本年1月15日に日経平均株価は36000円を突破した。
昨年1月4日の日経平均株価安値は25,661円。
昨年年初に36000円までの株価上昇を予測した者は皆無だった。
本年初に上梓した
『資本主義の断末魔』(ビジネス社)
https://x.gd/xIij4
帯に「2024年、ついに日経平均史上最高値を更新か!」
と明記した。
このシリーズは私が執筆している市場分析レポート
『金利・為替・株価特報』=TRIレポート
https://uekusa-tri.co.jp/report-guide/
の年次版。
年次版TRIレポート表紙に数字を明記して日経平均株価急騰予測を明記したのは2013年、2017年、2023年、2024年の4度。
過去3回は予測通りの株価急騰が生じた。
月2回発行するTRIレポートでは昨年初に株価急騰を予測し、5月中旬から「踊り場相場」への移行を予測した。
現実に、昨年5月から年末まで「踊り場相場」=「ボックス相場」が示現した。
このなかで、TRIレポートでは昨年末、日経平均株価が31000円から34000円のボックス相場を抜けて、「雲外蒼天相場」に移行すると予測した。
「ボックス相場」を上に抜けると予測したのである。
年初から、この「雲外蒼天相場」が示現していると判断している。
日経平均株価が史上最高値を記録したのは1989年12月29日で、その水準は38957円だった。
2月13日、取引時間中に日経平均株価は38000円を突破した。
いよいよ、日経平均株価の史上最高値更新が視界に入っている。
NYダウ4万ドル、日経平均株価4万円時代が接近していると言ってよい。
しかしながら、株価上昇が日本経済の好調を示しているわけではない点に留意が必要だ。
日本経済は1995年からの約30年間、完全に成長から取り残されてきた。
いまもまったく変わっていない。
ところが、株価は上昇している。
株価が上昇する最大の背景は企業利益の拡大である。
経済が成長しないのに大企業の利益だけは拡大を続けてきた。
どこかにしわ寄せが行っている。
労働者賃金所得だ。
日本の労働者実質賃金は1996年から2023年までの27年間に16.7%も減少した。
2012年12月に第2次安倍内閣が発足した。
安倍内閣は「成長戦略」を掲げたが、この「成長戦略」とは「大企業利益の成長戦略」だった。
成長戦略の主要な柱は、農業の自由化、医療の自由化、解雇の自由化、法人税減税、特区の創設だった。
成長戦略が目指したものは「大企業利益の成長」=「労働者不利益の成長」だった。
2012年から2023年までの11年間に労働者の実質賃金は8.3%も減った。
他方で、法人企業当期純利益(財務省法人企業統計)は2012年から2017年までの5年間に2.4倍に激増した。
経済が不調なのに株価が上昇するのは企業利益が増大していることが背景なのだ。
労働者の分配所得が減少するという犠牲の上に企業利益が拡大し、株価が上昇している。
したがって、日本の労働者はその損失を株価上昇によってわずかでも取り戻す必要がある。
庶民が生活防衛のために投資活動を積極化させる意味がこの点にある。
本来は政治が所得分配のあり方を変える施策を講じる必要がある。
しかし、自公政治は何もしない。
したがって、当面は市民が自己防衛策を講じるしかない。
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