2023年の政治社会問題1+3
2023年が間もなく幕を閉じる。
2023年は癸卯(キスイのウ)の年。
安岡正篤著『干支の活学』によれば、
「「癸」は「癸測」など「はかる」の意。
はかるには標準や原則が必要。
筋道を立ててはかる、処理するの意で、筋道をなくせばご破算になる。
他方「卯」は干の四番目。
子丑寅と伸びてきた植物が卯に至って蔽いかぶさるように繁茂してくる。
「癸」と「卯」が重なる「癸卯」という年は「万事筋道を立てて処理してゆけば繁栄に導かれるが、筋道を誤ると、こんがらがり、いばらやかやのようにあがきのつかぬことになる。
果ては、混乱・動乱、ご破算に至る。」
年が明けて2024年は甲辰(コウボクのタツ)の年。
甲はよろいで、よろいをつけた草木の芽が殻を破って頭を少し出した象形文字。
人事に適用すると、旧体制が破れて革新の動きが始まることを意味する。
他方、「辰」は理想に向かって辛抱強く、かつ慎重に、いろいろの抵抗や妨害と闘いながら歩を進めてゆく意味。
「甲辰」の意味するところは、旧体制の殻を破って革新の歩を進めなければならないが、いろいろの抵抗や妨害があり、困難と闘う努力をしながら、慎重に伸びてゆかねばならないということ。」
「癸卯」の2023年に筋道を通すことを怠り収拾すべからざる行き詰まりに到達していれば、「甲辰」の2024年は、その殻を破る苦しみに直面する年になる。
自民党は筋道を誤り、こんがらがり、いばらやかやのようにあがきのつかぬことになっている。
2024年は、旧体制が破れて革新の動きが始まる1年になると見られる。
何といっても法律を定め、法律を執行することを生業(なりわい)とする与党国会議員が、集団で自ら定めた法律を踏みにじり、裏金作りに狂奔していたことが発覚した。
庶民が1円単位での税金苦にあえいでいる一方で、議員集団が億円単位の裏金をこっそりと懐に入れていたことが発覚した。
癸に手偏を付ければ「揆」になる。
民衆による「一揆」が起きて当然の悪業が白日の下に晒されつつある。
自民党パーティー裏金不正事件が2023年の日本を象徴する事件だった。
年明け早々、事件捜査は大詰めを迎える。
通常国会で岸田内閣が追いつめられることになる。
そこから、旧体制が破れ、革新の動きが始まることになるのか。
最重要の焦点になる。
2023年の日本を振り返ったとき、特筆すべき三つの社会・政治問題を提示することができる。
1.処理後放射能汚染水海洋投棄問題、2.木原事件、3.JKT(ジャニーズ・歌舞伎・宝塚)ならびにJKTY(+吉本)問題だ。
岸田内閣は処理後フクシマ放射能汚染水の海洋投棄を強行した。
取り除くことができないストロンチウムを含む、処理後放射能汚染水を太平洋に投棄し始めた。
汚染水や汚染水試料・データが完全開示されておらず、東電に丸投げでは、不安の種は尽きない。
近隣諸国への説明も不十分だった。
これに反応して中国政府が日本産海産物の輸入停止に踏み切った。
岸田内閣は、その中国と首脳会談を開催する機会を獲得した。
しかし、岸田内閣はこの最大チャンスを水泡に帰す外交失態を演じた。
第二の事案は木原事件。
殺人の疑いが限りなく強い事案が自殺で処理されてきた問題。
事件の真相を明らかにするための活動が顕在化した。
警視庁は引き続き事案を闇に葬る姿勢を崩していないが、天の網がこれを許すのかどうか。
2024年の最重要関心事項になる。
第三はジャニーズ、歌舞伎、宝塚の闇が明らかにされ、年末に、これに加えて吉本の闇にかかわる問題が提起された。
異様であるのはメディアの対応。
ジャニー喜多川氏性犯罪事案に対する長期にわたるメディアの対応と類似した対応が松本人志氏問題へのメディア対応に示されている。
メディアの闇だ。
しかし、「天網恢恢疎にして失わず」という。
2024年に吉本の闇も明らかにされる可能性が高い。
政治とメディアの分野で、筋道を誤り、こんがらがり、いばらやかやのようにあがきのつかぬことになる事態が顕在化している。
そのなかから、革新の動きが本格化するのかどうか。
ここに2024年の焦点がある。
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