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2023年9月20日 (水)

残念すぎる十倉経団連の見劣り

経団連の十倉雅和会長が9月19日の会見で

「消費税などの増税から逃げてはいけない」

「日々研さんを積んだタレントから活躍の場を奪うのは、タレントも被害者となる。時間をかけて最善策を考えるべきではないか」

と述べた。

https://x.gd/mnEqV

消費税増税を推進し、ジャニーズ事務所所属タレントを継続使用することを奨励する発言。

老害が深刻だ。

十倉氏が所属する住友化学はモンサントの農薬ラウンドアップとの関わりで有名な企業。

住友化学は2010年にモンサントのグローバル・パートナーとなって、ラウンドアップ耐性雑草への対応を住友化学の農薬で行う形で、南北米大陸での遺伝子組み換え耕作地域に市場を拡大させたという実績を持つ。

その遺伝子組み換え農業とはいかなるものなのか。

遺伝子組み換え農業は、生産性の向上にも、画期的な品種の開発にも、人びとの栄養向上にも役立たないばかりか自然破壊、健康破壊の被害が世界で告発されているもの。

2018年に米カリフォルニア州で、モンサントのラウンドアップによってガンになったとしてモンサントを訴えた裁判で、陪審は原告のドウェイン・ジョンソン氏の訴えを認め、モンサントに約2億9000万ドル(約320億円)を支払うよう命じた。

除草剤「ラウンドアップ」はモンサント社が1970年に開発。

農業者だけでなく家庭菜園の手入れなどにも使われているが、発がん性があると疑われている。

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世界保健機構(WHO)の専門機関、国際がん研究機関(IARC)は2015年3月、ラウンドアップの主要成分グリホサートが5段階の発がん性分類リストの上から2番目の「発がん性が疑われる」2Aカテゴリーに分類されるとの報告書を出した。

2018年のジョンソン氏が提訴した裁判では、「グリホサートにがんを引き起こす可能性がある」と示されたモンサントの秘密文書が明らかになった。

このことから、「モンサント社が、がんの可能性を知りながらも警告しなかった」として損害賠償が認められた。

同様の訴訟は1万3000件以上も起こされている。

2019年5月には、カリフォルニア州の夫婦が「ラウンドアップが原因でがんを発症した」として賠償を求めた訴訟で、州裁判所の陪審はモンサントに対し約20億ドル(約2200億円)の支払いを命じた。

陪審が1人10億ドルの懲罰的賠償を認めたのである。

この評決についてアメリカの市民団体は、「何十年もの間、モンサントはグリホサートが無害であると農民、農場従事者、農薬散布者、住宅所有者に思わせていた。世論は明らかに変化している。発がん性のある農薬を市場から閉め出し、生態系を守る農業に移行しつつある農家を支援するときが来た」との声明を発表した。

これらの裁判事例を背景に世界各地でラウンドアップの主成分であるグリホサートの危険性が取り上げられるようになった。

ヨーロッパ諸国をはじめとする世界各国でグリホサートの規制や使用中止を求める動きが活発化している。

ところが、日本政府はグリホサート規制を大幅緩和するという、世界と逆の動きを示してきた。

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日本政府は2016年に「グリホサートの安全性を確認した」との評価書を公表。

この評価書を前提に2017年12月に、グリホサートの残留農薬基準を大幅に緩和。

小麦で6倍、ソバで150倍、ゴマで200倍、ベニバナの種子で400倍というけた違いの大幅緩和を強行した。

この規制緩和でグリホサート残留基準は中国の150倍になった。

ラウンドアップは日本の店頭で「もっとも安全な除草剤」、「驚異の除草力」などの宣伝文句を付して販売されている。

グリホサート剤はすでに成分特許が切れており、住友化学園芸は「草退治」の名称でグリホサート除草剤を販売してきた。

日本のTPP参加を強硬に求めたのが経団連。

当時の経団連会長が住友化学会長の米倉弘昌氏だった。

米国はTPP協議に並行して日米協議を実施。

日本政府は対米交渉で米国が求める規制改革を実行する約束をしてしまった。

その結果として日本の食の安全が根底から破壊されつつある。

この暴挙の最大の推進者と言えるのが住友化学であると評することもできる。

経済同友会の新浪剛史代表幹事は9月12日の会見でジャニーズ事務所の対応を「真摯に反省しているのか大いに疑問だ」と批判。

「チャイルド・アビューズ(子ども虐待)は絶対にあってはならない。ジャニーズ事務所を使うことは虐待を認めることになる」と述べた。

新浪氏の発言が正論であるとした高く評価されていることに十倉氏は嫉妬しているのだろう。

住友化学、経団連の時代錯誤、大資本利益至上主義の姿勢が広く国民一般から糾弾される必要がある。

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