喜多川システムの共犯者たち
1971年に大久保清事件が発生した。
若い女性8名を相次いで殺害した連続殺人事件。
日本列島を震撼させた事件。
仮に犯人が大久保商会なる芸能事務所の全株式を保持し社長であったならどうなるか。
事件の責任を取り芸能事務所が会見を開き、親族が同社の株式を引き続き100%保有し、新社長に旧社長と極めて近い人物を起用、社名は変えずに維持すると発表したとする。
新社長にも旧社長に類似した加害の疑いがあることも明らかにされた。
テレビ局、雑誌は大久保商会所属タレントをそのまま起用するのか。
民間企業は大久保商会所属タレントをそのままCMに起用し続けるのか。
大久保商会は一旦清算するしかない。
旧社名をそのまま用いることはあり得ないだろう。
企業は大久保商会との取引を打ち切る必要がある。
所属するタレントに罪がなくても、タレントは別の事務所に所属を移し、新たに仕事を得る必要がある。
9月7日にジャニーズ事務所は会見を開いたが再発防止特別チームが「解体的出直し」を提言したにもかかわらず、ジャニーズ事務所は次の決定を示した。
社名は変えない。
全株式を藤島ジュリー氏が引き続き保有し、藤島ジュリー氏は代表取締役のまま残留する。
新社長にはジャニー喜多川氏と極めて密接な関係を維持してきた東山紀之氏が就任する。
これがジャニーズ事務所の提示した決定。
会見では東山紀之氏自身による過去の性暴力についての質問が相次いだ。
この経緯についてはハフポスト日本版記事が詳しい。
「東山紀之氏、元Jr.からの性加害告発に
「したことない」⇒
「したかもしれないし、していないかもしれない」
https://x.gd/FYBoa
東山氏は当初「僕はしたことはないです」と回答したが、質問が繰り返されると次のように回答を変遷させた。
「でも本当に覚えてないことの方が多くてですね、もしかしたらしてる可能性もあるし、もしかしたらしていないかもしれないし、ただやっぱりこう、もちろん若気の至りがあったりとか、その時の自分の幼稚さであったりとか、そうゆうのもあったとは思うんですね。ただ、本当に記憶を辿ってもちょっと覚えてないことも本当に多くて、なので多分僕もそうだと思うんですけど、多分いろんなことやってるんだと思います。でも向こうはすごくよく覚えててくれていて、ただこっちは覚えてないみたいな、僕もやっぱり先輩でこうゆうことはあったってすごくよく覚えてたりもするんですけど、先輩もよく覚えてなかったりとか、やっぱりなかなか記憶を呼び起こすことが難しい作業でもあったので。したかもしれないし、してないかもしれないというのが本当の気持ちですね。」
ジャニー喜多川氏の犯罪を認め、解体的な出直しを図るとしながら、ジャニーズ社は社名も変えず、ジャニー喜多川氏と極めて近い関係にあった人物を社長に据えるとした。
通常の企業の記者会見であるなら、報道は会社対応批判一色に染まる。
ところが、メディアの反応は二分された。
ジャニーズ社対応を厳しく糾弾する主張が広範に広がる一方で、一部メディアが同社擁護の報道を懸命に展開している。
記者会見で東山氏の性暴力事案を最初に質問したのは仏フィガロ東京特派員のレジス・アルノー氏。
そのアルノー氏が記者会見についての論評を発表した。
「海外記者がジャニーズ会見に見た日本の「大問題」
日本が陥っている状況が問題を大きくさせた
ジャニーズ事務所の記者会見で感じた「奇妙さ」の正体とは」
https://toyokeizai.net/articles/-/700654
アルノー氏は東山氏の社長起用について次のように記述する。
「ジャニー喜多川の「お気に入りの息子」である彼にジャニーズ事務所の更生を担当させるのは、バーテンダーにアルコール依存症対策プログラムを担当させるようなものだ。
東山はジャニーズ事務所の再生にもっとも不向きな人物である。彼に任せることは、性的加害、そしてその隠蔽を可能にした「喜多川システム」の共犯者たちに庇護を与えることになりかねない。
ジャニー喜多川の捕食行為を何十年も野放しにしてきた東山や藤島ジュリー景子前社長、その他の側近メンバーにも当てはまらないだろうか?真実は、ジャニー喜多川1人で罪を犯すことはできなかった、ということだ。彼が捕食することを可能にしていた環境があり、彼の悪癖を“助ける”者たちがいた可能性もある。」
他方でジャニーズ社を擁護する主張を展開するのは、ジャニーズ社タレントを事業活動に活用しているテレビ媒体、雑誌媒体の主催企業群である。
NHK、テレビ朝日、日本テレビ、フジテレビとその関連企業群、講談社、小学館、光文社などの雑誌媒体。
テレビ局キー局系列はスポーツ紙を抱える。
これら全体が「喜多川システムの共犯者」たちであると言える。
共犯者が会見の論評をしているという事実をまずは認識しなければならない。
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