戦争礼賛者重用する犬HK
ポツダム宣言受諾を公表した8月15日。
日本が主導権をもって戦争を終わらせたわけではない。
無謀な戦争に突き進み、早期に戦争を終結させなければならなかった日本が一億総玉砕に突き進むなかで原爆を投下され、無条件降伏を受け入れざるを得なくなっただけ。
戦争が終結したのは1945年9月2日の降伏文書への調印によった。
歴史に刻むべき重要期日は9月2日。
9月2日を「日本敗戦の日」としてメモリアルデーとするべきだ。
ところが、日本ではポツダム宣言受諾を公表した8月15日を「終戦の日」としてメモリアルデーとしている。
天皇によるポツダム宣言受諾の録音音声が公表されたことが戦争を終結に導いたかのような錯覚を与えるためのメモリアルデー設定である。
本来、戦争責任をもっとも厳しく追及されるべき主体が天皇だった。
しかし、米国の政治判断から天皇の戦争責任が曖昧にされ、「日本敗戦」が「戦争終結」に置き換えられ、「戦争終結」のヒーローに天皇が仕立て上げられた側面が強い。
この時期になると戦争をテーマにした各種報道番組が制作されるが、その内容に重大な問題がある。
折しも、ウクライナで戦乱が発生している。
当然のことながら、ウクライナ問題と戦争問題とが結び付けられる。
ウクライナの戦乱に対して各種報道はどのような基本姿勢を示しているか。
この点が最重要。
ウクライナ戦乱について、二つの異なる立場、主張がある。
第一の立場、主張は、ウクライナ停戦をすべてに優先させるべきとの立場。
戦争が発生するには理由がある。
国と国が対峙するなら、双方に主張がある。
太平洋戦争でさえ、米国と日本の双方にそれぞれの主張は存在した。
どちらが正しい、どちらが悪い、の議論を始めれば際限がない。
議論は永遠に平行線をたどる。
停戦を最優先するべきとの主張は善悪論をまずは棚上げするというもの。
いかなる理由があれ「戦争は良くない」の立場。
日本の「不戦の誓い」、「戦争放棄」の立場がこれに依るものではないのか。
ウクライナが正しい、ロシアが悪いとの議論を横において、いかなる議論があろうとも、「まずは戦争をやめること」を優先するというのがひとつの立場。
日本の主要メディアでこの議論を明確に掲げる社は存在しない。
NHKが正義面をかざして特集番組を編成しても、戦争推進の戦争ジャーナリストだけを出演させているところで思考停止と言うほかない。
「ロシアが悪い、ロシアを戦争で打ち負かすのが正当」と主張する者は「戦争推進者」でしかない。
このような「戦争推進論」をかつては「主戦論」と称した。
「主戦論」が戦争を推進し、無謀な戦争で多数の国民を犠牲にした。
第二の立場は「ロシアが悪いのだからウクライナを応援する必要があり、ウクライナの勝利に向けて全面的な支援をするべき」というもの。
上記の「主戦論」の立場。
78年前に終結した戦争を振り返り、「主戦論」を振りかざすのは、戦争を繰り返すことの鼓舞=決意でしかない。
放送法第4条は次のように定めている。
(国内放送等の放送番組の編集等)
第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
二 政治的に公平であること。
「ロシアが悪いからロシアを打ち負かすためにウクライナを支援し、この戦争をウクライナ勝利に導かねばならない」
とする主戦論者が存在してもいいだろう。
しかし、そのような主戦論者を登場させるなら、必ず、非戦論者を併せて起用する必要がある。
戦争ジャーナリストの小泉悠氏などはロシアを打ち負かす戦争を扇動するだけの者にしか見えない。
このような主張がはびこるからこの世から戦争が消滅しない。
「戦争は良くない」、「二度と戦争を引き起こしてはならない」としながら、ウクライナ戦争を直ちに終結させることよりウクライナ戦争の維持と拡大を主張することの論理矛盾を放置することの支離滅裂を、賢明な市民は見抜かねばならない。
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