警察の正体知るための好事例
殺人事件である疑いが濃厚であるのに警察当局が自殺で処理してしまうことは何を意味するか。
現実に殺人という最も重大な刑事犯罪が実行されて犯人が存在するのに、その犯人を無罪放免にすることを意味する。
この国の刑事司法の歪み=腐敗の根幹は
「犯罪が存在するのに無罪放免にする裁量権」
と
「犯罪が存在しないのに無実の市民を犯罪者に仕立て上げる裁量権」
が好き放題に行使されていることにあると繰り返し説いてきた。
そのことが、いま改めて全国民が肯定せざるを得ないかたちで明白になる可能性が浮上している。
政府がこの問題にどう立ち向かうのか。
全国民が注視することが必要不可欠だ。
岸田内閣の中枢に関わる重大問題がクローズアップされている。
岸田文雄首相の側近である木原誠二官房副長官の妻X子さんの元夫である安田種雄さんが2006年に東京都内で死亡したことに関し、2018年に始動した再捜査で木原氏の妻X子さんに対して事情聴取を行った警視庁捜査一課殺人一係の捜査官だった佐藤誠氏が7月28日に記者会見を行った。
佐藤氏は1983年に警視庁に入庁し、昨年退職した元警部補。
佐藤氏は7月13日の定例会見での露木康浩警察庁長官の発言を問題視した。
会見冒頭に佐藤氏は、
「警察庁長官が記者会見で、この事件を事件性がないとか自殺とか言っているんで、そのときカチンときたんですよ。被害者に対して火に油を注ぐような発言だと思いました」。
と述べた上で、
「証拠品であるとか、各供述であるとか、(捜査官である自分に)集中するんですよ。
それをずっと吟味してたんですよね。
正式な発表では、適正な捜査で証拠品をもとに自殺だと(判断したという)。
しかし、そんな(自殺であることを裏付ける)証拠品は存在しないんですよ。
それは断言します」。
と指摘。さらに、
「こんな発表をすれば、こんな死に方をした被害者の遺族は余計悲しくなる」、
「事件性はあります。誰が見ても、あれを見て事件性がないという警察官はいないと思います」
と述べた。
7月13日の定例会見で露木康浩警察庁長官は安田種雄さんの不審死について、
「法と証拠に基づき、適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上、事件性が認められないと警視庁が明らかにしている」
と述べた。
佐藤氏の「証言」は露木康浩氏の説明と完全に矛盾する。
佐藤氏は当該事件の捜査を担当して関係証拠をすべて把握している。
その上で関係証拠には自殺を裏付ける証拠が存在しないことを明言した。
7月20日には種雄さんの父が涙の記者会見を開いている。
息子が変死したことの真相が明らかにされることを切望する真摯な会見だった。
安田種雄さん死亡の経緯概要は次のもの。
当時、種雄さんと妻のX子さんは夫婦仲が悪くX子さんは子供を連れて家出。
種雄さんは当時X子さんと親密だったY氏の地元にX子さんと子供がいることを突きとめ、父親から借りた車でX子さんと子供たちを連れ戻したが、その直後に謎の死を遂げた。
2006年10月9日午後10時頃のこと。
当初、所管の警視庁大塚署は「自殺」で処理した。
週刊文春によると、2018年4月に警視庁大塚署の女性刑事が約12年前の事件の捜査資料に目を留めて、
「自殺にしては、ナイフへの血の付き方がおかしい」と違和感を持ったことで再捜査が始まった。
ところが、その再捜査が通常の殺人事件捜査ではあり得ない不自然なかたちで自然消滅させられた。
このことに対する根本的な疑義が提示されている。
そもそもは、2006年の段階で自殺として処理したことがおかしい。
警察自身が重大な犯罪を実行している疑いを検証しなければならない。
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