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2023年7月 6日 (木)

海水浴に行かず近海魚介食べない

トリチウムを含む水が安全であるというのはフェイク。

福島原発の汚染水が貯蔵許容限界に差しかかる。

政府は処理を施した汚染水の海洋放出を強行しようとしている。

政府や東京電力は汚染水を多核種除去設備(ALPS)で処理しており、海洋放出される処理水にはトリチウム以外は含まれていないので安全だとする。

また、トリチウムは海外の原発、国内の原発でも海洋放出しているので安全だとしている。

しかし、通常の原発から放出される排水とメルトダウンを起こした福島原発から放出されるALPS処理水は異なる。

実はALPS処理で除去できないのはトリチウムだけでない。

セシウム137、セシウム135、ストロンチウム90、ヨウ素131、ヨウ素129など12の核種の除去ができない。

ALPSで処理できない核種のうち11核種は通常の原発排水に含まれない。

福島原発ではメルトダウンした核燃料デブリに触れた放射能汚染水が発生している。

つまり、福島処理水は通常の原発排水とはまったく異なる。

2018年にはALPSで処理した水からセシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素131など、トリチウム以外の放射性核種が検出限界値を超えて発見された。

IAEA(国際原子力機関)が7月4日、福島の放射能汚染水処理に関する包括報告書を発表し、日本による放射能汚染水海洋放出計画が全体的に「国際的な安全基準に合致する」との見解を示したが眉唾ものだ。

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IAEAが日本から献金を受け取り、包括報告書の草案を事前に日本政府に提供し、日本政府が修正意見を提出して報告書の結論に不当な影響を与えたとの告発も行われている。

真偽は定かでないが、国際機関であるからと無条件に信用するわけにはいかない。

日本にも原子力規制委員会があり、裁判所は原発に関する訴訟を「高度専門技術訴訟」、「複雑困難訴訟」として専門機関の判断を尊重する判例を示すが、その「専門機関」がいかがわしい。

「専門機関」は政府の意向を受けた政府に帰属する機関に過ぎず、その政府専門機関が政府の意向に沿う判断を示すことは明白だからだ。

日本の原発訴訟では原発の安全性が検討されねばならないが、裁判所は政府機関の判断を追認するだけの存在に堕している。

安全性を真摯に考察するなら容認できない原発稼働を、政府専門機関の判断を根拠に容認してしまう。

法と正義に基づいて判断するのではなく、政治権力の顔色を窺って判断しているに過ぎない。

IAEAは原子力利用を推進する機関に過ぎず、中立公正な判断を示す機関ではない。

京都大学原子炉実験所助教を務めた小出裕章氏は

「福島第一原発の汚染水問題は日本の原子力の死命を決する問題だ」

と指摘されている。

ストロンチウムの海洋放出を容認するのかどうかが、今後の日本の原子力政策に決定的な影響を及ぼすと指摘する。

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福島原発には炉心から取り終えた核燃料が250トンある。

フクシマ原発事故がなかったなら、国と東電はその使用済み核燃料を青森県六ヶ所村での再処理に回していた。

六ヶ所村の再処理施設はトリチウムを海に流すという条件で認可されている。

トリチウムの海洋放出が認められないと再処理工場を動かすことはできない。

日本の核燃料サイクル政策の中核は六ヶ所村に集中している。

使用済み核燃料を化学処理してウランとプルトニウムを取り出す「再処理工場」

と、

それらを混ぜて燃料にする「MOX燃料工場」

が中核。

六ヶ所村再処理工場の敷地内に各地の原発から持ち込まれた使用済み燃料が3000トンある。

使用済み燃料は全国の原発に約1万6000トンある。

その処理を担うのが電力会社などの出資で設立された日本原燃(六ケ所村)。

しかし、1993年の着工から30年経過したいまも稼働していない。

これを稼働させることがフクシマのトリチウム海洋放出の本当の狙いなのだ。

トリチウムで汚染された水を海に流すことを国と東電が強行しようとしているが、これはやってはならないこと。

取り返しのつかない罪を犯そうとしている。

日本の主権者はこれを傍観するだけでよいのか。

日本は人類史の岐路を定めようとしている。

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