「正義は勝つ!」こともある
6月14日の「そうだ、選挙に行こう!政策連合大集会」
非常に意義深い集会だったのでぜひ動画をご高覧賜りたい。
東京大学の鈴木宣弘教授は体調不良のため動画での登壇になった。
演題は「農業消滅」
現在起こりつつある食料、農業、命を守ることに対する危機の高まりについて講演された。
以下に講演内容を紹介させていただく。
日本の食料自給率。
カロリーベースで日本の食料自給率は38%とされるが実態はもっと低い。
野菜の自給率は8割と言われるが種子は9割が海外で採種されたもの。
その種子の供給が止まれば自給率は8%になる。
化学肥料はほとんどを輸入に依存している。
この供給が止まれば収量は半減する。
こうなれば野菜の自給率は4%にまで落ちる。
国際物流が不安定であることはコロナ禍の世界で実証済み。
中国の食糧需要が増大すれば中国は日本に食料を供給しなくなるかも知れない。
ロシア・ベラルーシは敵国日本に肥料を供給していない。
インドは世界の食糧事情悪化を踏まえて国内供給を優先して輸出を抑止する方針を示すが、これに倣う国が30ヵ国にまで膨らんでいる。
現状を踏まえれば、いまやるべきことは、日本の農業、酪農、畜産の人々と一体になって国民の命を守る食料をどうやって国内で確保するのかを考えること。
したがって、いかに食糧自給率を高めるかという議論が活発になっていなければおかしいが、現実はまったく違う。
いざというときに自給率を上げればよく、それはサツマイモだという議論がある。
全国の学校、ゴルフ場、道路に土を盛り、サツマイモを育て、3年間を3食サツマイモで凌ぐという話が出ている。
そうではなく、農業、酪農、畜産を守り、国民の命を守る方策が必要。
ところが、いまSDGsがらみの議論で田んぼのメタンガスや牛のゲップが温暖化の原因などという話が出ている。
田んぼは1000年も前からあるし、牛もそれより前からゲップしている。
工業化した畜産や肥料を使い過ぎる農業の見直しは必要だが、いまあるものをすべて棄てるというのは極論。
あげくの果てにコオロギ・培養肉・人工肉・人工卵が出てくるのは狂気の沙汰。
農業を消滅させてコオロギ食べようではなく、農業、酪農、畜産を守ることが最重要。
農業・酪農・畜産は肥料が2倍、餌が2倍、燃料が4倍に値上がりして赤字に苦しみ、どんどん潰れている。
世界では農民のデモも起きているし、オランダでは農民市民党が選挙で第一党になった。
有事法制で有事にサツマイモ生産を強要する提案も見られるが、いまのままでは、その前に農家は消滅してしまう。
こんななか、防衛予算をいきなり43兆円にするなどという話が出ているが、他国は、まず食料を自給して、その上で経済制裁などの話をしている。
日本が金魚の糞のように出ていっても、その前に国民が餓死してしまう。
国民の命を守る食料を確保もせずに敵を攻撃するなどという議論も異常としか言いようがない。
いま必要なことは、農業・酪農・畜産の人々と市民が一体になり、生産者・消費者の区別をなくし、耕作放棄地をなくし、安全・安心な食料を国内で安定的に確保する方策を考えること。
ローカル自給圏、コミュニティー、ネットワークを作ることが重要だ。
武器には5年で43兆円もの予算をつけた。
太陽光買い取り費用だけで4.2兆円も用意した。
この金額でも農水予算の2倍。
1970年の農水予算は1兆円で防衛予算の2倍だったが農水予算はいまだに2兆円で実質的にどんどん減らされている。
米国は軍事・エネルギー・食料が国家存立の3本柱と言っているが、そのなかでも命を守る食料が根源ではないか。
米国は占領政策の延長線上で日本人に米国の余剰生産物を食べさせ、貿易自由化で食料自給率を低下させ、食の安全をも脅かしている。
いまこそこの流れを打破しなければならない。
「正義は勝つ」
こともあることを知って力を合わせよう。
鈴木教授から日本の根源問題に対する真正面からの提言が示された。
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