地上の潜水艇「タイタン」
英豪華客船タイタニック号の残骸を見るツアー中に潜水艇「タイタン」が損壊した。
「タイタン」に搭乗していた5名が死亡したと報じられている。
ツアー運営会社オーシャンゲートの最高経営責任者(CEO)でタイタンを操縦していたストックトン・ラッシュ氏も死亡したことが伝えられているが、同氏がタイタンの設計仕様に関して第三者機関の認証手続きをしていなかったと指摘されている。
また、タイタンの材質にカーボンファイバー(炭素繊維)が使われていたことを問題視する指摘もある。
タイタンの設計やメンテナンスを巡っては多くの専門家が危険性を訴えていたことが明らかにされている。
6月14日の「そうだ、選挙に行こう!政策連合大集会」
で
「私が原発を止めた理由」
の演題で樋口英明元福井地方裁判所裁判長が講演された。
3.11まで原発は絶対安全だとされていた。
しかし、3.11の前に、原発は危ない、原発はいつか重大な事故を引き起こすと主張していた人々がいた。
3.11が起こり、どちらが誠実で賢い人か、どちらが不誠実で愚かな人かが明らかになった。
岸田首相は自分の考えがなく、「人の話を聞く」ことを中心に置いているようだが、岸田氏が「聞く力」を発揮する対象は「不誠実で愚かな人」ということになる。
岸田首相はフクシマ原発事故を経験しながら、原発稼働全面推進の方針を決定した。
日本国民にとって極めて深刻な事態。
樋口英明氏は原発の使用年限を延長したことについても批判した。
岸田首相は老朽化した原発の使用を認めた。
岸田首相は運転を止めている原発の停止期間を耐用年数から除外することを決めたが、使用していなくても設備は老朽化する。
人間も仕事をせずにぼーっとしているだけで老朽化する。
機械が老朽化しないわけがない。
「タイタン」で指摘されているのは深海の強い圧力を受けてタイタンの船体に金属疲労が発生していた可能性。
調査のために潜水艇で33回もタイタニック号を訪れた経験のある米映画「タイタニック」(1997年)のジェームズ・キャメロン監督は、潜水艇の船体の内側にセンサーが設置されており、亀裂が入り始めた時に警告を発したはずだと語っている。
神戸大海洋政策科学部教授の若林伸和氏は金属疲労の可能性を指摘する。
潜水艇はこれまで海底3800メートルまでの往復を繰り返してきた。
船体は380気圧を受け、硬い金属でも海底では縮む。
海面に浮上すれば元に戻って膨らむ。
これが金属疲労になり、強度が極端に落ちる部分が発生する可能性がある。
船体の強度が落ちて金属などの構造体が圧力に耐えられなくなって爆縮(全方向からの圧力で押しつぶされる破壊現象)した可能性を指摘する。
「タイタン」損壊からの類推で想いをいたす最重要の対象は原発だ。
岸田首相は原発の使用年限延長を決めた。
多くの原発は設計時、耐用年数を40年間と想定して造られている。
ところが、岸田内閣は既存原発の「60年超」運転を事実上可能にした。
5月31日の参院本会議で「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」を自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決。
同法が成立した。
3.11を踏まえて定められた「原則40年、最長60年」安全規制を撤廃。
3.11を踏まえて原発の使用を厳しく規制するなら理解できる。
しかし現実は真逆。
「歴史に学ばぬ者は歴史を繰り返す」
と言われる。
3.11の教訓を12年しか経たぬ間に踏みにじった。
そもそも日本の原発は十分な安全性を確保していない。
そして、日本は原発の立地にもっとも不適格な世界最大の地震国。
樋口英明氏が大飯原発運転差止命令を発したのは大飯原発の耐震性能が不足していることが主因だった。
原発稼働を推進すれば陸の上でタイタンの悲劇が引き起こされるだろう。
タイタンの犠牲者は契約書に署名した5名の搭乗者だったが、原発が事故を引き起こして犠牲になるのは無数の一般市民である。
原発の使用年限延長は許されない。
『千載一遇の金融大波乱
2023年 金利・為替・株価を透視する』
(ビジネス社、1760円(消費税込み))
https://amzn.to/3YDarfx
『日本経済の黒い霧
ウクライナ戦乱と資源価格インフレ
修羅場を迎える国際金融市場』
(ビジネス社、1870円(消費税込み))
https://amzn.to/3tI34WK
をぜひご高覧ください。
Amazonでの評価もぜひお願いいたします。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
のご購読もよろしくお願いいたします。
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第3526号
「裁判所が原発稼働を認めるわけ」
でご購読下さい。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、support@foomii.co.jpまでお願い申し上げます。
価格:1,870円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,650円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,650円 通常配送無料
出版社:株式会社コスミック出版
amazonで詳細を確認する
価格:994円 通常配送無料
出版社:詩想社
amazonで詳細を確認する
価格:907円 通常配送無料
出版社:発行:祥伝社
amazonで詳細を確認する
価格:1,620円 通常配送無料
あなたの資産が倍になる 金融動乱に打ち勝つ「常勝投資術」~(TRI REPORT CY2018)
価格:1,620円 通常配送無料
価格:994円 通常配送無料
出版社:発行詩想社 発売星雲社
amazonで詳細を確認する
価格:1,620円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,512円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)
価格:1,728円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,728円 通常配送無料
出版社:星雲社
amazonで詳細を確認する
« 解散でなく内閣総辞職が有力 | トップページ | 猿之助氏とガーシー氏の相違点 »
「政策連合(平和と共生)=ガーベラ革命」カテゴリの記事
- 衰退する日本政治を立て直す(2024.09.05)
- 総選挙に向けての国会イベント(2024.08.21)
- 9/4PM3ガーベラの風国会イベント(2024.08.17)
- 二つの日本政治根本課題(2024.06.26)
- 御用コメンテーター参上(2024.05.07)