核兵器有用性訴える広島サミット
戦争を推進するサミットを岸田首相が主導している。
5月19日に広島サミットが開幕した。
G7首脳は5月19日に広島の原爆資料館を訪問。
しかし、訪問の内容は非公表。
矛盾に満ち溢れている。
1945年8月6日。
米国は広島に世界で初めて原爆を投下した。
たった1発の原爆はこの年の年末までに14万人の広島市民の命を奪った。
米軍による大規模民間人虐殺である。
明らかな戦争犯罪。
しかし、米国は日本に対して謝罪していない。
原爆資料館を訪問した米国のバイデン大統領が何を語ったのかも明らかにされていない。
世界で広がるムーブメントは核兵器廃絶。
核兵器禁止条約は2017年7月7日に国際連合総会で採択され、2021年1月22日に発効した。
核兵器禁止条約は核兵器を包括的に法的禁止とする初めての国際条約。
現時点での署名国は92、締約国は68である。
G7は1ヵ国もこの条約に署名、批准していない。
各国首脳は広島で原爆資料館を閲覧し、原爆ドームを前に献花したが、どのような見解で閲覧、献花したかが明らかにされていない。
岸田首相が広島でのサミット開催を主張した理由は何だったのか。
出身地に錦を飾ることが目的だったのだろう。
サミット開催で内閣支持率を上昇させ、衆院解散・総選挙に挑むことが目論まれていると見られる。
広島でのサミット開催を単に政治利用することだけが目的であるように思われる。
核軍縮に焦点をあてたG7初の独立首脳文書「広島ビジョン」発出が予定されている。
その文章に
「我々の安全保障政策は、核兵器は、それが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、並びに戦争及び威圧を防止すべきとの理解に基づいている。」
との文言が明記される。
「核兵器は役に立つ兵器」
という主張だ。
広島でサミットを開き、核廃絶を各国首脳が誓うなら意味がある。
しかし、現実は真逆。
「核兵器は役立つ兵器」
とアピールする。
米国が日本で原爆を投下したのは広島だけでない。
1945年8月9日には長崎にも原爆を投下した。
長崎でも、この年の年末までに7万4千人の命が消し去られた。
2017年8月9日に長崎市の平和公園で開かれた平和祈念式典で田上富久長崎市長は平和宣言を読み上げた。
田上市長は2017年7月の国連での核兵器禁止条約採択を
「被爆者が長年積み重ねてきた努力がようやく形になった瞬間だった」
と讃えたが、条約に対する日本政府の対応について、
「条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できない」
と批判した。
G7では米国、英国、フランスが核保有国。
ドイツとイタリアは核共有国。
核廃絶を訴えるのが日本の責務。
ところが、日本政府は核兵器禁止条約に背を向けている。
「核兵器は役に立つ兵器」として核兵器保有を高く評価している。
米国はいまなお日本での2発の原爆投下を正当化している。
そして、このサミットにウクライナのゼレンスキー大統領が参加することが公表された。
ゼレンスキーを会議に参加させ、戦争推進を宣言する。
核兵器推進、戦争推進のG7は開催する意味がない。
G7廃絶運動を展開する必要が生じている。
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