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2023年5月10日 (水)

人権後進国象徴する入管法改悪

サミットを目前に控え「恥ずかしい日本」が鮮明だ。

ルース・ベネディクトは『菊と刀』で日本は「恥の文化」と看破した。

「恥」とは世間から笑われること。

日本人が忌み嫌うのは「恥」。

「罪」ではない。

外からの目を最重視する。

「罪」を重視するのは内面の目を重視する結果。

対面を失うことを日本人は嫌う。

ベネディクト氏の指摘が正鵠を射るものかどうか。

賛否は分かれるだろう。

だが、「恥」を何よりも嫌うという指摘は現実に適合している面が強いと感じられる。

日本はコロナを2類相当に留めおいた。

マスク着用も半強制してきた。

ところが世界の潮流はとうの昔に激変していた。

コロナの毒性がインフルエンザ並みであることが判明し、諸外国はコロナの取り扱いを変えた。

ワクチンへの対応も激変した。

ワクチンの有効性が実証データによって否定されてきた。

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ワクチン接種しても感染するし感染させる。

ワクチン接種を受けた人がコロナ感染すると免疫暴走が生じ易くなるとの専門家見解も示されてきた。

それでも日本はこの5月までワクチンパスポート制度に固執した。

世界のなかで米国と日本だけが反知性主義対応を続けた。

サミットでマスク強要の姿を世界に晒すことは「恥」だと岸田首相が考えたのだろう。

サミットに合わせてようやくマスク強制が排除された。

ワクチンパスポート制度もやっと廃止を決定した。

サミットが日本開催でなかったならマスクもワクチンパスポートも継続されていたと思うと背筋が寒くなる。

G7のなかでLGBTQへの権利保障の法制を持たないのは日本だけ。

サミット開催までの法整備は実現しない。

他方、入管法改悪を強行しようとしている。

サミットで日本の人権後進国ぶりがクローズアップされる。

「恥の文化」なら「恥の文化」らしく、「恥」になることをこの機会に改めてはどうか。

「恥」を晒すことをいとわないほど人権尊重を嫌うのか。

LGBTQなど性的少数者の人権を守る法整備について法案を国会に提出する方針が示されている。

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しかし、その内容は不十分極まりないもの。

サミットに合わせて国会に提出したというアリバイを作ることが主目的と見られる。

法案は提出される見込みだが、自民党執行部は「性自認」を「性同一性」に、「差別は許されない」を「不当な差別はあってはならない」に修正した法案を提出する方針を示している。

もともと「換骨奪胎」だったが、さらに骨抜きにされる。

岸田首相はサミットに向け、日本の後進性をなんとか糊塗しようと躍起だが、実効性のない見かけだけの法律を制定しても意味はない。

自民党は憲法改定案で、基本的人権について

「現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたもの」

と明記した第97条を条文ごと完全削除した。

基本的人権について自民党改憲案は

「公益及び公の秩序に反しない」

範囲内でしか認めないことを明記している。

大日本帝国憲法が「法律ノ範囲内」でしか「言論著作印行集会及結社ノ自由」を認めなかったのと酷似する改憲案を示している。

大日本帝国憲法の「法律ノ範囲内」にある「法律」が「治安維持法」であり、法律違反に対する刑罰として「死刑」が最高刑として規定された。

治安維持法違反で死刑に処された国民は多数に及んでいる。

岸田内閣がこの国会で制定を強行するのが「入管法」。

移民の人権を担当する国連の特別報告者は入管法改定案に対して懸念を表明する書簡を送付している。

人権後進国を象徴する法改定。

日本人が本当に「恥」を重視するなら、この愚行を止めるべきだ。

日本人が「恥」以上に「罪」を嫌うなら、なおさら、この法改悪を見過ごすべきでない。

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