6月解散7月総選挙可能性が拡大
4月9日、23日に実施された統一地方選と衆参両院議員補選。
現在の政治勢力の現状を如実に反映するものになった。
状況は、維新の躍進、立民の凋落、自民の健闘。
3月9日付メルマガ記事にサミット開催後の衆院解散・総選挙の可能性を記述した。
今回の選挙結果を受けて岸田首相が衆院解散・総選挙に突き進む可能性が高いと考える。
6月解散、7月総選挙が現実化する可能性が高い。
衆参両院議員補選では自民党が圧勝したわけではない。
薄氷の勝利と表現できる。
維新は躍進し、和歌山では自民が議席を獲得できなかった。
岸田首相が解散・総選挙に踏み切れるのかを疑問視する見解もあるが、以下の三点から、本夏総選挙挙行の可能性が高いと判断する。
第一は、岸田首相が自民党総裁続投を確実にするには、来年9月の自民党総裁任期満了前に総選挙を実施して実績を示す必要があると岸田氏が判断していると思われること。
第二は、その時間的視野で考察したとき、広島サミット閉幕直後が最も有利なタイミングであると判断される可能性が高いこと。
第三は、軍事費増大等の政府支出拡大方針が示されるなか、本年末には財源策として増税を検討する可能性が高く、その前に総選挙を実施してしまうことが国民負担増大決定に好都合であること。
第二のタイミングの観点からは、野党の総選挙体制が整っていないタイミングを狙うことも重要視されると考えられる。
これらの要因から、岸田首相は広島サミット後の解散・総選挙を実行に移す可能性が高い。
しかし、自民党の選挙情勢が盤石とは言えない。
4月23日衆参補選結果は以下の通り。
参院大分選挙区
白坂亜紀(自民) 196122
吉田忠智(立民) 195781
341票差で白坂氏勝利。
投票率 42.48%
山口2区
岸信千代(自民) 61369
平岡秀夫(無所属)55601
5768票差で岸氏勝利
投票率 42.41%
和歌山1区
林 佑美(維新) 61720
門 博文(自民) 55657
6063票差で林氏勝利
投票率 44.11%
山口4区
吉田真次(自民) 51961
有田芳生(立民) 25595
投票率 34.71%
千葉5区
英利アルフィア(自民) 50578
矢崎堅太郎(立民) 45635
岡野純子(国民) 24842
斉藤和子(共産) 12360
投票率 38.25%
和歌山での敗北、千葉での薄氷の勝利、山口2区での接戦は自民党支持の揺らぎを示している。
だが、事態がより深刻なのは立憲民主党だ
大分選挙区は立民議員の知事選出馬に伴う補選、千葉5区は自民議員の不祥事による辞職に伴う補選。
本来は立民が完全勝利を得なければならなかった選挙。
ところが、大分では341票の僅差で議席を失った。
千葉5区では野党候補が乱立して議席を獲得できなかった。
千葉5区で立民と国民の得票合計は70477、立民と共産の得票合計は57995。
立民が国民または共産と共闘を構築していれば勝利できていた計算になる。
立民の凋落は2021年10月衆院総選挙から始動し、歯止めがかかっていない。
21年総選挙惨敗の主因は枝野幸男代表が野党共闘を否定したこと。
ここから、野党共闘支持の主権者が立民支持から離脱した。
泉健太氏は野党共闘路線否定を強化して22年参院選でさらに大惨敗を演じた。
この路線が変更されていない。
大分で野党共闘が辛うじて構築されたが、内部に疑心暗鬼が渦巻いている。
千葉では立民が共闘の図式すら示せなかった。
立民の岡田克也幹事長は責任逃れ発言を示し、幹事長に居座る姿勢を示しているが、その延長線上にあるのは立憲民主党崩壊だ。
まずは、泉健太氏、岡田克也氏が責任を明らかにして辞任することが必要不可欠。
結果に対する責任を明らかにできないことが党勢衰退の主因になっていることを認識できない状況は末期的。
立民凋落が総選挙断行を後押しする主因になる。
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