維新躍進立民凋落自民健闘の持続
今後の政局に重大な影響を与える4月23日の衆参両院議員補欠選挙結果が明らかになりつつある。
山口4区は事前の情勢調査通り、安倍晋三氏後継の自民候補が当選を確実にした。
山口2区では元法務大臣の平岡秀夫氏が岸信夫前議員の子息と一騎討ちの戦いを演じたが、組織票に勝る岸氏が当選を得た。
平岡氏は自民盤石の選挙区で接戦に持ち込んだが一歩及ばなかった。
和歌山1区では辞任して知事に転じた国民民主の岸本周平氏が自民党候補の支援に回った。
自民党は元衆議院議員を擁立したが維新の新人候補に敗北した。
維新は4月8日の統一地方選前半戦で大阪ダブル選に勝利。
奈良県では知事職を自民から奪った。
その勢いを維持して和歌山1区で事実上の自民党との一騎討ちを制した。
維新の勢いが増勢を演じている。
参議院大分全県区は自民候補と立民候補が大接戦を演じている。
千葉5区では自民、立民以外に、維新、共産等が候補を擁立。
激しい接戦を演じている。
参院大分選挙区、衆院千葉5区で自民が勝利を収める場合、岸田首相は広島サミット後の衆院解散・総選挙に突き進む可能性が高い。
今後の政治日程を睨むと、このタイミングで総選挙に打って出ることが有利と岸田首相が判断する可能性が高い。
選挙結果を貫く傾向は最近の情勢と変わらない。
維新が躍進、立民が退潮、自民が現状維持である。
岸田内閣は政権終焉の危機に瀕していた。
安倍元首相国葬実施を独断専横で決定して以来、岸田内閣支持率が急落した。
その後、旧統一協会問題が拡大し、岸田内閣の対応への批判が強まった。
ところが、この局面で野党第一党の立憲民主党の凋落が進行した。
旧民進党が国民民主と立憲民主に分離、分裂した際、ゆ党勢力が国民民主に、野党勢力=改革勢力が立憲民主に分離・分裂したと主権者は捉えた。
野党共闘路線を牽引する主役として立憲民主党に対する期待が高まった。
この期待から立憲民主党が野党第一党に躍進したのである。
ところが、その立憲民主党が右旋回した。
2021年10月衆院総選挙に際して、立憲民主党代表の枝野幸男氏が野党共闘を否定。
共闘する対象は国民民主党と連合であると宣言した。
共産、れいわ、社民は共闘の対象でないとした。
この「転向」によって野党共闘が崩壊した。
野党共闘崩壊と連動して生じたのは立憲民主党の崩壊である。
立憲民主の枝野代表は総選挙惨敗の責任を取って代表を辞任したが、後継代表に就任した泉健太氏は野党共闘否定路線を一段と強固に推進した。
その結果、2022年7月参院選で立憲民主党はさらに深刻な惨敗を喫した。
しかし、泉健太氏は責任を取らなかった。
それどころか、立憲民主党は維新にすり寄る対応を示した。
維新を支持する者は増加傾向にあるが、こうもりの如く、路線を迷走する立憲民主を支持する者は減少の一途を辿っている。
今回衆参補選で鮮明になっているのは、立憲民主の不人気である。
立民凋落の裏返し現象が岸田内閣の支持率改善なのだ。
この潮流のなかで次期衆院総選挙が実施されるなら、維新躍進、立民凋落、自民健闘の結果が生じることになるだろう。
現在の自公政治に対峙する勢力の弱体化が進行することになる。
千葉5区では共産党の元議員も出馬した。
立憲民主と共産党が強固な共闘体制を構築すれば千葉5区の勝利を容易に獲得できたと考えられる。
山口2区でも共産党を含む野党共闘が強固に構築されたなら選挙結果を覆すことができただろう。
大分選挙区も強固な野党共闘が構築されていれば、大接戦でなく自民候補を打破できたはずだ。
立憲民主内に明確な路線相違が存在するなら、その矛盾を解消することが先決だ。
次期衆院総選挙が目前に迫っている可能性がある。
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