« 日銀サプライズ人事の評価 | トップページ | 国会論戦が超低調である理由 »

2023年2月12日 (日)

TPRとKBK

昨日言及したTPRについての事実関係を記述する。

1985年から1987年、私は大蔵省の財政金融研究所で大蔵事務官、大蔵省研究官として勤務した。

その丸2年間、植田和男氏と同室で仕事をした。

定員4名の広くはない研究部別室での勤務。

2年目の研究課題は短期金融市場における日銀の金融政策オペレーションだった。

主任研究官として在籍した植田和男氏と共同研究に携わらせていただいた。

1年目の主要任務は税制改革の経済効果試算。

中曽根内閣が大型間接税導入を検討していた。

税制改革を実施したときにどのような影響が生じるかについての政府試算を担当した。

マクロ計量モデルを作成し、経済効果の分析を行った。

背景に、大型間接税導入に向け、財政金融研究所においてTPRプロジェクトが発足したことがある。

TPRはTaxのPRのこと。

PRと表現すると聞こえが悪くないが、実態は世論操作、世論誘導活動だった。

当時、大蔵省内でKBKという符丁が用いられた。

KBKとは「課税ベースが広い間接税」のこと。

大型間接税を導入する目論見があり、これをKBKと称した。

人気ブログランキングへ

TPRはKBKを導入するための世論操作活動。

財政金融研究所研究部が事務局を担当することになった。

大臣官房企画官がTPR担当に任ぜられた。

当時の大臣官房調査企画課の参事官が黒田東彦氏だった。

私が担当した経済効果試算は研究部の課長補佐を経由して黒田参事官に報告され、大蔵省の見解が取りまとめられた。

私も黒田参事官に何度も説明に伺った。

TPRの主要業務は世論誘導と世論監視。

政界、財界、学界3000人リストが作成された。

大蔵省職員が手分けして約3000人に対する説得工作を実施した。

事務局の財政金融研究所研究部が3000人リスト=電話帳の管理を行った。

B4サイズの電話帳に五十音順の名簿が作成され、各人の列に日付と応接録内容を記載する欄が設けられた。

KBK導入に賛同を得られるまで「説明」が繰り返された。

了承を得られれば当該人物に対する「ご説明」=「説得」は完了する。

賛同を得られなければ一階級上の大蔵省職員が説得に伺う。

網羅的に有識者に対するローラー作戦が展開された。

主要メディア幹部を集めての「説明会」も開催された。

人気ブログランキングへ

築地吉兆なども「ご説明」の場として利用された。

電話帳管理と並行して「TPRウィークーリー」と題する取りまとめも行われた。

新聞、テレビ、雑誌におけるKBK関連の各人発言が精密にチェックされた。

とりわけ重点的な精査が行われたのがKBKに反対意見を提示する者のウォッチである。

KBKに反対する識者をリストアップし、いわゆるブラックリストが作成された。

このときのKBK=大型間接税導入は失敗に終わった。

中曽根首相が総選挙前に「投網をかけるような大型間接税は導入しない」と発言したことが強く影響した。

最大の決定打になったのは「政策構想フォーラム」が発表した売上税導入の影響分析調査結果だった。

民間シンクタンクの「政策構想フォーラム」が所得階層別の影響についての分析結果を公表した。

このとき提示されていたのは売上税を導入し、他方で所得税、法人税を減税するという増減税同額方式だった。

レベニューニュートラル(歳入額不変)の前庭が置かれた。

調査結果は所得階層別に見て中間所得者層以下の階層で負担増になることを示した。

この調査結果を朝日新聞が大きく取り上げ、一気に大型間接税導入に対する反対意見が強まった。

結局、売上税導入は断念に追い込まれた。

『千載一遇の金融大波乱
2023年 金利・為替・株価を透視する』
(ビジネス社、1760円(消費税込み))
516txuu715l_sy291_bo1204203200_ql40_ml2_
https://amzn.to/3YDarfx

『日本経済の黒い霧
ウクライナ戦乱と資源価格インフレ
修羅場を迎える国際金融市場』
(ビジネス社、1870円(消費税込み))
516txuu715l_sy291_bo1204203200_ql40_ml2_
https://amzn.to/3tI34WK

をぜひご高覧ください。

Amazonでの評価もぜひお願いいたします。

人気ブログランキングへ

メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」

https://foomii.com/00050

のご購読もよろしくお願いいたします。

上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。

https://foomii.com/files/information/readfree.html

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第3426
「政府の見解はこうして作られる」

でご購読下さい。


メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.comまでお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

 

価格:1,870円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

 

価格:1,650円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

 

価格:1,650円 通常配送無料

出版社:株式会社コスミック出版
amazonで詳細を確認する

 

価格:994円 通常配送無料

出版社:詩想社
amazonで詳細を確認する

 

価格:907円 通常配送無料

出版社:発行:祥伝社
amazonで詳細を確認する


日本経済を直撃する「複合崩壊」の正体

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:発行:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

あなたの資産が倍になる 金融動乱に打ち勝つ「常勝投資術」~(TRI REPORT CY2018)

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:発行:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

「国富」喪失 (詩想社新書)

価格:994円 通常配送無料

出版社:発行詩想社 発売星雲社
amazonで詳細を確認する

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する


泥沼ニッポンの再生

価格:1,512円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:星雲社
amazonで詳細を確認する

« 日銀サプライズ人事の評価 | トップページ | 国会論戦が超低調である理由 »

消費税減税・廃止」カテゴリの記事

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2024年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ